いきおいトリップ!   作:神山

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十五話目

デスクローを倒してから数日。あれからデスクローに出会うことは無かったものの、結構な数の魔物と戦う羽目になった。その中には今までのワイルドドッグやブロードフライもいたが、今回は新種とも数種遭遇している。

 

 

まず初めに130cm程度の緑の身体をした醜悪な顔つきのゴブリン。これは出っ張った下顎についてる牙が報酬部位だ。これに関しては道中丁度森から出てきた20匹の集団と鉢合わせになってしまい、戦闘になったんだがパフォレーターをランボーの如く一斉掃射するとすぐに勝てた。ランクが低いのもあるだろうけど、やっぱり人型のやつとかは銃弾に弱いみたいだ。簡単に貫けたのが何よりの証拠と言えるだろう。

 

 

そして次に、ゴブリンが2mを越えてる位のサイズになってデカイ棍棒を携えたCⅡランクのオーク一匹。コイツはゴブリンよりかは知能が高いそうで、スーパーミュータント・マスターの如く身体に木の鎧みたいなのをつけていた。まぁ銃を持ってる俺からすれば意味の無い装備だったために近寄られる前に心臓に集中的に撃ち込んで倒した。報酬部位はオークの首だったからさ。そんで何故かPip-Boy3000に入れると首が布袋に入っていたのは嬉しかった。

 

 

まぁ他にも何匹かいたが、代表的なのはこのくらい。何度か物理攻撃もくらったものの、パワーアーマーとこの身体に勝てるはずもなく、突っ込んできて逆にふらついてるやつもいた。若干イラついたので、力を込めてアッパーで殴りつけた途端、風を切る音と共に俺の拳が魔物に命中。同時に首から上が前方30mに綺麗なアーチを描きながら飛んでいったのは記憶に新しい。パワーアーマーの装甲とスキル、Perksマックス及び神様補正の力は伊達じゃないと身をもって実感。同時に一般市民には絶対に使えないのも。

 

 

敵の攻撃に関しては、少し身体が下がって衝撃は来たけど大したことはない。一応体力は減っているのでスティムパックで回復はしておいたがね。他のやつらもパフォレーターの一斉掃射でなんとかなった。弾薬の心配は無いため、しばらくはこんな感じでやっていけるだろう。

 

 

で、現在ベガルタの村のギルドにいる。部位報酬はここで精算するつもりはない。あくまで依頼の達成のみが目的だ。どうせ驚かれるならデカイ場所で、と開き直ってみたり。

 

 

「よっと、荷物の確認お願いします」

 

 

「はい。えっと……うん。何の不備も無いですね。お疲れ様でした。こちらが報酬ですね」

 

 

荷物を受付のお姉さんに渡し、報酬を受け取る。幸いな事にギルドカードはポイントを付加する為に水晶に翳しただけだったためデスクローとかに気づかれる事はなかった。こういうのは自己申請的なものなんだろうな。

 

 

「ふぅ……魔法学院都市まであと少し、か」

 

 

特に依頼も良いのが無かったためギルドから出る。そしてPip-Boy3000の地図に登録されたこのベガルタは、現在の目標の魔法学院都市にかなり近い。まぁ疲れ知らずの身体に加えて駆け足で来てるからこそすぐに着ける距離なんだが。

 

 

「ま、今日はゆっくり風呂に入るかな」

 

 

放浪の旅も始まったばかり。まだまだ食料も余裕があるし、こうやって人のいる休憩地に入ることで初めての旅にしては精神的にも余裕がある。やっぱり初っぱなからメガトンに突っ走るなんて馬鹿をしないでよかった。さて、今日はもう夕方だし宿とって寝るか……。


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