ノアたちの暮らすキセキ町には、いくつか全国のカードバトラーたちに有名なスポットがある。
だが、キセキ町に暮らすバトラーがむやみに広めない、隠れた穴場スポットがある。
そこが、ライブハウス一体型図書館「
静かに読書をする、という暗黙の了解にメスを入れた
そんな
3階建ての
ノアたちは一直線に地下へと向かった。
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「あら、ノアちゃんたち、今日は早いのね。」
そう言って出迎えてくれたのは、
彼女は自らの父から
「こんにちはイチノさん。今日はここを紹介したい子がいて、ちょっと早めに来たんですよ。あとすいません、バトルフィールドって今日空いてますか?」
そう言うと、ノアはティアに手招きをする。
「えっと、この子が今日ウチの学校に転校してきた…」
「帝ティアちゃん!?本物なの!?本物だわぁ!!」
ティアの姿を認識したその瞬間、チノはまるで神速召喚されたスピリットの如く、超高速でティアに抱きついていた。
そして、事情を知るノアは一瞬呆気に取られるも、ティアに言う。
「あー、まぁ、そうなりますよねぇ。ティア、この人はここのオーナーの大鳥居チノさん。ここの常連さんはみんな「イチノさん」って呼んでるわ。」
「なるほど。理解したわ。ところでイチノさん、その…ハグされるのは悪い気はしないのだけれど、少し苦しいわ。」
「! ごめんなさい、そうよね苦しいわよね。すぐに離れるからね。」
「ありがとう、ふふっ。とても素敵な方なのね。好きになっちゃいそう。」
「すっ!?」
ティアの爆弾発言に、チノは顔を真っ赤に染める。
その様子を(ニヤニヤしながら)見ていたコハクが、ティアに補足情報を伝える。
「ティアちゃん、あのね。イチノさん、ティアちゃんのファンなんだ。だからあんまり強い言葉をかけちゃうとイチノさん倒れちゃうかも…」
「あら、そうだったの。コハクの情報がなければ、わたしから握手をと思ったのだけれど。」
「それは是非とも!!」
(なにこの状況…)
まぁ、とノアは思う。
(イチノさんとティア、仲良くなれそうで良かった。)
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「それで、結局バトルフィールドは今どうなってるんですか?」
ティアとチノの挨拶が一段落し、バトルフィールドエリアに向かう道中でノアが改めて聞く。
「あぁ、そうだったそうだった。今ちょうどレオ君たちが使ってるんだけど、いつもの感じだとそろそろ終わるんじゃないかな。」
チノが呼んだ名前にノアは驚いた。
レオ、フルネームは
「お兄、こんな時間から来てるんですか?それにいつもの感じって。」
「そうよ。レオ君、いつも『ノアに負けてられねぇ!』ってバトル頑張ってるのよ。」
知らない兄の姿に、ノアは少し意外に思った。
(お兄、いつも遅れて来ると思ってたのに。本当は先に来てたんだ。)
そんなこんなでバトルフィールドエリアに到着したノアたちは、丁度エントリーゲートから見慣れた2人が歩いてくることに気づく。
大げさな動きで話しかけている兄、レオの姿を見て、ノアは(ああ、また負けたんだな)と察した。
「なぁアキオ、お前俺がドローしまくるのわかってる上でデッキ破壊はやめてくれよ。」
レオは自らの同級生であり親友、そして
が、アキオは軽く流し。
「いいじゃないか、大会でも一定数いるだろう?デッキ破壊。それにレオ、逆にそっちは普段ディーバの相手ばかりだから攻めに甘さが出てきてるんじゃないか?」
「うるせーな、ノアのディーバはなんやかんやで対処キツいんだよ。地味に速攻みたいな動きすることもあるんだしよ。こっちの準備が整う前にやられちゃせっかくの大型キースピリットも意味無いだろ?」
「だからと言って、手札に2枚も絶甲を抱えるのはどうかと思うぞ。せめて1枚はセットしてくれ。訓練場の効果も踏まえて、手札の枚数は少なめを意識しろと常に…」
「あーあー!わかりましたよわかってますよ!…クッソー、こんなんじゃ、いつまで経っても俺は…」
と、ここでノアとレオの目が合う。
