教会跡を前にし、【ヘラ・ファミリア】のベル・クラネルは彼が何も知らないことを知り、嘲笑しました。
何故なら、その教会は…。
「何が…おかしい!」
「ハハハ…これが笑わずにいられるか!ククク…それもそうか、知っていたらそいつらと肩を並べているわけがないからな?」
「どういうこと…?」
「フン…教えてやる。この教会は俺の…いや俺達の母の思い出の場所だ。」
「なっ!?」
「その思い出の場所を、お前の弱さによって壊したというわけだ。」
「……くっ!」
「ベルを愚弄しないでもらいたい。【アポロン・ファミリア】の奇襲だったから仕方がないでしょう。」
「…【疾風】か。あちらでは俺によって殺したが、こちらではまだマシだな。」
「殺…した?」
「まさか…君は。」
「ああ、ここで雁首並べている奴ら…あちらの奴ら全員は俺が殺った、一人残らずな?」
「「「!?」」」
「嘘だ…何故、そんなことを!」
「そんなこと?…もう1回言ってみろ。」
「ぐっ!馬鹿な…!」
「立っていられないほどとは…!」
「なんという圧じゃ…。」
「馬鹿な…!これは【傑物】や【女帝】より上だ!ありえない!」
「おい、そこの俺。もう1回言ってみろ。」
「う…あ。」
「ああ、もういい。教えてやる、てめえと肩並べている奴らは…俺達の家族を追い出し、最後の生き残りであった肉親もさえ殺したんだぞ!」
「!?」
「私達はそんなことしてない!」
「ククク…。」
「何がおかしいのですか!」
「ああ、おかしいさ。特にお前の口からはな?【疾風】。」
「…?どういうことですか?」
「落ち着こうか。君は…ベル・クラネルでいいんだね?」
「ああ。真っ先に殺した【勇者】サマか。」
「てめぇ!」
「ちょ、僕じゃないです!」
「やめろ、ティオネ。…君はあちらの世界のベル・クラネルなのはわかった。君はどこのファミリアかな?」
「ほう…さすがというべきか。ならわかるだろう?」
「…ありえないと思うんだけど、君を纏うその気配は僕…いや僕らは知っている。」
「何じゃと?」
「フィン…まさか、あり得ない!彼が!?」
「リヴェリア。こちらとあちらは違うよ。…ベル・クラネル。」
「はい?」「何だ?」
「すまない…、こっちのベル・クラネルだ。」
「ややこしいな…。」
「な、何でしょうか?」
「君はお祖父さんに預けられたと言ってたね?」
「あ、はい。…あれ、フィンさんには言いましたっけ?」
「…ごめん、ベル。私が言っちゃった…。」
「【精霊の六円環】はお祖父さんが作った童話からだね?」
「あ、はい。」
「…まさか、お前は。だとすると、その赤い目…白い髪は。」
「オッタル?おい、オッタル!どうした!」
「フィン…まさか。」
「ああ、こちらの彼はゼウスに預けられただろうね。」
「は?」
「あの、フィンさん。」
「何だい?」
「それってありえないですよ。」
「…何故だい?」
「ゼウス様って神時代でかつて最強だった【ゼウス・ファミリア】主神ですよね?」
「そうだよ。」
「なら、絶対ありえないです。」
「何故そう言い切れるんじゃ?」
「だって、うちのおじいちゃんは男の夢はハーレムとか言ったり、覗きは男のロマンとか言ったり、村の女性のおしりを触りまくったりしてたんですよ?そんなおじいちゃんが、最強の【ゼウス・ファミリア】主神なわけないじゃないですか。」
「うわ、サイテー。」
「そのお祖父さんが原因じゃないですか!貴方がそうなったのは!」
「「「…………。」」」
「あ、あれ?皆さん?」
「あーコホン…ベル・クラネル。その、君の思う神ゼウスとはなんだろうか?」
「あ、はい!ミアハ様のように清廉潔白で、タケミカヅチ様のように男気があって、ヘファイストス様のように頑固一徹で、神様のように慈悲深く、今まで会った神様より威厳がある方でしょうか?」
「そ、そうか…。その…すまない、私…フィン、ガレス、【猛者】は神ゼウスのことをよく知っている。」
「えっ?」
「君が今、言った神物像とは…ほとんど正反対だ。」
「えっ…?」
「先程言っていた…君のお祖父さんとこれ以上ないほど該当する。」
「えっ…………?」
「残念じゃが、その通りじゃ。」
「すまないね、幻想を壊してしまって。」
「事実だ…。」
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