一夏と白の騎士の物語   作:上腕二十二頭筋

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始めまして、上腕二十二頭筋ですです。

ちまっと書き溜めていたのを投稿したので、基本不定期更新です。

今回の白騎士は固い感じで行きますが、次回からはTHE・妹キャラ!!のようなカワイイ感じにしますので今回の白騎士が気に入らないからという理由でこの作品を嫌いにならないでください。


白の騎士、リブート

場所はとある研究所。

山奥に位置するこの研究所には、とある天災がいた。

 

「やあやあみんなー、私が天才の篠ノ之 束さんだよー♪」

 

見えない相手(読者)に対する挨拶も忘れない。

 

 

彼女の目の前には一つのIS、それは世界で初めてのISでもある『白騎士』だった。

そして今ここに『白騎士』がある理由。

 

「それはいっくんのISを作るためだよー」

 

 

言葉足らずな篠ノ之氏に変わって説明。

 

数日前に篠ノ之束のお気に入りであるいっくんこと織斑一夏が女性にしか使えないはずのISを動かしたために、専用ISを作ろう!!というわけだ。

 

その専用ISのコアに『白騎士』のものを使うつもりで、今からコアを抜き取るために『白騎士』がここにある。

 

 

「説明ごくろーう」

 

……いえいえ

 

 

「それじゃあ早速、今からコアを抜き取りたいと思いまーす。」

 

篠ノ之束はそう言うと、白騎士のコアに手を伸ばす。

 

 

しかし『白騎士』から、それを拒否するかのように電流が流れる。

 

束は反射的にかわしたが、コアが電気で威嚇するようにバチバチと音をたてる。

 

 

「おおっとー、危ないなー……こうなったら!」

 

すると●次元ポケット(自称)からマジックハンドのようなものを取り出す。

 

 

「じゃじゃーん。『白騎士のコア抜き取り機』ーー」

 

原理は簡単。ISのコアを電流を通さないマジックハンドでつかんで抜き取るだけ。

 

 

「よーし、いっくよー。

………あれ?取れないなー……」

 

コアは『白騎士』から離れようとしない。

 

そこで持ち前のハイスペックを活かして思いっきり引き抜く。

 

 

すると

 

パキンっという音が鳴り響いた。

 

 

「あ〜〜〜〜〜!!

大切なコアが割れちゃったーー」

 

 

見るとコアはほとんど真ん中から真っ二つになっており、半分はまだ『白騎士』とくっついたまま離れていなかった。

 

「ま、いいやー。この半分に新しいパーツをくっつけて、いっくんに合った新しいISを作っちゃえば」

 

そう言って何気無く篠ノ之束は白騎士の方を向いた。

 

 

「………あれ?」

 

するとそこにあったはずの『白騎士』が消えていた。

 

 

 

 

 

私の名前は白騎士

 

 

目の前で自分の心臓とも言えるコアを半分に割られてしまった。

 

 

今も少しずつではあるが意識が遠のき始めている。

 

 

よく考えれば世間一般で『白騎士事件』と呼ばれる事件が私にとって最初で最後の出番だったんだなあと実感する。

 

 

自由無きこの部屋から飛び出して、自由になりたかったが、それはもはや叶わぬ夢。

 

 

 

白騎士は今、この瞬間に死ぬだろう。

 

だが私のあとはその『いっくん』のISに受け継がれるはずだ。

 

そろそろ私の意識も完全に消えるはずだ。

 

 

人間のような自由に動ける手足があれば、私の夢は叶ったのかなあ……

 

 

そう思いながら私の意識は途切れた。

 

 

鳥の鳴き声が聞こえる……

 

目を開くと青い空。太陽のまぶしさに思わず目を細める。

 

そんな太陽がつかめそうな気がして手を伸ばそうとした。

 

 

そこでとある疑問が湧き出てきた。

 

(手?)

