「多い。」
「何が?」
「ベルへ群がる雌豚が。」
「確かに多いけど…まだ子供だし、いいじゃないか?」
「むぅ…よし私が厳選して神託を下そう。」
「こらこら」
「じゃあ、私の分体をあの子へやっていいかしら?」
「殺すぞ、ビッチが。」
「………行け。」
「こら、アルテミス!キミの精霊をそっとあの子へ行かせるんじゃない!」
「あらあら」
「…いいのか?ゼウス。アレは。」
「下界から還ってきたばかりのヘラよりはマシじゃろ?」
「それはそうなんだけど…、天界で下界の彼へのファンクラブができているよ?…フレイヤ様もアルテミスだけでなくアストレアまでも入っているよ?」
「あいつらだけではないのう、ヘラのストッパーであるヘスティアも入っておるし…ミイラ取りがミイラになりおった。まぁヘスティアがずっとヘラの側におるから、よほどのことがない限り大丈夫じゃろ。」
「…でもやはり彼は魂が消滅しても、彼は彼だね。」
「そうじゃのう…魂が消滅したことでヘラを叱ろうと思ったが、あの子の服を抱いて号泣しとるヘラを見ると何も言えんかった。」
「俺もだよ…。」
「ま、ええじゃろ。ベルよ、ハーレムを築くんじゃぞ!」
「「あっ」」
「「えっ」」
「貴方…今、何と言いましたか?」
「今の声、下界のあの子に届いてたぞ!ほら、ベルくんがそれを復唱したからアルフィアくんがげんこつ落としているじゃないか!」
「…おかしいのう。お主の元眷属に何故儂の声が届くんじゃ?」
「……貴方とベルはある意味つながっているかもしれません。」
「「えっ」」
「並行世界…じゃと!?」
「だからか、ダンジョン制覇後の彼がいきなり消えて貴方のホームへ転移したのは。」
「へー、あちらの世界ではベルくんはボクの眷属なんだ。道理で何か他人とは思えないはずだよ。」
「あちらのメーテリアは私ではなく貴方に託されたとのことです。」
「ほう。」
「それでどんな子になったんだい?」
「……下界のあの子のままだそうです。」
「え?マジ?」
「嘘…だろ?」
「ば、馬鹿な…14年間も儂の教育を受けて、アレ…じゃと!?」
「ええ…私もあちらの私の手紙を見て驚きました…。貴方に託されてよかったかもしれません。」
「…ヘラ、それは違う。どちらにしろ、ベルは…英雄となる道から逃れきれなかったんじゃ。」
「どういう意味ですか?」
「アルゴノゥト…。」
「そうじゃ、ベルはアルの魂を受け継いでおる。…じゃから、お主が罪悪感のあまりにベルの魂を消滅させたときはマジで焦ったぞい。」
「それでも…ベルは。」
「復活しよったんじゃな…奇跡、いや未知と言うしかないのう。」
「…見守ろう、ヘラ。人の力でどうしようもなくなった時に介入しよう。」
「ああ、もちろんだ!」
「そうじゃのう、あ奴らの道じゃからな。」
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