「よくて二人ですね」
「等級は」
「一級です、ですが特級に近い一級呪術師なので、場合によっては特級呪霊の相手をできるかもしれません。呪詛師には式神を使います」
「フリーは二人、式神は何体出せる」
顎に手をやり少し考え「三人から四人ですかね」と答え、「式神は最大四体、フリーと合わせれば合計六人。だが呪霊も六体で、その内四体が特級。呪詛師はいるのか」と返ってきて「呪詛師は結界術師を含め計三人ですが会場に居る奴ら程強くありませんし、結界術師はよくて準一級。なのですが、どうやら妨害に長けた結界術師ですね」と答える。
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「妨害? どう言う事だ」
「視た
「よくて準一級の結界術師にそんな事ができるのか?」
「実力プラス楔……会場と同じ様に呪具を使ってきます、まあ呪具の内容は違いますけど」
「……抜け目は無し、か」
「
「妨害特化型の結界術師なんだろうね。
全く、慢心が無いにも程がある。少しは油断してくれたら助かるのに」
現代で俺並みの結界術の使い手はそうそう居ない、居るとしたら宿儺か羂索。後は
座卓を指でコツコツと叩き「二つ聞く」と言われ「どうぞ」と答える。
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「一つ、結界術師は逃げるのか。
二つ、式神はどう使うのか」
「では一つ目から、向こうにとって結界術師が
二つ目、
晴蓮の言葉に「ドイツもコイツもすぐ逃げんだな」と呟き「
━
「三人? 結界術師は逃げるんじゃないのか」
「結界術師は飛べる式神に後を追わせれば捕まえられます」
「三人全員捕まえられるのか?」
「そりゃあ勿論。僕がやるんですよ? 失敗する訳ないじゃないですか。でも、
「なんで?」
「僕が居るから」
「あぁ、納得」
「
「はい、捕まえられるのは視れました。その後の尋問は軽くしか視てませんが、『雇われただけ』としか言ってなかったので」
晴蓮の『何も知らない』を聞いて「
━
「
「あーはいはい、分かったから。言うって、ちゃんと言うよ」
「またかよ、んで? 何隠してんの、ハル」
「三人の内一人は怪しいですね」
「怪しい? どう言う事だ」
「全容は知れませんが『面白い
「……まさかお前が目的なのか?」
「そうなんでしょうね、羂索からの入れ知恵………と、思いたいですね」
「ソレおかしかねぇか?」
五条の突っ込みは至極全うな事だった、何故ならーー「だね。今の呪術界で
そして長い沈黙が続き、ソレを破ったのは「まさか!!」と、叫ぶ夜蛾の声だった。
━
「まあ気づきますよね」
「その結界術師は
「………その可能性は高いかと」
「あり得ん……そんな事は、あり得ん」
「なので捕まえるしかないんです」
「本当にできるんだな?」
「ソレは間違いなく」
頭を抱え「どうやって受肉体を用意できるんだ」とボヤくと「アイツは少なくとも千年は生きてますからね、その時に手に入れたんじゃないですか」と返す。
━
「捕まえたとしてその結界術師はどうするつもりだ」
「それは……アレですよ、アレ」
「アレとはなんだ、ハッキリ言え」
「あぁ、ハルの洗脳術式か」
「まあうんそうだね、捕まえられればその術式を使うつもりではいる。そうすれば
「それを使うのか?」
「当然、使えるモノはなんでも使う。所詮捨て駒、なら僕も捨て駒として使うまでの事」
腕を組み「その様な事を私は許可できん」と夜蛾は言うが、ソレに対し「僕がいなかったら高専は後手後手、交流会は無防備なところを襲われる。被害は視るまでもない。
僕達は圧倒的に情報が少ない、僕が居るからこの程度ですんでいるんです」と目を開き答える。
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「確かにその通りだ、
「それな、ハルが居ねーとか想像したくもねぇ」
「おう気が合うじゃねぇか五条の当主、俺も同じだ。
三者三様の言葉が夜蛾に突き刺さり、夜蛾自身も「加茂が居なければ去年の呪術テロを被害無しでは終わらんだろうしな」と目頭を押さえながら話す。
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「特級
「特級
「んー……何人かな? 六人は居た筈だよ、分かりやすいのは
「お前が連れてくるフリーの術師は本当に問題はないんだな」
