貞操逆転キヴォトスとかいう過酷な世界   作:シナシナのモップ亜種

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続きはないと言ったな?
1話書いてる段階で描きたい内容がポコポコと出てきたので続きました

普通に更新が止まるかもなのであまり期待せんといてくださいね


性癖破壊男子高校生

 

御剣シズクは超人である

このキヴォトスにおいては知らぬものなど居ないほどの常識である

 

この噂がおおやけに普及した理由はシンプルだった、かつての連邦生徒会はその生徒会長と御剣シズクによって成り立っていたと言っても過言ではない

 

生徒会長は卓越した統治能力と知力、どこまでも先を見通す先見の明、そして人を動かす指揮能力など…行政を取り仕切るものとしては天賦の才をその身に持っていた

 

その力を持って、連邦生徒会に加入して僅か一年弱で…かつて前例の1つすらないスピード出世を果たし連邦生徒会会長としての地位を築くに至った

 

対する御剣シズクが持っているものは何か?

それは、力…そうPower*1──もそうだが、それは二の次

 

真に超人と呼べるその才能はその性格と精神

圧倒的なまでに他者を屠ることすら容易に叶うその力を持っていながら理解していた、どんな超人でも1人では何もなせないことを、1人では誰も助けられないことを

 

生まれながらの強者にして並の強者では決して辿り着かぬような答えをすでに持っていた

 

故に周りは引き寄せられる

力を持ちながら己をいくら痛めつけられようとも決して自分からは仕掛けず、話し合いで、暴力を使わずして物事を解決しようとする。―――しかしもし、友人が、相棒が、知人が、目の前の誰かが、圧倒的なまでの理不尽に苦しめられようものなら、なんの躊躇いもなくその力を思う存分に行使する

 

その優しさ、それこそが彼を支える原点でもあり周囲が認めざるをえない理由

 

そんな2人は超人であっても片方だけでは最強になれなかった、2人だからこその最強

 

超人2人、故に最強

 

しかし、それもつかの間の出来事

片方が消えた今、最強としてはなりえなかった

 

お互いがお互いを支える存在として成り立っていたことを感じていたのは当事者だけでなく周囲も同じ

 

大丈夫なのか?

彼は、御剣シズクの心は大丈夫なのか?

 

そんな不安を皆が抱えた

そんな渦中の彼はと言うと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〜♪あ、先生!この書類のサインとチェックをお願いします!」

 

「う、うん」

 

「〜♪」

 

御剣シズクは現在、未だかつてない程の絶好調となっていた!

 

どうも皆様方、シャーレの先生です

いやぁ、先日はホントにヤバかったですね

あの後はシズクがどうにか弁明をしてくれたのとホシノの

 

『まぁ、冷静に考えたら先生が変なことする訳ないもんね〜』

 

という言葉で何とかなった、正直私も結構信用されてるのに気づいて嬉しくなっちゃった

 

でも、変なこと1歩手前まで行ってしまったなんて口が裂けても言えない…

 

そんな感じであれ以来、時々ハグとなでなでを求められるようになり本当に子どもが出来たような感覚がした

 

そして、この絶好調

おそらく今まで―――連邦生徒会長がいなかったが故に気持ち的な要因で十分に業務をこなせていなかったのだろう

 

いつもなら、山のように積み上がっていることが日常のシャーレの書類仕事は見違える速度で消えていった

 

現時刻12:30

御剣シズクは積まれに積まれまくったシャーレの書類仕事を業務開始からたったの4時間で全て鏖殺した

 

この速さ、そう当番無しでこの速さ

昨日は当番にユウカがいたから更に早く終わった

 

流石に何かあったかと問い詰められる…かと思っていたがそんなことは無かった

 

『…先生、今日のシズクちゃん何かおかしくないですか?前の時とは見違えるほどの笑顔で書類を片してるんですけど?』

 

『し、知らないなぁ…』

 

『絶対知ってますよね?…まぁ、でも一つだけ聞かせてください。…シズクちゃんに変な事とかしてませんよね?』

 

『か、神に誓ってやましい事はしてません!』

 

『…そうですか、私も何があったか気にはなります。でも、シズクちゃんの調子が戻ったのはいい事ですから今回のことについては深掘りはしないでおきます』

 

ありがとうユウカ…それしか言葉が見つからない、あの時は体重100kgとか言ってゴメンねぇ…薄い本の隠し場所は変えたけどね

 

そんなシズクに甘えられることを覚えられた私ですが今は…

 

「大丈夫大丈夫…先生はいつも頑張ってるよ」

 

ふにゃあ…

 

そんなシズクに今、膝枕をしてもらっています

神よ…楽園はここにあったのだ…!

