転生吸血鬼ですが何か?   作:黄昏の跡地

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第31話:覚悟

 

「ん……んあ?」

 

「あっ起きた?」

 

「……ここは?」

 

「ここは白玉楼の客間よ、貴女レミリアちゃんから妖力供給を受けてる間に意識がプツリと切れて寝ちゃってたのよ」

 

……あー何となく思い出してきた、あっどうもフランです。確かここまでの道のりは紫さんが私の足元にスキマを開いて落とした後に冥界に到着、その後妖夢と遊んで白玉楼まで案内してくれたと思ったら妖忌と斬り合いしててボロ負けしたんだっけ?

 

「でもその様子だともう大丈夫そうね、ウチの庭師が粗相を掛けてしまってごめんなさい」

 

「(……なんか思い出してきたらムカついてきた)お構いなくってん?……服ボロボロじゃん」

 

身体を起こして布団から出ようとすると今日着ていた服がズタボロになっていた……原作と同じ服だからちょっとヘコむ、とりあえず着替えてこよう

 

 

少女着替え中……

 

 

「……結局これに落ち着くのよね」

 

白い長袖のYシャツに黄色のネクタイ、赤ベースに金のエングレービングが入ったベスト、黒い脛丈スカートにソックスと結構カッチリ目な服に着替える。インナーとスパッツは予備のを出してきてそれに着替えた為問題なし、髪型を何時ものハーフアップにしたら完璧よ

 

「というか今気付いたけどまだ夕方か今」

 

着替え終わって髪型を弄りながら部屋から出てみると空は意識が落ちるよりも薄暗くなっており雲が分厚く覆っていた

 

「黄昏時ですな……それに雲行きも怪しくなってきております故この様子だと雷雨が来るでしょうな」

 

空模様を考えていると妖忌が此方に向かって歩いてきた……なんかしれっといるの腹立つなこの爺さん1発しばくか

 

「フラン殿……先刻は大変無礼な事をしてしまった事、ここに謝罪を申し上げる。此度の件は全て儂の落ち度にありまする……事情を知らなかったとはいえ客人に対して剣を向けるなど言語道断、如何様な罰も受け入れる所存でございまする」

 

私の怒気に反応したのかは知らないけど通路で妖忌が土下座をしながら非礼を詫びてした……ああまあ孫バカとは言えしっかりしてる所はしっかりしてそうだしちゃんと話さえ聞けば意外と聞き分け良いんだろうけどね

 

「はぁ……本当なら1発くらい鳩尾にでもぶち込もうと考えてたけどそんな風に頭下げられたら馬鹿らしくなって来た。とりあえず顔を上げてください、謝罪は受け入れますので」

 

「しかし!」

 

「でももくそもないわよ……正直体調悪いのに意地張って斬りに行った私も同罪だからおあいこよ、それはそれとしてこの時期に雷雨って珍しいですね」

 

「寛大な心痛み入ります……そうですな、季節は冬に差し掛かって寒空が目立ち始めましたが天気は荒れに荒れることは普通にありますな。しかし荒れるとは言え雨が多少降る程度かと思う今の時期には本当に珍しい事です」

 

冬……雷雨……秋の終わり頃

 

ズキン!

「あっぐぁ!?……あっ……」

 

「フラン殿!」

 

頭が割れるように痛い……今までこんなこと無かったのに……

 

 

ー……ただいま……お父さん?お母さん?

 

ーなんで何も声が聞こえないの?今日二人休みって聞いたのに

 

ー……は?