「さっきも言いましたが特級に近い一級呪術師です、彼らなら一級呪霊程度なら容易く祓えます、なので祓い次第通常の特級呪霊を相手してもらいます」
「なら呪詛師はどうなる、加茂の式神が強いのは知っているが相手によりけりじゃないのか」
「結界術師以外は高く見積もっても二級、一級
手で口を覆い頬を叩き「その結界は壊せんのか」と口を開く。
━
「勿論可能です。可能ですが結界だけを壊すのに三時間弱掛かります。
流石にそこまで待っていられないので結界術師に式神を
「壊すの三時間、捕らえるのに二時間……フリーの術師や式神を回すことはできるか」
「そうしたいところですが呪霊が割って入いってくるので無理ですね」
「そりゃ対処されてるわな」
「要だからね、まあそれでも捕まえるんだけど」
天井を見てタメ息を吐き「二時間弱、お前は領域を封じられた状態で二体の自然呪霊と戦う事になるのか」と。
━
「ああ同時進行で式神に結界の解析をさせますので、上手く事が運べば想定時間より早く壊せるかもしれませんね」
「
「一番の問題は天元の結界内に居るからだね、結界術師は天元の結界を間借りしてるんだよ」
「そんな事ができるのか?」
「ええまあやろうと思えばやれますね」
「お前以外での話だ」
「だとしたら思いつきませんね、少なくとも現代の結界術師には無理じゃないですかね。まああくまで僕が把握している呪術師と呪詛師に限りますが」
「だからお前は受肉体の可能性を考えたのか」
「捕まえた後の証言と僕並みの結界術を扱える術師は知りませんので、必然的にそう考えるのは当然かと」
「じゃあさ、
「うん?」
「会場に現れる結界術師も受肉体の可能性があるって事?」
「その可能性は高いね」
もし仮に
「
「まあ甚爾さんなら分かりますよね」
晴蓮と甚爾のやり取りで気づいたのか「
━
「交流会襲撃の構図は僕の
高専での戦いではなく
長く息を吐き「五分五分を勝ち取るしかないのか」と呟きを受け「これでもまだマシなので」と答えると、到底信じられない言葉を聞き無意識に叫んでいた。
━
「今まで話していたのは
拳を強く握り締め「中止したら……何がどう変わる」と聞く。
━
「中止すれば連中は会場に入れる為の呪霊を
「
「その数は中止しなかった時の数だよ」
「どう言う意味だ」
「交流会を中止にすれば当然京都高の生徒も教師も来ません、そして僕であれば
なのでこちらの戦力が大幅に減ります、そんな状態の僕らに対して向こうは逆に全戦力が投入できるんです」
「何体になる」
見えない目を手で覆い、長く息を吐きゆっくりと口を開く。
━
「先ずは呪霊から。四国全域に各四体の計十六体、京都に四体の合計二十体の呪霊が投入されます。
「あの男は……羂索はソコまでもの戦力を有しているのか」
「それだけじゃありません、元から
歯を食い縛り「何体増える」と問い掛ける。
━
「少なくとも四体は増えます」
「
「会場のと合わせて二十二体って事か」
「四国や京都の呪霊と合わせれば四十二体…………どこで、どうやればこれ程の呪霊を集めれるんだ」
「呪霊操術か近しい式神術の体でも使っているんじゃないですかね、じゃないとこんな事できませんよ」
「呪詛師は?」
「あぁ、まだ言ってなかったね。
呪詛師は
口癖を知らず知らずのうちに叫んでいた。
━
「全戦力が、二十二体の呪霊と十人の呪詛師が
「会場襲う意味ねーもんな」
「俺としちゃあソッチの方が愉しめそうだな」
何かを考えていた家入が「全員の呪詛師が
━
「それだけじゃないよ、一番の問題は
「いいねぇ、自然呪霊とやらも興味があったんだよ。中止にすりゃあ
「まぁ………一網打尽にするならこっちでも良いんですけど、生徒達も巻き込まれるので甚爾さんには悪いですけど無しでお願いします」
「つまんねぇ事言うんじゃねぇよ」
「まさかと思うが生徒達に被害は出るのか?」
「死者は出ません。………ですが、
「ガッデム!! そんな事など有ってはならん!」
「そんな事になるって事はさ、
「そうなるね、その変わりに自然呪霊を一体祓える。呪物と生徒達の被害を許容して自然呪霊を祓うかの選択だよ。後々の事を考えるのなら中止を選べばいい」
「加茂、本気で言っているのか」
怒りを隠さず晴蓮を鋭く睨む。
━
「そんな訳ないでしょう僕も反対ですよ、可愛い妹がこんな事になる
「だな、交流会を中止には出来ねぇ。それに中止にして|奴らの思い通りにさせるかっての」
「私も賛成だ、生徒達に被害が出るのを許容なんてできない」