「お兄、まぁ~たアッくんに負けたんだぁ~?」
「あぁそうだよ、誰かさんのせいで攻めに甘さが出てるんだとよ!」
そうして始まった兄妹の言い合いをよそに、アキオはチノの元へ駆け寄る。
「バトルフィールド、ありがとうございました。」
「いえいえ、これからもご贔屓にね。」
「はい。…ところで、どうしてノアたちがここに?」
アキオの問いにレオを論破し一息ついていたノアが答える。
「転校生にここ紹介しようと思って来たんだよね。まさかお兄とアッくんがバトルしてるとは思わなかったけど。」
「「転校生?」」
レオとアキオが揃って口にすると同時に、ティアが前に出る。
「はじめまして。わたしは帝ティア。昔、ノアと全国大会の決勝で戦ったことがあります。」
「あぁ、覚えてるよ。あの試合のあと、ノアは大会を諦めた。」
「えっ?」
「お兄、その話は…」
レオの言葉にティアが困惑する中、バトルフィールドの準備を終えたコハクが手招きをする。
「まぁまぁ、せっかく再会したんだし、まずはバトルをやっちゃおうよ!ノアも、フィールドでなら話せるんじゃない?」
「……うん、そうかも。」
「レオくんもアキオくんも、ノアちゃんとティアちゃんのバトル気になるよね?」
「…あぁ、そうだな。少なくとも"今"のノアがあの子にどこまでやれるのかは気になるさ。なぁ、アキオ?」
「ま、それもそうか。個人的には帝ティアのバトルを目の前で見れることの方が重要だ。あの日は、現地に行けなかったから。」
「決まりだね!じゃあノア、ティアちゃん、行ってらっしゃい!」
「その前に、このシステムの使い方を教えて欲しいのだけれど…」
結局、バトル開始はこの5分後のことであった。
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LIVE⇔Raryのバトルフィールドは、テレビアニメ「バトルスピリッツ
カードバトラーは、まず専用のバトルアーマーを身につけ、浮遊ユニット「コアブリット」へと搭乗する。
そして、高さ3m地点まで浮上した後、例の掛け声と共にバトルを開始する。
「それじゃ、行くよティア。」
「えぇ、久しぶりにノアのカード捌きが見れると思うと、今からワクワクするわ。」
「「ゲートオープン、界放!!」」
かつて全国大会の決勝で戦った2人の、3年振りのバトルが今始まる。
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LIVE⇔Raryのバトルフィールドの先攻後攻を決めるシステムは一風変わっている。
行われるバトルを見守る観客たちによる投票で決まるのだ。
「今回は、私が先攻みたいね。」
ノアの先攻でバトルが進む。
「スタートステップ。コア
コアの移動はシステムが自動で行ってくれる。
「うーん、もったいないけど、これから始めるしかないかぁ。あんまり先攻1ターン目で張りたくないんだけどな。」
そういうと、ノアは1枚のカードを提示。同時にバトルフィールド中央に[コスト3:軽減0]と表示される。
「3コスト0軽減で、ネクサス<戦国フェス メインステージ>を配置。続けてバーストをセット。」
ノアから見て左前にカードが裏向きで表示される。そのカードは光り輝いている。烈火魂のバースト演出と同じだ。
「先攻はアタックステップが無いから、これでエンドステップ。ターンを渡すわ。」
こうして1ターンが終了、続いてティアのターンとなる。
「戦国フェスメインステージ、ね。…スタートステップ。コアステップ、ドローステップ。さてと、今日もお仕事してもらうわよ。」
ティアが提示したカードは<ゴッドシーカー 超星使徒タルボス>。
フィールド中央の表示は[コスト3:軽減0]だ。
「<ゴッドシーカー 超星使徒タルボス>を召喚。そのまま召喚時効果を発揮するわ。デッキトップを3枚オープン。その中の<ヴィオレ魔ゐ>を含む創界神ネクサス1枚と、コスト4以上の超星を手札に加えるわ。」
ティアのデッキ上からカードが3枚開かれる。
<永遠のキズナ 馬神弾>
<ノヴァドロー>
<ゴッドシーカー 超星使徒タルボス>
