伝説のスイーパーの弟子がリコリコの世界に行く話   作:Mr.不器用

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投稿が遅くなり申し訳ありません


たきなのパンティ・・・・だと!

 ある日、いつも通りリコリコで仕事をしている時。

 

「ねぇ優君。たきなのパンツ見たことある?」

 

「見たことはないが見たくはある!」

 

「え?」

 

「んん!なんでもない。そんなの見たことあるわけないだろ」

 

「千束、何聞いてるんだ。優が見たことあるはずないだろ。女の僕でも見たことないんだから」

 

「それもそっか」

 

 た、たきなのパンティ見たことはないが見たいに決まっている!たきなのパンティかー。果たして何を履いているのやら。たきなは大人びているから黒とかきわどい下着を履いているのか。もしくは以外にもお子様パンツでクマさんがプリントされていたり。いや、ここは王道にシマシマパンティだったり、水玉模様。いや、たきなは変態趣味でノーパンという可能性も。んーどれもそそられる。改めて言われると見たくなってくるな。今度、出かけたときさりげなく覗いてみるか。

 

「それより千束、たきなは今何やってるんだ?」

 

「ゲームだよ。なんかいやーな敵にあたったから代わってもらったの」

 

 このゲームVRで体を動かすようだ。現にやっているのを見ているがなかなかアグレッシブな動きをしているようだ。たきなはスカートつまり動き次第ではパンツが見える!

 

 目ん玉が飛び出す勢いでたきなのスカートの部分を凝視する。

 

 そしてたきなが飛び上がったことでついにそのパンティが明らかになろうとしている。

 

 さてさて、どんなパンティを履いているのか・・・・え?

 

 たきなのパンティ―は俺が想像していたのとは全く異なるものだった。

 

「ち、千束今のは夢か?」

 

「残念だけど、現実だよ」

 

 う、嘘だ。たきなのパンティ、いやパンツがトランクスだったなんて。

 

 か、彼氏の趣味か?うらやま、んん!なんてけしからん。可愛い女の子にボクサーパンツをはかせるなんて。信じられない。これは僕ちゃんが女の下着とは何かを教えてあげないと!

 

「たきな話がある」

 

「なんですか?」

 

「千束頼む」

 

「任せて!」

 

 千束はそう言うとともにたきなのスカートをめくりあげる。そうするとあらわになるたきなのパンティ―もといパンツ。2回目でもいまだに夢であるのかと疑うほどだ。

 

「なんですか?」

 

「あの、たきなさんは何ゆえにトランクスを履いていらっしゃるのか。彼氏の趣味とか?」

 

「違います。そもそもいないので」

 

「そういなの?」

 

「はい。彼氏なんて作っても仕事の支障になるだけなので」

 

 そういえばたきなプライベートより仕事優先の社畜思考の人だったな。

 

「じゃあなんで男物の下着なんて履いているのさ」

 

「これが指定なのでは?」

 

『し、指定!?』

 

「たきなちょっと待って」

 

 俺は千束の手を引きたきなが聞こえないであろう距離まで連れてくる。

 

「なぁ千束、この職場って下着の指定があったのか?てかまさか千束も・・・・」

 

「んなわけないでしょ!」

 

「じゃあ何履いているんだよ」

 

「それは黒の・・・・って何言わせるんじゃい!」

 

 クッソ、引っかからなかったか。

 

「それより誰が指定したかだけど俺でも千束でもないし、クルミはそもそもいなかったし、ミズキさんはからかった可能性もあるけど後で冗談とか言いそうだからそうなると残るは・・・・」

 

「先生しかいないよね」

 

「ミカさんだな」

 

 店の後片付けをしながら、たきなにトランクスを履かせた犯人が待ち、やってきたら瞬時に千束がミカさんに問い詰めた。

 

「聞かせてもらいましょうか!」

 

「店の服は支給するから下着だけ持参してくれと」

 

「どんな下着がいいのかわからなかったので」

 

「だからってなんでトランクスなんですか?」

 

「好みを聞かれたからな」

 

 あーなるほど。ミカさんのね。確かにトランクスは圧迫感なくて俺も好きだけどさ。

 

「はぁたきな明日12時駅集合ね!」

 

「仕事ですか?」

 

「違う!パンツ買いに行くよ!あ、制服で来るなよ、私服ね私服。あと優君も来てね。その後ちょっと出かけるからいつもの持ってきてね」

 

