課題とかテストとか免許とかで書けない状況が続いて、気づいたら半年以上経っていました…。
あと戦闘シーンって難しいですね。
では、どうぞ!
執政官就任式の翌日。ミゲロの店の仕事でアルケイディスに行っていたシオンは、昼頃にラバナスタに戻ってきた。すると、街中が妙にざわついているように感じられた。内容は分からないが、何か噂が流れているようであった。
それをシオンは不審に思いながらミゲロの店に向かうと、店内にはミゲロもパンネロもおらず、カイツが店番をしていた。カイツは入ってきたシオンに気づくと、駆け寄ってきた。
「あ、シオン兄ちゃん、おかえり!」
「おお。カイツ、ただいま。ミゲロさんは?」
「ミゲロさんなら、手紙を読んだらどっか行っちゃった。ねえねえ、それより聞いてよ!ヴァン兄がね、王宮に忍び込んでナルビナ送りになったんだけど、脱獄してきたんだって!」
その話を聞いたシオンは、すぐさまカイツを店の裏手に引きずり込み、ニッコリと笑いながら問い詰めた。
「今、不穏な単語が聞こえた気がしたんだが。誰が、どこに行って、何をしてきたんだって?」
「ヴァ、ヴァン兄が夜中に王宮に忍び込んだんだ。でも逃げるのに失敗したみたいで、帝国兵に捕まってナルビナ送りになっちゃったんだ。でも脱獄したみたいで、さっき帰ってきたよ」
「ハァ……あんのバカ……街中で流れている噂はこれか……」
そう呟いて、シオンは頭痛をこらえるような仕草をした。
「で、ヴァンはどこ行ったか分かるか?」
「ううん、知らない。ヴァン兄もここに顔出したらすぐにどっか行っちゃった」
「そうか……まあ、ヴァンのことも含めてミゲロさんに話したほうがいいな。じゃあ、俺はミゲロさんを探しに行くから。カイツは店番がんばれよ」
そうしてミゲロの店から出たシオン。道行く人にミゲロの行方を聞くと、砂海亭の方に走っていったという情報を得た。とても必死そうで、見たこともない形相をしていたという。それに恐怖を感じたというので、シオンはとても不安になった。
ただ、そうも言ってられないので気を取り直して砂海亭に向かうシオン。砂海亭前にいるモグシー屋にミゲロが砂海亭に入ったか聞くと、入ったというので、シオンもそのまま砂海亭に入っていった。
砂海亭に入ったシオンはトマジを探す。そして探し人を見つけたシオンは、その方に向かっていき、尋ねた。
「やあ、トマジ。ミゲロさんはどこにいるかい?」
「おお、シオン。久しぶりだな。ミゲロさんなら―」
「―誤解だろうが六回だろうが、パンネロが攫われたのはあんたの責任じゃないか!」
トマジがミゲロの居場所を言おうとした瞬間、2階からミゲロの怒声が響いてきた。かなりの大音声かつミゲロがそんな声を出すことはあまりないため、砂海亭の中は一瞬静まり返った。
シオンもミゲロに怒られたことはないため、声を聴いて少し怯えた顔をしながら、トマジに礼を言って2階に上がった。
階段を上がった先にはヴァンが見知らぬ金髪の男と共におり、ミゲロはその先でヒュムの若者と白髪のヴィエラのペアと相対していた。
シオンはまず及び腰ながらもミゲロに帰還の報告をし、そのあとでヴァンの方を向いて、八つ当たりを兼ねてヴァンの頭に全力で拳骨を落とした。殴られたヴァンは頭を押さえながらシオンをにらんだ。
「イテテ、なにすんだよ!」
「なにすんだよ、じゃないよ。バカなことをするなって言ったその日のうちに、歓迎式典真っ最中で警備マシマシの王宮に忍び込んでナルビナ送りになり、挙句の果てに脱獄してきたのは、どこのどいつかなァ?」
「ヒイィ。ご、ごめんなさい……」
「おい、そういうのは後にしてくれないか。一刻を争う事態なんでね」
が、額に青筋をビッシリ立てたシオンに叱られ、いつもの威勢はどこへやら、怯え切った表情で謝罪をする。そこへミゲロと対面しているヒュムが苛立った様子で割って入る。そこでシオンは気になっていたことを思い出し、ミゲロに尋ねた。
「そうです、ミゲロさん。パンネロが攫われたって、どういうことですか」
「ああ、今朝方、ごろつきどもから手紙が来たんだ、バルフレア宛てに。『パンネロを攫った。返してほしけりゃビュエルバの魔石鉱に来い』とな!」
「なるほど、ではそこの方がバルフレアですか。でも、パンネロとバルフレアには何の接点もないのでは?」
