「何用だ…ヘルメス。去れ。」
「開口一番でそれかい!?…悪いけど、オラリオへ来てくれないかな?ヘラ。」
「断る。私は追放扱いされているはずだ。」
「ヘスティアのホームに居着くなら許可するってさ。」
「…何故だ?何故今頃だ?」
「ヘラ、貴女も知っているはずだ。神の鏡で見ただろう?」
「…【白兎の脚】。あの子は私の…メーテリアの子なのか?」
「そうさ。」
「……ヘスティアの眷属なら私は何も言わん。いや…今更私はあの子に合わせる顔がない。」
「…ベルくんは自分の血に流れる系譜を知ったよ。それを知った上で貴女に会いたいとのことさ。」
「あの子が?……………わかった。その前に、今は気になることがある。」
「何だい?」
「全滅したはずの私の恩恵が最近1つつながっている。15年間も眷属を作った覚えがないはずなのに、だ。」
「……それはいつのことだい?」
「一週間前だが?」
「……知っているよ、貴女の恩恵を持っている、この世界で唯一無二の子を。」
「何だと…?最後の眷属だったアルフィアは死んでいるはずだ!その感覚はアルフィアではない!むしろ…メーテリア寄りだ。」
「だろうね。」
「言え。」
「彼だよ…貴女の義孫のベル・クラネルさ。」
「馬鹿な!貴様も言っていただろうが!ヘスティアの眷属と!」
「訂正するよ。並行世界のベル・クラネルだよ、ゼウスではなく貴女に預けられたベル・クラネルさ。」
「は?」
「なん…だと。並行世界の私が…あの子を引取り…眷属に?」
「そうさ。」
「そ、その子はどこだ…?」
「ヘスティアのところにいるよ。…会いにいくなら今しかない、いつ消えるかわからないからね。」
「…何故、その子はこの世界にいる?」
「あっ…その、えーと。」
「言え。」
「ハイ。」
「貴様は馬鹿か?」
「ハイ、スミマセン!」
「はぁ…その子へ会いにいく。…この感覚はかつての【女帝】よりはるかに上だ。その子のレベルは?」
「14さ。」
「………は?」
「さらに彼は並行世界で大偉業を成し遂げたよ。ゼウスと貴女の子を全滅させた黒竜を単独で討伐、ダンジョンも単独で制覇したよ。」
「な、何だと!?」
「ただ…彼は並行世界の貴女によって洗脳させられ、オラリオを滅ぼし、英雄たちや神々を皆殺しにした。そのため、世界の敵となってしまった…。」
「なっ!何てことを…何てことをしたのだ!メーテリアの子だぞ!ふざけるな!あちらの私は正気か!?」
「彼が言うには並行世界の貴女はずっと超絶…ゲフンゲフン!自暴自棄状態にあったそうだ。半年前の貴女のようにね。」
「……それで14年間も生き延びたのか。いや…殺すに殺せなかったといったほうが正しいか。」
「会うかい?」
「会おう、会わなければならん。あちらの私ではないが、ヘラという名を冠する女神として責任がある。」
感想・評価をいただけますと、嬉しいです!