世界を渡る最恐最後の眷属   作:覇幻

44 / 76
44.宴会2

「…ガレス、聞いたかい?」

「聞いた………。」

「彼女たちが…いや、こっちのベル・クラネルが哀れに思ってきたよ。」

「儂もじゃ………。」

「…せめて、僕たちは彼に優しくしよう。」

「そうじゃな、あの坊主とはうまくやっていけそうじゃ。もっと早く会いたかったのう、ずるいぞお主ら。」

「そう言われても困るね。…僕は、あっちの彼と話してくるよ。」

 

「やあ、ちょっといいかい?」

「ああ、何だ?」

「…黒竜は強かったかい?」

「ああ、強かったが、からくりが解ければなんてこともない。」

「からくり?」

「ほら、コレだ。」

「コレは…?」

 

「黒竜についての詳細とダンジョンについての資料だ。ここ数日でまとめておいた。」

「!?何故…それを僕に?」

「アンタが一番こっちのベルを使いこなせると思ったからだ。アンタがオラリオの…いや今の世界の司令塔だろ。念の為、同じのをリリルカ・アーデにも渡してある(頭かかえていたがな)。」

「…いいのかい?」

「別にいいぜ?【ロキ・ファミリア】だけ独占にしてもな?だがその場合は全滅必至だ。お前がオラリオをまとめろ。…ただし、ベルとあいつらは絶対に死なせるな。」

 

「有効に使わせてもらうよ。もちろんさ、彼は僕の…いや世界の英雄だからね。」

「ああ、頼むぜ?」

「君もだよ。自分を許してあげないと、あちらの死んだ僕たちが報われないじゃないか。これは断言できる。」

「………。」

「よく考えておいてくれよ?」

 

「……飲め。かつての最強からもらった酒だ。」

「俺、まだ14歳だぞ?」

「奴らの中で14歳は成人だそうだ。」

「そうか…。…っ、キツいなコレ。」

「ザルドが作ったものだからな。」

「……こんな形で親父たちの遺品を飲むとは思わなかったな。ついでに親父たちの話聞かせてくれよ。」

「あちらの神ヘラから聞かなかったのか?」

「言うと思うか?」

「…すまない。奴らはな…………」

 

「………親父の話はできれば聞きたくなかったな。」

「事実だ。」

「はぁ…。しかしそこまで保身に長けているなら、ヘラ様が溺愛していたとわかっているのに何故襲ったんだ?いや、…逆なのか?」

 

「何だと?」

「逆なら…あり得る。」

「あの人が?」

「母はあのヘラ様の眷属だぞ?」

「……あり得るな。」

「……複雑だ。」

「……飲め。」

 

「……貴様には感謝している。」

「は?」

「【傑物】…【女帝】という頂きが届くところになったが、はるか上を行く頂きを知った。それがお前だ。」

「そうか。ならさっさと登ってこい。」

「言われるまでもない。…こちらのベルは登ってこられるのか?」

「ああ、間違いなくな。」

「ふ…ならそれまで奴の頂きとしよう。」

「あいつへの壁となって、あいつを強くさせてやってくれ、かつての最強と最恐がお前を鍛えたようにな。」

「承知した。」

 




感想・評価をいただけますと、嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。