「それが、あるんだよ。こいつら―ヴァンも含めてだが―が捕まった時、パンネロが取り乱してな。それに対して、バルフレアがハンカチを渡したそうだ。それで―」
「―バルフレアの仲間と勘違いされて、人質として捕まったと。では、これから行くんですね?ビュエルバに。それなら、俺も連れて行ってもらいたい」
「構わないけれど、理由は?それに、相手は狡猾で残忍なバッガモナン。何をしてくるか分からないから、戦えないと困るのだけど」
「戦闘面は安心してくれ。これでも本業はハンターなんでね。理由?私はミゲロさんと共に彼女の面倒を見ているからね。保護者として助けに行きたいのさ。それに、貴方方を信用しきれていないのでね。特にバルフレア、貴方をパンネロに指一本触れさせないからな。」
「これは手厳しいな。いいだろう。こちらも人ではあったほうが嬉しい」
「ありがとう。そういえば、自己紹介していなかったな。私は、シオンという」
「知っているようだが、オレがバルフレアだ。こっちが相棒のフラン。そっちの奴は…ここでは言えないな。じゃあ、さっさと支度をしてきてくれ。ターミナルで集合だ。すぐに発つ」
「了解した」
そう言ってバルフレアたちと別れたシオンは、家に戻ってハンター時の装備を持つと、西門の飛空艇ターミナルに向かった。
飛空艇ターミナルは定期便乗り場のほかに、個人用のドッグもある。バルフレアの飛空艇もそこの一つに駐機している。
そこに向かう間、シオンはヴァンと会話していた。
「なあ、シオン兄さんはバルフレアのことを知ってたのか?」
「ああ。彼はここ最近で頭角を現してきた空賊の新星だってそれなりに有名だぞ。懸賞金もうなぎのぼりだ。お前も空賊を目指すんなら情報には目敏くないとな」
「そうだな!あ、そういえばさ。バルフレアをパンネロに指一本触れさせないってどういうことだ?アイツ、悪い奴じゃないぞ?」
「いいか、ヴァン。ああいう奴はな、可愛い女の子と見るやすぐに口説いて純情を弄び、最後はボロ雑巾のように捨てる、とんでもなくひどい輩なんだ。だからその毒牙から守るために、触らせないんだ」
「おい、人をクズのように言うな。オレはそんなことしない」
シオンのその発言に、聞こえていたのか前を歩いていたバルフレアが反論してきた。
「おや、では口説いた女の子の数は星の数っていう噂は嘘でしたか」
「……」
「諦めなさい、バルフレア。彼もなかなかやり手よ」
しかし噂話をよくチェックしているシオンが茶化すように追加情報を出したことであっさりと撃沈。フランに諭されていた。
そうこうしていると、バルフレアの飛空艇が泊まっているドックに着いた。ヴァンは初めて見る『空賊の飛空艇』に興奮していた。バルフレアも、
「どうだ、カッコイイだろ?」
と得意げである。シオンも飛空艇を間近で見るのは初めてのため、しげしげと眺めている。
バルフレアは機体の中から出てきたツナギ姿のモーグリに整備状況を尋ねていた。
「整備士がモーグリねぇ。随分と大事にしているんだな。ビュエルバ製かい?」
「いや、アルケイディア製だ。シュトラールっつうんだ。ほら、さっさと乗れ!」
そういってシュトラールに乗り込む一行。座席に着いたところで、シオンは自分の隣の席に着席した男―砂海亭でヴァンと共にいた―の素性をまだ明かされていないことに気づいた。
「そういえば、貴方の名前を聞いていなかったな。話せないといわれて。今なら大丈夫か?」
「ああ、ここなら人目もないしな。私は、バッシュ・フォン・ローゼンバーグという」
その人物の名を聞いて、シオンはしばらく放心した。死んでいるはずの人物の名が出てきたことで、脳の処理が追い付かなかったのである。そして、砂海亭で名が明かされなかったことに納得をした。
「なるほど貴方が。生きていたのか。なら、あの場で明かさなかったのは納得だし、英断だ。あそこで名乗ればおそらく貴方は物言わぬ肉塊になる」
「……思ったよりあっさりしているな。君もダルマスカ人だろう。私に対する恨みはないのか?」
「もちろん報せを聞いたときは怒ったし恨んだ。しかし、しばらくしてから仕事で帝都に行ったとき、ラバナスタ執政官は、ダルマスカ占領直後からヴェインが務める予定だったという話を聞いたんだ。そこで、貴方の一件は謀略である可能性を考えていたのだ。処刑されたのは本当だと思っていたが。…その顔を見るにその予想は当たっていたみたいだ」
