夕暮編ワンチャンすぐ終わるやろなって思ってたら文字数が他の話よりも多くなってしまってる作者でごわす
設定があやふやになりかけてるけど頑張って完走は目指してますので気長に見てくれるとありがたいです
「では中へどうぞ」
そう言われるがまま私たちは永遠亭の中へと入っていく、如何にもな日本家屋でとても落ち着きがあって静かだった……ここで療養すればもしかしたらフランの体調も良くなるのでは?
「ああ靴はお脱ぎ下さい当永遠亭は土足で上がることは禁じられておりますので」
「分かってるわよその位は……貴女が診てくれるんじゃないのね?」
「ええまあ、私はまだまだ見習いなので師匠のお手伝い位しか出来ません。あっ自己紹介が遅れました私は鈴仙……【鈴仙・優曇華院・イナバ】と申します。長いので優曇華院か鈴仙のどちらかで呼んで下さって結構です」
挨拶を程々に済ませながら永遠亭の中を進んでいく、すると一つの和室に案内され「師匠を呼んできますのでここで少しお待ち下さい、お茶も出しておきますので」と言われ出てきたのは……これは緑茶という物かしら?フランは平然とした顔で飲んでるのを見るに美味しいのかしらね
「……あら?ねえフラン、この真ん中に浮いてるのって何?ゴミ?」
「それ……茶柱だね、茶柱って高品質の新茶とかによく見られるらしくて……茶柱が経つと縁起が良いって言うジンクスがあるらしいよ」
へぇ、それじゃ縁起物なのねこれはいいこと知れたわ。口に含んで見ると紅茶とは違い茶葉本来の味が口の中で広がってとても美味しかった……ほっとしていると赤青の衣服の上から白衣を来た人が入ってきた
「ごめんなさい、診察の準備をしていたらいつの間にか居らしていたのね。私は永遠亭の主の八意永琳と言います」
「……せん……せ……い?」
八意永琳と名乗ったその人物の顔を見たフランは驚いた顔をしながらそう呟いたのが聞こえた……もしこの人が前世に関わっているなら少し警戒をした方がいいのかもしれないわね
「あの、これは一体?」
「……鈴仙、今は気にしなくて結構よ。それではスカーレットさん此方へ」
「……フラン、確り診てもらって来なさい」
「あっ……うん」
フランは少し暗い顔をしていたがもしかしたら診察とかの類が苦手とか?もしくは病院とかそういった類のは行ったこともないから不安でいっぱいとか?可能性が多すぎて分からないわね……なんて考えていたら2人は既に居らず鈴仙と名乗った少女のみが残されていた
「あっ……えっと……」
「……折角だし待っている間に貴女の話聞かせてくれるかしら?」
「あっ……ではお言葉に甘えて」
そう言いながらビクビクとした感じに正面に座った、あんまりこういうのは好きじゃないんだけどねぇ私からしたら
「とりあえず私も自己紹介ね……私はレミリア・スカーレットよ紅魔館の主で八意永琳に連れていかれたフランドールの姉よ」
「あっ……そうだったんですか、ひとつお尋ねしても?」
「大方フランが何故ああなってるのかって事よね?寧ろ私も知りたいくらいだわ、一ヶ月家を空けている間に衰弱し始めて何が何だかさっぱりだったわ……けど大凡の目星は立ててて私が居ない間に聖属性の剣を扱い始めたらしくてそれの影響が身体にで始めたと予想してるの」
「聖属性……ですか?」
「ええ、私たち吸血鬼には弱点は多いわ。ニンニクに流水や日光果てには銀製武器に十字架とかね……そして聖属性も例外ではないのよ、かつて英国で起きた聖戦に於いて聖職者によって消し炭にされた吸血鬼が何人も出てたらしくて」
実際にそうだった……私たち吸血鬼にとって一番の弱点属性は流水を利用した水属性に日属性、聖属性の三つに該当しており父の話は真実味があり書物でもそう記載されていたのだから。
けどもしこれがデマだったら?と思いアーティアに聖属性の剣を作ってもらい実際に試した事もあった、結果は真実でグリップを持った瞬間から痛みが伴い離すと焼け焦げた様な跡が付いていたのを今でも覚えている……その際掌の傷の治りはかなり遅く数日はかかった事になったわ
「ですがその様子ですとフランさんは普通に扱えていた……という事訳にはいかないんですよね?」
「ええ、あの子の能力はあらゆる物を壊すことが出来て能力の応用で吸血鬼の弱点を無くしているのよ、結果普通にニンニク食べるし流水ある所でも泳ぐし日光を浴びながら散歩も出来るわ……無論聖属性の武器の取り扱いも例外ではないのよ、けどあの剣……【澱水の剣】を扱い始めてから体調が一変したの」