「ま、しゃあねぇか。姪っ子が昏睡とか流石に寝覚めが悪いからな」
「私でも四肢欠損レベルの怪我は治せないし、昏睡状態とか何もできないし、
「どうだろうね、試した事が無いから分からないけど試すつもりはないよ」
「そりゃそうか」
「ならば結論は交流会は中止せず行う。相違はないな」
夜蛾の言葉に全員が頷く。そして付け加える様に晴蓮が口を開く。
━
「ああ当たり前ですが
「何故だ」
「……悠仁か」
「うん、この事を話せば
イヤまあ何もしなくても殺しに掛かるんだけど、まだそっちの方がマシだし呪霊の襲撃で結果的に失敗する」
「マジで悠仁の事嫌いだよな、楽巌寺がくがんじのじーさん」
「保守派筆頭だし、それに何より『宿儺の器』が怖いんだよ、
とは言え現状は加茂家・五条家・禪院家の御三家が『虎杖悠仁は必要である』と表明してるから公的には手を出せない、だから何かしらの方法で殺したい。そしたらうってつけの場が現れた、それがーー」
「姉妹高交流会か」
「うんその通り、でも僕に隠し事はできない。僕には未来世界が視えるからだ、だから隠さず悠仁君を殺しに掛かる。手段を選ばずにね」
「んー、まあ正直その気持ちは分かる」
肩を竦め「僕だって怖いのは分からないでもないよ、事実として『宿儺の
━
「イヤ硬すぎないか? 真希くんは擬似的ではあるがフィジカルギフテッドだ、そんな彼女に殴られてもなんともないなんてあり得ない」
「私ん所に来てないって事はマジで怪我してないんだろうね、バケモンかよ」
「ハルはさ、なんで硬いのか知ってんの?」
「推測、憶測レベルだけど、一応はね」
「話せ」
夜蛾から言われ少し躊躇い一つ息を吐く、そして口を開き「あくまで憶測レベルなので話半分、鵜呑みにしないで聞いてください」と前置きをして話し始める。
━
「分かった」
「悠仁君の出生には羂索が絡んでいると考えてます」
「なんだと!!」
「はぁ!? マジで言ってんのソレ!?」
「出生に?」
「…………まさか親とか?」
「証拠も無ければ根拠も無い僕の憶測でしかないから決めつけるのはまだ早いかな」
「何故そう思うに至った」
「僕が初めて悠仁君と会ったのは彼が一、二歳の頃。会った経緯はとある呪詛師の残穢を追った先に有った家です」
「その家がおじーさんの家?」
「うん、倭助さん……つまり虎杖家って事になるね」
「その話がどう繋がる」
「………写真が有りました」
「誰の」
数瞬の沈黙の後、口を開く。
━
「倭助さんの息子さんの写真、名前は虎杖仁だって。ほら、倭助さんの葬儀の時に写真見せたでしょ? その人だよ」
「あぁ、そう言えば見せてもらったね」
「そーいやぁそんな事してたな、で、それがどう関係すんの」
「僕が初めて会った時に使ってた羂索の体だよ」
今明かされる羂索の過去の姿。晴蓮は虎杖倭助の葬式の時に虎杖悠仁の父親の写真を見せたが、その体を羂索が使っていた事は話していなかった。それを聞いた五人の内四人が驚き、生唾を呑む。
そして、まるで代表するかの様に夜蛾が「だから出生に関係していると言うのか」と聞いてきた。
━
「まあ二割程度ですかね」
「ハルの二割って九分九厘って言ってんのと同じじゃねぇか」
「流石にそれは言い過ぎだよ」
「どうなった」
「あー……戦闘の事なら逃げられました」
「
「油断はしてないつもりだったんだけどね、見た事も無い呪術を使ってきてさ、そっちの対処に時間が掛かって逃げられた」
「ピン止めは?」
「残念ながらその時はまだ造ってなくてね、してないんだよ。まあできててもアイツを視れるのか分からないけど」
「にしてもナンでもありだなソイツ」
「まさか虎杖くんのお父さんの体を使っていたなんて……」
「見た事も無い呪術とはいったいどんな呪術だ」
「透け透けのミジンコみたいな式神を造り出す呪術……そして人間、呪霊問わず異形へと造り替える呪術です」
「人間? …………! まさか!!」
「そう、あの時……理子ちゃんの護衛、
「マジかよ……あり得ねぇだろ」
「あー……じゃあアレか、あン時に殺したキメェ奴もか」
「甚爾さんも会った事があるんですか?」
顎で晴蓮を指し「コイツから頼まれた仕事先にキメェ奴が居てな」と話し始め、「どっからどう見ても人間のナリしてたが、体の一部が透けてんだよ。
しかも背中からカマキリみてぇなカマが何本も生えてて、マジでキメェ奴だったな」と過去に殺した呪人の事をサラリと話す。
━
説明が長くなったので次からは多分カットします、話がダレますので。