報告を一つ、『唐変木は矯正済』のタグを外しました。
よくよくよくよく考えてみたら、その場合箒と鈴さんの気持ちにも気づいていたはずなので接し方がめんどくさそうなので外しました。
けれども多少の補正はあるので、原作ほど重症ではないくらいですね。
やあ、みんな。俺の名前は織斑 一夏。
今、俺はIS学園の1年1組の教室にいる。
今さらだけど帰りたいです。あの平穏な日々に……
俺を苦しめているものは二つ。『無音の空間』と『大量の視線』だ。
隣の席の春香も始めての学校に緊張しているのかおとなしくシャーペンを分解している。
やかましいのも困るが、ちょっとくらい助けてほしい………。
だ、だれか〜〜
「はーい、みなさーん。席についてくださーい。」
おぉ!!あなたは救世主か!!
だが一つ言わせてもらえば、全員着席済みなのだ。
………ダメかも
「私の名前は山田麻耶です。一年間よろしくお願いします。」
うむ、上から読んでも下から読んでも『ヤマダマヤ』か。いい名前だ
ここでみんなから「「「よろしくお願いします」」」的を期待していたのか、山田先生が生徒たちをキョロキョロ見回している。
「じゃ、じゃあみなさんに自己紹介をしてもらいま〜す」
気を取り直した山田先生はそう言った。
◇
「織斑君!!」
「は、はい!!」
山田先生に声をかけられて現実逃避を中止する。
「あ、自己紹介ですか?わかりました」
「は、はい。よろしくお願いします」
まあ名前を言うくらいでいいだろう
「えっと……織斑 一夏です。」
このまま座ってやろうと思っていたら、クラスメイトが「まだなにかあるよね?」と小声で喋っているのが聞こえてきた。うう、気まずい
しまった。他の人の自己紹介も聞いておけばよかった。
「あの……以上です」
俺がそう締めくくると、教室にいた全員が呆れたような顔をした。
いや、全員ではない。春香はシャーペンに組み込まれている小さなネジで遊んでいた。
「お前は満足に自己紹介も出来んのか」
ズドンッと頭に激痛が走った。
打撃系攻撃らしく、脳震盪を起こしかける。
「げぇ、関羽!?」
と言いかけてやめた。
余計なことを言うよりHPを回復させたかったからだ。
「さて、諸君。私が担任の織斑千冬だ。これから一年間でお前たちを使い物になるようにしてやる。だから私の言う事はよく聞き、よく理解しろ。私の仕事は弱冠十五才から十六才までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」
「キャーー!! 千冬様! 本物の千冬様よ!!」
「私、ずっとファンでした!!」
「私、お姉さまに憧れてこの学園に入学したんです! 北九州から!!」
「私、お姉さまの為なら死ねます!!」
えっと……状況説明を頼みます。
「ち、千冬姉……なんでここに?」
少し尋ねる感じで聞いたのに、ノーモーションから放たれた出席簿による攻撃で本日二度目の激痛。
「織斑先生だ」
「すみません……」
「あれっ?千冬お姉ちゃんだ」
「織斑先生だといっているだろ」
そういってパシンッと春香の頭を叩く。
明らかに俺の時とは威力が違う。
「ほらっ、織斑妹。お前も挨拶くらいしろ」
千冬姉がそう言うと、春香は「は〜い」と清純な笑みを浮かべた。
「織斑 一夏の婚約者の織斑 春香です。みなさんよろしくお願いしまーす」
あ、いつの間にか婚約者になってる。
するとクラス中から「「「えぇ〜〜〜」と凄まじい音量で叫ばれた。幼馴染の箒は頭から煙を出して机にうつ伏せになっている。
「ったく……面倒を起こすな」
一番前にいる俺には千冬姉のそんな呟きが聞こえてきた。
◇
婚約者だと春香が言ったため、俺は弁明するのに苦労した。義理の妹なのだと説明したら五反田食堂の時のように、『結婚もできる』発言によりクラスが荒れた。
今気づいたけど結婚に関する法律を知ってるなら社会がもっと出来てもいいんじゃないか?
さすがにここまで広まってしまうと
そしてこの時間はクラス代表を決めるらしい。
まあ俺には縁もなi……「はーい、織斑君を推薦しまーす。」……なに!?
