「そろそろ、店じまいだよ!」
「あ、待ってくれ!締めしたいんだ。」
「……さっさとしな。」
「ありがとう!…まず冒険者代表の【勇者】くんと【猛者】くん!何か一言くれないか?」
「…あっちのベル・クラネル。君は確かに大罪を犯した、だがそれ以上に世界へ平和をもたらした。世界が違えども僕たちは君を称えよう!」
「ああ、お前は【ゼウス・ファミリア】も【ヘラ・ファミリア】が成し遂げなかったことを単独で成し遂げたのだ。お前が頂点だ。」
「じゃあ、ボクね。神々を代表して言うよ。キミは世界の敵となっても、ボクたちはキミを称えよう。いや、キミを許そう。何しろボクたち神々は送還されただけで、実際は死んでないからね!」
「…………ありがとう。それだけで報われるぜ……。な、これは!」
「光の粒が…あちらのベルを包んでいる…。」
「そうか…行くか?」
「ええ、これがキーでした。…この世界の冒険者、いや英雄たちが団結することが。俺がこの世界へ来たのはそのためだったでしょう。」
「それだけではないとボクは思うよ。キミを助けるために、この世界へ送られてきたんだよ。」
「ああ、私もそう思う。メーテリアの導きだろう。…これを持っていけ、私からあちらの私への手紙だ。」
「承りました。」
「敬語はやめろ、と言っただろう。…すまない。」
「いいえ、この世界へ来てよかったです。おかげさまで報われました。おい、こっちの俺。」
「…ぐすっ。」
「泣くな」
「だ、だって!帰ったら君は!」
「言うな、俺が一番よくわかっている。」
「……。」
「ベル…この世界を救え、お前一人だけではダメだ。皆を…信じろよ?一人でやろうとするな?」
「わ、わかった!約束する!」
「頼むぜ。さて…そろそろ頃合いだ。じゃあな、俺。幸せになれよ…。」
「うん、じゃあね、僕…。さようなら…。」
「ベル…。」
「あちらの僕は…もう限界でした。」
「「「!」」」
「心臓はとうに止まっていたのですが、胸の筋肉で無理やり動かしていました…。」
「な…。」
「あちらの僕は耐えていました…それが自分への罰だというように。」
「……大偉業を遂げたというのに!」
「ええ、それでも…満たされなかった。でも…こちらにいる間、あちらの僕は少し満たされたと思います。」
「そうなんだ…。」
「ありがとうございます…皆さん。あちらの僕は少しは…自分を許し始めたと思います。」
「いや…彼のおかげでこうまとまっているしね。」
「ああ、あいつのおかげで目指す頂きができた。」
「せめてあちらのベルくんが生まれ変わったら、是非…いや絶対に幸せになってほしいね。」
「「「同感です。」」」
「はい、神様…。あの人は神様に会えてよかったと思います。僕も神様に会えたことに感謝しています。」
「ボクもだよ。……ヘラ?どうしたんだい?」
「消える寸前、私の仮住まいのドアが見えた気がした…そして感じた。おそらくあちらの私は…。」
【ヘスティア・ファミリア】のベルサイドの世界は今回で終わりです。
次回以降は【ヘラ・ファミリア】のベルサイドの世界となります。
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