 

少しだけ寝ぼけていた私の意識はその瞬間に覚醒する。

 

 

 

普段なら手を伸ばそうとしても伸ばせない。仮に伸ばせたとしてもそこにあるのは白騎士の物騒なアームのはずだ。

 

だが私の目に入ってきた手というのはアームではなく、正真正銘人の手だった。

 

(どういうこと……?)

 

 

まずここが何処なのかもわからない。

 

とりあえず周囲を確認しようと上体を起こす。

 

 

 

すると、

 

「千冬姉!さっきの子が起きたみたいだよ」

 

 

声のする方へ視線を向けると、青年がこちらに走ってきていた。

 

どうやらここはこの青年の家の庭だったらしい。

慣れない手と足を動かして起き上がろうとする。

 

 

「おい、大丈夫か?起き上がって」

「う、うん。ゴメンね?気がついたらこんなところにいたから……」

「あ、そうなんだ。いや、こっちもちょっとびっくりしただけだから」

 

 

「おい、一夏。今の子は……」

 

すると一人の女性が出てきた。

でも、その女性のことを私は知っていた。

 

私を動かした最初で最後の搭乗者。

 

 

「………ちーちゃん?」

「待て、それは束の呼び方だ。お前……束の知り合いか?」

 

 

気が動転してしまい束の呼び方になってしまった。

束……私を作ってくれた母でもあり、殺そうとした死神でもある人物。

 

憎んでいない……と言えば嘘になるが、憎み切れない自分もいる。

 

 

「質問の意味がわからないのか?」

「いや、まぁ、そうですね………」

 

 

別のことを考えていたが、自分でも今の状況が信じられない上に、本当のことを話して逆戻りという結果になるのはもっと嫌だ。

 

 

「そういえばお前の名前はなんだ?」

「ええっと……」

 

白騎士と言いたいところだが、こうして人間になっているのでなんとも言えない。

 

 

「わからないです。思い出せないです……」

「記憶喪失か?それはすまなかったな……」

 

「どうする?千冬姉」

「うむ、我々でこの子を引き取るという方法もあるが……それだとIS学園に一夏が入った後は留守にさせてしまう……」

 

「じゃあ私、IS学園に入ります」

 

 

私は反射的にそう答えていた。

 

 

「おいおい、IS学園はめっちゃハードル高いんだぜ。それに入学試験はもう終わってるし」

「いや、私が頼めば一人くらい入学試験をしてやることくらいは可能だ。」

 

「ありがとうございます、ちーちゃん。

あの……もし私が入学試験に受かった時は、私の……。家族になってくれませんか?」

 

 

無茶なお願いだとわかっていたが、ちーちゃんは始めて私を見た時と同じような穏やかな顔をした。

 

「あぁ、もちろんだ。いや、もうこの瞬間からお前は私たちの家族だ」

「そうだな。でもさ、千冬姉。苗字は織斑で良くても名前はどうする?記憶はないんだろ?」

 

 

 

こんな優しい人達に嘘をついているという後ろめたさのせいで少し心が痛む。

 

「うむ、確かにそうだ。なにか希望はあるか?」

「そうですね……。やっぱりカワイイ名前の方がいいです」

 

 

「だ、そうだ。一夏、名前を付けてやれ」

「えぇ!俺が?……う〜ん、そうだなぁ〜」

 

数秒間う〜んと唸り、人差し指を立ててこう言った。

 

 

「そうだ、春の香りと書いて春香(ハルカ)っていうのはどうだ?

織斑 春香、どうかな?」

「はい。とっても良いと思います。

 

 

「今から私は織斑 春香です。これからよろしくお願いします」

 

 

この日、白の騎士は一人の少女として生まれ変わった。




最後まで読んで頂きありがとうございます。


白騎士の名前は春香です。
まあやっぱり春は入れておきたいなぁーと思ってのこの名前です。


それとナレーターと話す場面はこれから皆無です(確定)

感想、指摘お待ちしています。
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