「その澱水の剣って一体?」
「製作者のアーティア曰くフランを見てビビっと来たらしく火属性と光属性、聖属性の三つが籠った剣らしいのよ。材質は館にあまりに余っていた緋々色金とオリハルコンを使って鍛造したらしいのよ……他にも使ってないか聞いてみたけれど持ち手に使っているのは最も硬いとされる木材のギガスシダーを使ってる以外は何も使っていないのは他のレプラコーンメンバーとも確認が取れてるわ」
「ひ、緋々色金とオリハルコンですか……月面に居た時でもそんな高価な物を見た事が無いのにふんだんに使える辺りさすがですね貴族様は。ですがそれぞれ火属性と光属性の鉱石であるのに何処から聖属性が付与されたんですか?」
「特別な加工法を使ったらしくてレプラコーン直伝らしいのよ」
正直私にすら分からない、矛盾点が多くフランの前世に関わる可能性もある為話に触れることも出来ないのが心苦しい……もしかしたら嘘かもしれないしほかの要因もあるのかもしれない
「そういえば貴女さっき月面に居た時って言ってたわね?貴女元々月出身だったの?」
「あっ……はい。仰る通り私は元玉兎で月面戦争前日に逃げ出しました、笑っちゃいますよね戦いが怖くて逃げ出したなんて……私臆病者で戦うのが苦手で……地上に逃げた時に永琳師匠に拾って頂いたのはとても嬉しかったですけどね」
「……人には得意不得意はあるわ、私だって家事苦手だし館内にも戦闘が苦手でメイド業に従事するやつも居るしそういう奴は基本戦いには出さない様にもしてるしね……それと同じよ、戦いは苦手だけど別の事は得意ってやつは後ろで前にいるやつを手伝えるくらいが丁度いいのよ。だから胸を張りなさい鈴仙・優曇華院・イナバ」
「っ……はい、ありがとうございますレミリアさん」
この子は強くなる……大切な物を守るためならどんな手段も問わない地上最強の兎に
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長いこと話しているが一向にフランが戻ってこないのが気掛かりだったが持ってる症状の都合診察が長くなってしまうのは仕方ないと思い鈴仙と話をする事にした……次いでに常備薬設置に関する契約を持ちかけてみると「師匠に聞かないと分かりませんね……後程聞いてみます」との事、色良い返事を期待しておきましょう
なんて事を考えていたら八意永琳が入ってきた、フランは……疲れて寝てしまっているのか背中におぶられる形で寝ていた
「ごめんなさいね、時間かかっちゃたわ……鈴仙!」
「あっはい!師匠!」
「あら?貴女随分と顔色が晴れたわね……レミリアさんのお陰かしら?それはそうとこのリストにある材料を使って薬を調合してきて欲しいのよ、お願い出来るかしら?」
「はい、誠心誠意お作り致します」
そう言うと鈴仙は軽やかな足取りで部屋を出ていった、もし彼女が武器を求めてきたらうちで作って上げましょう。それ位の余裕はあるものね
「さてレミリアさん、フランさんの症状なのですが不眠症に栄養失調、光視症、PTSDに平衡感覚消失に偏頭痛等多くの症状を抱えていたのを確認しました……検査をしてみた所聖属性の神力が体内へ溜まっていきそれが体調悪化させていることが分かりました」
「ちょっと待ちなさい!聖属性の神力ですって!アーティアは魔力を込めて作ったって言ってたわよ!」
「ですが検査では神力と出ました……これが彼女のカルテです、ここの数値を見てください、数値が一定以上をオーバーしておりかつ神の力でもあるDを示しています。それぞれ割り振っているスペルは魔力はM、妖力は魔力とスペルが被るため小文字のm、霊力はSとなります」
確かに書かれているのは神力のDだ……けれど私は信じたくはない
「問診をしてみた所能力を利用して【程度の能力の作用】、【狂気に呑まれる】、【吸血鬼の弱点】、以上三点を破壊してる事を聞きました……しかし神力が加わったことによって能力の綻びが出来てしまい体調悪化の現象が起きた」
「……何故神力が加わったのですか」
「それには先ず、フランの過去……所謂前世について話さなければ行けないわ」
この人は……何を知っているの?
