ウマ娘~Reach for the stars~ 作:とりしゅーら
ウマ娘、最高ですよね。私も死ぬほどハマっています。
おかげで競馬にも虜にされてしまいました。この小説は、そんな私が惚れ込んだ馬をウマ娘にしてみました。出来る限り史実に沿えるよう尽力いたしますが、まだ文章を書き慣れていないため拙い文章になるかと思います。暖かく見守っていただければ幸いです。
また、当作品は見切り発車で行っていますので、時々失踪します。気長に待っていただければ幸いです。
ウマ娘。
彼女たちは己の脚を研ぎ澄まし、可能性の限界に挑み続ける。
時には人々に夢を見せ、勇気を与え…
ウマ娘は日々、刻一刻と進化する。
2016年、宝塚記念。
とあるウマ娘が問う。
「私は、最強か。」
「世界最強を、背負うに足るか。」
「━━挑もう、凱旋門賞!」
「わぁっ…!」
その走りは、まだ輝いていない、小さな小さな星に、輝きを灯した。
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「はぁ〜…新任そうそう振り回されて大変だよ…」
4月。念願のトレーナー免許を獲得し、このトレセン学園にやってきた。しかし非情なことに1番に待っていた仕事は気の遠くなるような事務作業。望んで飛び込んだわけではあるがやはり体には応える。
「ちょっと休憩…」
気が付けば5時間ほど時間が経っている。休憩がてら少し外に出ることにした。
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私がトレーナーを志した理由の一つに、ウマ娘の走る姿が好きというものがある。譲れぬ信念を賭けて、己の限界に挑む姿に惚れ込んだのだ。そんな大好きなウマ娘の走りをここまで間近で見られるのだからあの程度の事務はまだ耐えられる。
「…みんな、すごいなぁ。」
もちろんトレセン学園には様々なウマ娘が在籍している。それだけ走り方、呼吸法も様々だ。
しかし、誰であろうと、どんなものであろうとその走り方はそのウマ娘だけの素晴らしいものなのだ。
「はぁぁぁぁ…っ!!」
突然、空を裂くような、それでいて可憐で儚い叫びが耳に入った。
声の方を見てみれば、まるで跳ねるような、軽やかで、それでいて重くしっかりとした走り。
星の耳飾りをつけたウマ娘。私は彼女を知っていた。その名は…
「スターズオンアースさん、並走ありがとう!」
「いえ、この程度で良ければいつでもお付き合い致します。」
スターズオンアース。ティアラ路線で有力視されているウマ娘の1人だ。
彼女の走りを見たのは初めてであったが、こんなに心惹かれる走りを見たのは6年前のあの日…かつて凱旋門を目指した、あのウマ娘の走りを見たとき以来だ。
外もすっかり暗くなり、門限も近くなっている。まだ一人で走っている彼女に、声をかけてみた。
「あ、あの…!」
「はい、何でしょうか。」
「えっと、その…」
「不審者でしたら通報しますが」
「違います!トレーナーです!ほらこれバッジ!」
あまりにも早く辛辣な判断であった為、半ば遮るような形でトレーナーバッジを急いで外して見せる。
「この四月からトレーナーになったんです。それで、その…」
「私のトレーナーになりたい、と?」
「えっ…あ、は、はい! そうです…!」
心の内を見透かされたかのような質問をされ、慌てているのも束の間。
「私はトレーナーを付けるつもりはありませんので。」
「…え…」
冷たく、鋭く、真っ直ぐな眼差しが私を貫いた。
「では、私はこれで。」
そう言い去っていく背中を、私はただ茫然と見つめるだけだった。
毅然とした、それでいて寂しい背中は、どこか自分と重なって見えた。