転生吸血鬼ですが何か?   作:黄昏の跡地

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ー少女は羽化した、天に生き夢想を抱く天上の存在にー

普通に考えてガッチガチの神化ってどうなんだろうね?たかだか博麗とスカーレットの混血だからと言ってへカーティア越えの神様になれる訳じゃないし……まあなるようになるか

推奨BGMは【禁じられた紅輝心】です


第38話:紅白の夕暮【夢想いて天に生きる】

 

「……何よそれ」

 

光が収まるとフランの外見はかなり変わっていた……白ベースのバトルドレスに黒のストッキングやアームカバー、白いラインの入ったリボンがあしらわれた格好なのだが最も目に付くのは背中だった

 

肩を覆う程度の短めのローブの間から伸びるマントは色や柄こそリボンと同じだが先端が蒼く燃えておりその背後にどす黒い光輪が浮かんでいた、そしてその光輪を囲うようにフランの翼と同じ形状をした結晶が左右対称に規律正しく浮かんでいたのだが結晶の色は全体が白くなっており先端のみが黒くなっているせいで何処か不気味さを感じた……まるで感情を殺したかのようなそんな感じだった

 

『征伐開始』

 

エコーの掛かった声と共に弾幕が放たれる、さっき迄とは比にならない位の密度だった……威力・射程・速度、どれもかなり高くなっていたのは言うまでもなかった

 

「なによこの魔力量は!?普通に考えても1回の攻撃だけで直ぐに無くなる位よ!?」

 

「先程レミリアさんが仰っておりましたが上限を壊した可能性があるのでは?っとぉ!?」

 

「だとしてもおかしいわよ!永久的に魔力を増やし続けるなんてそれこそアルビオンと同等クラスの魔力炉を持ってないと話にならないわよ!【賢者の石】!」

 

「確かにそう考えるとおかしな所もかなりありますね!【インドラのヴァジュラ】!」

 

魔法使い組が口論をしながら互いの技を放ち相殺しようとする……がしかし効果は無し、逆に打ち消されてダメージを受ける羽目になった

 

「んっぐぇ!?1発の威力が重すぎる!」

 

「……もしかして【根源接続】?だとしてもこの短時間でそれが出来るのかしら?」

 

「確かに根源への接続は全ての魔法使いの最終到達点ではあるけど……レミィ!」

 

「うぇ!?私!?」

 

「家系図で変な人とか居なかったの!?」

 

戦いながらそんな変な事聞かないでよパチェ……家系図……家系図ねぇ?それなりに怪しそうな人居たかしら?別に変な人居なかった筈なんだけど……この強さ普通に考えたら【先祖返り】とか【原初の吸血鬼】位しか有り得ないんだけどなぁ……あら?原初?んんんん???何処かで聞いた覚えがあるわよ?

 

「……あっんぐあぁぁぁぁぁぁ!!!!????いたぁ!?」

 

「レミィ!?大丈夫!?」

 

思い出したと同時に被弾したせいで変な声出たけど居た!確かに居たわ!御先祖も御先祖、何億年と生きた原初にして究極の一へと到達した【白き月姫】の異名を持った人を!

 

「パチェ!【アルクェイド・ブリュンスタッド】って覚えてる!?」

 

「何億年前に生きた吸血鬼よね!その人がなにか!」

 

「一時期見たことあるのよ気になって……まあガッチリ遡る羽目にはなったけど!スカーレット家の始まりがその人だったのよ、もし仮に今のフランがその人と同等クラスになってたとしたら話としては合致する筈よ」

 

「……つまり先祖返りが起きてると?」

 

「その可能性は有り得るかと思いますよ!【夢想妙珠】!」

 

「「菖蒲!?」」

 

突如として現れた菖蒲が放った夢想妙珠と言う技によってフランの攻撃がかき消されていった……どういう事?

 

「やっぱり……霊力には霊力をぶつけるのは正解だったみたいですね、それと先程の話ですが今霊華さんは霊力の流れ的に【夢想天生】を使っているのだと思います」

 

「「「夢想天生?」」」

 

フランが驚いて手が止まっている間に聞けるものは聞いとかないと……また何時攻撃が再開するかは分からないというのに

 

「【夢想天生】とは読んで字のごとく【夢想いて天に生きる】と書いて夢想天生です、本来は博麗家代々から受け継がれてきた究極奥義の一つで使う事によってその人の想いに準じてその姿は千差万別です。無論その効力も違ってきてはいますが共通するものとして【必ず勝てる】というものがあります」