「ああ、その通りだ。しかし、なぜそこまで考えられたんだ?」
「私は実は帝都出身でね、ダルマスカに来たのは3年前なんだ。それまではずっと帝国で暮らしていたから、ヴェインのことはよく知っているんだ」
怪訝そうな顔をするバッシュに対してニヤリとした顔を向けるシオン。そしてシオンの返答に驚愕するバッシュ。帝国への憎悪が凄まじかったラバナスタで特に不自由することなく暮らしていたであろうその様子に驚いたのだ。
「そういえば、ヴァンに何発殴られた?あいつは直情型だし、何よりアイツにとって貴方は兄の仇だ。私だって出会ってすぐに帝国出身と知られたときに5発殴られたんだ。貴方に何かやっていても不思議じゃない」
「いや、なにもされていないさ。彼は、レックスに似て正義感があってかつ優しいな。そうか、なぜ普通に暮らしていられたのかと思ったが、もう殴られた後だったのか」
「ああ、衆人環視の状況で思いっきりね。それで禊を済ませたと判断されたんだろうな、それ以降町の人にいろいろと言われることはなくなった」
「何々、何の話?」
「お前にボコボコにされた話」
シオンの言葉に嫌そうな顔をするヴァン。どうやら彼の中ではその時の話は黒歴史になっているようであった。
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そうして空中都市ビュエルバに着いた一行。
ターミナルロビーに出ると、早速帝国兵が慌ただしく駆けていった。
「いくら集結しているからと言ってこんなすぐにエンカウントするかね。ま、変装したのは正解かな」
「将軍様に関してはな。アンタやオレらは必要ねえだろう」
シオンとバルフレアの言うとおり、一行は全員変装をしていた。髪型と服装を若干変え、サングラスをかけていた。不審者とも、帝都からの旅行者ともとれる恰好であった。
ホッとした様子のバッシュ、ドヤ顔のシオン、不満そうなバルフレアと、三者三様の反応を示している。
「私は帝都出身だ。ここまで帝国軍が集結していると知り合いがいるかもしれん。そこから芋づる式にバレたら目も当てられないからな。少なくとも目元が分からなければバレる確率は低くなるから、サングラスをかけるわけだ。で、5人全員がバラバラな服装かつその状態で二人だけサングラスをかけているのは己らを不審者であると喧伝するようなものになる。だから服装を帝国風に統一させたんだ。これで周りからは帝都からの観光客にしか見えないさ」
全員が変装する必要性を力説するシオン。しかしながら、バルフレアは納得していない様子であった。フランたちに至っては無視である。シオンは項垂れた。
茶番を繰り広げた一行だが、一転してまじめな雰囲気になり、重要事項の確認をした。すなわち、バッシュの扱いである。バッシュは公的には死人である。いくら変装したとしても、名前を呼べば大混乱を起こす。特にビュエルバは、バッシュの処刑を発表したオンドール侯爵が領主を務めているのだ。バッシュが生きていることが知られたら何をされるか分かったものではない、というのが大人組の認識であった。故に、この確認は、どちらかと言えばヴァンに念押しすることが目的であった。
しかし、当のヴァンは話を聞いているのかいないのか、曖昧な返事を返す。それを見てシオンは不安を覚え、頭を抑えた。
「ビュエルバの魔石鉱っていうんだから、ルース魔石鉱に行けばいいんだな」
「ああ、そうだ。この先にある。最近あそこの魔石は品薄らしいが」
「採れるは採れるらしいんだが、前みたいな質のいい奴があまりないそうだぞ。原価は下がるが、その分商品の質も下がるから困ったもんだと、ミゲロさんが言っていた」
「魔石鉱に行かれるんですね。僕も同行させてください。奥で用事があるんです」
ターミナルビルを出て、市街地へと続く連絡橋の上でバルフレアとシオンが会話していると、割り込んでくる者がいた。明らかに帝国貴族の服装で、歳は12歳ほどの少年であった。ヴァン一行は訝しげな眼を向け、バッシュが代表して問うた。
「どういう用事だ?」
「では、貴方方の用事は?」
