その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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 早く交流会に到達したい。


百七話

「書かれてない理由は分かった。何が起きれば進化するのか、そもそも何故滅んだのかを話してくれ」

「元々団和(ウチワ)禍求夜(カグヤ)は犬猿の仲で、何かあればドンパチし合う程度には仲が悪かった。

 それを諌めていたのはその当時の加茂家の当主だった、この当主は呪術師にしては比較的マトモな感性だったらしいですね、呪術界の安定の為に奔走してたらしい」

「へー、昔に(セイ)みたいなのも居たんだ、なんか昔っから腐ってたと思ってた」

「それはそれで間違っていないよ。呪術界は閉鎖的な世界だし、呪術が露見するのを嫌がるからどうしても血統主義になるから新しい呪術師の家系には冷たい……忌憚なく言えば蔑むんだよね、特に禪院家が顕著かな」

「あー……なんか分かるかも」

「今の禪院家は昔に比べれば緩くなったとは思う」

「ハルの功績だよな」

「イヤまぁ……なんと言うか、うん。言わないでおこう、今は関係ないし。さて、話を続けようか。

 えーと、ああ両家の諌めていた後だね。その時は加茂の当主がそれなりに平和的に納められた、それでも前例よりかは……だけどね」

 

 用意していた茶をすすり、喉を潤し続きを話す。

 ━

「それでね、禍求夜(カグヤ)一族はやり過ぎたんだ、だから僕達御三家の内々で禍求夜(カグヤ)一族を族滅する事が決まった。んだけど……当時の加茂の当主が『団和(ウチワ)及び禍求夜(カグヤ)間で一度話し合える場を設けた』、といった事が書かれてて実際に会談の場の事も書かれていた。

 で、平和的に問題を終わらせようとした加茂家が会談の場を用意して話し合わせる為に両家の当主と副当主を集めて話し合いの場を作った………までは良かったんだけど話し合いは『先に手を出したの禍求夜(カグヤ)だ、団和(ウチワ)だ』と、言い争いになって好戦的な禍求夜(カグヤ)の当主が手を出しちゃって、当時の団和(ウチワ)の副当主を殺しちゃって禍求夜(カグヤ)団和(ウチワ)の戦争に発展した」

「うっわぁ……」

「言葉失うよねぇ。それだけじゃなくてね、その行為は最悪の行為だったんだ」

「最悪の行為?」

「その行為は団和(ウチワ)の写輪眼をもう一段階進化(深化)させる条件に当てはまるんだ」

「進化した眼はどう変わる?」

「万華鏡写輪眼と言うモノに変わり、個々人によって異なる『瞳術』が使える様になるといった事が記載されていました」

「その眼ってそんなにヤバいの?」

「スッゴくヤバい、写輪眼なんて比じゃないくらいにヤバい」

「マジで?」

「その眼を開眼したのは誰だ」

「加茂家に所蔵されている文献に記載されている初の万華鏡写輪眼の開眼者は『団和(ウチワ)陰鐃(インドラ)』、その人物の『瞳術』として記載されているのは『天照(アマテラス)』と『加具土命(カグツチ)』の二つ。

 天照は『対象を燃やし尽くすまで決して消えない黒い炎を発生』させる瞳術です。

 使い方は『術を宿す目の視界内に対象を捉える』だけで発動させることができて、その熱量は何をしても消火できないし、一般的な炎さえ焼き尽くすほどに膨大な熱量を有しています。

 ですがその反面、強力故に他の反転術式以上の呪力を消費し、発動する度に血涙が流れるほどの負荷が掛かるらしいですね」

「それ程の縛りが有って安心したよ、そんな呪術が縛り無しに使えるなんて恐ろしい」

「本当にね、縛りが有って助かるよね」

 

