伝説のスイーパーの弟子がリコリコの世界に行く話   作:Mr.不器用

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今月は頑張ります。あと、オリ主君の名前変更して優にしました。


ep.5 DA本部

「閉店ボドゲ会スタート!」

 

 千束の掛け声とともに今夜のボドゲ大会がスタートした。

 

「たきなー締め作業は俺がやっとくから混ざってきなよ」

 

「大丈夫です。レジの締め作業は今終わったんで」

 

「それで参加してく?」

 

「優さんが参加するならします」

 

「よし、俺も参加するから行こうぜ」

 

「分かりました」

 

「二人追加で参加しまーす」

 

「おー早く来な来な」

 

 千束がそう言いながら手招きしてくる。他の常連さんたちも俺らが参加すると聞いてさらに盛り上がってるようだ。

 

 そしてこのボドゲ大会は3時間ほど続いた。

 

「いやー今日も盛り上がりましたなー」

 

「今回も面白かった」

 

「・・・・」

 

「どしたのたきな。さっきから無言で」

 

 俺は千束を手招きして耳打ちする。

 

「今回、たきなの勝率は」

 

「えーっと、ん?あれ?一回も勝ってなくない?」

 

 それに気づいた千束はたきなにちょっかい賭けに行く。

 

「たきな~もしかしてゲーム弱い?」

 

「今日が初めてだっただけです。次は勝ちます」

 

「じゃあ明日も勝負しますか」

 

「明日は定休日ですよ」

 

「じゃあ私の家で3人でしようよ」

 

「千束、健康診断と体力測定は済ませたのか?明日までだぞ」

 

 ミカさんが千束に聞いた。

 

「じゃあ明日は千束いないのか」

 

「えー一人であの山奥まで行きたくないー優君も一緒に行こー」

 

「外部の人間が行ったらダメだろ」

 

「そのことなんだがな。リコリスの指令楠が一度お前と話をしたいそうなんだ。だからお前も行ってくれると助かる」

 

「分かりました。そう言うことでしたら明日俺も千束についていきます」

 

「優君が来るならたきなも行こうよ」

 

「わかりました。私も行きます」

 

 こうして明日3人でリコリスの本部に向かうことになった。

 

♢♢♢♢

 リコリスの本部に着いたがこれはこれは山奥だった。正直千束が行きたがらないのも納得できる。

 

 駅からは車で向かったわけだが道中のセキュリティーはかなりすごかった。

 

「冴羽様はこちらにお越しください」

 

 中に入るなり20代くらいの女性にそう言われた。師匠なら間違いなくここでナンパするな。

 

「分かりました。千束、たきなまた後で」

 

 しばらくその女性についていった後部屋の中に通された。

 

「こうして直接会うのは初めてだな。シティーハンター冴羽優」

 

「そうですね。初めまして、楠さん」

 

「立ち話もなんだ。まずは座ってくれ」

 

「ではお言葉に甘えて」

 

 早速ソファーに座らせてもらったが、このソファーなかなか高級だな。

 

「早速本題に入りますか。俺をここに呼んだ理由は?俺をここで始末するつもりですか?」

 

「そう焦るな。確かに上層部の一部ではお前を始末したほうがいいという意見もあった。だが現に行われていない。それが答えだ」

 

「そう思わせて油断したところをなんてこともありますよね」

 

「疑い深いな。仕事柄そうもなるか。お前の戦闘技術は高く今はおとなしいが牙を向けられたらこちらも無傷ではない。だからそうなる前に始末する。それが一部上層部の意見だ。だが多数派は現状の成果や行動を見てリコリスやリリベルが対処できない問題やまだ発覚していない事件の対処。お前を生かして協力関係を持った方が利益が大きい。そう判断された」

 

「なるほど」

 

「それにここでお前と一戦交えた場合こちらの被害があまりにも大きい」

 

「随分と評価してくれてますね」

 

「それほどまでにお前の業績は大きいということだ。ここで改めて協力関係を結びたい。その対価としてこちらはシティーハンターの支援を惜しまない」

 

 DAその大元の政府から支援を受けられるのは大きい。こちらとしては断る理由はない。

 

「俺からは何を提供すれば」

 

「情報だ。お前は時々我々ですらまだ把握していない事件の対処をするときがある。その情報源が知りたいのだ」

 