でも辞退すれば……「ちなみにだが辞退は出来ないからな?織斑兄。」……バカな。そんなことがあっていいのか。
誰か納得出来ない人は……「納得いきませんわ!!」……おぉっ!!
「私、入学試験で唯一400点以上を取り、唯一実技試験で試験官を倒したセシリア・オルコットを差し置いて、クラス代表を決定するのは許せませんわ。」
少しイラっとしたが、クラス代表を押し付けるためにもオルコット氏にはがんばってもらわなくては困る。
「ISを動かしたという男子がどのような人間か気になっていましたが……ろくにISを使ったこともない低脳で野蛮な猿のようですわね」
クラスのみんなはオルコットの発言を聞くため、後ろを向いていた。
だがそれでもとある少女が移動する瞬間を見る者は一人もいなかった。
「あんまり調子に乗らないでね」
まるでテレポートしたかのように、俺がよく知る人物、春香が一瞬のうちにオルコットの後ろからシャーペンの先を頸動脈に当てていた。
オルコットはもちろん、他の人も動くことが出来なかった。
「少なくとも私の前ではISを“使う”とか”動かす"なんて言わないでもらえるかな」
そう言って春香はオルコットの首からシャーペンを離す。よく見れば春香が持っているシャーペンはさっきまでバラバラだったもので、おそらくずっと眺めていたのは組み立て方を想像していたのかもしれない。
だが組み立てはともかく、移動までの行程を隣にいる俺に気づかれないようにするのはまず不可能のはずだ。
「織斑妹、あまり刺激させるな。席に戻れ」
「……はーい」
だがオルコットはそれに食い下がらなかった。
「お待ちなさい!このエリートである私にあろうことかシャープペンシルを突き立てておいて謝罪の一つもないのですか?」
「だまれ、オルコット。第一、お前がエリートと言うなら織斑妹もまたエリートだぞ。」
「……どういうことですか?」
「お前の情報は古いということだ。確かにお前は筆記試験は主席だ。だが織斑妹は五教科中 四教科はお前を上回っている。実技も訓練機でお前より速いスピードで勝利してみせた」
「なっ……」
オルコットは怒りを隠そうともせずに春香を睨みつけていた。
「いいでしょう。そこまでイギリス代表候補生のセシリア・オルコットを侮辱するというならば、決闘ですわ」
「代表候補だかなんだか知らないけど、あなたには負ける気がしないね。」
「くっ、言わせておけば……」
続いて俺を指差してオルコットは言った。
「それに織斑一夏!!あなたにクラス代表を渡すつもりはありませんわ!!」
「いいぜ!兄妹共々お前を倒してやる」
「威勢の良さだけは認めてあげますわ」
「話はまとまったな。それでは一週間後に試合を行う。まずクラス代表の決定のためにオルコットと織斑兄。
その次にエキシビションマッチとしてオルコットと織斑妹で試合をする。それと織斑兄」
「はい?」
「お前には専用機が与えられる。唯一の男性操縦者としてデータを取るのが目的だ。……まあ難しいことは考えなくていい」
専用機……確かISの心臓と呼ばれるコアには数が限られてるからそのうちの一つが俺専用になるのか……
「ちふ…織斑先生」
「なんだ?織斑妹」
「私に学校の打鉄を貸してください。決闘の日まででいいので」
「あぁ、そのことだが……一週間だけではなくお前は試験の結果がとても優秀だったため、異例ではあるが待機状態で打鉄が貸し出されることが決まった。
専用機ではなく、あくまで貸し出しなので使用する時はきちんと正規の手続きを済ませるように」
わかりやすく言うと自衛的な理由で貸し出されるわけだな。あとはその打鉄なら予約待ちが無しで練習ができるのか……
「本当ですか?じゃあ入試の時に使った打鉄さんが欲しいです」
「わかった。ではそのように手配しておく。放課後に私のところへ来い」
春香の笑顔は先ほどとは一転して、これまでに見たことがないほどの輝きを帯びていた。
最後まで見て頂きありがとうございます。
は、は、は、春香さんがキレた!?
怒らせると怖い……(ガクガク)
感想、指摘お待ちしています。