「ありがとう!…率直に聞くよ、君はヘラを憎んでいるのかい?」
「憎む?ふふふ……憎む?」
「「「ひっ」」」
「憎むなんて…物足りない!」
「「「ひっ」」」
「あんなことをしておいて!私の可愛い一人息子を!」
「………」
「許さない!許さない!許さない!1歳からあんなことを!何度も殺しても飽きたらないわ!」
「………」
「よりによって洗脳までも!しかも、あの可愛い息子の玉の肌を傷だらけに!」
「メーテリアくん…」
「義母さんに預けた私も愚かだった!姉さんも許さない!」
「メーテリアくん。」
「冥界で永遠に苦しませたい!」
「メーテリアくん!」
「!」
「ヘスティアの本気の神威は久しぶりだなー。」
「うむ、凄まじいのう。」
「これはオーディンを超えていますね…。天界最強ではないですか?」
「ああ、あらゆる面でどこかの色ボケ爺を超えているのにな…。」
「その色ボケ爺とは儂のことかのう?」
「「「他に誰がいる!」」」
「キミの言っていることは事実だけど、ヘラだけではないだろ?」
「!」
「キミは神々全体が憎いでしょ?姉を駒にされ、息子を復讐の走狗にされて。」
「ええ…そうよ!憎い!憎い!憎い!下界の私たちを玩具にされ、遊戯として楽しむ神々が!」
「………。」
「どうして…どうしてなんですか!何故あの子はあそこまで苦しまなければならないのですか!」
「………。」
「ヘスティア様もです…そんな巨大な力があるなら…、お祖父ちゃんと義母さんをねじ伏せるなんてワケないじゃないですか!」
「!?」
「やろうと思えばできるな。」
「そうだなー。」
「もったいないですねー。」
「…キミの言う通り、神々は皆身勝手さ。ゼウスは煩悩だらけだし、ヘラは独占欲強すぎるし、ヘルメスはいたずら好きだし、フレイヤは飽きっぽいし、アルテミスは潔癖すぎるし…。」
「「「ちょっと待て」」」
「何だよー。今大切な話をしているのに!」
「「「お前もグータラだろうが!」」」
「コ、コホン。でもね、メーテリアくん。下界はずっと黒き終末に怯えたままなんだよ、ベルくんがああしなければ。」
「知るもんですか!世界よりベルの方が大切に決まっています!」
「うん、まあ母ならそう言うよね。なら、ボクを先に裁きなさい。」
「「「!」」」
「ボクは孤児を守る女神だ。もっと早く起きて、降臨してヘラへ叱責するべきだった。まあ、寝ていたボクも悪いけど。」
「ヘスティア…。」
「………。」
「メーテリアくん、キミのヘラへの憎しみや恨みはボクにはわからない。キミが腹を痛めて産んだ子だ、その子がキミの主神であるヘラによって甚振られたのは非常に耐え難いんだろう。そもそもヘラが正常に戻らなかったのが原因だけど。」
「そうじゃのう。」
「ヘラもキミを含めて多くの子を失ったけど、それでもベルくんを甚振った理由にはならない。むしろひどすぎる。女神失格と言ってもいい。」
「うむ、道理だな。」
「ヘラの罪はボクから見ても非常に許し難い。洗脳や制約を課したのは独占欲だと思うかもしれないけど、子供は自由であるべきだ。それを縛り甚振ったヘラは、司るものを管理する資格はないとボクは思う。」
「そうですね。」
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