「……そう、貴方はベルをずっと見守ってきたのね。」
「ああ。だが、ベル・クラネルが完全に復讐へ堕ちたきっかけは俺が起こした大抗争にある。それは事実だ。」
「…はぁ。そこまで言われたら何もできないじゃない。…残るのは元凶である義母さんね。」
「……その前に1つ提案があるんだ、ここは天界・冥界の神々が揃っている。」
「提案?」
「ベル・クラネルの復活。」
「「「!?」」」
「不可能よ。…ベルの魂は死骸と共に義母さんが消滅させたはずよ。」
「ああ、だが魂の片鱗はある。全て俺が回収させた。」
「なっ!?」
「だが、俺の権能では不可だ。ここに集結している天界・冥界の神々の協力が不可欠なんだ。」
「……できるの?ベルを復活させることが?」
「ああ、一応アルフィアの魂も回収している。」
「ちょ!お主、いつの間に!?」
「「「あ、復活した」」」
「俺は地下世界の神だぜ?あの時、アルフィアが死んだ時に魂を神力ギリギリでキープしておいたんだ。」
「…何故、そうしたの?」
「ザルドとアルフィアは、三大クエストの覇者だ。そんな彼らを泥にまみれさせ、地に落としたのは俺だ。あいつらはそれをわかっていて、オラリオの冒険者に託したんだ。…俺はあいつらをどうしても救いたかった。」
「すみません、お義母様。エレボスに少々確認したいですが、いいでしょうか?」
「いいわよ。」
「では、エレボス。回りくどいわよ、貴方の本当の狙いは何?それを言いなさい。……でないと魅了全開で吐かせるわよ。」
「ちょ……わかったよ。リセットさ。」
「「「リセット?」」」
「下界は君の息子さんのおかげで平和を取り戻した、モンスターに怯えることもなくね。下界はあるべき姿を取り戻した。」
「それで?」
「…魂は漂白して再び下界へ戻る。君の息子さんが殺した冒険者たちもだ。」
「お主…まさか。」
「だが、下界へ流していない魂が3つある。」
「ベルと姉さん……そして私ね。」
「ああ。正直に言おう。メーテリアくん、君が冥界の女王であり続けるのは非常にまずい。」
「お、おい!」
「バランスがあるんだ。天界・冥界・下界という三界のね。特に天界と冥界は非常に扱いが難しい。なので神々が治めることによってバランスを保っているんだ。」
「……。」
「だが、ヒューマンである君が冥界の神々を下し、冥界を支配した。扱いが難しいから彼らに任せているんだろう?」
「ええ。」
「ハデス、正直に言ってくれ。どうなんだ?」
「……。」
「いいわよ、正直に言って。」
「わかりました。14年前からずっと冥界は荒れています。」
「「「え?」」」
「ベル・クラネルがヘラによって拷問されるたびに…女王陛下は我らへ八つ当たりし、冥界を破壊しまくっています。」
「「「うわぁ…。」」」
「特に7年前からだ!エレボス!お前が余計なことをしたため、冥界がより荒れて俺等はボロボロになったんだぞ!」
「す、すまん。」
「7年前からずっと更に荒れていて、神々の中で我慢できず自死したやつもいます…。」
「え?そうだったの?どうりで少ないと思ったわ。」
「「「うわぁ…。」」」
「このままではどうなるんだ?ハデス。」
「…間違いなく冥界は消滅する。」
「な、何じゃと!?」
「そして、それに巻き込まれて天界も消滅するか…。」
「下界もですね。」
「そんなの知りません。自業自得ですよね?」
「ああ、君の言う通りさ。…息子さんの大偉業を無駄にしたいのならね。」
「は?」
「「「ひっ」」」
「息子さんの大偉業は下界に平和を取り戻したことだ。」
「ええ。」
「貴女は息子さんの大偉業を無駄にして、下界を滅ぼしたいのかい?」
「!」
「息子さんの大偉業はこれまでにないことだ。それをずっと後世へ伝えるには…三界のバランスを保つしかない。」
「…私に死ねと?」
「ストレートに言えば、そうなる。」
「「「ちょ!」」」
「だが、それでは君は納得しないだろう?だから提案さ。」
「息子…ベルの復活を?」
「ああ、しかも君が愛した姉と三人で過ごすハッピーエンドさ。」
「……可能なの?ベルの復活は?」
「ああ、だからここに集結している神々に聞いているんだ。」
「…わかったわ。その提案飲みましょう。復活できるのなら。」
「受け入れてくれて嬉しいよ。さて、休戦だ。」
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