大学で一番かわいい先輩を助けたら呑み友達になった話 作:枩葉松
「あぁ〜〜〜〜!! 疲れた〜〜〜〜!!」
程なくして旅館に到着。
部屋に戻ると布団が敷かれており、僕は腹の底から声を上げながら倒れ込んだ。
疲れた。本当に疲れた。
ほんのちょっと散歩するだけだったのに、何だってこんな目に遭わなくちゃいけないのか。そりゃまあ、心配してくれるのは嬉しいけどさ……。
「晶さん、大丈夫?」
「んー……ちょっと無理かもー……」
「そっか。じゃあ一緒のお風呂、やめとく?」
「入るっ!!!!」
しまった。思考よりも先に口が勝手に動いてしまった。
僕の下心全開な返事を聞いて、朱日さんは苦笑する。
う、うっひひ……困り顔も可愛いなぁ……。
「でも、大丈夫なの? さっきお風呂に入った時は、恥ずかしくて目隠ししてたくせに」
「へ、平気さ! 僕を甘く見ないでよ! もうここですっぽんぽんになっちゃうんだから!」
と、上着の裾に手をかけたところで。
朱日さんからの視線に気づき、カーッと顔に熱が回る。
「こ、ここで、すっぽんぽんに……!」
脱ごうとするも、手に上手く力が入らない。
くそー! 何でだ!?
いつから僕は、こんな臆病になっちゃったんだ!!
「はぁー……」
大きなため息をついた朱日さん。
あぁ、ダメだ。呆れられちゃった……。
『私、親友として普通のお泊りがしたいからさ』
ついさっき、そう言っていたのに……。
くそぉ……くそぉー……!!
「んじゃ晶さん、ばんさーいして」
「……?」
「私が脱がしてあげる。だから、先にお風呂行ってて?」
呆然とする中、なすすべもなく服を脱がされていき。
僕の身体を見て、白い歯を覗かせる。ニヤリと、妖しく。
「こうやってお部屋で脱がしてると、これからイケないことするみたいで変な感じするね……♡」
もしかして僕、エロ漫画の世界に迷い込んじゃった?
「かんぱーい!」
「か、乾杯……」
大人が六人くらい入っても余裕がありそうな、広い露天風呂。
湯船に桶を浮かべて、その上に徳利とお猪口。先ほど購入した酒を注いで、カンと乾杯する。
「うひゃー、美味しい! 温泉に入りながらのお酒、最高だねっ!」
「だ、だねー……」
チビチビと呑みつつ。
僕は端に身体を寄せて、視線を逸らしていた。
「もーっ、晶さん!? せっかく広いお風呂なんだから、もっとこっちおいでよー!」
「っ!?」
お、おっぱいが!? ぱいがぱいでぱいぱいぱいぃいいいい!!
待って待って、ちょっと待って!! 当たってる、当たってるからぁ!!
「もしかして、私のこと、嫌い……?」
「……っ!! 大好き、で、ですけど……!!」
思わず敬語になってしまった。
てか、めちゃくちゃズルい質問するなこの子。
たぶん、糸守クンもこんな感じで迫られたんだろうなぁ。
いや、無理だって。
こんな迫られ方されたら、知的生命体は抗えないって。
「あっ。やっとこっち見てくれたー♡」
「…………」
でっか。
いや。
でっっっっっっっっっっっっか!!!!
服の上からでもわかる。水着姿だって見たことがある。でかいことはわかっていた。
でも、こうして生で見ると迫力が半端じゃない。
ただデカいだけじゃなくて、綺麗で、神々しくて、目が離せない。
人生で初めての天体観測。
写真やプラネタリウムではなく、生の星々の光を浴びた時のような、清々しい感動がある。
……い、糸守クン、これをひとり占めしちゃってるの?
これを触って、揉んで、吸っちゃってるの……?
ダメだよ、それ。
犯罪だよ。
犯罪じゃなくちゃ、世界のバランスが取れないよ。
「ちょっと、見過ぎだよ」
「はっ!? ごごごっ、ごめん! 僕、そんなつもりじゃ――」
やばい。まずい。やらかした。
焦りのままに距離を取りかけたが、朱日さんに手を掴まれ阻止された。
そしてそのまま、僕の手は彼女のおっぱいへ。
ビックバン並みの破壊力を持つその感触に、僕の脳は一周回って冷静さを取り戻す。
「一回だけ触らせてあげるから、これで落ち着いて? 要君には内緒だよ……?」
僕は自分でもわかるくらいアホな顔をして、「は、はい」と頷いた。