キヴォトスに朝日が昇る 作:sosprin
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熱い日差し、青い空、いつでも消えそうなこの街の中で、いつものように夜通し治安維持活動をしていた。気が付いたら日はすでに高く登っている。眠い。やはり徹夜はするものではないが、この自治区を守るためには仕方がない。幸い、昼間の治安は夜に比べたらまだマシだ。今日も学校に行って寝よう。どうせ授業はないし、かわいい後輩の顔を拝めるからね。
学校に向かって通学路をてくてく歩いていると、横転した装甲車を発見した。装甲車はひしゃげてはいるが比較的あたらしいように見える。周りをよく見ると足跡が複数ありその足跡は学校のほうへと向かっていた。いつもの襲撃だろうか?しかし珍しいこの時間を狙われるとは思っていなかった私はいそいで学校へと向かうことにした。
足跡をたどっていくとやはり学校に近づいている。
「…!」
T字路に差し掛かったところで後ろから声が聞こえた。敵かもしれない。私は銃を構えた。
「誰だ!」
「わっ...ほ、ホシノ先輩?」
「ん、あ、あぁ。なんだ…ノノミちゃんか、おはよう…」
どうやら後輩のノノミちゃんだったようだ。どうやら焦りすぎていたらしい。
「おはようございます…?」
「ごめんね〜急に銃口向けちゃって…」
「いえいえ...ホシノ先輩、朝から妙に張り切ってますけど、どうかしましたか…?」
私は学校の前に敵がいること、すでに侵入されている可能性があることを話した。
「...ってこと」
「なるほど...学校が危ないんですね...」
「そう、朝からきついだろうけど、戦闘準備だよ。いける?」
「はい。任せてください!」
と話していると目の前を目にも留まらぬ速度で自転車が駆けていく。その自転車は急ブレーキしこちらへ戻ってきた。
「ん、先輩、ノノミ、おはよう。どうかしたの?」
ちょうどシロコちゃんも登校しに来たようだ。やはりシロコちゃんの自転車は速い。最近は公式大会にも出ているらしい。私はシロコちゃんにも事を伝えた。
「学校が危ない…敵を倒さないと…!」ギャリ
「ああ、シロコちゃんストップストップ!作戦があるからちょっと突撃はちょっとまって〜!」
シロコちゃんがそのまま学校に向かおうとしたので私はすぐにそれをとめ、思いついた作戦を2人に話した。
私達は正門へは向かわずに裏口へとたどり着いた。
すでに何人かが学校に既に侵入している可能性を考え、裏口から侵入し敵を殲滅したほうが戦いやすいからだ。
校舎外から制圧するよりは、校舎内を先に抑えておいたほうが戦いやすくなる。
裏口から校舎内に侵入し、階段の影から廊下を見ると、やはり敵は中に入り込んでいる、洞察はあっていたようだ。敵は教室に入ってはものをあさっていたりする。
私たちの思い出を奪おうとするなんて許せない。
私たちは外の敵に気づかれないよう、中の敵をこっそりと倒すことにした。
シロコちゃんは四階に、ノノミちゃんは三階に、そして私は二階にいる敵をそれぞれ倒すために向かった。
足音を立てないよう廊下を歩き、教室をのぞき込むと敵が一人いた。人間の大人の男だろうか、キヴォトスでは珍しい。
彼はこの教室に捨て置かれた教科書をめくり読んでいる。夢中になっている隙に後ろに忍び寄り、銃床で彼の頭を強く殴る。
ゴッ
「ウッ...」ゴトッ
鈍い音がして彼はすぐに倒れた。かなりもろい。こんなにすぐ倒れるとは思っていなくて力を入れすぎた。死んでいないか不安になったが脈はある、どうやら気絶しただけのほうだ。よかった。
私は彼を廊下に出し、また廊下を進む。ほとんどの教室を見て、最後は私たちの部室だけだ。この部屋に移ってきてからはかわいい後輩と短くもたくさんの月日を過ごしてきた。この教室を脅かす人は何人たりとも許さない。
どうやら入り込んだ敵はすでに教室の棚を漁りアビドスの借用書であろう書類を見ている。あの書類は忌々しい。それにしても敵はカイザーからの差し金だろうか、また悪いことを考えているのだろうか。まあ、とにかく排除対象であることに変わりはない。
私は彼に近づき銃を突きつけた。
結局、彼はこちらに反撃することはせずに素直に拘束に応じてくれた。ヘイローもないし銃で撃たれたら一発なのだろう。こちらにとってはうれしい限りだ、めんどくさい戦いが起こらないから。
それと同時にシロコちゃんとノノミちゃんも制圧が終わったようで、敵を全員縄で縛りつけた。残りの外の敵は脅せば降伏してくれるだろう。私たちは捕虜を連れて外に向かった。
外に出て、敵は私たちに気づいたようだ。捕虜の存在にも。
彼らは解放を叫ぶけれど私たちが応じるはずがない、彼らが始めたことだから。
彼らは私たちに怯えているようで、なんだかちょっといい気味だ。
そのまま尋問をしてみることにした。
まず何者なのか聞いてみた。私はどこかしらの企業の回し者かと思っていたが、答えは予想の斜め上をいった内容だった。
どうやら学園ごとこの世界に転移してきたという、小説でもありえない回答に笑ってしまいそうになった。この人たちはいったい何を言っているんだろう。
私はもう少し脅しをかけるために引き金に指をかけた。しかし何回聞いても回答は同じだった。さすがに私も耐えられない、最悪砂漠に埋めてしまおうかと考えそうしようとしたとき、ノノミちゃんに止められた。あぶない、危うく道を踏み外すところだった...そんなことはしてはいけない。
そのままなんやかんやあって、今夜は彼らを学校に捕縛することにした。
彼らの正体を暴くために。