 

「…というかシズクは大丈夫なの?その…女性に対してそういう…」

 

「まぁ…最初の頃といいますか、女装し始めた時は自分を守る為にやってましたけど…先生とか信頼出来る友達の皆になら別にいいかなって。元々、女性自体に苦手意識があったと言うよりはその…無理矢理にエッチな事をされそうになったので…女性の方がそういう反応をしちゃうのは仕方の無い事なので僕なりに受け入れているつもりです」

 

この子ちょっといい子すぎるよぉ…

 

凄いよぉ…芋女に優しい陽キャ男子の典型的な性格じゃないですか、こんな子がまだこの世にいたとは…

 

コラそこ、誰にでも体を許すビッチとか言うな!

こんな純粋無垢な子がビッチなわけないだろ!?

 

そんな天国みたいな時間を過ごしているとモモトークの通知が飛んでくる

 

「あ、先生!ホシノちゃんから今日の対策委員会の会議に参加しないかと誘いが来てます。今日の書類業務は終わりましたが、どうしましょう?」

 

「勿論、可愛い生徒からの誘いだよ?断るわけないじゃん。準備して行こっか」

 

「はい!」

 

先生としての顔を整えて準備をする

シズクも息抜きに降ろしていた髪の毛をまとめて、外していたチョーカーを再びつける

 

そんなシズクの準備する姿はなんていうか…その…下品なんですが…下品なんでやめておきますね…フフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳でやってきたのはアビドス

え?早くないかって?

シズクの背中に背負われてたらものの10分で到着よ、しかも絶好調とはいえ風圧とか私への衝撃とか結構考慮してこれだからね…相変わらずおかしなフィジカルしてるよ

 

「あ、先生。シズク先輩は何処にいったの?」

 

「ん?流石にアビドス砂漠の暑さで肌着が汗まみれになったからって今着替えに行ったよ…そう言えばホシノは?」

 

「ホシノ先輩はこの時間帯だと…多分お昼寝中ですね、会議まで時間もあるので起こすのは後でもいいと思います」

 

「そうだね…」

 

にしても早く着きすぎた…基本的に移動はいつも交通機関使ってるけどシズクに運んでもらうと時間感覚が狂っちゃうなぁ…ん?ホシノからモモトーク?アビドスにいるのを知ってるのかな?

 

『助けて 更衣室 1人で ヤバイ』

 

????

え、なにこれ怖…何でカタコトなの?ダイイングメッセージ?…いや、ホシノに限ってそれは無いか。普通に考えてホシノ本人が送ってきてるのは分かるんだけど…

 

意味を読みといていくと『助けて』は命の危機というよりは手に負えないタイプのヘルプ、1人は恐らく自分の事じ

ゃなくて1人で私に来て欲しいということ、ヤバいに関してはよく分からないけど…そして最後の更衣室…

 

ん?更衣室…?

 

 

「あ…」

 

「え、先生どうかしたの?」

 

「いや…家出る前にエアコン消し忘れただけだから気にしなくていいよ」

 

「うわぁ…夏場のこの時期にエアコン付けっぱなしは電気代がキツそうだね…ドンマイ」

 

「あはは…ちょっとお手洗いに行ってくるね」

 

そう言って私は教室を後にする

…危なかった、セリカに悟られればどんな騒ぎになるか分からない

 

恐らく、更衣室でコトは起きている

そして今の時間帯、何があるかと言ったらそれは1つ

 

「ほ、ホシノ…入るよ?」

 

扉をノックして一応断りを入れた上で更衣室の中に入っていく、するとそこには

 

「わァ…あ…」

 

「あばばばばば!?」

 

あからさまに着替え途中で泣いているシズクと顔を真っ赤にして普段の雰囲気とは似ても似つかない表情でパニック状態のホシノがいた、うん…シズクは今度から鍵閉めるように言っとこうか

 

 

 

 

 

 

 

 

小鳥遊ホシノと御剣シズクの関係は友達…と、シズクは思っている。しかし、ホシノは違った

 

勿論、ホシノから見ても御剣シズクとは親しい仲だとは理解している。だが、ホシノはそれ以上の感情を有していると考えていた

 