「なんとも言えないけれど、まぁ無いよりはマシよね。対象カードである<永遠のキズナ 馬神弾>を手札に加える。…このままエンドステップ。ターンエンドよ。」
「<ノヴァドロー>を取らない…ね。バーストが無いのは、ある意味救いかもしれないけど。スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。」
ノアのターンがスムーズに進行する。
「今日の私の運試し、いっくわよ!」
ノアがカードを提示し、中央に[コスト4:軽減1]と表示される。
「マジック<いたずらエンジェル>、メイン効果を発動よ!」
ノアのデッキが上から2枚オープンされる。
<[神星姫]ノア・フルール>
<[学園制服]ディアナ・フルール>
「よっし、大当たりィ!!<いたずらエンジェル>は、自分のデッキを上から2枚オープンして、その中の系統:詩姫を持つスピリット1体をコストを支払わずに召喚し、残ったカードを破棄する効果を持つわ。私が召喚するのは、当然このコ!」
ノアがカードを手に取り、自らのフィールドに置く。残ったカードは自動的にトラッシュへと送られた。
「超新星の輝きは、何者も寄せ付けぬ鉄壁となる!<[神星姫]ノア・フルール>をレベル1で召喚、ソウルコアを乗せておくわ。」
ノアのフィールドに扉が現れ、奥から和服に身を包んだロングヘアの少女が現れる。
ティアが呟く。
「…<[神星姫]ノア・フルール>。【ソロパート】持ちだったかしらね。」
その声はノアには届かない。否、届けない。
(あなたは結局、かつてのパートナーに惹かれるのね。)
「ノア、今日もよろしくね!」
問いかけたスピリットから笑顔を返され、ノアは俄然気合いを入れた。
「さて、早速アタックステップに入るけど、このタイミングで<戦国フェスメインステージ>の効果発動!自分の手札にある系統:衣装を持つカードを破棄して1枚引く。私が破棄するのは<[超神星アイドル]ノア・フルール>よ。そしてドロー。」
フィールドを眺め、ノアは結論を出す。
「タルボスはBP2000、ここは攻めて良いタイミング!行くよ、<[神星姫]ノア・フルール>でアタック!!」
ノアの掛け声に合わせ、和装の少女が飛び出す。
「フラッシュは特に無いわ。」
手に光弾を生み出した和装の少女を正面にティアがフラッシュの是非を答える。
「こっちもね!」
ノアの返答を経て、ティアが宣言する。
「…ライフで受ける。」
和装の少女の手から放たれた光弾は一直線にティアへと向かう。
同時に、ティアの周囲にバリアが張られ光弾を受け止めるが、無惨にも砕け散り、ティアのライフが5から4へと減る。
「提示は…なさそうね。エンドステップ、ターンエンド。」
こうしてノアとティアのバトルは、ノアの先制で序盤を終えた。
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その後、ティアのターンは先のターンで手札に加えた<永遠のキズナ 馬神弾>を配置し、神託でコアを2つ乗せターンエンド。
ノアは<[神星姫]ノア・フルール>をレベル3にアップし、様子見のターンエンド。
ティアのターンが始まる。
「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ。」
淡々と続けるティアだが、ここで1度動きを止めノアの表情を伺う。こちらを見ている。一挙手一投足を決して逃さぬようじっくりと。
「…ねぇ、さっきの話だけど。」
ノアの表情は変わらない。
「大会を諦めたと、お兄さんは言っていたわね。あれはー」
「そのままの意味よ。」
ティアが言い終わるよりも早く、ノアが告げる。
「私は、あの日ティアに負けて、バトスピを競技勢としてじゃなく、カジュアル勢として楽しむことにした。ただそれだけの事よ。」
そう告げるノアの表情が、微かに変化した事を、ティアは見逃さなかった。
「そう。ごめんなさい、バトルを止めてまで聞くことじゃなかったわね。メインステップ。」
ティアがカードを提示し、スピリットを召喚する。
そのカードは[コスト3:軽減2]で召喚が確定した。