「なるほど。情報の共有ではなく情報源の特定ならそれは無理ですね」

 

「ほう、なぜだ」

 

「別に依頼主が秘密というわけではないです。ただ、それを言ってもあなた方は信じない。ただそれだけです」

 

 依頼主が神様だなんて言っても信じないだろ。千束とたきなは信じてくれそうだけど。

 

「なるほど。その人物がこちら側に協力してくれることはあるか?」

 

「ない、それだけは断言できます。そもそもあなた方は連絡を取る手段がない。でも、目的は犯罪の減少。あなた方と理念は同じなので安心してください」

 

 神様はあくまで増えすぎた犯罪の対処を俺のスマホを通じて依頼してくる。リコリスにどんな任務があるか知らないが政府がらみの事件については対処できない。

 

「理念は同じか。そいつは我々の先を行く情報を持っている。上層部ではお前より情報屋の方に対し危機感を持っている。私も同じだ」

 

「なるほど、あなた方は俺に情報を渡している人がDAに不利を働くことを懸念してるんですね」

 

「そうだ。話が早くて助かる」

 

「はっきり言いましょう。俺に情報を渡してくれる人はあらゆる情報を持っています。ただその人は俺にしか情報を渡すことができません。だからあなた方が懸念してることは起こりません」

 

「それを信じろと?」

 

「協力関係を結ぶなら理屈云々の前に相手を信頼するかどうか。あなた方が俺を信じられないならこの協力関係はなしでお願いします」

 

 そもそもこの件に関しては信用してもらうほかない。理屈では説明できないのだから。

 

「愚門だったな。確かに協力関係においては信頼が最も大切だ。ひとまずはお前が信頼をおいているものをこちらも信じるとしよう」

 

 そう言いながら楠さんは立ち上がり手を伸ばしてきた。

 

「では、これからよろしくお願いします」

 

 俺もそれに応える形で立ち上がり握手をした。

 

「ああ、よろしく頼む。千束が健康診断を終えるまで施設の中を探索するといい」

 

「ではお言葉に甘えて」

 

♢♢♢♢

 

 施設を探索する許可をもらったのでいろいろ見て回ったがさすがといったところか。娯楽施設はほとんどなく、トレーニングルームが充実していた。あとは実際に行ってないが射撃場とかも設備されてるらしい。

 

「!?」

 

 探索していると俺の足を止める場所があった。

 

 更衣室 その3文字で書かれた扉の奥では今もなお着替えが行われている。

 

 ここはリコリスの本部。そんなことをすれば比喩ではなく文字通りハチの巣にされるが更衣室を目の前にして立ち去ったら師匠に合わせる顔がない。だが堂々と行くこともできない。

 

 そこで俺と師匠が苦労の末開発した超小型ドローン。ドローンをいつも持ち歩くわけにもいかないので簡単に作れてなおコンパクトなドローンそれをコンセプトに作ったのだ。そのキットは靴に常備しており小型のため集中して取り組まないといけないがもう慣れたもので5分もあればできる。

 

 よしでは早速取り掛かろう。

 

「あれ優君?何してるの?」

 

「!?な、なんだ千束か」

 

 声は出さなかったが結構驚いた。それにしてもタイミングが悪いな。

 

「どしたの?そんな驚いて。もしかして優君結構ビビりだったり?」

 

「ま、まぁそんなとこだ。それより千束は終わったのか?」

 

「おかげさまで」

 

「おい、千束こいつは何なんだ。更衣室の前にいたってことは覗きでもしようとしてたんじゃないのか」

 

 こいつ、鋭い。

 

「ちょっとフキ。言いがかりは止めてよね。優君がそんなことするわけないじゃん」

 

 う、心がいたくなる。

 

「どうだかな」

 

「だって優君は千束にメロメロだからね。私以外の女の子なんてどうでもいいはずだよね~」

 

 なんだろうか、圧を感じる。とてもすごい圧だ。ここまでの圧は初めて師匠と対峙した時を彷彿とさせられる。

 

「あ、ああ。誤解させてしまったら申し訳ない。歩いてたらたら靴ひもがほどけてることに気が付いて結びなおしてたんだ」

 

「そうか。こっちこそ誤解して悪かった」

 

