「書かれてない理由は分かった。何が起きれば進化するのか、そもそも何故滅んだのかを話してくれ」
「元々
それを諌めていたのはその当時の加茂家の当主だった、この当主は呪術師にしては比較的マトモな感性だったらしいですね、呪術界の安定の為に奔走してたらしい」
「へー、昔に
「それはそれで間違っていないよ。呪術界は閉鎖的な世界だし、呪術が露見するのを嫌がるからどうしても血統主義になるから新しい呪術師の家系には冷たい……忌憚なく言えば蔑むんだよね、特に禪院家が顕著かな」
「あー……なんか分かるかも」
「今の禪院家は昔に比べれば緩くなったとは思う」
「ハルの功績だよな」
「イヤまぁ……なんと言うか、うん。言わないでおこう、今は関係ないし。さて、話を続けようか。
えーと、ああ両家の諌めていた後だね。その時は加茂の当主がそれなりに平和的に納められた、それでも前例よりかは……だけどね」
用意していた茶をすすり、喉を潤し続きを話す。
━
「それでね、
で、平和的に問題を終わらせようとした加茂家が会談の場を用意して話し合わせる為に両家の当主と副当主を集めて話し合いの場を作った………までは良かったんだけど話し合いは『先に手を出したの
「うっわぁ……」
「言葉失うよねぇ。それだけじゃなくてね、その行為は最悪の行為だったんだ」
「最悪の行為?」
「その行為は
「進化した眼はどう変わる?」
「万華鏡写輪眼と言うモノに変わり、個々人によって異なる『瞳術』が使える様になるといった事が記載されていました」
「その眼ってそんなにヤバいの?」
「スッゴくヤバい、写輪眼なんて比じゃないくらいにヤバい」
「マジで?」
「その眼を開眼したのは誰だ」
「加茂家に所蔵されている文献に記載されている初の万華鏡写輪眼の開眼者は『
天照は『対象を燃やし尽くすまで決して消えない黒い炎を発生』させる瞳術です。
使い方は『術を宿す目の視界内に対象を捉える』だけで発動させることができて、その熱量は何をしても消火できないし、一般的な炎さえ焼き尽くすほどに膨大な熱量を有しています。
ですがその反面、強力故に他の反転術式以上の呪力を消費し、発動する度に血涙が流れるほどの負荷が掛かるらしいですね」
「それ程の縛りが有って安心したよ、そんな呪術が縛り無しに使えるなんて恐ろしい」
「本当にね、縛りが有って助かるよね」
今度は夜蛾が茶を飲み「もう一つの瞳術は何ができる」と聞いてくる。
━
「もう一つの瞳術の『
「お前は黒い炎を操るだけじゃないと思っているんだな?」
「はい、
「何故そう思う」
「『片方の瞳術のサポートしかできない』なんて事はあり得ませんよ、もっと他の能力が有っても可笑しくありません。理由は他の開眼者とあまりにも差が有りすぎるからです」
「他の開眼者か、確かその万華鏡写輪眼に成った
一息つき「一人は『
二人目は「『
━
「それぞれの能力の説明を頼む」
「一人目の方から話していきましょうか。
一人目の術師は『
使い方・
「一つ目の瞳術はどんな術式なのかは分かった、言葉のままなのだろう。だが、時間を量や解き
「これ以上の事は載っていませんでしたが、
この事から察するにこの瞳術は
「時間? ……まさか………加茂、お前はこの術式を
「字面や神が司るモノから推測すれば……の、話ですが」
「あり得ん、時間を操るなどあり得る訳が無い」
「もう一つ、推測している術式を考えていますが……こちらも時間に関係していると考えられます」
「……どんな、術式だ」
「もう一つは穢れを禊ぐと言う事も司っているとされています、そして解き
座卓を叩き「時間を操り縛りを剥がすだと!?」叫びながら立ち上がる。
━
「あくまで僕の推測です。違うかもしれません」
