ガチでッ!鎮まれッ!俺の左腕ェ!   作:テムテムLvMAX

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†暗黒の誕生†

 ふふふ、こんにちは。私は漆黒の片翼の堕天の暗黒聖騎士ドリムール・フェニックス・ラボレシア・カイザー……

 

 と、言う設定を小さい頃に描いていたただのオタク男です……

 

 事ある毎にこの過去の自分が脳裏に浮かんでは消えていく現象に参ってしまうことありますよね、こう黒歴史を突きつけられると心苦しいといいますか死にたくなると言いますか、なんとも言えない心情になるんですよね

 

 そして最近、不幸なことに私は死んでしまいまして、現実世界とおさらばする事になったんですが、不幸中の幸い、神様の計らいで転生する事になったのですが前世と同じ世界、同じ人間にはなれないと言われ、悩んでいた所に神様が勝手に過去の私の黒歴史を引っ張り出してきてこの設定に丁度いい世界に転生させるから安心してね、とか言って有無を言わさず転生させられて今に至ります……

 

 そして転生した先はよくある剣と魔法の世界、ファンタジーな人たちが生活する異世界でした……

 異世界の生活は現代社会に馴染みきった私には辛いかもしれない、でも二度目の人生は初めから頑張ってみようと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 では始まりから話しましょう。

 

 

 

 

 

 

 私はどこかの教会で目が覚めた、教会といっても私の知る聖書の神ではなく、それに近い何か別の神を祀る教会でした。目が覚めた時点で立っていた場所から後ろを見るとステンドグラスと言いましょうかカラフルなガラスで作られた男の裸体が描かれていたのです。局部は描かれはいませんがそれ以外は芸術的にかつ偉大さを感じさせる……そしてどことなく私の転生させた神の見た目に似ていました。

 

 目が覚めてからの私はまだ意識や思考がハッキリとせず、朝起きた直後、または寝る寸前のボーっとした状態でそのステンドグラスを見ていたのです。

 

 

「あぁっ! なんだお前っ!?」

 

 

 ステンドグラスを見上げる私の背後から声がしました、低い声なので男、振り返れば案の定年老いた男性です。その服装は神官と言うのが相応しい青と白の清廉潔白さを感じさせる大きめなローブを身にまとっていました。

 

 その老人神官はハキハキとした声で更に声を発する。

 

 

「貴様ぁ! ここを神聖ヴァステイン教会と知っての狼藉か!」

 

「ほぉ……ここはヴァステインと言うのか……」

 

 

 老人神官が言うにはここは神聖ヴァステイン教会、という場所らしい。

 で、それより問題なのが私の第一声はこれです、言いたいことが全部黒歴史語録に変換されてしまう不治の呪いなんですよね。

 

 ファッ◯!!! 

 

 とにかくこれは不味いと思った所やっと頭が冴えて来た私は猛り狂う老人神官へ謝罪と質問をしようと試みました、愚かにも。

 

 

「許せ、我はこの場の意味を知らなんだ。そして問う、汝はこの神の社の主かね?」

 

「不届きにもこの場の意味を知らないだとぉ……! この国の最高神を侮辱しあまつさえそれを理解してないとはっ! 許さん! 神聖騎士たちよ! 奴を捕らえるのだ! そして極刑に処せぇい!」 

 

 

 めちゃくちゃブチギレられてしまった、この言い回しは自分の意志でどうにかなるものではなく相手の逆鱗を逆撫でするどころか引っ剥がした所まで行ってしまった

 

 いや冷静に分析している場合ではない! なんとかして逃げねば! 

