みんな、バトルスピリッツって知ってるかな?
バトルスピリッツっていうのは、カードに描かれたスピリット同士の熱いバトルと、マジックやネクサス、ブレイヴといったサポートカードによる攻防が魅力的な1対1のカードゲームのこと!
こうしてみんなに私の大好きなバトスピの事をお話できることが、楽しみでもあり怖くもあるんだ。
バトスピは私の原点で、同時に沢山の悩みや迷い、困難や逆境を抱えた、今の私の全てを構築していると言ってもいい存在。
でもバトスピと出会ったことは決して間違ってないと、ここに立つ私はそう思うの。
だからね。
ちょっと長くなっちゃうかもしれないけど、私の話を、最後まで聞いてくれると嬉しいな。
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高校生でありながら、兄である
朝の退屈なホームルームの前に、ノアは考えに耽っていた。
(はぁ、今日から高校3年生、いよいよ卒業かぁ…)
バンド活動をしているものの、他は普通の女子高生であるノアは、卒業後の自分がどうなっているのか興味があった。
だが、イマイチ想像が働かない。
(どーしたってお
ノアは兄が大好きだ。
しかしそれも仕方がない。
今のノアがあるのは、ある意味で兄のせいなのだ。
(お
ノアはNOIЯRIONの楽曲で作詞を担当している。そしてそれは、バトルスピリッツに存在する【タイプ:歌】を持つマジックカードを元ネタにしているのだ。
ちなみに、そうして出来上がった楽曲は動画サイトBtubeで配信しているが、特に発売元の
ノアは中学3年生の時、バトスピの大きな大会で準優勝という結果を残している。
全国同時配信がなされる程の大きな大会で、女子中学生が準優勝とあっては、注目するなというのが無理な話だ。
そんなノアがメインボーカルなのだから、NOIЯRIONの注目度はかなり高い。
結成してからまだ2年しか経っていないが、結成と同時に立ち上げたBtubeチャンネルは登録者35万人と、なかなか軌道に乗っているのだ。
(ま、卒業してもしばらくはバンド続けるだろうし、まだまだ
ノアは今、既にバトスピをやっているプレイヤーにも、そうじゃない人にも、とにかく
(でも、最近ちょっと動画の伸びが良くないんだよなぁ…。一体全体どうしたものやら。)
と、考えを巡らせているうちに、ノアの担任である
「なんやかんやでお前たちとの付き合いも3年目だ。ここまで一切留年者退学者を出していないのが自慢のアタシたちだが、今日から新しい仲間が加わる事になった。」
卒業まで1年というこの時期に転校生!
思わぬ自体にクラス全体の空気が変わる。
「早速入ってもらうが、多分全員知ってると思うぞ。それじゃあ
そう言うと、ミヤコは教壇の中央を帝と呼ばれた長い黒髪が美しい女生徒に譲る。
「はじめまして。
自己紹介を終え席に着くティアを横目に、ノアは内心ワクワクしていた。
(まさか、このタイミングで会えるなんてね。)
「ねぇノア、あの子って確か…」
後ろからコハクの声が聞こえる。
「うん、そうだね。間違いない。」
そう言い終えると同時に朝のホームルームの終わりを告げる鐘が鳴り、ティアの周りにはクラスメイトの輪が出来上がった。
かつてノアとバトスピの全国大会決勝で戦った少女の転校は、それだけ大きな衝撃と歓迎を持って迎えられた。
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「久しぶり、で良いのよね?ときどき動画でわたしについても話してくれてたみたいだし。」
クラスメイトの質問攻めから解放されたティアは、まっすぐノアの元へと向かい、聞いた。
「まさか私たちの動画を知ってるとは思わなかったわ。久しぶりね、帝さん。」
「あら、動画と違って対面だと名前で呼んではくれないのね。ショックだわ……ちらっ。」
「…あんた、そんなキャラだったっけ?まぁいいわ。私のこともノアでいいから、改めてよろしくね。ティア。」
「ええ、よろしく。それと、わたしは常に自分を磨いているだけよ。あなたが自分のデッキを、常に磨き上げているようにね。」
「そうね。私のデッキは負けるたびに新しい輝きを放つようになる。ティア、あんたが言ってた卒業後の進路って、∀MATERA§が関係してる?」
「さすが、状況証拠のノアちゃんね。その通りよ。卒業後すぐに、∀MATERA§の管轄にあるプロチームに所属することが決まっているの。だから、ちょっと早いけどこっちの生活に慣れておこうと思ってね。さすがにあなたと同じクラスになるとは、思っていなかったけれどね。」
状況証拠のノアという聞いたことも無い二つ名に突っ込みたい気持ちを抑えつつ、ノアは聞く。
「プロチームって、あんた、あの大会の後も実戦を続けてたのはそれが理由?」
「いいえ、そこは順序が逆なの。わたしが勝ち続けていたから、プロへのお誘いが来た。それまでのわたしはバトスピを仕事にするなんて考えたことも無かったから、はじめは断ろうと思った。でも、ノアの動画を見て、そういう向き合い方もアリかなって思ったの。」
「ふぅ~~~~~~ん、そういうものなのね。」
自分の動画で考えを改めた、と真っ向から言われ、ノアは素直に嬉しかった。
だが、絶対に悟らせてはいけない。
今やティアの事を知らないカードバトラーはいない。
そんなティアがプロになる事を決めた理由が、自分の動画なのだ。
これは、いつの日か公式番組にティアが出たときに語ってくれるに違いない!
今下手な手を打てば、NOIЯRIONのいや、ノアの知名度を上げるチャンスを逃してしまうのだ。
そんな考えをノアが巡らせるなか、ティアはニヤニヤと告げる。
「ふふ。ノア、バトスピやってない時はすぐに顔と態度に気持ちが出るわね。そんなところが人気の秘訣かしら?」
「え。」
ノアの思惑は、僅か3秒で崩れ落ちたのだった。
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「それはそうと、今日の放課後空いている?良ければノア行きつけのカードショップを案内して欲しいのだけれど。」
昼休み。
ティアはもうすっかりノアにベッタリだった。
「うーん、今日はライブの予定があるしなぁ…。」
「だったら、先に
と、話に入ってきたのはノアの友人でNOIЯRIONのキーボード担当、雪菜コハクだ。
「改めてよろしく、ティアちゃん!あたし、ノアと同じバンドでキーボードやってる雪菜コハク。もちろんバトスピもやってるから、今度お手合わせよろしくね!」
「ええ、こちらこそよろしく。それでコハクさん、ライブラリーっていったい何かしら。音だけ聞くと図書館のようだけど。」
「ふっふっふー、それが、ただの図書館じゃあないんだなぁコレが。放課後を楽しみにしててよ!ノアもそれでいいよね?」
あまりの勢いに、ノアはただ頷くことしかできなかった。
(まぁでも、LIVE⇔Raryならバトルもできるし、ちょうど良かったのかな。でも、そうなるとティアの前で歌うのか…今から緊張してきた…。)
それからの授業はあっという間に終わり放課後。
キセキ町唯一の大型図書館であるLIVE⇔Raryへと、ノア、ティア、コハクの3人は向かう。
道中でも変わらずティアから動画について語られ、ノアは恥ずかしくも嬉しい気持ちでいっぱいだった。
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