そして…。
「ミア母さん、痛いです…。それで、私に何の用ですか?」
「その…こちらのヘラ様をオラリオへ呼ぶことはできないでしょうか?」
「……正気ですか?ベルさん。あの女神様をここへ呼びますと、オラリオが滅びます。」
「そうだねえ…。」
「そ、そこまではないですよね!?そうだよね?」
「……ありえそうだから何も言えん。」
「ええー…。」
「こちらのベルさんの頼みでも、ヘラ様を呼ぶには到底賛成できません。」
「困ったなぁ…。あれ?ヘファイストス様?」
「あら…、ヴェルフが言ってたのは貴方ね。【ヘラ・ファミリア】のベル・クラネル。」
「お初にお目にかかります、神ヘファイストス。」
「聞いたわよ。よく生きていたわね…ヘラのあのモードで14年間も一緒にいたんでしょ?」
「ええ。何とか…。」
「神力が使えないにしろ、偉業に値するわよ。」
「それは同意しますね。」
「あら、話に割り込んでごめんなさいね。何の話だったの?」
「あ、はい。それは…。」
「なるほどね、いいじゃない?シルちゃん。」
「ヘファイストス様、正気ですか?神ヘラと同郷ならわかっているはずです。」
「ええ、ウンザリする程よーく知っているわ。2年前なら即却下していたけど、ヘスティアがいるなら大丈夫よ。」
「「「え?」」」
「オリンポスでは暗黙のルールだけど、ヘラに会いにいくにはヘスティアを連れて行くのが必須なの。」
「…噂に聞いていたのですが、本当だったのですね。」
「ええ、天界広しといえどもヘラが心を開けられるのはヘスティアだけ。」
「それはわかる。あの方は他の神なんかとは違う。」
「しかし、あちらのヘラ様からはヘスティア様の名前を1回も聞いたことないのですが…。」
「その時のヘラは超絶残虐破壊衝動モードでしょ?なら無理もないわ。そのモードになったらもう聞く耳も持たないし、理性が働かないの。そうなったら、ヘスティアを引っ張り出して呼ばないと収まらないのよ。ゼウスはそれを瞬時で察して、ヘスティアの領地へ駆け込んで連れて来るのよ。」
「…ゼウスは大神ですよね?」
「ええ、大神よ。アレでも。」
「ど、どうしたの?いきなり項垂れて…。」
「…………何で俺の世界にはヘスティア様が降臨してなかったんだ!いや、どこにいるんだ!」
「あー…多分だけど、まだ天界で寝ていると思うわ。」
「「「は?」」」
「寝ているとは…どういうことですか?」
「ほら、ヘスティアはグータラでしょ?ここは子どもたちに合わせているけど、天界では一度寝たら800年は当然ね。」
「「「……。」」」
「その…運が悪かったと言うしかないわ…。」
「あの…ヘラ様がヘスティア様のホームに居着くなら、許可しますよ?」
「…僕は本当に運がよかったんだ。」
「そっちの坊や…奢るから好きなものを頼みな。」
「……ああ。」
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