「<ゴッドシーカー 超星使徒ペルディータ>を召喚するわ。今更だけど、月面から槍は飛んでこないわよね?」
「カシウスのことを言ってるんなら、心配する必要はないわ。純粋な詩姫限定構築だからね。」
「…そう。 ペルディータの召喚時効果!サーチ対象はタルボスと同じよ。」
ティアのデッキ上からカードが3枚開かれる。
<ヴィオレ魔ゐ -魔族side->
<超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ>
<超星使徒コーディリア>
「ありがとう。魔ゐ様とコーディリアを回収する。グランサジット、あなたは一旦控えておいて。」
(<超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ>…あれがトラッシュに行ったタイミングでコーディリアが手札。ニクスも採用してる可能性があるのなら、
ノアは冷静に盤面を見ていた。
懐かしいな、と感じつつ、バーストは無いとティアに伝える。
「ならば、一気に行かせて貰うわよ!」
表示されたコストは[コスト7:軽減4]。
「<超星使徒コーディリア>召喚。召喚時効果で、さっき落ちたグランサジットを手札に戻すけど、破壊効果は…」
「【ソロパート】で防いでるわ!そしてここで、バースト発動!!」
「っ!?召喚時バースト、いや、手札増加!?」
(しまった、勝負を急ぎすぎた…?……だけど私には。)
「バースト条件は、【相手のスピリット/ブレイヴの召喚時効果発揮後】、そしてその効果は、"相手のスピリット/アルティメット1体の効果を無効にし、そのスピリット/アルティメットをデッキの下に戻す。"効果!ターゲットは当然、コーディリアよ!」
開かれたバーストは<戦国姫 真姫奈>だった。
ノアは勝利を確信した。
破壊されないノア・フルールとシンプルにBPの高い真姫奈。
真姫奈は次のターン以降、詩姫すべてにシンボルを増やしてくれる。
そして、<[神星姫]ノア・フルール>の攻撃はゴッドシーカーたちからブロックされない。
そして手札には<プロデューサーリリ>も構えている。
(完璧な読みだわ、私!これで次のターンになれば私たちが…!)
「この瞬間、手札の<超星使徒スピッツァードラゴン>の効果を発動するわ。」
「えっ、嘘でしょ?ドローマジックも無しに…っ!まさか、
もちろん、ノアもスピッツァードラゴンのことを気にしていなかった訳では無い。だが、この試合でティアはドローマジックを使用しておらず、ゴッドシーカーや神託で見えてもいなかった。
だから決めつけてしまったのだ。
帝ティアは、スピッツァードラゴンを引いていない、もしくは採用すらしていない、と。
開かれた真姫奈のバーストカードは、跡形もなく焼き尽くされた。
ティアのフィールドに六角をあしらった鱗を持ち、蒼き鎧に身を包んだ一体のドラゴンが降り立ち、ティアに一礼した。
「スピッツァー。キミはいつも、わたしを守ってくれるね。頼りにしているとも。…コアブーストは自らに2つだ。」
実体化するスピリットたちとのコミュニケーションを取りながらも、スムーズなバトル展開を忘れない。
これが、やがてプロとなるバトラーの実力かとノアは思う。
「ゴッドシーカー2体のコアもスピッツァーへと移動し、2体は消滅させる。…さてと、予定とは変わってしまったけどアタックステップよ。スピッツァー、前へ!」
ティアの号令に合わせ、スピッツァードラゴンが翔ける。
「フラッシュは無いわ!」
ノアは叫ぶ。
…自身の狙いを、ノア・フルールの武器を絶対に悟らせてはならない。
「ならばわたしのフラッシュタイミング。<超星使徒サジットヴルム・ニクス>、スピッツァーに煌臨よ!」
スピッツァーが天高く舞い上がり、ひとつの影が重なる。
そして、漆黒の龍へと姿を変えた。
「ニクスの煌臨時効果!ノア・フルールのコアを2つ、トラッシュへ!」
「それはしょーがないわ!だけど、【ソロパート】は止まらない!」
「あらそう。だけどあなたも知っているでしょう?超星の圧倒的な力を!その【ソロパート】自慢はノーフラッシュと受け取って良いのかしら!?」