歯ぎしりをして「是非そうあって欲しいモノだな」と音をたてながら座る。
━
「
「ええまあそうですね」
「どうだった、お前にはどう視えた」
「……時間を操っている様に視えました」
「バケモノだな、今程滅んでいて嬉しいと思えたのは初めてだ」
「まあ過去の人物なので問題はないと思いますよ。ただまぁ、今現れたら色々と困りますよね。多分ですが僕より強いですし、しかも僕が術式を使えば使う程コピーされるので」
「今のでヤベェ奴だって分かったわ」
「
「本当にねー」
いきなり現れた
「それで、だ。その瞳術……
「行使する時間に応じて変わるみたいですが、約三ヶ月から半年の間、瞳術が使えなくなるみたいですね。ああそれと万華鏡写輪眼の瞳術は基本的に反転術式以上の呪力か要求されるみたいですね」
頭を押さえ「高い呪力消費と術式の行使不可期間が有るだけか、縛りとしては緩い気がするな」とタメ息を吐き、「彼ら
━
「分かりました、もう一人りの術師の名前は『
「幻術だと? 確かに今より昔は使われていたらしいが……」
「ええまあそうですね、当時は幻術を相伝術式としていた家系も居ましたが今では途絶えてますから。
当時でもそういった家系以外ではあくまて遁走呪術として使われるくらいですので、一見では強そうに思えませんが、この人物の幻術はソレら幻術とは一線を画します」
「一線を画す? どう言う意味だ」
「瞳術『
「どう言う事だ、現実を見失うだと」
「幻術の掛け方は共に『霧を媒介に幻術を行使する』と言うモノですが、二つには少しだけ違いがあります」
「何がどう変わってくるんだ」
「では先ず『
この瞳術は『降り注ぐ霧が自我と言う境界を覆い隠し現実と虚構を曖昧にされ、現実と幻術の世界を
「現実と幻術を彷徨う? あり得ん幻術にそんな事ができる訳が無い」
「この人物の幻術が特殊すぎるんです。それこそやろうと思えば……ってヤツですかね」
「そんな……事が……」
「
「あ……あぁ、頼む」
「「もう一つの瞳術の『
「五感を、呪力感知を……支配する、だと……そんな事はあり得ない。幻術は感覚を騙す程度の筈だ。あり得ん……あり得る訳が無い」
幻術と言う呪術の常識を覆す能力を聞き、夜蛾が半ば放心状態なり、「
━
「
「僕のはこの幻術を参考にした術式なんだ、だから下位互換でしかない。だから長時間・長期間幻術に掛けるには何度も重ね掛けしたり、定期的に掛けたりとかしないと継続して幻術には掛けられない」
「その二つの
「使えるまでのインターバルが長い」
「どれぐらい?」
「約半年の間失明する」
「結構
頭に手をやり夜蛾が「それぐらいの
━
「コレらの
「瞳術の、
「
「ちゃんとした
まあその
「で、
いつ開眼するか分からないし、開眼したら必然的に生得術式も覚醒するからね」
「……つまり、いつ爆発するか分からない特大の爆弾と言う事か」
「端的に言えばね。宿儺と同等レベルで警戒する必要がある一族だ、手綱が握れるのならこれ以上無い程の戦力になるけど、今の所は僕には手綱を握れる気がしない」
「お前でもか」
「色々と試してはいるんですけどね」
今
家入が晴蓮をジッと見て「
━
「…………なんでそう思ったの」
「なんとなく、後は天元さまが言ってたし」
「天元様はなんと?」
「
「おうハル、全部吐け」
「はぁ……全く、天元も面倒な事をしてくれるね」
「で、何隠してんの」
飲み干したお茶を注ぎ、そして一気に飲み干してから口を開く。
━
「
「は? マジで?」
強力な術を使える代わりに失明と言う
だが、その足し引き……縛りを踏み倒すなどあり得る筈が無い、道理が通じない。
━
「その条件はなんだ」
「条件は他者の万華鏡写輪眼を移植する事です。