2人の馴れ初めは2年前に遡る

当時、連邦生徒会の役員としてアビドスを訪れたシズクと出会った事が始まりだった

 

最初は連邦生徒会が何の用だとホシノもシズクを警戒し、追い返していた。それでも、シズクは次の日もまたその次の日も来た

 

しつこかった、ハッキリ行ってしつこかった

当時のホシノはあまりシズクにいい感情を持っていなかったが彼女の先輩こと梔子ユメは話を聞いてみようと言うが今更こんな砂漠の学校に用があるなんてロクな事じゃないと考えたホシノによって関わりを持っていなかった

 

しかし、事件が起こる

ホシノとユメがちょっとした喧嘩をしてからユメの消息が途絶えたのだ。その間もシズクは学校に来ており、数日も経てば度重なるユメの不在について勘づくがそんな事はどうでもよく、答えることは無かった

 

しかし、その次の日にはシズクが来なくなった

ホシノはその時初めてシズクの存在が自分の孤独を紛らわせてくれたのだと感じ、今までの冷たい態度に対して後悔した

 

だが、その一週間後シズクは来た

 

『ホシノちゃん…ユメさん見つかったよ!!』

 

待ちに待った吉報を手にして、彼女は舞い戻った

 

実はシズクはユメの不在に気づいて以来、連邦生徒会のメンバーに梔子ユメの最後の痕跡を見つけてもらい、その痕跡を元に何と信じられないことにこの広大な砂漠を飲まず食わず寝ずに休まずこの1週間ずっと彼女を探し続けていたのだ

 

結果として、視界不良で鬱陶しかった砂嵐をパンチの拳圧のみで吹き飛ばしたことで右も左も分からず脱水症状で生死の淵を彷徨っていたユメを発見、すぐ様近くの医療施設に送り込んだのだ

 

もう、頭が上がらなかった

病院のベッドで手厚い治療を受けている先輩を見て、ホシノはどうしたらいいのか分からなかった。しかしそんな彼女にシズクは

 

『なら、僕にも借金返済の方法を考えさせてよ!』

 

そこからは早かった

共に返済の為に色々策を考えた、投資に、バイト、指名手配犯の捕縛による報奨金など時にはバカみたいな事もやった。

 

気が付いた時にはシズクとユメ、自分のいるあの時間こそが最も輝いていたと感じるようになっていった。

 

そして、事件は起こる

 

『ホシノちゃん…これ、見て欲しいんだ』

 

『これは…?』

 

シズクが他校に行っている時間

ユメとホシノ机の上に広げられた写真を見ていた

 

『シズクの写真?…ユメ先輩、確かにシズクの容姿はかなりのものです。でもだからって盗撮はダメでしょう』

 

『ひぃん…ってそうじゃなくてここ!』

 

ユメの指が指し示すのはシズクの首元

朝のランニングの為、かなりラフで動きやすい服装をしているがホシノはある事に気付く

 

『…チョーカーを付けてない?』

 

『そうなの、そしてよく見て』

 

いつもは必ずと言っていいほど付けているはずのチョーカーをこの時は付けていなかった、そして何時もはチョーカーで隠れているそこを見ると

 

『喉仏…女性に出るなんて珍しいですね』

 

『そうだよね…これなら()()()の範疇で収まるのかもしれないね』

 

『…はい?』

 

そう言うとユメは自分のスマホからある動画を再生する、そこには何処かの商業施設にフードで顔を隠し、周囲を警戒していたシズクの姿そして―――

 

『…は?男子トイレの中に入って…え?』

 

『ホシノちゃん、これから分かるとおり多分…』

 

『いやいや!そんな訳ないじゃないですか!た、多分そう言う癖が彼女に…!』

 

しかし、ホシノはまだ認めなかった

あんなにかわいらしい、何なら自分よりも遥かに高い女子力を有しながら同性の目であっても惹きつけるその美貌…男だと言われて納得出来るわけがなかった

 

『…実はシズクちゃんじゃない連邦生徒会の人が数日前に来たんだけど…その時に―――』

 

恐らく、小鳥遊ホシノはこの時の衝撃を未来永劫忘れることはないだろう

 

『シズクちゃんが女装してる男の子だって…!』

 

その一言、あまりにも衝撃的なたった一つの言葉を脳内で反復させて何とか理解しようとする

 

