伝説のスイーパーの弟子がリコリコの世界に行く話 作:Mr.不器用
救急車の中、護衛対象が守れなかったとして二人はかなり落ち込んでいる。
「すみません」
「たきなのせいじゃない」
「さすがにこのお通夜ムードも辛いので早く種明かししてくださいよ」
そういうと目の前で死んでいたはずのウォールナットが起き上がって着ぐるみを脱いだ。
「熱ービール頂戴ー」
「え、え、み、みずき、な、なんで?」
「落ち着け千束」
「せ、先生―」
千束が驚いている瞬間にビールを飲み干したミズキさんがからくりを説明する
「これ防弾ね。派手に血が出るのがみそね。マジクッソ重いけど」
「あのウォールナットさん本人は」
確かに俺はこの仕事のこと全般を聞いていたがウォールナット本人とはまだ会っていない。
「ここだ。追手から逃げきる一番の方法は死んだと思わせることだ。そうすればそれ以上は捜索されない」
そう言いながらスーツケースの中から出てくる
「!?」
駄目だ。わからない。俺はそこからあることを理解するのにそこから先の会話は聞いていなかった。
♢♢♢♢
俺はリコリコに戻ってきたら席を外し、師匠に電話をかけた。数秒もすると師匠が電話に出た。
『どうした何かあったのか?』
「師匠、俺の目の分析力が落ちてしまいました」
『なに!何があったんだ!」
そこから今日の出来事を話した。そして肝心なウォールナットのこと彼女が幼女のような見た目のこと。
『なるほど。まさか優でもわからない人がいるとはな』
「師匠俺はこれからどうしたら」
『わからなかったからと言ってそこで諦めるのか?俺はお前の分析力を信じている。俺の弟子なら不可能を可能にして見せろ。そして今度会った時お前の進化した姿を見せてくれ』
「し、師匠。俺頑張ります!」
どうやらウォールナットは神が与えた試練のようだ。さっきから何を言っているのかわからない人もいると思うので回想シーン。
回想シーン
これはまだ冴羽獠のもとで修行していた時のこと
「優、あの子は」
「年齢22歳、スリーサイズは上から83、56、83」
「ほう。ならあっちの子は?」
「年齢20歳、スリーサイズは93、59、85です」
「よ~しぼくちゃんあっちの子にナンパしてこよーと」
「ビラ配りさぼって何しとんじゃこの馬鹿垂れどもが!」
そして次の瞬間には100tハンマーが飛んできて師匠と一緒に食らう。
「まったく何してるのよ」
「いや、優は見ただけで女性の情報を得ることができるみたいなんだ。その特技を生かしてナンパの相手をきめていたのだよ香君」
「あんたは弟子になんちゅうことをさせとるんじゃ。さっさと次のところに行くわよ」
「わーまってぼくちゃんのもっこり相手が―」
ハンマーを食らい香さんが引きずっていくこれがいつものお約束だ。
回想終了
などと言うことを繰り返していた。ウォールナットは結構前から活動しているハッカーその見た目が幼女で見た瞬間年齢を把握できなかった。ちなみにスリーサイズは把握している。今まで言っていなかったが千束もたきなもなんならミズキさんまで把握している。
千束は仕事柄体型は普通だが出るところはしっかり出ている。たきなは千束と比べるとスレンダーな体型となっている。ミズキさんはシンプルでかい。千束には少し困っていたりする。今朝とか千束かなり薄着だったから息子が起きるのを何とかこらえたりしたものだ。
師匠と電話を追えてリコリコに戻ると今日の出来事やっぱり千束とたきなは納得していないようだった。
「そういえばさー優君は今回のこと知ってたんだよね」
「ん?まぁミカさんからある程度は聞かされていたぞ。あと千束とたきなには言うなとも言われてた」
「なんで優君にだけ教えたのさ」
千束の疑問にミズキさんが答える
「いやさー最初は3人とも内緒にしようかと思ってたんだけど優に教えておかないと普通に解決しちゃいそうだなーって。ちなみに何も教えてなかったら私が撃たれたのに間に合った?」
「あの状況では間に合わないですよ。というか知らされてなかったら千束が治療してるとき残らないで護衛に回ってましたよ。その場合は助けられましたね」
「ほらぁ、こういうことよ。言っておかないとこっちの作戦がすべてパーなんだもん」
「話はそこまでにして甘いものでも食べな」
そう言ってミカさんがお団子を用意してくれた。
「たきなー座敷に座布団だしといて」
「はい」
やることもないのでたきなの手伝いをしようとついていく。たきなが押入れを開けた瞬間ある人物が目に入る
「わ!」
「どうしたのー驚いた声上げてー?」
俺が驚いた声を聴いて千束もやってきた。そして何に驚いたのかもすぐに分かったようだ。
「それで君ここに住むの?」
「お前らの仕事を手伝うのを条件にな。言っておくけど格安なんだからな」