「……っ。いいだろう。ただ、俺たちの目の届く範囲にいろよ。その方が面倒を省ける」
「ええ、お互いに」
質問に質問で返して答えをはぐらかし、こちらを丸め込んだ少年。それを見てシオンは顔をしかめた。シオンは政治的駆け引きの類が嫌いであった。というか、頭に『政治的』と付く行動が嫌いであった。そして、少年の言動にそれを嗅ぎ取ったシオンは顔をしかめたのである。
そんなシオンの様子など知らず、今度はヴァンが少年に絡む。
「なあ。お前、名前はなんていうんだ?」
「ラ――、ラモンです」
「ラモンか。オレはヴァン。よろしくな」
少年が名を名乗るときに一瞬口ごもったことに、大人組は気づいた。つまりは『ラモン』とは偽名であり、本名は明かせない状況である、ということだ。フランとシオンは少年が最初に「ラ」と口走ったのを耳にしたため、本名がラから始まるという予想を立て、さらにシオンはある一人の人物なのではと考えていた。7年前に別れた弟――ソリドール家四男にして次期皇帝候補の一人である、ラーサー・ファルナス・ソリドールではないかと。
ただ、シオンに確信はなかった。何せシオンが最後にラーサーに会ったのは7年前で、ラーサーは当時5歳。成長期に7年も会わなければすっかり変わってしまい、いくらかの面影を感じても断定できる要素はなくなるのだ。
シオンがラモンの正体について考えている間も、ヴァンとラモンの交流は進んでいく。シオンが気付いた時にはヴァンが道中の安全確保を大人組に丸投げしていた。
「ま、こいつらが何とかしてくれるよ。なあ、バッシュ」
――と言いながら。飛空艇ターミナルでシオンが感じていた不安が、見事に的中していた。ヴァンとラモン以外全員が頭を抱えた。
気を取り直してルース魔石鉱へ向かう一行。
ルース魔石鉱に着き、入り口を潜ってすぐに、シオンとフランは同時に複数の足音を聞き取った。
「誰か来る」
「隠れましょう」
そう言った二人に従い、一行が柱の陰に隠れるとほぼ同時に、魔石鉱の中から一団が現れた。先頭を歩くのは将軍らしき帝国軍人―ジャッジ・マスター―と、貴族の恰好をして杖を突いている初老の男性。
二人は密談をしていた。
「念のために伺うが――」
「純度の高い魔石はすべて秘密裏にヴェイン様のもとへ。心得ております」
「よく分かっていらっしゃる。貴殿とはウマが合いそうですな」
「それは結構ですが、手綱を付けられるつもりはございませんな」
「ほう、ならば鞭がお望みかね?つまらぬ意地は貴殿だけでなく、ビュエルバをも滅ぼすことになるぞ」
それきり会話は行われず、一団はビュエルバ市街へと向かっていった。
「今のは――」
「ビュエルバの侯爵、ハルム・オンドール4世です。ダルマスカが降伏した時、中立の立場として戦後の調停を行いました。ただ、帝国寄りとみられていますね」
「反乱軍に協力してるって噂もあるがな」
「あくまで噂です」
「いや、どちらも真だろう」
ラモンがやけに詳しくオンドール侯爵のことを解説する。それにバルフレアが正反対の情報を入れ、ラモンが反論した。そこにシオンが割り込んだ。
「生きていた将軍の処刑を発表したり、魔石を横流ししていたり。これだけで帝国寄りと判断するには十分だ。だが、さっきの会話から分かる通り、完全に服従しているわけではないどころか、反発している。それに、侯爵はダルマスカ王と仲が良かったと聞いたことがある。いくら中立とはいえ、友を殺されているのだ。彼奴らに一泡吹かせられるというなら協力するだろうよ」
シオンの話に、ラモンとバルフレアは思うところがあったのか、黙り込んだ。
「おい、さっさと行こうぜ。早くバッガモナンをぶっ飛ばして、パンネロを助けないと」
しびれを切らしたヴァンが一行を急かす。そこで彼らは話をやめ、ルース魔石鉱の中へと入っていった。
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魔石鉱の中を、魔物を倒しながら一行は進む。
「しっかし、なんで洞窟とかこういうとこには吸血コウモリがよく出るのかね」
また一匹魔物を倒しながらシオンがぼやく。だが、その問に対する解答は誰も持ち合わせていなかった。
代わりに、バルフレアがずっと思っていたことを問いかけた。
「なあ、その手に持っているヤツ、両手剣だよな?」