「そーだよ!…珍しく熱くなってんじゃん、ティア。」
「さぁ行くわ!…龍騎神の弓、超新生の矢、総てを束ねて争乱を鎮めよ!<超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ>、<超星使徒サジットヴルム・ニクス>に超煌臨っ!!!!」
超煌臨。
通常の煌臨と異なり、使用済みのソウルコアであっても自らの超星スピリットに置くことで行える、煌臨を超えた煌臨。
漆黒の龍の姿は、まばたき1つの間にすっかりと見違える変化を遂げていた。
それは、白金の鎧を纏いし紅蓮の龍。
紅蓮の龍は、バトルフィールドに降り立つとティアの方を一瞬覗き見、そしてノア・フルールを睨みつけ、咆哮を上げた。
「グランサジットの煌臨時効果!まずは回復!そして、煌臨元に<サジット>がいて、自分のアタックステップなら…」
「私のライフを2つ、ボイドに置く!……つぐぅぁ!!」
ノアのライフは残り3つ。
グランサジットはシンボルを2つ持ち、煌臨時効果で回復した為、ノアでブロックしなければ負けてしまう。
「気づいてると思うけど、もう詰みよ、ノア。いくらノア・フルールでブロックしても、キズナ弾の神技でライフを1つ抜ける。防御札も、魔ゐ様で無効にできるからね。…」
そう。
ノアは詰みなのだ。
だけど。
「だけど、たった1つだけ、この状況を打開できる方法があるとするなら……!!」
ノアはカードを提示する。
そして、【ソロパート】の要であるソウルコアをトラッシュに置く。
「私が目指すのはソロで活動するアーティストじゃない。NOIЯRIONの活動も、1人じゃできないから。だから、仲間の力も借りる!!」
目には目を、歯には歯を。そして、煌臨には煌臨を。
ノア・フルールは扉に戻り、ハイタッチが響きわたる。
そして現れたのはー。
「その輝き、殿堂入り級!!<[詩姫学園]レイ・オーバ>、ノアと煌臨でポジションチェンジ!!」
レイ・オーバの登場とともに、バトルフィールドが夜に変化する。
「そしてこれが、逆転の為の一手!煌臨時効果…」
その刹那。
レイ・オーバの胸に朱き槍が突き刺さり、苦しむ間もなく消滅した。
「何が、逆転の一手なのかしら。」
「そ、んな。」
月より飛来したのは<EVANGELION Mark.06-カシウスの槍->
「バトルフィールドが変化するには、いくつか条件がある。カシウスの誘発効果はそのひとつ。そして、その効果は知っての通り、召喚時効果を無効にして、消滅させる。」
ノアは全ての打つ手を失った。
「わたしはフラッシュがないけれど、ノアは…って、聞くまでも無さそうね。」
グランサジットが放つ灼熱のブレスがノアを包み込む。
砕かれたライフは、2つ。
「悪いけど、わたしは勝ち続けなきゃいけないの。だから、相手が誰であっても、どんなデッキであっても妥協しない。カシウスでアタック!【A.T.フィールド】の効果で、耐性があるわよ。」
「……ライフで、受ける…。っ!!」
バトル終了のアナウンスと共に、コアブリットが下降し、ノアとティアは、バトルフィールドから退場した。
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「ありがと、いいバトルだった。さすがプロになるだけのことはあるわね。」
LIVE⇔Rary内にあるライブハウスに移動したノアは、この後のライブのセッティングをしながら、早速ティアに言う。
「…ありがとう。でも、意外だったわ。まさかノアが詩姫を使っているなんて。」
詩姫。
バトスピに数多く存在するデッキタイプの中で一際異彩を放つ系統。
1枚1枚のカードパワーが通常弾よりいくらか劣り、組み合わせ次第ではワンチャンあるんじゃないか程度の認識が基本的とされる、ノアの愛用している系統だ。
「まぁ、色々あってね。あの日ティアに負けて、燃え尽きちゃったからっていうのも無いわけじゃないけど…」
だが、ノアが詩姫を使い始めた最大の理由はー
「でも1番は、可愛いからよ。」
「……え?」
ティアは耳を疑い、もう一度聞く。