 

「えっなにその技反則じゃん」

 

「実際に夢想天生は耐久スペカだったし時間制限が無ければ永久に勝てない位のチートスペルにカテゴライズされてるやつだもんそれ」

 

「あっこいしお帰り」

 

「……話を戻しますと霊華さんの夢想天生は【究極の一】、要するに単騎で強大な力を持った存在を相手にしても必ず勝てるように創り上げた物だと推測してます。それこそ神霊を超越した原初の存在に近しいものとして」

 

【アルテミット・ワン】……何時ぞや読んだことのある歴史書にはそう書かれていた。『嘗て存在したとある吸血鬼は煌めく星の端末にして究極の存在である』と記されていたがなんの事だかさっぱり分からず放置していたけどまさかこんな所でそんな話が飛んでくるとはね

 

「となると今の霊華さんは【スカーレットの原初】を【博麗の究極奥義】として認識しそれを夢想天生という形で発現したって扱いで良いのかしら?」

 

「永琳先生……それってもしかして」

 

「端的に言えば私たちじゃ勝てないでしょうね?少なくとも今の霊華さんは型月世界の最上位クラスの汎人類史版ORTに片足を突っ込んでるでしょうね」

 

「ヴァァァァァァ!!!!!無理ゲーすぎる!」

 

んー?どういうこと?話に着いていけないわ……なによカタツキとかオルトとかハンジンルイシとか、前世とかでそう言うのあったの?

 

「他の皆にもわかりやすく言うと今の霊華さんは星そのものと思った方がいいわ、仮に一妖怪であっても星には勝てないでしょ?」

 

『鬼畜すぎるわ!』

 

「というか結局根源接続しちゃってるじゃん!勝てるわけないじゃん!」

 

訂正、ヤバすぎる世界だった。と言うかうちの妹一体何処へ向かっているのかしらね?まさかとは思うけど宇宙最強でも目指してる?

 

『……障害を……排除する、スペルカード発動、結界【水雷方陣】』

 

再起したのかフランはこれまた見たことない技を撃ってきたってぇ!?上からは雷と高速で弾幕降ってくるわ下からは水柱立つわ遅い弾幕飛んでくるわで避けにくい!

 

「少なくとも正気に戻すにはこの夢想天生を解除させないと無理でしょうね、【天網蜘網捕蝶の法】!」

 

「そうですね、私とて博麗の巫女!押して参ります!【二重大結界】!」

 

おおーあの二人が揃うとかなり頼もしく思えてくる、もしかして意外とどうにかなる?

 

「レミリアさん!こいしさん!パチュリーさん!聖さん!それから封獣さんと鈴仙に伝えるわ!この夢想天生を解除させるには菖蒲さんの夢想封印を当てる必要があるの!」

 

「正直無理やり突破するにしても博麗の霊力を当てないといけませんし私の能力が相手へ直撃させるかさせないと効力としては効き目ないんですよ」

 

カラクリは何となくわかった、けどこの弾幕の嵐の中突っ込ませるのはあまりにも危険がすぎるわ……だから

 

「私が傘になる、私の手を取って菖蒲!」

 

「はい、お願いします」

 

「こいし!封獣ぬえ!援護お願い!【バッドレディスクランブル】+【スピア・ザ・グングニル】!」

 

「分かりました!【弾幕のロールシャッハ】!」

 

「人使いと言うか妖使いと言うか、荒いなぁ?けどそういうのは好きだよ!【疑心のグリーンUFO襲来】!」

 

「レミィ、加速は任せて!【ゲイルテンペスタ】!」

 

こいしと封獣ぬえの弾幕で道を作りパチェが撃てる最上級風魔法の魔法陣にグングニルを右手に、左手に菖蒲の手を取って突撃する。音を置き去りにしながら赤い閃光を残すその姿はさながら赤い流星だった……

相対的に速度を上げて突撃してフランの元へ着き槍を捨て菖蒲を放り投げる、万一に備えて私はその場待機する

 

「霊華さん、ご容赦を!奥義、【夢想封印】!」

 

『スペルカード発動、月符【月華雷鳴】』

 

夢想封印を直撃させる前に強制的に水雷方陣を解除し別の技を繰り出した、防御用とは違う辺り本来は攻撃用なんだろうけど夢想封印を防ぐ為に敢えて防御に回したのだろう

 

「菖蒲、一旦離脱!」

 

「はい!」

 

『させない……スペルカード発動、錬成【聖光錬雨】』

 

