「…何故、姉さんを?」
「誘ったのは俺だが、それに乗ったのは君のお姉さんだ。…彼女は君を愛していた。だから最憎は俺に向けてくれ。」
「いい心がけね…。」
「お待ち下さい、お義母様。」
「邪魔しないで!この神のせいで私の息子が!」
「ええ、ですがまだあるはずです。【静寂】がそこまで決断した理由を。」
「なぁ…さっきから気になっていたが、どうしてメーテリアくんをお義母様というんだい?」
「ベルさんが私の伴侶だからです。」
「ええー…。」
「言い残す言葉として聞いてあげるから、洗いざらい言いなさい。」
「はいはい。」
「ちょっと待ちなさい。…声色変えなさい。」
「えっ」
「同感です。糞神エレボスの声はベルさんに似ているんです。」
「えっ」
「「変えなさい」」
「ア、ハイ。」
「「「理不尽すぎる…」」」
「あーあーあー、これでいいかい?」
「…まあ、妥協しましょう。それで?」
「アルフィアはベル・クラネルをずっと案じていた。ヘラがあのモードにあり続けていたことは知らなかったようだ。」
「私がお祖父ちゃんよりお義母さんを選んだせいなのはわかっているわ…。でも姉さんがずっと居ていてベルを守ってくれると思っていたのよ!」
「…アルフィアは門番の役目をゼウスより任じられていたんだ。」
「!?」
「へぇ…。」
「お義母様、ゼウス様はとっくに回復されています。」
「ちょ、待つんじゃ!た、確かに儂はアルフィアにお願いしよったんじゃ、それは強制ではないんじゃ!選んだのはアルフィアじゃ!」
「関係ないわ。」
「理不尽じゃあああああ!」
「さて…それだけ?」
「アルフィアは、君から恨まれてもいいと言っていた。彼女は…ベル・クラネルが剣をとらない世界にしたいために、自分をオラリオの冒険者たちの経験値にしたんだ。」
「勝手よ…勝手過ぎる!」
「俺から言わせれば、ザルドとアルフィアの経験値を糧に昇格した冒険者…ロキとフレイヤの眷属があの時以上強くなっていなかったのが悪い。アストレアの眷属を除いてな。なぁ、アストレア?」
「ええ、そうね…。それもルドラの子が招いたイレギュラーでリューを除いて全滅したけどね。」
「あれは仕方がないだろう、完全なイレギュラーだ。」
「そんなの関係ないわ。……そう、姉さんが捧げた経験値を無駄にしたということね。」
「ありていにいえば、そうだ。しかし、君の姉さんは最後までベル・クラネルを案じていた。最後まで行くかどうかを迷って、俺に見守るよう託されたんだ。」
「……。」
「あの大抗争がトリガーになったため、ベル・クラネルは完全に復讐へ堕ちてしまった。それは俺にとっても後悔だ。ロキとフレイヤの眷属があの時以上強くなれないことを知ったら、アルフィアとザルドをヘラのところへ向かわせていた。それは断言する。」
「そう…。」
「俺はあいつらの遺言の通り、ベル・クラネルを見守ってきた。…彼がレベル14に至りオラリオへ復讐をするとは思わなかった。」
「……。」
「単独で、当時最強のロキとフレイヤの眷属を全滅させ、黒竜を討伐し、ダンジョン制覇した。それは神時代最大の大偉業だ。誰が何と言おうと、俺はそれを絶対否定させない!」
「……。」
「だが…彼がまさか【剣姫】の罪を背負い、世界の敵に自らなるとは思わなかった。…まあ、そうほざいたやつはどこかの美の神が魅了させて塗り替えさせたがな。」
「!?(こっちへ向けないでよ!)」
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