「了解―」

 

 それにしても明日ってなんかあったような気が・・・・なんだったか。

 

 何か明日は大事なことがあった気がしたので記憶をさかのぼってみると思いのほか早く思い出せた。

 

「そう言えば明日、地下鉄でテロが起きるって神様に言われたんだった。だけど、千束たちと買い物にも行きたい、んーどうしよ」

 

 本来なら人の命がかかっている以上テロを止めることを優先すべきなのだろうがリコリスもいるし俺が行かなくてもいいのではないか、とついつい考えてしまう。そんな考えを抱いていたらスマホの着信音が鳴り響いた。

 

非通知でかかってくる相手となるともはや決まっている。

 

「はい、どうしました?楠さん」

 

『シティーハンター、お前に依頼したいことがある。明日、地下鉄の駅でテロ集団が現れる。例の消えた銃の取引だと思われる。それを阻止して欲しい』

 

 ま、まじかーまさか千束とたきなと買い物に行くのでいけませんとは言いにくい。どうしたものか。

 

『どうした?なにか不都合でもあるのか?今回は規模が大きいからこちらとしてはシティーハンターの力を借りたいのだがな』

 

 シティーハンター、あ、そうだ!

 

「すみません、楠さん。明日は少し外せない用事がありまして」

 

『そうか。ならばリコリスだけで対処する』

 

「あ、大丈夫です。俺がいけない代わりに最強の助っ人を呼んでおくので」

 

『何?そいつらは信用できるのか?』

 

「これ以上にないくらいに信用できます。俺を信じてください」

 

『わかった。ではその助っ人とやらに任せよう。こちらもリコリスを派遣するか?』

 

「そうですね、事後処理だけお願いしてもいいですか?助っ人のうちの一人が少し派手なので」

 

『わかった。そのように手配しておく』

 

「ではお願いします」

 

 楠さんとの電話が終わり次第、おれはある事務所に電話を掛けた。

 

♢♢♢♢

 

「おまたせー待った?」

 

「おはよう、千束。俺も今来たところ」

 

「お、今のやり取り恋人っぽいよね」

 

「そうだなって待ち合わせするとき毎回このネタやってるよな」

 

「だってーこのやり取りやっぱり憧れるじゃん?」

 

 千束とどこかに出かけるとなった時には大体このやり取りをしている。千束の言う通りこのやり取りは1回はやりたかったし俺としてもこのやり取りをするのは何気に楽しい。

 

「お待たせしました」

 

「あーなんかたきなの私服って新鮮だな」

 

「たきな、貴様銃持ってきたな」

 

「ダメですか?優さんも持ってきてますよね」

 

「優君はいいの。めったに抜かないし。たきなの場合なんかあればすぐに抜くでしょ」

 

「それはそうですが」

 

「だから絶対に抜くなよ」

 

「千束と優さんその衣装は自分で」

 

「衣装じゃねぇ」

 

 あーあまりのたきなのひどさに千束さん少しご立腹だな。

 

「いや、師匠から女性の服は褒めろと教えられたが、たきなのはそのなんというかシンプルだな」

 

「んーまずは服選びからかな」

 

「そんなこと言われても何がいいのかよくわからないので。千束が選んでください」

 

「え!いいの!やったぁー!テンション上がる―!」

 

「あの、千束だけだとなんか不安なので優さんも選んでくれますか?」

 

「任せておけ。たきなにに会うやつをしっかりプロデュースしてやる」

 

 ショッピングモールに入っている服屋に着くなりたきなは千束の着せ替え人形とかしていた。

 

「んーこっちもいいなー」

 

 一枚

 

「いいねいいね!」

 

 また一枚

 

「じゃあ次はこっち」

 

 そしてまた一枚と次々とたきなの服を選んでいく。

 

「私は十分選んだし次は優君が選んでよ」

 

「任せておけ!」

 

「たきな、ここだけの話優君服選びのセンス凄いんだよ!今日着ている服もね実は優君に選んでもらったんだ」

 

「そうなんですね」

 

 千束とたきなが会話をしているのをよそに店の端から端まで駆け回りたきなに会う服を見繕っている。すでに千束が何着も選んでいるからこれから動くことも考えて俺は二着だけにした。

 

「たきな、早速着てみてくれ」

 

「分かりました」

 

 そして数十秒後、カーテンが開かれる。

 

「おーたきなめっちゃ似合ってるよ!」

 