「だーかーらぁ、ノアちゃんの可愛さに一目惚れしちゃったの!私と同じ名前だし、もう運命としか思え無かったわ!!」
「…もしかして、諦めたっていうのは…?」
「えぇ、詩姫で通常弾とやり合うのは得策じゃないと判断したのよ。実際、今日だって超星相手によく持った方だと思ってるし。」
あっけらかんと答えるノアに、思わずティアは吹き出してしまった。
「ちょっと、なんで笑うのよ~!?」
「ごめんなさい、わたしが思った以上に平和的な理由だったから、つい。」
でも良かった、とティアは続ける。
「その様子じゃ、バトスピが嫌いになったって訳じゃなさそうね。」
「もちろんよ!バトスピは私の3割を構成してる大事なものだもの。」
そんなこんなで、3年ぶりの会話を楽しむ2人。
セッティングが完了した後、本番まで通常のバトルスペースでバトルをするも、結局ノアは勝てなかった。
だが、それでいい。
ノアにとってのバトスピは最早勝ち負けではない。
ただ、楽しむために。
そして、ノアはこの気持ちを多くの人に広めるためにバンド活動を行っている。
バトルフィールドでのバトルから2時間後。
Gt.&Vo.皇レオとBa.&Vo.皇ノアの兄妹。
そこにkey.雪菜コハク、Dr.青柳アキオの2名を加えたバンド、NOIЯRION。
ついに、ミニライブが始まった。
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「みんなぁ、ありがとーー!!」
巻き起こる歓声に、バックステージで見守るティアは驚いていた。
(ノアたちのバンドの曲、聴いたことはあったけど生演奏は音源より何倍もすごい…!!)
「それじゃあ、悲しいけど次が今日最後の曲です!だけど、最後に相応しい新曲を用意してます!」
さらに歓声が大きくなる。
「それじゃあ聴いてください!『溢れる奇跡』。」
ノアのコールに合わせ照明が切り替わり、コハクがカウントをする。
そしてー
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次回予告
「お疲れ様ぁ~!!」
ライブ終了後、LIVE⇔Rary目の前のファミレスで打ち上げをするNOIЯRIONのメンバーたちと帝ティア。
その帰り道、ノアは奇妙な出会いを果たす。
そして同じ頃、コハクもティアにある質問を投げかけていた。
次回バトルスピリッツ メロディアストーン
第1章「奏石との契約」
はじめまして、御堂藍莉と申します。
膨大な量の作品から今作を見つけていただきありがとうございます。
今作はバンダイより発売されているトレーディングカードゲーム「バトルスピリッツ」、通称バトスピの二次創作小説となっています。
普段は別サイトにてカードゲームの方のカード解説などを行っているのですが、どうせなら物語も紡いでみたい!と思い今作の執筆に入りました。
今作はバトスピアニメのフォーマットを踏襲しているつもりで書いています。
Aパート、Bパートという区分けや、バトル中のカード解説など、見ていた方には何となく「懐かしい」と思っていただけると嬉しいです。
さて、本作についてですが、まだ序章、というわけでまだ多くは語れません。
ので、今回は簡単に今作の世界観についてメタ視点から補足説明をさせていただきます。
まず、この世界ではバトスピの発売元、開発会社は「∀MATERA§」という架空の企業になっています。
これは、作中で登場するバトルスピリッツが一部、現実で我々がプレイしているバトルスピリッツと異なるよ、ということです。
そのため、カードプールも異なっていて、作中では現実における契約編、及び契約編・真、契約編・界の一部カードが登場しません。逆に、コラボカードなどはガンガン出して行こうと思っていますので、今後の展開にご期待ください。
そして、作中ではアニメ「異界見聞録」シリーズのみ放送されていない、という重要設定もありますので、こちらも合わせて頭の片隅に置いておいて貰えると嬉しいです。
最後に。
今作は超不定期連載を予定していますので、気長にお待ちいただけると幸いです。
では、また次回お会いできることを願っています。