そして理解した刹那脳内を駆け巡る、自身とシズクの青い春の記憶

 

『うわわ!だ、大丈夫ホシノちゃん!?怪我はない!?え?僕は体強いから大丈夫だよ』

 

転けた弾みに押し倒してしまい、ガッツリ胸元というか胸を触った記憶

 

『うはぁ…暑っついねぇ…僕がチョコだったら溶けて蒸発してるよぉ…あ、アイス美味しい。んぐ…』

 

汗だらけになりながら火照った体を服をパタパタとさせたりアイスを食べることで冷やそうとするシズクの記憶

 

『ん?ホシノちゃん起きた?ああ、大丈夫だよ。僕力強いからホシノちゃんも軽いよ!ん?使ってるシャンプー?特に珍しくもないお店で売ってる奴だけど…良かったらあげようか?』

 

疲れた自分を背負いながらめちゃくちゃいい匂いがする髪の毛にちょっと嫉妬してしまったシズクの記憶

 

そのどれもが異性を対象とした物だと理解した瞬間、ホシノは―――

 

『…』

 

『ホシノちゃん?』

 

『―――』

 

『え?』

 

『あばばばばば!』

 

『ホシノちゃん!?』

 

ホシノは壊れた

思春期かつ自身の性格ゆえに他者とも関わりを持ちづらかったが彼女もれっきとした年頃の女子高生である。

 

当然、初心なホシノは脳が破壊された

ついでに性癖も

 

その上、仮にも本人は女装を隠してるつもりでいるようでそこに何らかの事情があるという考えに至るのにはそう難しいことではなく女装をバレたことを悟られればショックを与えかねない。

 

そこでこの事は2人の心の奥底に仕舞っておくことにした、ノノミやシロコ、セリカ、アヤネにもこの事は伝えずにどうにか隠し通すことにした

 

その後はシズクと会う度にやましい考えが脳内を巡ってしまいマトモに目線を合わせるのに数ヶ月はかかった

 

しかし、それを乗り越えてしまえばどうにでもなった。何せシズクの容姿は男としての外見的特徴をほとんど有しておらず慣れてしまえば普通に接する事ができた

 

そう、男という事実に目を逸らし続けることが出来ればの話である

 

先日のシャーレでの一件以来、ホシノはあまり寝付きが良くなかった。それはお昼寝でも一緒の事だった

 

(…あの時抱き合ってるシズクちゃんと先生を見て、何処かモヤモヤしている…まさか嫉妬してる?私が?)

 

故に注意力が散漫になっていた

そう、ノックもせずに部屋に入ってしまうほど。入る部屋を間違えてしまう程

 

『へ?!ホシノちゃん?!な、なんで…』

 

そしてホシノの目に映るシズクの半脱ぎかけの服とその服の隙間から見える白くキメ細やかな肌、そして体から汗を拭き取るために一度外されたチョーカー

 

そして巡るあの時の記憶

しかし、2度目である為ホシノも何とか堪えることが出来た…のだが自分一人ではどうにもならないと考えたホシノはモモトークで先生に助けを呼ぶ

 

1人で尚且つ誰にも悟られないように来るよう誘い出すつもりだったが限界に近いメンタルではカタコトな上に唯一弾き出した言葉すら選ぶのが下手くそだった

 

ふえぇ…

 

『!?』

 

シズクが静かに泣く

この状況、誰の助けもない自分一人だけの状況。

小鳥遊ホシノの精神にはこれを受け止めるほどの余力などもう残っていない

 

「あばばばばば!!?」

 

小鳥遊ホシノ、再び壊れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒック…ぐず…えっぐ…」

 

「よーし、大丈夫大丈夫…ちょっと驚いちゃっただけだもんね。そんなに泣かないで…あぁ、目擦っちゃだめ。赤くなっちゃうよ?」

 

「う"ん”…」

 

ふぅ、あっぶなぁ…取り敢えず人が変わったようにバグってしまったホシノを落ち着けてシズクをあの時と同じように抱き締めて慰めることでどうにかなりはしたけど…

 

「…先生、もしかしてシャーレでのアレって」

 

「あ…まぁ、今回と同じような感じかな」

 

「そっかぁ…因みにシズクの事は…」

 

「実は…ってホシノ、もしかして」

 

「うん、そういう事」

 