「そ、そうですか?」

 

「やっぱり優君センスあるね!ずばり今回のポイントは?」

 

「やはりたきなは黒髪ロングの清楚系。ここは順当に清楚な雰囲気を演出するために足長効果をだせるズボン、そして上は派手さはないにしても可愛いフリフリをつけた感じに仕上げました」

 

「なるほどーたきな、二着目もお願い」

 

 そしてまた待つこと数分ワンピースを着たたきながカーテンの奥から現れた。

 

「たきな!めっちゃ可愛い!」

 

 たきな今着ているのは水色のワンピース、今はないがここに日傘そしてたきなは動きにくいと言って嫌がりそうだがヒールを履けば完成する。

 

「あの、そろそろ本来の目的を」

 

 たきなに言われてようやく本来の目的を思い出した。

 

 会計を済ませ次に向かうはランジェリーショップに向かった。

 

「よし、行くぞー」

 

「ちょいちょいちょい!」

 

「うげぇ」

 

 店の中に元気よく入ろうとしたところ千束に襟をつかまれた。

 

「流石に優君はここで待ってて」

 

「ですが、優さんの意見も大事じゃないですか」

 

「お前は何言ってんだ。ダメ、行くよ、たきな!優君は終わったら呼ぶからどっかで時間つぶしてて!」

 

「はーい」

♢♢♢♢

 

 ちさたきside

 

「どう好きなのあった?」

 

「好きなのです‥‥か。それで言ったら今履いているのは通気性がよくて動きやすいからいいんですが」

 

「というかトランクスなんて人に見せられるものじゃないでしょ。見せるってなったらどうするのさ」

 

「パンツって見せるものじゃなくないですか?」

 

「いざってときどうするのさ。それこそ・・・・優君とかさ」

 

「・・・・確かに。千束、優さんはどんな下着が好みなんでしょうか?」

 

「え?そんなの私が知りたいくらいだよ」

 

「やっぱり優さんを今から呼んだ方がいいんじゃないですか?」

 

 たきなはスマホを出して優に電話を掛けようとしたので千束がそれを慌てて止める。

 

「ちょい待ち!私も優君がどんな下着が好きなのかぶっちゃけ気になるけど聞けるわけないでしょ!」

 

「聞いた方が早いと思うのですが」

 

「だから聞けるか!」

 

「そうですか。千束は優さんに見せられる下着を履いているってことですよね?」

 

「ま、まぁいつでもいいように常に気は使ってるけど・・・・」

 

「少し来てください」

 

 たきなは千束の手を引き試着室に入る。

 

「千束参考までに見せてください」

 

「え?」

 

「早く!」

 

 たきなに言われるがまま千束は自分が吐いている下着をたきなに見せた。

 

「なるほど、黒のレースが付いた下着ですか。なるほど、これが千束の思う優さんの好みですか」

 

「もういいでしょ!」

 

「はい、大丈夫です」

 

 千束がどのようなものを履いているかを理解したたきなは千束と共に様々な大人っぽい下着を試着した。時間にして1時間くらい経過したくらいで最低限の枚数を選び終わった。

 

「これでトランクスとはおさらば。全部捨てるから。じゃあ優君のとこに戻ろっか」

 

 ちさたきside out

 

♢♢♢♢

 

「お、戻ってきた」

 

「お待たせ―随分と選ぶのに時間かかっちゃったよ」

 

「それでいいものは見つかったのか?」

 

「はい、千束に教えてもらいながら優さんのk「ちょい待ち!」んん!」

 

 たきながしゃべっている途中で千束がいきなりたきなの口を手で覆い隠した。

 

「何言ってんの!優君、気にしなくていいから」

 

「そうか?それよりこの後はどうするんだ?」

 

「スイーツタイム」

 

 ショッピングモールを出てから数分歩いたところにあるテラス席のある喫茶店に向かった。

 

 席に案内されメニューに目を通す。個人的に甘いものは好きだが甘すぎたり量が多かったりすると途中で飽きてしまうためシンプルにチョコケーキを頼んだ。

 

 ちなみに千束が注文したのはよくわからないがすごいものだった。

 

「これは糖質の塊ですね」

 

「たきな、人間一生で食べられる可能性は決まってるんだから楽しまないと!」

 

 これから食べ始めようとしたところ後ろの席にいた外国人が日本語のメニューを読むのに苦戦しているようだ。

 