 今度は夜蛾が茶を飲み「もう一つの瞳術は何ができる」と聞いてくる。

 ━

「もう一つの瞳術の『加具土命(カグツチ)』は『天照(アマテラス)の黒い炎をコントロールし、形態変化させる瞳術』と書かれていましたが……」

「お前は黒い炎を操るだけじゃないと思っているんだな?」

「はい、団和(ウチワ)の万華鏡写輪眼がこの程度の瞳術ではないと僕は思ってます」

「何故そう思う」

「『片方の瞳術のサポートしかできない』なんて事はあり得ませんよ、もっと他の能力が有っても可笑しくありません。理由は他の開眼者とあまりにも差が有りすぎるからです」

「他の開眼者か、確かその万華鏡写輪眼に成った団和(ウチワ)は三人居たんだったな残りの二人はどんな呪術を使えるんだ」

 

 一息つき「一人は『樋速日(ヒハヤヒ)』と『時量師(トキハカシ)』。

 二人目は「『天之狭霧(アメノサギリ)』』と『国之狭霧(クニノサギリ)』」と答える。

 ━

「それぞれの能力の説明を頼む」

「一人目の方から話していきましょうか。

 一人目の術師は『団和(ウチワ)(マダラ)』、瞳術の『樋速日(ヒハヤヒ)』は『落雷や激しく燃え盛る炎を発生』させる瞳術です。

 使い方・代償(縛り)は概ね天照(アマテラス)と同じと書かれていました、そしてもう一つの『|時量師《トキハカシ』は詳しくはかかれていませんでしたが、推測するに時間の推移……時を(はかる)、或いは解き放す(剝かす)瞳術です」

「一つ目の瞳術はどんな術式なのかは分かった、言葉のままなのだろう。だが、時間を量や解き放す(剝かす)とはどう言う意味だ」

「これ以上の事は載っていませんでしたが、団和(ウチワ)の『瞳術』は日本神話の神々の名を使い術式として(たと)えています。

 この事から察するにこの瞳術は時量師神(トキハカシノカミ)に由来すると考えられます。時間の推移、計測や調整。時間の管理や吉凶の時期を司る……つまり瞳術『時量師(トキハカシ)』は時間を計る。これら全て時間に関する物事(・・・・・・・・)を差しています」

「時間? ……まさか………加茂、お前はこの術式を時間を操る(・・・・・)と言いたいのか」

「字面や神が司るモノから推測すれば……の、話ですが」

「あり得ん、時間を操るなどあり得る訳が無い」

「もう一つ、推測している術式を考えていますが……こちらも時間に関係していると考えられます」

「……どんな、術式だ」

「もう一つは穢れを禊ぐと言う事も司っているとされています、そして解き放す(剝かす)ともされています。穢れ(・・)を解き放す(剝かす)。穢れを『縛り』と解釈し定義できれば縛りを剥がせる(・・・・・・・)のかもしれません」

 

 座卓を叩き「時間を操り縛りを剥がすだと!?」叫びながら立ち上がる。

 ━

「あくまで僕の推測です。違うかもしれません」

 

 歯ぎしりをして「是非そうあって欲しいモノだな」と音をたてながら座る。

 ━

過去(世界)は視たのか」

「ええまあそうですね」

「どうだった、お前にはどう視えた」

「……時間を操っている様に視えました」

「バケモノだな、今程滅んでいて嬉しいと思えたのは初めてだ」

「まあ過去の人物なので問題はないと思いますよ。ただまぁ、今現れたら色々と困りますよね。多分ですが僕より強いですし、しかも僕が術式を使えば使う程コピーされるので」

「今のでヤベェ奴だって分かったわ」

(れん)の拡張術式を全てコピーできる、か。そんな術師を想像しただけでも恐ろしいね」

「本当にねー」

 いきなり現れた禍求夜(カグヤ)の術師、いくらなんでもタイミングが良すぎる。それに、あの時羂索は津美紀ちゃんに呪物を入れていた。それに羂索は……。まさかあり得るのか? そんな事が

 

「それで、だ。その瞳術……時量師(トキハカシ)代償(縛り)はなんだ」

「行使する時間に応じて変わるみたいですが、約三ヶ月から半年の間、瞳術が使えなくなるみたいですね。ああそれと万華鏡写輪眼の瞳術は基本的に反転術式以上の呪力か要求されるみたいですね」

