「どうした?何があった?病が悪化したのか!?」
「いや、悪化しようにもこれ以上悪化できませんよ。」
「…すまない。」
「いや、それはいいです。ヘラ様、頼みがあるんです。」
「な、何だ?どこの神を送還してほしいんだ?ヘルメスか?無乳か?」
「落ち着いて下さい…。アイズ・ヴァレンシュタインのことです。」
「あの娘がどうかしたのか?まさか、お前もか?ダメだぞ?あの子はこっちのベルのだぞ。」
「それはないです。そんな感情は潰されましたから。」
「…すまない。」
「いや、だからそれはいいですって!まず、私の話を最後まで聞いて下さい(こんなに過保護だったのか…)。」
「なるほど…。」
「俺の見立ての通り、あの女は【ヘラ・ファミリア】と相性がよすぎます。なのでヘラ様が見てやってくれませんか?恐らくヘスティア様の次に言う事を聞くと思いますよ。」
「わかった。こちらのベルの立派な正妻にしてやることを誓おう。」
「え?」
「こちらのベルをみただろう?あの女どもを引き離すのは無理だ、なら囲めばいい。」
「え?」
「ほかの雌豚どもが寄らないよう、奴らは私がまとめてみせる!」
「え?」
「なら、まず奴らへの指導だな。結婚を司る私の腕の見せ所だ。奴らに嫁の作法を叩き込んでやる!任せろ!」
「え?」
「……余計なことをしてしまったか?まあ、結果的にはいいか。しかし、ヘラ様が正気に返るとああなるとは…、ある意味あっちはあれでよかったかもしれないな。あそこまで過保護にされると、ちょっとな…。」
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「いいか!貴様らはベルの嫁になるにはまだまだ役不足だ!」
「「「はい!」」」
「嫁とは夫を支えなければならん!いや互いを支えるのが夫婦というものだ!」
「「「はい!」」」
「だが!完璧な嫁は存在しない!結婚を司る私が保証しよう!なら貴様ら互いを補ってベルを支えれば完璧だ!」
「「「はい!」」」
「いい返事だ!」
「……ねえ、キミ。あれ、身に覚えはある?」
「あります。」
「何を言ったんだい?ヘラに。」
「例の子についてアドバイスしただけですが、何故かこっちのベルの正妻に相応しいように鍛え上げると言ってました。」
「何て余計なことを…。ああなったヘラは容赦がないよ?特に結婚関係は。」
「いずれにしろ、強くなれるならいいでしょう?」
「キミ、他人事のように言ってない!?」
「他人事ですから。」
「そうだった!?」
「…それでいい、それで。俺からのお膳立てであり、八つ当たりだ。それで俺のようには確実にならなくなった。お前のスキルのカムフラージュにもなるし…お前を裏切らず…お前のこれからを支え…お前を幸せにするだろう。俺が…果たせなかったことを…失ってしまったことを…夢見たことを…叶えてくれ。」
「………。」
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