「ちょっと行ってくるね」

 

 そう言って千束は外国人カップルの席に向かった。そして言葉につることなくスムーズに会話をしていた。

 

「凄いですね。あそこまで流暢に話せるなんて」

 

「ああ、あそこまで話せるのは尊敬するよ。たきなも話せるのか?」

 

「一応リコリスの一環としてある程度は学びましたがあそこまで流暢には話せません。優さんは話せるんですか?」

 

「俺もあそこまでは無理だ。師匠の知り合いに海外の人はかなりいるけど全員と言っていいほど日本語が上手かったからあんまり外国語を使う機会がなかったんだよ」

 

「そうなんですか」

 

「さ、さ、食べよ」

 

 話が終わり戻ってきた千束は何事もなかったかのように再び食べ始める。

 

「さっき二人で何話してたの?」

 

「千束がすごいなって話をしてたんだ。な、たきな」

 

「そうですね」

 

「えーやだ、照れるじゃんか。そうだ、食べたらいいとこに行くから」

 

♢♢♢♢

 

「いい場所ってここですか?」

 

「うん、綺麗でしょ。私ここ好きー」

 

「よく来るんですか?」

 

「見て―年パスーちなみに優君もー」

 

「年パス―千束に連れられてよく来るからな」

 

 結構お互いに休みが同じときは大体千束の家で映画を夜通し見て、日中は一緒に水族館に行くことが多い。

 

 3人で最初の水槽にいるタツノオトシゴを見ていた。

 

「これ魚なんですね」

 

「まじかよ」

 

「こいつ、ウオだったのか」

 

 いや、実際魚じゃなかったら何だという話なのだがタツノオトシゴはタツノオトシゴとしか認識してなかったから改めて魚って言われるとびっくりだな。

 

「この姿になった合理的理由があるのでしょうか」

 

「何かしらあるんじゃないか?」

 

「たとえばどういうのです?」

 

「そうだなー縦長だと水の抵抗を受けやすいから波の力で移動できるとか」

 

「なるほど。確かにあり得ますね」

 

「だろー千束はどう思う?」

 

「えーそうだなーかっこいいからとか?」

 

「それもありえるな」

 

「でしょーなんかかっこいいよね。たきなもそう思うよね、ね!」

 

「まぁ他の魚よりはかっこいいですけど」

 

 たきなが次に向かって行ったのは。

 

「これも魚ですか」

 

「まぁ一応名前からしてアナゴの仲間だしそうなんだろ」

 

「・・・・千束は何やってるんですか?」

 

「チンアナゴだけど」

 

「なんかその動きだとわかめみたいだよな」

 

「チンアナゴだってば!優君いつもそう言うんだからー」

 

 その後も3人で水族館を見て回った。いつもは2人だったからこうして3人で回るのはなんか新鮮な感じだ。

 

「千束はあの弾いつから使ってるんですか?」

 

「なーにー急に」

 

「旧電波塔の時は?」

 

「あの時先生に作ってもらったの」

 

「何か理由があるんですか?」

 

「なにー私に興味あるのー」

 

「タツノオトシゴ以上には」

 

「チンアナゴよりもー」

 

「茶化すならもういいです」

 

「気分がよくない。誰かの時間を奪うのは気分がよくない。そんだけだよ」

 

 俺はこの会話を聞いているだけで口に出さない。出せば口論になりかねない。これに関して俺と千束の意見がかみ合うことは決してない。基本的には俺も人の命を奪いのは反対だしいつもは武器を持っている個所を狙い銃を撃つ。

 

 でも、この世には殺さなくてはいけない人種も存在する。あいつらは人間の病気で言う癌だ。ある日社会から出る存在。治療することはできず、治す方法はただ一つ切除するしかない。それこそがシティハンター、スイーパーとしての俺の仕事だから。 

 

「気分?」

 

「悪人にそんな気持ちにさせられるのはもぉーと気分が悪い!だから!死なない程度にぶっ飛ばす!あれ当たるとめちゃくちゃ痛いのよ」

 

「ふふ」

 

「なぁんだよ、変?」

 

「いえ、もっと破壊的な理由なのかと。千束は謎だらけです」

 

「ミステリアスガール!私ってそんなに魅力的だったんだ。でもそんなに難しい話じゃないよ」

 

「だって千束はいつもしたいこと最優先だからな」

 

「さっすが優君、わかってるー」

 

