伝説のスイーパーの弟子がリコリコの世界に行く話   作:Mr.不器用

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前回の投稿から気が付いたら早3か月。申し訳ないです。まぁボチボチやってくのでお願いします


ep 3 Nobody's Perfect 前編

「う、う~ん」

 

 朝、カーテンの隙間からさした朝日で目が覚める。確か昨日は千束からたきなに送る映画を厳選するから手伝ってと言われ夜通しで映画を見させられてたんだった。そして気が付いたら寝ていたと。あー床で寝てたから背中が痛い。ちなみに千束はというとまだソファーでのんきに寝てやがる。

 

「おーい、千束朝だぞ。起きろー」

 

「う~ん。おはよー優君。ってやば!先生が言ってた時間までもうすぐじゃん!」

 

 千束に言われて時計を見ると現在の時刻は7時25分。

 

「マジじゃん。えーっと俺一回帰って準備してくるから千束先行っててくれ」

 

「わかった。じゃあ先行ってるね」

 

 千束の家を出てからすぐに家に戻る。幸いにも俺の家は千束の家から近いので全力で走れば5分もかからない。家に着いたら着替えて準備を整えリコリコに向かう。

 

 店に向かう途中ヨシさんとすれ違ったが時間もなかったので軽く挨拶だけして別れた。

 

「すみません、遅くなりました」

 

「いや、大丈夫だ。千束も今準備してるところだ」

 

 千束の方を見るとどうやら銃の準備をしてたみたいだ。今回の仕事は護衛。護衛対象はハッカーのウォールナット。結構昔から活動している凄腕ハッカーらしい。現状すでに武装集団に追われているらしいが、いったい何をやらかしたんだか。まぁハッカーなら知られてはならない情報を見たなんてことはありそうだな。

 

「そういえばミズキさんは?」

 

「確かに、私も気になる―」

 

「すでに逃走ルートの確保に動いている」

 

「珍しく張り切ってるじゃん」

 

「報酬は相場の3倍で一括払い」

 

 なるほど、報酬が旨いからか。たしかに香さんも報酬がいいと張り切っていたな。師匠が仕事選ぶからなかなかに生活厳しかったから。

 

「敵はプロよりのアマだ。ライフルも確認した気をつけろ」

 

「了解、たきな、優君行こ」

 

♢♢♢♢

 

 最初に向かう場所までは電車での移動だ。そして俺と千束は新幹線の中でお弁当を食べている。今朝家に帰ってから朝ごはんを食べる時間は無かったので家にある残り物を詰めて2人分作ってきた。空腹で力が出なくて護衛失敗して死んじゃいましたはシャレにならんから。

 

「逃走手順は以上です。羽田でゲートをくぐってからミズキさんに交代・・・・って聞いてますか?」

 

「聞いてるよーそれよりたきな優君の手作りお弁当食べる?おいしいよー」

 

「・・・・ひとくちいただきます」

 

「あれ?たきなてっきりご飯食べてるかと思ったから渡さなかったけどお弁当もう一つあるから食べる?」

 

 一応たきなの分も作っておいて正解だったな。

 

「いただきます」

 

「どう?どう?おいしい?」

 

「・・・・おいしいです」

 

「でしょ!優君の作るご飯は美味しんだよね」

 

「なんで千束がそんなに誇ってるんですか?」

 

「分からない?例えると―自分が好きなアイドルが国民的アイドルになったみたいなそんな感じ?」

 

「分からないですね」

 

「えー優君はわかるでしょ」

 

「まぁわからなくはない」

 

「それより次の駅で降りて乗り換えますよ」

 

「えーもう?まだ食べ終わってないよ」

 

「乗り換えたら食べてください」

 

♢♢♢♢

 

 今は電車を降り徒歩で向かっている。

 

「そのハッカさんと合流したらどうやって羽田まで向かうの?」

 

「ほんと何も聞いてないじゃないですか」

 