「じゃあ優君ちょっと待ててすぐ着替えてくるから。そしたらここ案内してあげるね」

 

「正直広すぎて迷ってたんだ。助かる」

 

「あ、そういえばたきな射撃場にいるはずだから先そっち行ってていいよ」

 

「射撃場の場所は?」

 

「すぐそこだからわかると思うよ」

 

「了解ー」

 

 射撃場に向かうとたきなともう一人のリコリスがどうやらもめてるようだった。それもどうやらたきなの対立違反をめぐってのことらしい。

 

「おいおい、うちのたきなちゃんいじめないでくれるか」

 

「誰っすか?」

 

「冴羽優、たきなの今の同僚といったとこだ」

 

「同僚っすか。怖くないんです?仲間に向けて銃乱射したらしいじゃないですか。そんなやつに背中預けて大丈夫なんです?」

 

 こいつ、完全に煽りに来てやがる。

 

「ちょっと、何してるのさ」

 

 そして着替え終わった千束がようやく来た。さっきの人とあと楠さんも一緒にいた。

 

「ようやく来たか千束。いやな、たきながいじめられてたから」

 

「おうおう、うちのたきないじめんなよ」

 

「そうだそうだーたきないじめんなー」

 

「今度は誰ですか?」

 

「そいつが千束だ」

 

「へ―これが電波塔の」

 

 たきなは楠さんを見ると一目差に向かっていった。

 

「指令、私はいつごろDAに戻れますか」

 

「ほう、てっきり今すぐ戻してくれというものだと思っていたのだがな」

 

「今はまだ彼から学ぶことが多いので。ただいつごろもどれるのかはお伺いしたくて」

 

「そんな予定は今のところない」

 

「でも、成果を上げれば復帰できるって」

 

「おいおい、たきなあの時ぶん殴られて理解したと思ったができてないなら言葉で言ってやる。お前はDAに必要ないんだよ」

 

「・・・・」

 

「お前はこの処分を停職だと勘違いしてるようだが実際はクビだ。わかったか」

 

「やめろフキ!」

 

 確かにたきなは今すぐに戻りたいとは言ってなかった。俺から学べることはあるって言って。だがそれはのちにDAに戻って任務をこなすため、停職は受け入れられてもクビというのは話が変わってくる。

 

「納得できないか?なら今から模擬戦でぶちのめしてやろうか」

 

「おうおうおう、いいじゃん。たきなやろうやろう」

 

「・・・・」

 

 駄目だな相当応えてるみたいだ。

 

 そう思った矢先、たきなは走ってこの部屋を出て行ってしまった。

 

「ちょ、たきな!優君行くよ」

 

「もちろん」

 

♢♢♢♢

 

「ここだと思った。リコリスはみんなここ好きだもんね」

 

「確かにいい場所だな。ここは」

 

 たきなが心配でついてきてしまったが、俺は来る必要なかったな。俺はリコリスじゃないからたきなの苦痛を真に理解してやれない。ここは無責任かもしれないが千束に任せて陰から様子を見よう。

 

 千束とたきなのやり取りが聞こえてくる。千束の言葉は不思議と説得力があって自信をくれる。

 

「たきなの居場所はある。そうだよね優君」

 

「そうだ。たきなは一人じゃない俺らがついてる。だから安心しろ。俺らは決してたきなを見捨てたりはしないから。俺らはたきなの味方だ」

 

「お、いいこと言うね〜」

 

「今ので台無しだよ」

 

「よーしこれからたきなにひどいこと言った奴らぶちのめしに行くよ」

 

「よし、俺も行こう」

 

「ちょい待ち優君まで参加したらすぐ終わっちゃうでしょ」

 

「確かに。相手が可哀想だな。そんなわけでたきな行ける?」

 

「・・・・」

 

「過去や未来のことじゃなくて今を考えようぜ。人間ってのは後悔するものだ。どの道を選んでも必ず後悔は生まれる。だから今を楽しもう。たきなが今したいことをすればいい。迷わずに自分の直感を信じればいい。もう一度聞く、たきな行ける?」

 

 たきなは悩んだ末に立ち上がった。

 

「行けます!」

 

「よし、手加減なんてしないでボコボコにしてこい!」

 

「もちろんそのつもりよ」

 

「わかりました。行きましょう千束」

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