「DAを出たのもそれが理由なんですか?」

 

「確か、人探し・・・・だったか」

 

「うん、そう。会いたい人がいるの。大事な大事な人。その人を探したくて。優君には何回も見せてるけどたきなはこれ知ってる?」

 

 そう言って千束は服の中からフクロウの形をしたペンダントを取り出した。

 

 ここにい続けるのもあれなので少し移動したところにイスとテーブルがある場所があったのでそこに移動した。

 

「確かに同じですね。何の才能があるんですか?」

 

 このペンダントはアラン機関という謎の組織が才能あるやつにこのペンダントを送っているというものだ。要するに光源氏計画といっていいだろう。まさか世界規模でそんなことをしている奴がいるとは是非とも俺も混ぜて欲しい!

 

「優さんは千束の才能なんだと思いますか?」

 

「そうだなー人を楽しませること、コミュニケーションの才能かな」

 

「そんなこと言ったらいろんな人に当てはまるよー」

 

「じゃあ可愛い才能」

 

「ありがとう、でもたきなにも当てはまるじゃん」

 

「確かに。うん、わからん」

 

「だよねー自分にどんな才能があるかなんてわからないよ」

 

「それで見つかったんですか?これくれた人」

 

「いやー優君にも手伝ってもらってるけど見つかってない。もしかしたらもう会えないかもね。ただ、ありがとうって言いたいだけなのに」

 

 しんみりとした空気が流れていた時たきなが立ち上がり水槽の方まで向かった。

 

「サカナ―」

 

 たきなが両手を突き出しサカナ?のポーズをとる。

 

「サカナかーチンアナゴー」

 

 千束もチンアナゴの真似を始める。なら俺は

 

「タツノオトシゴー」

 

 唇を尖らせタツノオトシゴ?の真似をする。

 

『ははは』

 

 さっきのしんみりした空気とは打って変わり3人で笑いあう。やっぱりこっちの空気感の方がいいな。

 

「あ、ペンギン島行くぞー」

 

『おー!』

 

♢♢♢♢

 

 水族館を見終わって出てきたらすでに日は落ちていた。

 

 ただ水族館に入ってきたトキとは変わり周りの雰囲気が違う。千束とたきなは違和感を感じたようであたりを見回している。

 

「リコリス」

 

「なんだか多いですね」

 

 そしてしばらくするとパトカーも到着した。それに合わせて何かあったのではないかとこの周辺にいる人たちは思ったのか野次馬がすごいことになっている。

 

「何かあったのでしょうか?」

 

「気にしない気にしない」

 

 慌てて現場に向かおうとしたたきなの腕をつかんで止める。

 

「ですが!」

 

「大丈夫だって。今、この問題を対処しているのは最強の助っ人だからさ。むしろ犯人の方が可哀想だよ」

 

「何か知ってるんですか?」

 

「まぁね。戦利品もあるしここだと人も多すぎるから帰りながら話すよ。千束もそれでいい?」

 

「もちろん」

 

♢♢♢♢

 

 翌日

 

 昨日の地下鉄で起こったことは駅に爆弾が仕掛けられていると通報がありその捜索のため封鎖したと報道があった。そしてその通報が虚偽によるものであったとニュースで報道された。

 

「そういえば優、お前シフトは午前だけだったな」

 

「はい、そうですね」

 

「客も少ないし今日はもう切り上げてもいいぞ」

 

「本当ですか?」

 

「ああ、その代わりミルクを買ってきてくれないか?もうすぐ切れるのをすっかり忘れててな」

 

「分かりました。ちょっと予定があるのですぐには無理ですけど1時間以内に買ってきますね」

 

「ああ、頼む」

 

 更衣室に行きバイトの制服から私服に着替える。制服は着物だけあって今でこそ慣れたが最初のころは着替えるのにも一苦労した。

 

「じゃあ、お先に」

 

「お疲れ様ー」

 

「お疲れさまでした」

 

「じゃあ優、ミルク頼んだぞ」

 

「分かりました」

 

 優が帰った後、今日は珍しくお客さんがいない。

 

「あーあー優君帰っちゃったー」

 

「こら千束、シャキッとしなさい」

 

「はーい」

 

 そんなやり取りをしていると玄関の扉が開いた。

 

「いらっしゃいま・・・・せ」

 

 客として現れたのは緑色の軍服のようなのもに身を包んだ大男だった。

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