上空に魔法陣が展開しそこから無数の刀剣類や光の雨が降り注いだ、ノータイムでこれだけの武器出すとか反則にも程があるわよ!?しかも今菖蒲を庇いながらだから余計にしんどい

 

「……っ!?防ぐにも一苦労ね!」

 

「……この距離なら行ける、【夢想封印・円】!」

 

菖蒲が新たに夢想封印を発動し一発直撃した、が大したダメージは入っておらずこっちを見ている。けど1回当たったお陰でさっきの武器の雨は止んだのは不幸中の幸いだった

 

「……ねえ、後どれぐらい掛かりそうかな?」

 

「わからないわね、正直今のフランが私たちの考えを逸脱してると思うとかなり時間かかると思うのよね」

 

パチェはエーテルの補給、他の皆も同様に回復をしている最中だ……下から勇儀達が来てる辺り人数に余裕はかなり出来そうね

 

するとフランが此方を睨みながら何かを堪えるように話しかけてきた

 

『なんで……なんで私の事を放っておかないの?!』

 

「……大切な家族だからよ」

 

『嘘っぱちのくせに……いつもそうだ……家族だからなんだと言って結局はまた同じことを繰り返す』

 

「そうさせないように、そうしないように私達も変わる」

 

『人はそう簡単には変わりやしない!噂の出処すらも知らず!ありもしない話の中に踊らされ!自分たちを優先するような奴らと同じだ!』

 

「そんなゲスな奴らと同じにしないで!私たちは違う!私たちは変われる、貴女が最も過ごしやすいようにすることだって出来る!」

 

「私も変わるよ霊華ちゃん、だからもう止めようよ……これ以上霊華ちゃんが苦しむ姿なんて見たくない」

 

「フラン、貴女はまだ戻れる所に居ます!私たちの手を取ってください!これ以上は不毛な争いにしかならないわ!」

 

フランへ語り掛ける……これ以上あの子が苦しむ姿なんて見たくもない、こいしも、さとりも、ルーミアも皆で声をかけて止めるように……一緒に帰るように説得する。私たちはフランの過去にいた【暴力】で抑圧するような奴らとは違う、愛で、言葉で、行動で、あの子の全てを癒せるように。どれだけ拒まれようとも私たちは手を伸ばし続ける!だって……

 

『私がそれを……その手をとっちゃいけないんだ……弱っちいままの私なんてもう嫌だ……また虐められたくないから!』

 

「フラン!」

「霊華ちゃん!」

『フラン/霊華さん!』

 

だって……私たちは……

 

『私の居場所は……ここしかないんだ!スペルカード発動!天符【雷火転覆】!』

 

 

家族だから……

 

 

 

 

 

━━━━━━━

 

抑圧され続けた怒りや憎悪と言った負の感情を表に出すように弾幕と共に無数の轟雷が降り注ぎ煉獄の炎が下から吹き出続ける……思えばそうだった、あの子は泣いたり怒ったりするようなマイナスの感情を一切見せようとしなかった。

いや、今だからこそ分かる……あの子は【見せなかった】のでは無く【分からなかった】のだ、怒ることを、泣くことを、嫉妬することを、憎悪することを、恨むことを

 

「……やっと……見せてくれたね……フラン」

 

こんな状況なのにホッとしてる自分がいる、天変地異でも起こっているのかと言わんばかりの地獄絵図なのに平然としてしまっている自分がいる、やっと負の感情を見せてくれた妹を見て嬉しく思ってしまっている自分がいた。

 

「レミィ何ボサっとしているの!?」

 

「……ごめん、ちょっとだけホッとしてた」

 

「この状況で!?」

 

心外ね、パチェったら堅物なんだからもうちょっと柔和に考えてもいいと思うんだけどねぇ?とは言え悠長にしていられる時間がなさそうね、ついさっき全員集合した筈なのに一瞬にしてほぼ壊滅している辺りフランの殲滅能力がかなり高いことが伺い知れるわ

 

「……こいし、さとり!合わせて行くわよ」

 

「「……はい!」」

 

こいしは青薔薇の剣と赤薔薇の剣を、さとりは想起グングニルを、私もグングニルとゲイボルグを構える……狙うは一点のみ!