 たきなから呆れた声が帰ってくる。

 

「もう私が説明するの面倒なので優さんお願いしてもいいですか?」

 

「わかった。千束聞いておけよ」

 

「今度こそ任せて!」

 

 なんでそんなに得意げなのか。ほんとこいつのポジティブさはすごいな。

 

「ミカさんが駐車場に車を用意してくれているからそれで向かう」

 

「はいはーい。千束が運転しまーす!」

 

「私がします」

 

「なんでだよーたきな運転できんのかよー」

 

「なんか千束の運転は怖いからな。たきなのほうが安心できる」

 

「優君まで私をいじめる―」

 

「それよりあの駐車場です」

 

 そして例の車はスーパーカ―のようでそれを見つけると千束はテンションマックスだ。

その千束をどう説得しようか考えていると茂みから車が勢いよく出てきた。

 

「何々!」

 

「早く乗れ!追手が来る」

 

  すぐにドアを開けて中に乗り込みそのまま出発した。ただ、千束はスーパーカーでいけないことにごねていた。

 

「なんで護衛される側がさっそうと車で現れるのよ。普通逆でしょ。あぁースーパーカー」

 

「目立つしこっちの方がいいですよ」

 

「予定と違ってすまない。ウォールナットだ」

 

「はいはい、千束です。私の左にいるのがたきなで右にいるのが優君。なんかイメージしてたハッカさんと違いますね」

 

「やせた眼鏡小僧とでも?だとしたら映画の見過ぎだな」

 

「でも着ぐるみは異常でしょ」

 

「ハッカーは顔を隠したほうが長生きできるんだよ。それよりJKの殺し屋の方が異常だよ。そこにいる彼は違うようだが」

 

「クマのハッカーよりは合理的ですよ」

 

「違うよたきな犬だよ」

 

「いや、どう見てもリスだろ」

 

「それよりどう合理的なんだ?」

 

「つまり日本で一番警戒されない姿だってことですよ」

 

「Jkの制服は都会の迷彩服というわけか。それよりリコリスではない彼は何者なんだ?」

 

「シティーハンターと言えば通じるか」

 

「なるほど。君があのシティーハンターか」

 

「ハッカさん知ってたの?」

 

「ああ、凄腕の掃除屋で殺しから護衛まで何でもできるとか。シティーハンターにも依頼をしようとしたが依頼方法が特殊だったから諦めたんだ。だがまさかシティーハンターがいるとは嬉しい誤算だ」

 

 ウォールナットが言った依頼方法が特殊というのは駅にあるとある場所でカメラを起動させると伝言掲示板が出るそこにXYZと依頼を書き込むと俺の方に来るというわけだ。本来なら伝言掲示板を使いたいがこの時代にはもうないからな。それでウォールナットは着ぐるみで姿を隠すほど用心深いそんな人物が駅に来て依頼を書き込むというのは難しいのだろう。

 

「それよりそのスーツケースには何が入ってるんですか?」

 

「僕のすべてだ国外へ行くには身軽な方がいいからな」

 

「それより追手が来ないな」

 

「このまま羽田に向かうの?」

 

「いえ、車を途中で変えるように言われてます。ウォールナットさんここに向かってください」

 

 ウォールナットはたき名が支持する方向に運転していたがここでアクシデントが起こる。

 

「あれ?高速に乗るのでは?」

 

「車を乗っ取られたか」

 

 マジかよ車を乗っ取られるなんてありかよ。

 

「ロボ太か。腕を上げたな」

 

 おいおい、感心してる場合かよ。それよりこの車どんどん加速してるな。このまま行くとこの先にある海に落ちる。

 

「回線の切断を」

 

「いや、制御を取り戻してもすぐに上書きされるだろう」

 

「じゃあどうしたら」

 

「こっちの作業の終わりと同時にネットを物理的に切れれば」

 

「ルーターどこよ」

 

「知らん僕の車じゃない」

 

「じゃあどうする?このまま海に落ちるか?」

 