但し、
一つ目は瞳のやりとりは一族間でしか行えない。
二つ目は移植したからといって必ず成功する訳ではなく、移植する眼が近親者と言った血縁のものでないものだと失敗する可能性も有ると文献に記載されていました」
「その眼を手にした者は居るのか?」
「文献には記載されていませんでした。なので
ああそれと正確には視力低下の
「それでも呪術の道理に反している、その程度では縛りが成立しない」
「先程も同じ事を言いましたが、もう一度言います。だからこそ御三家に匹敵する家系として扱われ、
項垂れ「
━
「さて。暗い話はこの辺にして、交流会の事を話しましょう。元々交流会の話ですし」
「ああそうだな、そう言えば今回の集まりは交流会の事だったな。交流会の話を頼む」
どこか憔悴している声色で本題へと戻す。
━
「会場内外に現れる呪霊、呪詛師の話は終わりました。なので次は
「確か……
「呪霊はそれで合ってる。特級六体の内二体が自然呪霊で、片方は
「
「うん、昨日戦った氷の呪術を使う自然呪霊だね」
「規模は分かるか」
「あの時はそこまで戦っていないのでどの程度までの事ができるのかは不明です」
自然呪霊『
━
「もう一体は継ぎ接ぎの呪霊……人間を改造させる事ができる呪霊で、建人曰く『触れられたらアウト』だそうです」
「お前は分からないのか?」
「イヤまあなんと言いますか……現着してすぐに領域に入れたのでマトモな戦闘にならなかったんですよね」
「あー……ハルの領域か、そりゃマトモな戦闘にならんわな」
「
「条件を変えたのが裏目に出た」
「条件を変えたと言うのはどう言う意味だ」
「継ぎ接ぎの呪霊を確実に祓いたかったので逃がさない様に内側を硬くして外殻を柔くしたんです、勿論後詰めの呪霊が来る事も知っていたので来る前に祓える………筈だったんですけど、どうやらどこかでズレたみたいですね」
「ズレた理由は」
顎に手を置き少し考え、悩み「恐らく僕が領域の条件を変えたからと考えています」とあっけらかんと答える。
━
「領域の条件を変えたからズレたと?」
「あの時ズレる要素は何一つありませんでした、世界線がズレる要因は
「いつもと違う事をする、領域の条件を変えたから………か、ここにきて不確定要素が出てくるとはな」
「はい。なので
「ズレたとして何が変わる」
「そう、ですね………考えられるのは呪霊と呪詛師の数、等級ですね」
「ここにきて不確定要素が出てくるのか……クソッ」
「不確定要素による変化後で話しましょう。今は今分かっている
晴蓮の一言に皆が思考を切り替える。
━
「
「そうか、甚爾さんが会場……
「直毘人さんに扇さん、それと禪院の
「なんで」
「対策されてるんだよ」
「そりゃそうだよな呑兵衛も扇のじーさんも特級だからな、何かしてくるわな」
「で、具体的には何されてんの」
「直毘人さんと相性の良い……正確には投射呪法と相性の良い方法で対策されるんだ」
「投射呪法と相性が良いって何されんの」
「特級呪霊が四国にばら蒔かれる」
「どんだけ蒔かれんの」
「徳島、香川、愛媛、高知。全ての県で二体ずつだね。だから高速で移動出来る直毘人さんか直哉が適任なんだ、もしかしたら直哉もそっちに駆り出されるかもしれない」
「甚爾さんは
「五分五分かな」
「五分五分か、あまり期待せずに考えていた方がいいね」
「扇のじーさんは連れていけんの?」
「扇さんも五分五分だね、京都に呪霊が出る」
「マジでガッチガチに対策されてんだな」
「そうなんだよねー、五分五分とは言え完全に手詰まり状態。向こう側は
天井を仰ぎ見て「当たり前だがその二人も対策済みか」と溢し、「この場合
━
頭が、頭がパンクする。キッツいすわ。