 

「あの子のハート、然と射貫くわよ!」

 

「必ず……止めてみせる!」

 

「連れ戻しましょう……必ず!」

 

けど三人でなら必ず終わらせれる事を信じている、私はそう決心しながらグングニルを妖力塊へ変換しゲイボルグへ纏わせて息を整える

 

「スゥー……フゥー……ッ!【スカーレット・メテオーラ】!」

「【スピア・ザ・グングニル】!」

「【アブソリュート・インフェルノ】!」

 

私はさっき以上の赤い流星となったゲイボルグを、さとりは最大出力に圧縮された妖力塊を、こいしは両手に持った剣に風と雷の複合属性を纏わせた合計27連の斬撃波をフランへと放つ

 

『そんな物が……何になるって言うのよ!』

 

「貴女を救う位は出来ますよ!大人しくしていてください!【八方鬼縛陣】!」

 

フランが防御体勢になろうとしていたがいつの間にか後ろへと回っていた菖蒲によってそれが空振りする……紫め随分とトンチキな事をするわね、けど助かったわ!

 

『ッ!?グウッ!?うあ……』

 

一気に揺らいだ夢想天生の無敵効果が切れたのか全ての攻撃が通る……けどこれで終わるわけが無いのがフランなのはわかっていたから直ぐに私はフランの近くまで最速で飛び投擲したゲイボルグを掴み火属性と風、雷の複合属性を刀身へと纏わせる

 

「これで終わりよ……【ディメンション・スタンピード】!」

 

イグニスから教わった槍の最上位ブレードアーツによる六連撃を叩き込むと夢想天生が解除され白黒になった服と翼、何時ものブロンドヘアのフランへ戻った

 

「フラン!」

 

私はゲイボルグを放り投げ落ちないようにフランの両手を握る……優しく包み込むように語り掛ける

 

「フラン……帰りましょ?皆貴女の帰りを待っているわ」

 

 

 

 

顔を向けると私は戦慄した……何故かフランの顔は晴れてなかったのだ。まるで拒む様に……とても暗く泣きそうな顔のままだった

 

「……ッ!」

 

「きゃあ!?」

 

『レミィ/レミリアさん!』

 

無理やり手を引き剥がし突き飛ばされた私はこいしとさとりに受け止められた、菖蒲もいつの間にか紫の隣に戻されており不安そうな顔をしていた

 

「……フラン、なんで」

 

「なんでもクソもないよ!なんで私に手を伸ばすのさ!哀れみのつもりか!同情する位ならほっといてよ!」

 

「同情なんかじゃないわよ!」

 

「家族だから家族だからとそうやって手を伸ばして優越感に浸りたいんでしょ?そして要らなくなったらまた捨てるんでしょ!私のお父さんとお母さんみたいに!もううんざりなのよ!……私なんて……最初から生まれて来なきゃ良かった……こんなに辛い思いを……苦しい思いをするくらいなら!最初から死んだ方がましだったよ!」

 

遂に泣き崩れてしまったフランは恨み言を吐く……ずっと抱え込んでしまったからこそそう思う他なかったのだろう。自分の存在価値が分からず生きている意味を失いただただ暗い道を彷徨い続けるしか無かったのだから

 

「だからこそだよ……だからこそ壊さないと意味が無いんだ!私ごと……星ごと全部(・・・・・)!【プラネタリア・リング】!」

 

そう言うとフランの周りに輪っかのようなものが展開された……一体何をするつもりなの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう後戻りなんてできない……私たちは永久不変の時の狭間で死に続ける、二度と輪廻に戻れない位死に続ける!一生私とコンテニュー出来ないわ!……焼き尽くせ!太陽【燃え盛る命の火】」




はい、おもくそ型月ワールドに脚を突っ込ませた【双極・夢想天生】回でした……いやまあうん結構反省はしてる。

実際問題霊華ちゃんの夢想天生どうするか死ぬほど悩んでたんだけど行き着いた先が【誰にも到達出来ない究極の一】でした。

型月ワールドとは別世界いえアルクとかシエル先生いても可笑しくなかったのかなぁってなって最終的にメリュジーヌ出てくるから若干型月要素混じってもええかってなってこうなりました……結局最初の【妹様ですが何か?】の設定引っ張ってきてるって言うね、まああれよりかは自重してるし大丈夫か

あっ未使用含めた霊華ちゃんのスペルです
天符【雷火転覆】
空符【風氷牙月】
嵐符【炎嵐怒濤】
神技【八方龍殺陣】
月符【月光六華】
月符【月華雷鳴】
神技【極光神威】
結界【水雷方陣】
錬成【聖光錬雨】
夢符【夢想亜空穴・三式】
神霊【夢想封印】
無境【四重大結界】
神具【陰陽神霊玉】
【双極・夢想天生】

次回深夜……頑張ります
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