「どうにかしろシティーハンターだろ」

 

「シティーハンターはスーパーマンじゃないんだが。方法はなくはないがここでは場所が悪いし怪我をする可能性が高い」

 

 俺のやろうとしていた方法は俺が車から飛び降りタイヤを撃ちパンクさせて強制的に止める方法だ。師匠も車を止めるときよくやる方法だがここでやると他の車と衝突する可能性もあるしほかの車がいないとしても何かしらの障害物には当たる。そうなると誰かしらは怪我をする。武装集団がまだいる以上これは得策じゃない。

 

「優さんあれ」

 

「なるほどあれか」

 

 たきなに言われて見てみるとバックミラー越しにドローンが映っていた。おそらくあれを取り除けばいいはずだ。

 

「ウォールナット、窓を開けてくれ。撃ち落とす」

 

「分かった。そうすぐ制御を取り戻せる」

 

 俺は窓から銃だけを出し用意する。

 

「3,2,1」

 

 そのカウントと同時にドローンを撃ち落とす。

 

「なっ、動いているドローンをノールックで。どうやったんですか?」

 

「別にノールックではないよ。しっかりとミラーで見てたからね」

 

「たきな、優君に詳しく聞きたいなら後にして。ひとまず出るよ」

 

 千束の言う通りだ。今車は海に落ちるかどうかといったところだからな。

 

 とりあえず車からは無事に脱出した。そして上を見るとなんともご丁寧に武装集団から来たよーとまるでメッセージのように姿を見せてくれた。

 

「ひとまず移動しようか」

 

♢♢♢♢

 

 おそらく武装集団は俺らがここに入ったことは把握してるだろう。ここに来るのも時間の問題だ。たきなは今ミカさんに電話で状況を報告している。

 

「着いてきてください」

 

 千束が先導し、この場から移動しようとした瞬間、連中が現れ遠慮なく銃をぶっ放してくる。師匠に比べたらこんな連中なんてとるに足らない。奴らの銃に向かって撃ち2人銃を弾き飛ばす。

 

「っく」

 

 たきなはその隙を見て銃を撃ったが連中は武器を弾き飛ばされた瞬間この場から去ろうとしたためたきなの銃弾はかすめるだけとなった。

 

 千束は先に行っていたのでそれを追いかける形でたきなと後を追った。

 

 千束の方に行くと男が一人千束に向けて銃を構えていた。撃ち落とすことはできたがあえてそれはしない。

 

「たきな見てな。千束が最強のリコリスだって言われる理由だよ」

 

 そしてたきなは次の瞬間信じられないものを見たみたいに目を見開いた。

 

「銃弾を避けている?」

 

 たきなの疑問に頷いて答える。

 

 そして千束がほかの敵も制圧していったんは落ち着いた。

 

「じっとしてて、手当てする」

 

「敵の増援が来る前に脱出しましょう」

 

「少し待って」

 

「囲まれますよ。優太さんからもなんとか言ってください」

 

「千束はこうなると聞かないからな」

 

「脱出ルートはまだ敵にマークされてない。今ならまだいける」

 

「たきな、ウォールナットを連れていけ。千束は手当てしている以上今敵が来たら動けない。その間俺が千束を守る。千束の治療が終わったらすぐに向かう」

 

「わかりました」

 

 千束が敵のリーダーと思われる人物と軽く会話しているうちに治療は終わったみたいだ。

 

「千束行くぞ」

 

「うん」

 

「そっちはやめろ。待ち伏せしてるぞ」

 

 それを聞いた瞬間千束は走り出しそれに続いて俺も走り出す。そして俺らが駆け付けたと同時にウォールナットは撃たれて死んだ。

 

「失敗です護衛対象は死亡です」

 

『すぐに緊急車両が到着する。遺体と荷物を回収して現場を離脱しろ』

 

「了解」




結構長くなったので一回ここで切ります。続きは今日中にあげます
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