 

 頭を押さえ「高い呪力消費と術式の行使不可期間が有るだけか、縛りとしては緩い気がするな」とタメ息を吐き、「彼ら団和(ウチワ)からすれば重い代償(縛り)ですよ、万華鏡写輪眼だけではなく写輪眼も使えなくなります」と返し、「そうか、次の術師にいってくれ」と続きを促す。

 ━

「分かりました、もう一人りの術師の名前は『団和(ウチワ)娜織(ナオリ)』、この人物の瞳術はどちらも幻術で詳細に書かれていました」

「幻術だと? 確かに今より昔は使われていたらしいが……」

「ええまあそうですね、当時は幻術を相伝術式としていた家系も居ましたが今では途絶えてますから。

 当時でもそういった家系以外ではあくまて遁走呪術として使われるくらいですので、一見では強そうに思えませんが、この人物の幻術はソレら幻術とは一線を画します」

「一線を画す? どう言う意味だ」

「瞳術『天之狭霧(アメノサギリ)』、そして『国之狭霧(クニノサギリ)』は少しだけ違いはありますが、共通しているのが『現実と幻術が混在し現実を見失う(・・・・・・)』幻術なんです」

「どう言う事だ、現実を見失うだと」

「幻術の掛け方は共に『霧を媒介に幻術を行使する』と言うモノですが、二つには少しだけ違いがあります」

「何がどう変わってくるんだ」

「では先ず『天之狭霧(アメノサギリ)』から。

 この瞳術は『降り注ぐ霧が自我と言う境界を覆い隠し現実と虚構を曖昧にされ、現実と幻術の世界を彷徨(さまよ)う』幻術です」

「現実と幻術を彷徨う? あり得ん幻術にそんな事ができる訳が無い」

「この人物の幻術が特殊すぎるんです。それこそやろうと思えば……ってヤツですかね」

「そんな……事が……」

国之狭霧(クニノサギリ)を説明しますね」

「あ……あぁ、頼む」

「「もう一つの瞳術の『国之狭霧(クニノサギリ)』は『立ち込める霧が意識と言う境界を覆い隠し、五感・呪力感知等を支配する』幻術と書かれていました」

「五感を、呪力感知を……支配する、だと……そんな事はあり得ない。幻術は感覚を騙す程度の筈だ。あり得ん……あり得る訳が無い」

 

 幻術と言う呪術の常識を覆す能力を聞き、夜蛾が半ば放心状態なり、「団和(ウチワ)と言う一族の瞳術は不可能な呪術を、術式を使う事ができる一族なんです」と返す。

 ━

(れん)の幻術も似たような事ができると思うが、違うのか?」

「僕のはこの幻術を参考にした術式なんだ、だから下位互換でしかない。だから長時間・長期間幻術に掛けるには何度も重ね掛けしたり、定期的に掛けたりとかしないと継続して幻術には掛けられない」

「その二つの代償(縛り)は?」

「使えるまでのインターバルが長い」

「どれぐらい?」

「約半年の間失明する」

「結構代償(縛り)が大きいんだな」

 

 頭に手をやり夜蛾が「それぐらいの代償(縛り)が無いと釣り合わんだろう」と、どこか諦めた声色で喋る。

 ━

「コレらの代償(縛り)瞳術(・・)の縛りです」

「瞳術の、代償(縛り)?」

団和(ウチワ)の写輪眼………正確には万華鏡写輪眼は瞳術を使えば使うほど視力が低下し、最後には失明へと向かっていくリスクを伴います」

「ちゃんとした代償(縛り)が有って嬉しい」

 まあその代償(縛り)を踏み倒せたりするんだけど、コレは基本無いから今は言わなくて良いかな。

 

「で、禍求夜(カグヤ)団和(ウチワ)の副当主を殺した結果、団和(ウチワ)の当主……団和(ウチワ)娜織(ナオリ)が万華鏡写輪眼を開眼させ禍求夜(カグヤ)一族と最後の一人になるまで殺し合い、御三家が漁夫の利宜しく禍求夜(カグヤ)一族を族滅させた。