 

ー……ああ、あは、あはは、ハハハハハハハハハ……結局そうだ……お父さんもお母さんも私のこと要らないんだ……シンジャエ、シンジャエバイイヨミンナ

 

ーワタシハ……ヒトリボッチナンダ

 

 

「フラン!」

 

「ッ!?……ハァ……ハァ……お姉様?」

 

恐らく思い出すことすら無かった前世の記憶、さらに奥深い所を思い出してしまい過呼吸どころか息すらも出来なくなっていたところにお姉様が駆け寄ってきていたみたいだった……冷や汗をかいていて顔を青ざめながら抱き締めてきた

 

「大丈夫よ……大丈夫……貴女は独りなんかじゃないわ、大丈夫よ」

 

「……怒らないんだ、無断で澱水の剣使ったのに」

 

「貴女が無事ならそれでいいわ……怒るなんてことはしないわよ」

 

……優しい、でもその優しさが私の心を甘くさせてくる。いつの間にかズルズルと生きて後数年もすれば原作に入る所なのに未だ前世について話せれていないのがもどかしい……覚悟を決めないといけないけど今だけその厚意に甘えよう

 

「ありがとうお姉様おかげで落ち着いた、そういえば他の皆は?」

 

「あぁーえっとぉ……見に行く?」

 

?随分と歯切れが悪い返答だね?なにか今問題でも起こしてるの?

 

 

 

 

 

大広間にて……

 

 

 

 

『ぎゃははははははは!!!!』

 

「……うっわぁ」

 

大広間の戸を開けて中を覗くとそこは地獄絵図だった、紫さんはさっきと違って服を着ているが瓶ごとラッパ飲み、さとりは静かに一升瓶を抱えながらグラスを持ってちみちみ飲み、ルーミアは出ているご飯を片っ端から食べながらお酒を飲むを繰り返しているしこいしも酔っ払って笑い続けていた……そして

 

「(唯一このメンバーのストッパーでもあるあんたがそれやってどうするのよぉ!?)」

 

この光景を見て頭を抱える他無かった、何せまとも枠でもある藍さんが全裸になってなんか奇妙な踊りをしていた……地獄か?

 

「あっ!ふはーんだー!へがはへはんはね!うははは!!なにそのかお!」

 

「今のこの状況に呆れてるだけだよ」

 

「ちなみに妖夢ちゃんはもう寝てるわ……流石にこの惨状にまとも枠全滅してる状態で放り込むのは不味いからね」

 

「あら妖忌!あんたも来たんなら飲みなよォ!」

 

「ゆっ紫殿!後生を!」

 

……南無三おじいちゃん

 

 

「……とりあえず私達も飲む?」

 

「酔わない程度に飲みましょうか、お腹も空いちゃったし」

 

 

 

 

 

 

数時間後……

 

 

 

 

 

ツラー

 

「うっぷ……フラン貴女随分と飲むわね」

 

「……全然酔わないんだけど?」

 

『え?』

 

「え?」

 

酔っ払うを通り越して顔が青くなり死にそうな姉を横目に一升瓶をまた空ける……さっきからガブガブ飲んではいるけど全然酔う気配がしてこない、お酒飲むのこれが初めてなのに実は前世でも蟒蛇だった説?

 

「とりあえず落ちるなら落ちといた方が良いよ皆、横になった方がちょっとは楽になると思うし……私はもうちょっと飲んでるね」

 

そう言うと皆力なく倒れるように眠り出した、雑魚寝は初めてだろう洋館組はちょっと寝苦しそうだけれどまあ大丈夫でしょう

 

「(考える時間も欲しかったし丁度良いかもね今……これからどうしようかな?伝えないといけないけどこの状況で話すとなると無理があるし、帰ってからになりそうね。一人ずつ伝えるよりも全員集めて話した方が楽なんだろうけど何言われるかが分からないし……ああもう考えが全然纏まらない!っておよ?)」

 

悶々と考え事をしていると空いている徳利とお猪口が目に入った……まだ晴れてそうだ花見酒に洒落こもうかしら?そうしたら考えも纏まりそう

 

そう思い私は徳利に並々にお酒を入れてお猪口も持って編み上げブーツを履いて一本の桜の元へ向かった

 

 

ーーーーーー

 

 

こいし視点

 

 