「私は蓬莱人と呼ばれる種族で後天的な形で不老不死になったの……生きた年数は二億を過ぎてから数えるのを諦めたくらいにね」
「それとフランの前世になんの関係が?」
「話は最後まで聞きなさい……私はこの子と全く同じ症状を持った一人の女の子の主治医をしていた事があって診察を何度も行った事もあるしご自宅まで足を運んで検診をしたこともあるわ」
二億年を生きていてフランの前世と面識がある、そこには合点がいった……何せ初対面の筈の二人が驚いた顔をしながら見合っていたのだから
「それで……フランの前世は一体?」
「……この子の前世は人の中で最も神に近く何千年ものの歴史を誇る【博麗】の母とイギリスに存在した最強の吸血鬼一派【スカーレット】の血を受け継いだ末裔の父との間に産まれた子なのよ」
「……は?」
「そういう反応をするのも無理は無いわね、何せ自分の血を引く末裔の話すら出て来たのだものね……この子の前世での名前は【白織零華】と言って博麗の総本山で生まれて以降は辺境の地で育ったわ」
「ちょちょちょ!待ちなさいよ!博麗って何よ!それに何で私たちの家の名前まで出てきてるのよ!」
「そこも含めて説明するわ……まず博麗と言うのは日本の長野にある大きな神社にて【龍神】を崇めている血統でね、産まれてくる子は軒並み霊力が高くて女の子なら巫女として、男の子なら神主として動くの。次にスカーレットだけど吸血鬼一派としてイギリスで恐れられていて魔力が高水準で持つことが出来ていたのよ」
「……時代は?私が知らないって時点で可笑しいのよ、そんな話は」
「【有り得ないが有り得る】、それが私たちが住んでいた世界での常識だったわ……時は2006年頃だったかしら?年号が平成で7月4日、その時に零華ちゃんは生まれたわ。因みに博麗での話になるけど7月4日生まれの女の子はあらゆる理に縛られることなく自由に生きていける権利が与えられる程に祝福された子でね……死しても博麗の桃源郷でもある【霊園鄉】に無条件で行く事が出来るらしいのよ」
……話が追い付かない、前世の記憶があるのは確定、私たちスカーレット家と博麗とやらの女と婚姻をして生まれたのが前世のフラン?しかも2006年の平成だって?今から何年先の未来の話なのよ
「話が追い付かないのは分かるわよ、私ですらこんな突拍子もない話は通じないのは理解してるものけど昔話には付き合ってもらうわね……私が零華ちゃんと知り合ったのは5歳頃かな?お母さん似で愛らしくて明るい子だったのを今でも覚えてるわ。」
そう言いながら愛おしそうに眠るフランを撫でる……話に追いつけなくとも分かる、フランにとってこの人は恩師なんだと、だからあの時驚いていたのね
「けど、零華ちゃんの様子が変わったのは小学校4年生の頃になるわね……ご両親が喧嘩を始めたのが呼び水になって虐めが頻発するようになったのよ。それの影響で周りの環境が激変して独りになって行ったのよ」
「そんな……」
「それでも零華ちゃんに寄り添っていた一人の女の子が居たわね、名前は確か【古明地こいし】さんだったかしら?よく一緒に歩いてる姿を見掛けることがあったわ……でも結局仲が良かったのも中学の1年生までだからとても短い付き合いだったわね」
前世でも存在した古明地こいし……後で聞いた話だけれど当時の時点では妖怪とかそう言った類のものはほぼ無くなっており博麗の仕事がお祓いや神事位しか無かったらしい。その為その時代に生きていた【古明地こいし】は人として生きていたとの事だ
「何が原因で……別れることになったの?」
「……とあるデマが流れてたのよ……【白織零華は危険思想を持ってる犯罪者だ】って……馬鹿よね?一介の学生如きが?ありもしないわ。しかもその時の零華ちゃん霊力は疎か魔力の使い方すら知らないのにどうやってするのよ……けどまだ幼心が残っている子供たちにとっては十分に効き目があってね、豪雨と雷が降り頻る外で言われたらしいのよ」
ー零華ちゃん……あの噂本当なの?
ーうわ……さ?
ー零華ちゃんが危険思想を持っているって話よ!
ーっ!?待って、私知らないよそんな話!
ーしらばっくれないでよ!あんたがそんな野蛮人だなんて信じられない!今まで内心ほくそ笑んでたんでしょ!そうなんでしょ!
ーあ……あっ……ちがう……ちがうの……
ーこの後に及んで嘘つく訳なの!?巫山戯ないでよ!あんたとはもう友達なんかじゃない!絶交よ!私の前から消えろこの糞女!二度と話しかけてこないで!