 団和(ウチワ)一族は禍求夜(カグヤ)との戦闘で団和(ウチワ)の術師が急激に減って自然消滅した……んだけど、団和(ウチワ)らしき一族を見つけてから複数の式神で24時間監視してる。

 いつ開眼するか分からないし、開眼したら必然的に生得術式も覚醒するからね」

「……つまり、いつ爆発するか分からない特大の爆弾と言う事か」

「端的に言えばね。宿儺と同等レベルで警戒する必要がある一族だ、手綱が握れるのならこれ以上無い程の戦力になるけど、今の所は僕には手綱を握れる気がしない」

「お前でもか」

「色々と試してはいるんですけどね」

 今団和(ウチワ)に様々な援助して開眼の条件を僕になる様にしてるけど、上手くいっているのかいないのか…………まあ上手くいってると思いたい。

 

 家入が晴蓮をジッと見て「(セイ)さ、なんか隠してない?」と、痛い所を突かれる。

 ━

「…………なんでそう思ったの」

「なんとなく、後は天元さまが言ってたし」

「天元様はなんと?」

(セイ)が『今は必要ではない(・・・・・・・・)』と、判断した情報は共有しないって」

「おうハル、全部吐け」

「はぁ……全く、天元も面倒な事をしてくれるね」

「で、何隠してんの」

 

 飲み干したお茶を注ぎ、そして一気に飲み干してから口を開く。

 ━

団和(うちわ)の万華鏡写輪眼の『失明』と言う代償(縛り)は有る事をすれば踏み倒せるんだ」

「は? マジで?」

 

 強力な術を使える代わりに失明と言う代償(縛り)が有るのは呪術の道理に叶っている、呪術とは足し引きを、縛りを科す事で強力な呪術を使える様にするからだ。

 だが、その足し引き……縛りを踏み倒すなどあり得る筈が無い、道理が通じない。

 ━

「その条件はなんだ」

「条件は他者の万華鏡写輪眼を移植する事です。

 但し、代償(縛り)を踏み倒す方法は瞳《・》の物理的移植、その為の条件は二つ有ります。

 一つ目は瞳のやりとりは一族間でしか行えない。

 二つ目は移植したからといって必ず成功する訳ではなく、移植する眼が近親者と言った血縁のものでないものだと失敗する可能性も有ると文献に記載されていました」

「その眼を手にした者は居るのか?」

「文献には記載されていませんでした。なので過去(世界)を視たら一人だけ、開眼した術師が一人だけ居ました。それは団和(うちわ)の開祖・団和陰鐃(うちわいんどら)ただ一人です。

 ああそれと正確には視力低下の代償(縛り)を無しに発動することができるようになるって感じみたいですね、なので呪力の消費量まではカバーできないとの事です」

「それでも呪術の道理に反している、その程度では縛りが成立しない」

「先程も同じ事を言いましたが、もう一度言います。だからこそ御三家に匹敵する家系として扱われ、禍求夜(カグヤ)を含め五大家系と呼ばれているんです」

 

 項垂れ「団和(ウチワ)禍求夜(カグヤ)もバケモノ揃いだな」と呟く。

 ━

「さて。暗い話はこの辺にして、交流会の事を話しましょう。元々交流会の話ですし」

「ああそうだな、そう言えば今回の集まりは交流会の事だったな。交流会の話を頼む」

 

 どこか憔悴している声色で本題へと戻す。

 ━

「会場内外に現れる呪霊、呪詛師の話は終わりました。なので次は忌庫(きこ)に現れる呪霊、呪詛師です」

「確か……忌庫(きこ)には呪霊は六体、特級呪霊が四体で一級呪霊が二体。これで合っているね」

「呪霊はそれで合ってる。特級六体の内二体が自然呪霊で、片方は銀崩(ぎんほう)と呼ばれている」

銀崩(ぎんほう)……。この呪霊が(れん)と?」

「うん、昨日戦った氷の呪術を使う自然呪霊だね」

「規模は分かるか」

「あの時はそこまで戦っていないのでどの程度までの事ができるのかは不明です」

 