「ああ、分類的にはそうなるな」
「じゃあ、なんで片手で握っているんだ?」
そう、シオンは一般的には両手剣とされる長い剣を右手のみで扱っているのだ。その特異さは、同じ種類の剣を元軍人のバッシュがしっかり両手で握っていることから分かる。ちなみに、他のメンバーの武器は、ヴァンがダガー、バルフレアが銃、フランが弓である。
シオンの答えはシンプルで。
「これで慣れているから」
これのみだった。ただ、すぐに補足が入る。
「そもそも、俺は二刀流なんだ」
ほら、と腰を叩いてもう一本剣を提げていることを示す。
「じゃあ、なんでもう1本を使わないんだ?」
「ここが狭いからだ。俺が2本使うのは、強い敵が出てきた時か、広い場所で、特に得物を持った人型の魔物が大勢で迫ってきた時だけだ」
そう言って、また一体魔物を倒すシオン。
「聞くところによると、この先の橋になっている場所はアンデッドがわんさか出るらしい。もしかすると、2本目を抜くかもな」
そうシオンが言うと、ヴァンが目を輝かせた。シオンに剣を教わっているヴァンは、何度か二剣を振るっている姿を見せてもらったことがあり、それがかっこよかったので、また見れるとあって興奮しているのである。
武人であるバッシュも興味津々な顔をし、バルフレアも気になる様相を見せる。フランも興味ないような雰囲気だが、ちらちらとシオンの方をうかがっていた。
そうしてスーニア平行橋までやってきた一行。シオンの言ったとおり、橋の上にはアンデッドであるスケルトン系がうじゃうじゃしていた。
「情報通りだな。――この数なら、抜くか」
そう言うと、シオンはもう一本を抜き。
「行ってくる。バルフレアとフランは援護を頼む」
そう言い残して、突撃していった。
次の瞬間には、シオンは魔物たちのだだ中にいて、2本の件を自在に操り敵を倒していた。
左手の剣で敵の攻撃を受け止め、その間に右手の剣で攻撃をする。もしくは2本とも地面に平行に持ち、腕を伸ばして舞うように回って切りつける。そんな正しく一騎当千なシオンの攻撃を受け、魔物はどんどん減っていた。
「おいおい、援護を頼むとか言っときながら、オレの出番ほとんどないぞ?」
そんな状況に、バルフレアはぼやいていた。背後から忍び寄る敵を撃ち抜くことを想像していたのに、そういう奴もことごとくシオンが対応していくので、せいぜい偶に遠距離から魔法を放とうとしているやつを撃つことしかやることが無いからだ。
一方で、ヴァン興奮し、バッシュは感心していた。
「相変わらずシオン兄さんはすごいなぁ……カッコイイ…」
「両手剣2本をあのように自在に操れるとは…」
少しすると、橋の上にいた魔物は全滅していた。シオンは剣を鞘に納めると、ふうと一息ついて、バルフレアたちの方を振り返った。
「全部片付いたぞ。早く進もうぜ」
「…いやいや、強すぎだろ」
「正しく、剣の名手ね」
「だろぉ?」
「なんでヴァンが得意げなんだよ」
そんな会話をしながら橋を渡り、次の採掘区画に入って奥まで進むと、一面に淡い青色の光が点在する場所に出た。すると、ラモンが駆けだし、懐から同じ光を出す魔石を出して、見比べ始めた。その魔石にヴァンが興味を示した。
「それ、なんだ?」
「破魔石です。・・・人造ですけどね」
「ハマセキ?」
「大昔のすごい魔石だっていうのは聞いたことがあるが」
「周囲のミストを吸収するんです。ドラクロア研究所ではそれを人工的に合成する実験が行われているんです。これはその試作品ですね」
そう言った後、ラモンは壁に向かった。
「これが見たかったんですよ。やはり、原料はここの魔石か…」
「用事は済んだかい?」
「はい。ありがとうございました。お礼は後で――」
「いや、今くれ。あんたの国についていくつもりはないんでね」
「え―」
「破魔石なんてカビ臭い伝説、どこで知った?なぜドラクロア研究所の試作品を持ってる?どうやってあの秘密機関と接触した?――お前、何者だ?」
「おい、バルフレア」
何か思うことがあったのか、突然バルフレアがラモンに絡み始めた。
と、そこに
「待ってたぜ、バルフレア!」
と言いながら、バンガの4人組が現れた。
読んでいただき、ありがとうございました!
またいつ続きが登校できるかは未定ですが、気長に待ってくれると嬉しいです。