「それより名前はなんていうんだ?」
「ウォール、」
「ちょい待ち、そいつは死んだんでしょ。本当の名前を教えなさい」
「・・・・クルミ」
「日本語にしただけじゃん。でもそっちの方が似合ってるよ。よろしくクルミ」
「よろしく、クルミ。あと俺は君を理解して見せる!」
「?まぁよろしく千束、優」
♢♢♢♢
仕事終わり、家に帰ろうとするとたきなに止められた。
「すみません。優さん聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
「いいよ。でもせっかくだし移動しようか。これヘルメット後ろに乗って」
「わかりました」
俺はたきなをバイクの後ろに乗せて出発した。
「それよりどこに行くんですか?」
「夜景が見える場所。ここから少し行ったところにいいとこがあるんだよ」
バイクで走ること数十分その場所に着いた。
「先に上に行っててくれ飲み物買っていく」
「分かりました」
近くの自販機で温かいココアを二つ購入して上に向かう。
「ほい、たきなココア。この時期はまだ冷えるからね」
「ありがとうございます。いくらでした?」
「いいのいいの俺のおごり」
「でも話を聞いてもらうのに」
「じゃあたきなとの夜景デート記念ということで」
「なんですか、それは。優さんはこの場所によく来るんですか?」
たきなは少し笑いながら答えてくれた。
「仕事終わりによく来るんだよ。たきなもリコリスの仕事やってれば人のいやな部分をいやなほど見るだろ?そんなときここに来るとこの町も捨てたもんじゃないなって思えるんだよ。どう?この場所気に入ったかな?」
「はい。また来たいって思える場所ですね」
「ちなみにさっきのは昔師匠に言われたことなんだよね」
しばらくベンチに腰掛けてたきなと二人で夜景を楽しんだ。それから話を切り出した。
「それで話って言うのは」
「さっき優さんが電話をしているとき、今回の任務千束が敵の命なんか気にしなければあんなミスはなかったと思うんです。今回はたまたまその結果が良かったですけどいつもはそうとは限らない。命大事には限界があると思うんです。優さんはどう思いますか」
「この世に無駄な命なんて存在しない以上命は大切にすべきだ。今回の連中も雇われただけの傭兵。次会った時は敵じゃない可能性もあるからな。助けておいて損はない」
「優さんも千束と同じ意見なんですね」
「いや、俺が千束と同じなら俺は実弾でなくゴム弾を使っている。たきなの言う通り命大事には限界がある。俺は師匠の下で修行していた時何度も心の底から腐ったやつを見てきた。ここで生かしておけば必ずまたほかの人が不幸になる。そんなどうしようもない連中を殺すのが俺ら掃除屋だからな」
「そんなどうしようもない人が現れたら千束は殺すのでしょうか?」
「いや、殺さないな。多分信じて殺さない」
「そうなったときは私が・・・・」
「いや、俺がやる。千束の前でたきなが人を殺したらきっと千束は悲しむからな」
「だったら千束は優さんが殺しても悲しむはずです」
「そうかもな。でも俺はそこで逃がして千束やたきなの身に危険が及ぶ可能性があれば迷わず引き金を引く。たとえ千束に嫌われても」
「優さん・・・・」
「それで俺に聞きたいことは終わり?」
「いえ、もう一つあります。これは単純な興味からなんですけど、優さんは千束に弾を当てることはできますか?」
「実際に戦ったことがないから何とも言えないが正面からなら難しいだろうな」
「優さんでもですか」
「ああ、千束の回避能力はすごいから」
「ありがとうございます。話を聞いてもらって」
「気にしないでくれ。仲間が悩んでいたら助けるのは当然だろ?」
「仲間・・・・ですか」
「もちろん、同じ仕事をしてる以上仲間以外の何者でもないさ」
「でも私は優さんや千束みたいに優れてません」
「そんなことはない。今回の任務はたきなが引っ張っていってくれただろ。俺は今回たまたま居たがいつもいるとは限らない。千束は肝心な時は頼りになるけどそれ以外は知っての通り」
「確かにそれは分かりますね」
「そんな千束を俺でも制御できない時があるからなというかむしろ俺は千束に振り回される側だから。それでもたきなは今回千束の面倒を見てくれてたから」
「そんなのただの御守じゃないですか」
「それが結構大事なんだよ。Nobody's Perfect完璧な人間なんて存在しない。俺も千束も腕に自信があるからそれ故に見落とすこともある。でも慎重で頼りになるたきながいてくれることでそのミスをなくすことができる。欠点を補って支えあってる以上仲間だろ」
「優さん・・・・」
「さ、夜も遅いし帰ろ。家まで送っていくよ」
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