 自然呪霊『銀崩(ぎんほう)』戦ったばかりの呪霊にして、未来視(世界視)で名を知る事に成功した。

 ━

「もう一体は継ぎ接ぎの呪霊……人間を改造させる事ができる呪霊で、建人曰く『触れられたらアウト』だそうです」

「お前は分からないのか?」

「イヤまあなんと言いますか……現着してすぐに領域に入れたのでマトモな戦闘にならなかったんですよね」

「あー……ハルの領域か、そりゃマトモな戦闘にならんわな」

(れん)が領域を使ったのに呪霊に逃げられたのか?」

「条件を変えたのが裏目に出た」

「条件を変えたと言うのはどう言う意味だ」

「継ぎ接ぎの呪霊を確実に祓いたかったので逃がさない様に内側を硬くして外殻を柔くしたんです、勿論後詰めの呪霊が来る事も知っていたので来る前に祓える………筈だったんですけど、どうやらどこかでズレたみたいですね」

「ズレた理由は」

 

 顎に手を置き少し考え、悩み「恐らく僕が領域の条件を変えたからと考えています」とあっけらかんと答える。

 ━

「領域の条件を変えたからズレたと?」

「あの時ズレる要素は何一つありませんでした、世界線がズレる要因はいつもと違う事をする(・・・・・・・・・・)事。なので考えられるのはコレくらいしか思いつきません」

「いつもと違う事をする、領域の条件を変えたから………か、ここにきて不確定要素が出てくるとはな」

「はい。なので未来(世界)も、交流会の未来(世界)もズレる可能性が僅かですが浮上します」

「ズレたとして何が変わる」

「そう、ですね………考えられるのは呪霊と呪詛師の数、等級ですね」

「ここにきて不確定要素が出てくるのか……クソッ」

「不確定要素による変化後で話しましょう。今は今分かっている未来(世界)を話します」

 

 晴蓮の一言に皆が思考を切り替える。

 ━

忌庫(きこ)で待ち伏せするのは僕と直哉の二人」

「そうか、甚爾さんが会場……禍求夜(カグヤ)の相手をするとなれば忌庫(きこ)に居るのは(れん)と直哉くんだけになる。大丈夫なのか?」

「直毘人さんに扇さん、それと禪院の(へい)に人達を連れていこうかなとは思ってる、連れていけるかどうかは微妙なところ」

「なんで」

「対策されてるんだよ」

「そりゃそうだよな呑兵衛も扇のじーさんも特級だからな、何かしてくるわな」

「で、具体的には何されてんの」

「直毘人さんと相性の良い……正確には投射呪法と相性の良い方法で対策されるんだ」

「投射呪法と相性が良いって何されんの」

「特級呪霊が四国にばら蒔かれる」

「どんだけ蒔かれんの」

「徳島、香川、愛媛、高知。全ての県で二体ずつだね。だから高速で移動出来る直毘人さんか直哉が適任なんだ、もしかしたら直哉もそっちに駆り出されるかもしれない」

「甚爾さんは禍求夜(カグヤ)の呪詛師の相手をしに会場に行く、禪院の人達を連れていきたいが対策されている可能性が高いか……(れん)

「五分五分かな」

「五分五分か、あまり期待せずに考えていた方がいいね」

「扇のじーさんは連れていけんの?」

「扇さんも五分五分だね、京都に呪霊が出る」

「マジでガッチガチに対策されてんだな」

「そうなんだよねー、五分五分とは言え完全に手詰まり状態。向こう側は忌庫(きこ)に居る戦力を可能な限り減らしたいから、ガッチガチに対策をしてる。向こう側の理想は僕一人だけだからね」

 

 天井を仰ぎ見て「当たり前だがその二人も対策済みか」と溢し、「この場合忌庫(きこ)には加茂と禪院扇の二人……フリーの呪術師は連れていけんのか?」と聞いてくる。

 ━




 頭が、頭がパンクする。キッツいすわ。
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