マジかぁ…つまりホシノは私よりもずっと前から知ってた訳かぁ、メンタル強過ぎでしょ…私がアビドスに来た時はあんなに澄んだ顔してたのに

 

「そういう事って…どういう事?」

 

「あ…えっと」

 

「ホシノ、もう大丈夫だよ。今のシズクなら受け止められる。」

 

今までだったら隠していた事も私との一件を得て成長したシズクだったら多分大丈夫だろう

 

そうして、ホシノは色々話した

誰から教えて貰ったかは誤魔化したみたいだけど元々女装していたことを前から知っていたと暴露した

 

「そんなぁ…僕色々ホシノちゃんにバレないように頑張ったんだけどなぁ…」

 

「ご、ごめんね」

 

「ううん、ホシノちゃんが謝ることじゃないよ。寧ろ、ホシノちゃんのこと信用出来ずにずっと嫌われると思って隠してた僕の方こそごめんね」

 

ホシノとも仲直り出来たし、いやぁ一件落着

二人とも精神的に大きく成長したなぁ…*2

 

「だからさ、今後も今まで通りに友達として一緒にいてくれるよね?」

 

「あ…えっと…」

 

「え、あ、ごめんね…」

 

そ、それは厳しいんじゃないかな?

花の女子高生にソレはちょっとキツイですよシズクさん

 

「そう…だよね、男の子が女の子と一緒の態度取るのって難しいよね」

 

「で、でも友達だよ!?私達はそんなの関係ないし、おじさんも前みたいに接せるように頑張るからさ!」

 

「…うん、分かった。正直ちょっと恥ずかしいけど…

 

そう言うとシズクが覚悟をキメたような顔でシャツのボタンを取って…え?何しようとしてるの?

 

「お、おっぱい揉む?」

 

「ブッ!?」

 

「グッ!?」

 

エッ!!!!?

じゃねぇ!何してるの!?どうしてそうなるの!?何とか意識は保てたけど私もホシノも鼻血ボタボタだよ!?

 

「何してるのシズク!?ダメだよ男の子がそんな!」

 

「だ、大丈夫だよ!2人くらいにしかしないから!」

 

「そうじゃな…あーもう、かわいいかよ!」

 

ちょっとぉ!?先生この子の将来が怖いんだけど!信用されてるのは伝わってくるけど卒業して悪い女に捕まってたら目も当てられないよ!?

 

「つ、つまり今みたいにホシノちゃんは男の子と触れ合うことにちょっと…アレな感情が出ちゃうんだよね?」

 

「う、うん」

 

(いや、今のは誰でもそういうの思っちゃうでしょ…)

 

「分かった…僕も頑張ってみる…だから、前みたいな距離感で話せるように頑張って慣れよっか!」

 

「「えっ…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます。本日はユメ先輩はいませんがシャーレの二人にお越し頂いたのでいつもより真面目な議論が出来ると思うのですが…あの、ホシノ先輩と先生は大丈夫ですか?」

 

「「大丈夫だから続けて」」

 

「わ、分かりました」

 

鼻栓をしてどことなくぎこちなさを持つ2人といつもより嬉しそうな表情をしてホシノの隣で引っ付くシズク

 

周りから見ても何かあったのは明らかだが先生とホシノがそれを深堀りさせないような雰囲気にとても触れられるようなものではなかった

 

そんなホシノは今どうなっているのかと言うと

 

(あーヤバい!流石に距離が近過ぎないかなシズク!?改めて思うけど男の子なのにめっちゃ体軟らかい!あと何かいい匂いがする!)

 

人知れず、自分の心と戦っていた

シズクの心意気を無駄にする訳にもいかなかったが、それにしても距離が近い。実はシズクも女性が男性に性的興奮を覚えること自体には理解し、受け入れるつもりでいた。

 

しかし、それでもアウトとセーフのラインをあまり理解していない。故にこのように距離感を見誤っていた。

 

先生に助けを求めようにも視線を送っても帰ってくるのはお労しいものを見る目、当然である。先生とてシズクの言葉を断れるほど肝が据わってる訳では無い、そこで『嫌い』と一言でも言われれば死ぬ自信があったのだ

 

「セリカちゃん…それ闇バイトじゃないの?」

 

「嘘でしょ!?で、でも治験とかやっぱりリスク対効果にも…」

 

「ん、どう考えてもリスクが高い」

 

「そんなぁ…」

 

皆の話なんて入ってくる筈もない

ホシノは今、自分の理性を保つので必死なのだ

 