「……ん、んう?」

 

あれ?私何してたっけ?確か白玉楼に連れてこられてフランが倒れてからお酒飲んでて……あれ?今に至る部分の記憶全然思い出せない

 

「……うっわぁ」

 

起き上がって周りを見渡すと大量に転がっている酒瓶と食い尽くされた食べ物が乗ってたであろうお皿、死屍累々と言わんばわりに雑魚寝している皆が居た……あっ藍さん全裸だ

 

「そういえばフランどこいるのかな?全然思い出せないせいで白玉楼で会ったかどうかが思い出せないや」

 

お酒って怖いなぁ……勇儀達に連れて行ってもらった居酒屋でも似たようなことした気が……よからぬ事は考えないようにしよう!うん!

 

「ううーん……」

 

「ルーミアすっごい寝苦しそう……あっそうだ」

 

寝苦しそうなルーミアの頭を持ち上げその下に私の帽子を枕替わりに敷いて降ろすと「グエッ!?」っていうカエルが潰れた様な声がしたけど直ぐに眠りに入った……これで起きたら私怒鳴られるだろうなぁ

 

「さてと、フラン探しに……ってうわぁ何あれ」

 

長机に目を向けるとお姉ちゃんや私たちの周りに転がっている量の酒瓶をゆうに越す数の酒瓶がキレェに並べられていた……もしかしてレミ姉がこれ全部飲んだとか?

 

「うぅんフラン……それ以上飲むのは身体に悪いから止めなさぁーい……んん」

 

……寝言が凄まじいねレミ姉、という事は彼処にある酒瓶全部フランが空けたってこと!?

 

「……フラン蟒蛇じゃんって探しに行かないと!」

 

そう思い戸を開けるとすぐ目の前の桜の下にフランが黄昏ながらお猪口を傾けている姿が写った

 

「フワァ……綺麗」

 

見惚れているとフランが私の視線に気付いてこっちに手招きをしていた……折角だし遠慮なくご同伴に預かろうかな?

 

 

 

ーーーーー

 

 

「こいし目が覚めたんだ……凄い酔い方してたよ?」

 

「えっ?どんな?」

 

「箸が転げても笑ってる位には」

 

「笑い上戸かぁ、私……フランに変な姿見せちゃったのやだなぁ」

 

……丁度いいかもしれない

 

「ねえこいし……私たち一杯思い出出来たよね?」

 

「うぇ?……ああまあうん……そうだね」

 

「あれからもう300年以上経ってるのが未だに信じれないわ、初めて日本に来て妖怪の山に向かったと思ったら白狼天狗達に追いかけ回されて、追い払ったと思ったら勇儀と萃香とあって初めて負けて……その後にこいしとさとりにあって」

 

 

私たちは思い出を話し続ける……人里での件、ルーミアとの出会い、太陽の畑、紫との出会い、お姉様との再会、月面戦争、人里で1年の護衛、隠岐奈との邂逅、お姉様達の旅行、ティア達との再会、身体の不調、楽しかったパーティ、永遠亭の話、ブレードアーツの話……そしてここ白玉楼での話

 

 

「こうやって話すと本当に沢山の人と会って話したよね」

 

「そうだね……ねえこいし」

 

「何?フラン」

 

いつの間にかお酒は無くなっていた……話の種はまだ残っている……だからここからはお酒抜きのガチンコ話……私は……

 

「初めて会った時に言ったこと覚えてる?」

 

「えっとぉ……あっ!いつの日か私の秘密を話すってやつ?」

 

「うん……まだ気持ちに整理が着いていないけど、それでも話しておきたくてさ……こいし、私の話を信じてくれる?」

 

「え?……うん、フランの話なら全部信じるよ!」

 

「ありがとう……私さ……実は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分に嘘をつきたくない……もう……

 

 

 

 

 

 

 

 

「【前世の記憶】を持ってるの」

 

 

 

 

 

逃げたくない

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