「……私はその時零華ちゃんの事を探してて見つけた時には心が完全にへし折れていたわ……それ以降完全に孤立してしまったのを拍車をかけて周りからの虐めは加速していって怪我も絶えず何度か自殺仕掛けていたこともあったわね」
「そんな……」
「元々明るくて優しかった子だったのに周りの環境のせいで自分をさらけ出すのを恐れて人を信じなくなってしまったの……高校に上がってからも虐めは酷くなる一方だったわ、校舎裏に連れていかれては数人がかりで囲んで殴る蹴る、わざと火傷させる、物を隠す壊す破く等陰湿さが目立つ様な虐めが多発したことがあったわね」
「あっ……あっ……」
息ができない……聞きたくない……でも真実を知らなければ私たちはこの子と向き合うことが出来ない
「進路に関しても同様、全ての企業や専門学校、大学は零華ちゃんに危険思想があると思い込み進学・就職を拒み最終的には自主退学をして自宅に引きこもったわ……その時、帰ってきてみればご両親も居らず18歳の誕生日を折に自宅で衰弱死したわ……紅魔郷のプレイ中にね」
「紅魔郷?」
「ええ、私たちが今いるこの世界と零華ちゃんが生きていた世界ではちょっとだけ違っててね……貴女を始め八雲紫や射命丸文、古明地こいしとその姉のさとり、星熊勇儀や伊吹萃香等がゲームの登場キャラクターとして出ていた作品【東方Project】という企画の元生まれたのよ。勿論その中にはフランも含まれているわ」
「……」
色々と思う所はあったしぐちゃぐちゃに思うところはあれど合点がいった所もあった……けれどフランはフランよ、ここにいるのは紛れもなく私の妹のフランドール・スカーレットよ!例え前世の記憶を持っていたとしても、私たちについて知っていても、愛する妹には変わりないわ
「失望したでしょ?私たちに……でも不思議なのよ」
「え?」
「元来博麗の血を引く者は例外なく【霊園鄉】に魂と肉体揃って行って龍神の名のもとに神霊として顕現する筈なのにこの子はその兆候が無かったのよ」
「……さっき話に出ていた吸血鬼と博麗の混血だからと言う説は?」
「それもありえる……っ!?まさか!?」
「失礼します、お薬の準備が出来ましたよ〜」
八意永琳が何かに気付きかけたがいい所で鈴仙が入ってきた……キョトンとした顔で私なにかしましたか?みたいな顔しないの
「……永琳先生、残りの考察は私たちがやります」
「……そう、それじゃあいい加減起こさないとね」
起こさないとね?まさかこうなる事を予測して眠らせた?鈴仙も言っていたけど月の頭脳は伊達ではないわね
「それじゃあ、説明するわね……それぞれの薬は対応した症状を緩和させる事が出来るようにしていて朝昼晩のご飯の後にそれぞれ1錠ずつ必ず飲むようにね、数が多いから分けて飲むことも出来るけど」
「飲み切るまでが治療……ですよね?」
「よく覚えてくれてるわねフラン、他になにか症状とか出たりしたら何時でもいらしてね」
「鈴仙!あの話ちゃんと通しておきなさいよ!」
「わっ分かってますよ」
薬の説明の傍らで例の置き薬の件を刺しておく、しかしまあ朝昼晩含めても1日3錠ずつでこの量は凄まじいわね……いえ病状の数が多いと自然と薬の量も増えるから仕方ないわ、キッチン担当に消化のいいもの出す様に改めて言っておきますかね
「診察は終わったかしら?」
「あら紫、どうしたのその頭」
「さとりちゃんに「紛らわしい事するなこの紫女」って言われながら想起レーヴァテインで焼かれた」
迎えに来たであろう八雲紫はまたアフロになっていた……とりあえず前世については八雲藍からは聞いていそうだし明日辺りにでも話そうかしらね今日の話を
「それじゃあフラン……お大事にね」
「はい、先生……さようなら」
とりあえずは……一件落着……かしらね?
……さて、話を見て勘のいいガキがいたら私は好きです。
第一話でAC6やってたのを記憶の最後とかいいつつ紅魔郷プレイ中に衰弱死っていう記憶の矛盾点がありますが此方も意図しております、夕暮編ラストにでも諸々のネタばらしはしますのでお待ちどう
次回辺りに日常回挟んでその次に白玉楼に行ってておきたいかなぁ