「やっぱり一気に稼ぐってなると投資なのかなぁ…」

 

「でも、そういうものはある程度知識がいるものでは…?」

 

「知り合いのミレニアム生徒にそういうので利益を出している人がいるのでその人の協力次第にはなりますが…」

 

ふと、ホシノの目にシズクの姿が映る

いつも通りの真面目っぷり、いつも全力でいつも頑張り屋さんでアビドスに来る時間も無理くり作ろうとしてくる

 

その上、出す案も比較的現実的かつ叶えば確実に返済まで持って行けるような案ばかりで必死に考えてくれてるのがわかる

 

そんなホシノの脳裏に浮かぶのはシズクの言葉

 

『どうしたのホシノちゃん?え、何でアビドスの為にそこまでするのって?うーん…実は連邦生徒会に入るまでに色々あってそれで苦労することとか多かったんだ。』

 

『でも、生徒会に入って…色んな人に助けられて今があるんだ。だから、今度はホシノちゃんやユメさんを助ける側になりたくて…それに―――』

 

『ホシノちゃんのことも大好きだから、力になりたいんだ』

 

『大好き』

その言葉が友人として向けられた意味である言葉なのはホシノも理解していた、でもどこか心にあったはずの取っ掛りが取れたような気がする

 

先生への嫉妬の感情

心の取っ掛りの正体

そしていつもより近づいた距離感

 

ホシノの中でシズクに対する思いが変わる

それを理解したホシノはただでさえ熱くなっていた顔が更に熱くなるのを感じ―――

 

「まったく…シロコ先輩もシズク先輩がいるからって銀行強盗なんて企てないでください!」

 

「ん、シズクならどんな警備も破れる」

 

「うーん…流石にシロコちゃんの頼みでも犯罪はダメかなぁ…」

 

「…残念」

 

「残念じゃありません!ホシノ先輩からも何か言ってください!」

 

余談だが、ホシノの体温はシズクとの一件以降下がることは無く恐らく体温計で測れば39℃はあっただろう

 

「…ホシノちゃん?」

 

その上自身の心境の変化への気付き

ただでさえこの状況を処理しきれない脳にさらなるダメージを与えた結果

 

うへぁ……

 

「ホシノちゃん!?大丈夫!?」

 

小鳥遊ホシノ、ついにオーバーフローを起こす

 

*1
聖文字かよ

*2
後方保護者面





・女装バレしてからメンタルが安定した主人公
女装がバレたら嫌われる…!かと思いきやそんなことは無かった、だって知ってるもん。本人は隠しているつもりだが割とガバしたりとちょっとポンコツっぽいところがある。

元々、無理矢理襲われない為に女装していたので男女観自体は前世通りで胸を触られようが特に問題を感じていない。しかし、そのせいで距離感がおかしい。その上、連邦生徒会会長のせいで同性のボディタッチはキヴォトスでは普通だと考えてる。だって他の異性間のやりとりとか比較してとか出来なもんね。その上、一度気を許した相手だと警戒心が薄れるので色々と危なくなる

・主人公に性癖とか破壊された初心なホルス
最初はバチバチに警戒してたけどユメ先輩を死力を尽くして助けてくれたことと大好き発言で色々ヤバくなった。しかも、先輩から女装した男の子だと聞き色んな記憶がヤバいことに気付きパニックになった。
その上、主人公に好意を持っていることを自覚した結果脳がパンクした

・主人公の男女観に頭を抱えそうになる先生
主人公の精神安定剤として機能しているがその主人公がいつ襲われてもおかしくない状況になっていることを今になって理解した。その上で誘惑に負けて膝枕とかして貰ってる、生徒の足舐めたんだからこのくらいええやろ

お互いがお互いに精神安定剤として機能しつつある、永久機関が完成しちまいましたよ、ええ

・ちゃっかり生きてるユメ先輩
砂嵐で方向感覚狂っててかつ脱水でホントに死にかけたが主人公がパンチで砂嵐を消し飛ばし、脳に宇宙を背負うことになった。初期の段階で主人公には好意的だったが女装していると気づいてからは誰かに騙されないかちょっと心配になっている

・何も知らないアビドス一同
ノノミだけは唯一勘づきつつあるがそれ以外の皆は本当に何も知らない。美人だなぁくらいの印象で先生並みに頼りになるシャーレの生徒くらいの認識

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