 

 既に私の周りには神聖騎士と言われた真っ白で穢れない鎧と様々な武器を持った騎士たちに取り囲まれていた。

 絶体絶命だ、終わりよ……もうここで私は死ぬんだわ……

 

 そう悲観して両目を左手で覆った時、不思議な事が起こった

 

 

『汝、一切を焔に焚べよ』

 

 

 耳鳴りとも違う、この場の誰とも違う声が脳裏に響く……そして一気に私の記憶は過去に戻り記憶を取り戻した。封印された記憶、恥ずかしくも微笑ましい私の黒歴史……その中にあった設定を。

 

 

 私の今の身体が設定通りに漆黒の片翼の堕天の暗黒聖騎士ドリムール・フェニックス・ラボレシア・カイザー(以下ドリムール)ならば、左手に宿る存在がいる。それまで再現されているなら……きっとそれは

 

 

「生命の坩堝より出たる混沌の獣……ゴルドゥーク」

 

『流石に我が名を覚えていたか、契約者よ……』

 

 

 再び脳内に響く声、やっぱりゴルドゥークだった。

 

 

「何ッ……! ゴルドゥークだと……! 貴様その名をどこで……! あの邪悪なる破壊の権化、全生命の敵とさえ言われその名は歴史から消えたかの魔獣……!」

 

 

 うわ思ったより世界に浸透してるぞゴルドゥークの設定が……なんか顔が熱くなってきたな……私を転生させた神は趣味が悪いらしい、こんな私の黒歴史をこの世界に浸透させたのだから。

 

 あっそろそろ逃げないと騎士たちがじりじりと距離を詰め始めた

 

 

「ふっ……今はこの場を去るとしよう、また会おう。ヴァステインの者達よ、闇に我在り、ドリムール・フェニックス・ラボレシア・カイザーの名を見知りおけ」

 

(ゴルドゥーク、私の考えを読み取れるなら実行せよ)

 

『汝の提案を承諾しよう、左腕と我の自由を対価に汝へ無窮の力を授けん』

 

 

 私の設定通りだとゴルドゥークは神すら喰らう生命の終焉が形を得た物、そして無限界の力を与える生命の宿り木だ。

 

 

「くっ……! この圧……! この禍々しさ……! まさに暗黒っ……!」

 

 

「ではな」

 

(ゴルドゥーク、何処かへ転移してくれ、出来るな?)

 

『承諾した』

 

 

 

 そして神聖ヴァステイン教会からワープした私は今、森の中にいます。人っ子一人、獣の一匹すら見つからない静かな森の中だ。

 

 森の中を歩き回るのは良くないと聞くし、今はもう夜なので大きな木の根に腰掛けてゴルドゥークに集めた木の枝に火をつけてもらいキャンプを始めた。

 

 やっと落ち着いて考えることができる時間ができた、ゴルドゥークにも質問したい事が色々ある

 

 

「ゴルドゥーク、聞かせろ……お前はなんだ?」

 

『なんだ、とは。随分な言い方だな契約者よ』

 

「契約の儀を交わした覚えはないが?」

 

『いや、交わしたとも。お前の前世でな』

 

「……アレは幼き日の児戯、それが真になる理屈が見つからん」

 

『おめでたい頭をしているな? 良いだろう、順を追って語ろうぞ。

 

 その前に訂正しておこう、お前はこの世界へ転生したと思っているようだがそれは違う、1から創生されたのだ、この世界はお前と共に生まれた世界。よって転生ではなく新生だ。

 

 そして、我がお前を契約者と定めた理屈だがこれはこの世界の成り立ちの通り我もお前に合わせ創生された者だ、だが我は元々存在していた、お前は奇跡的に我の存在をお前の設定として認知し契約を交わしたのだ、お前が遊びでもその儀式自体は成功していた。儀式の内容は死後お前の魂を喰らう事だったが、その前に神による仲裁が入ったのだ、訳あって話せぬ事もあるが契約は一新されお前の力をなることが我の目的となり、こうして共にあるわけだ』

 

 

 なるほど……黒歴史だったのが本当は奇跡的な噛み合わせで本当に実在している存在とコンタクトを取ってしまった訳か。

 

 複雑な事実があって私は転生したんだなぁ……

 

 

「ふむ……まぁ、我としてはいかなる理由であろうとも構わん」

 

『それでよい、我らの契約は永遠よ』

 

「永遠か、ハッタリか?」

 

『無論真実也』

 

 

 

 私の異世界ライフは少し、いやかなり前途多難なのがもう分かってきました……黒歴史だったものが今更襲ってくるなんて……やはり自分を苦しめるものは過去から突然来るんですね……

 

 

 

 

 

 

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