その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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 いつになったら交流会が始まるのか……私にも分かりません。


百八話

「よくて二人ですね」

「等級は」

「一級です、ですが特級に近い一級呪術師なので、場合によっては特級呪霊の相手をできるかもしれません。呪詛師には式神を使います」

「フリーは二人、式神は何体出せる」

 

 顎に手をやり少し考え「三人から四人ですかね」と答え、「式神は最大四体、フリーと合わせれば合計六人。だが呪霊も六体で、その内四体が特級。呪詛師はいるのか」と返ってきて「呪詛師は結界術師を含め計三人ですが会場に居る奴ら程強くありませんし、結界術師はよくて準一級。なのですが、どうやら妨害に長けた結界術師ですね」と答える。

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「妨害? どう言う事だ」

「視た未来(世界)で僕は領域を使っていませんでした。僕の領域に使い損はありませんし、自然呪霊を逃がさない為に僕であれば確実に領域を展開します。ですが、未来(世界)では領域どころか通常の結界も張っていませんでした、それを鑑みるに妨害に長けた結界術師だと考えてます」

「よくて準一級の結界術師にそんな事ができるのか?」

「実力プラス楔……会場と同じ様に呪具を使ってきます、まあ呪具の内容は違いますけど」

「……抜け目は無し、か」

(れん)の領域が封じられる程の結界術師……呪具有りとは言え、そんな事ができる呪詛師が居るとはね」

「妨害特化型の結界術師なんだろうね。

 全く、慢心が無いにも程がある。少しは油断してくれたら助かるのに」

 現代で俺並みの結界術の使い手はそうそう居ない、居るとしたら宿儺か羂索。後は呪術全盛期(・・・・・)の術師、やはり羂索は持っているのか? あの時にもっと調べておくべきだったな。後悔先に立たず、だ。

 

 座卓を指でコツコツと叩き「二つ聞く」と言われ「どうぞ」と答える。

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「一つ、結界術師は逃げるのか。

 二つ、式神はどう使うのか」

「では一つ目から、向こうにとって結界術師が(かなめ)ですから逃げますね。

 二つ目、三人(・・)の呪詛師に当てます」

 

 晴蓮の言葉に「ドイツもコイツもすぐ逃げんだな」と呟き「(かなめ)だからね。始末されて結界が壊れるのも、捕まるのも向こうとしては困るんだよ」と答える。

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「三人? 結界術師は逃げるんじゃないのか」

「結界術師は飛べる式神に後を追わせれば捕まえられます」

「三人全員捕まえられるのか?」

「そりゃあ勿論。僕がやるんですよ? 失敗する訳ないじゃないですか。でも、忌庫(きこ)に来る呪詛師は何も知らないみたいですね」

「なんで?」

「僕が居るから」

「あぁ、納得」

未来(世界)を視たのか」

「はい、捕まえられるのは視れました。その後の尋問は軽くしか視てませんが、『雇われただけ』としか言ってなかったので」

 

 晴蓮の『何も知らない』を聞いて「忌庫(きこ)に行く奴らは何も知らねぇんだろ? なら逃がす意味ねーじゃん」と返され「忌庫(きこ)に来る呪詛師達は捨て駒なんだろうね」と返す。

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(セイ)

「あーはいはい、分かったから。言うって、ちゃんと言うよ」

「またかよ、んで? 何隠してんの、ハル」

「三人の内一人は怪しいですね」

「怪しい? どう言う事だ」

「全容は知れませんが『面白い加茂(・・)の術師がいる』。と、言ってますね」

「……まさかお前が目的なのか?」

「そうなんでしょうね、羂索からの入れ知恵………と、思いたいですね」

「ソレおかしかねぇか?」

 

 五条の突っ込みは至極全うな事だった、何故ならーー「だね。今の呪術界で(れん)の事を知らない術師はいない」と、夏油の言う通り今の呪術界で加茂晴蓮と言う呪術師を知らない者はいないからだ。

 そして長い沈黙が続き、ソレを破ったのは「まさか!!」と、叫ぶ夜蛾の声だった。

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「まあ気づきますよね」

「その結界術師は受肉体(・・・)だとでも言うのか!」

「………その可能性は高いかと」

「あり得ん……そんな事は、あり得ん」

「なので捕まえるしかないんです」

「本当にできるんだな?」

「ソレは間違いなく」

 

 頭を抱え「どうやって受肉体を用意できるんだ」とボヤくと「アイツは少なくとも千年は生きてますからね、その時に手に入れたんじゃないですか」と返す。

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「捕まえたとしてその結界術師はどうするつもりだ」

「それは……アレですよ、アレ」

「アレとはなんだ、ハッキリ言え」

「あぁ、ハルの洗脳術式か」

「まあうんそうだね、捕まえられればその術式を使うつもりではいる。そうすれば()の戦力として使える様にできる。だからまぁ、プラマイゼロ? って感じかな」

「それを使うのか?」

「当然、使えるモノはなんでも使う。所詮捨て駒、なら僕も捨て駒として使うまでの事」

 

 腕を組み「その様な事を私は許可できん」と夜蛾は言うが、ソレに対し「僕がいなかったら高専は後手後手、交流会は無防備なところを襲われる。被害は視るまでもない。

 僕達は圧倒的に情報が少ない、僕が居るからこの程度ですんでいるんです」と目を開き答える。

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「確かにその通りだ、未来(世界)を視る事ができる(れん)が居るからこそ私達はこうして対策が練れている、(れん)がいなければ高専は後手後手になり被害は甚大だ。イヤ、それだけじゃない。もしあの時(れん)が居なければ私は………」

「それな、ハルが居ねーとか想像したくもねぇ」

「おう気が合うじゃねぇか五条の当主、俺も同じだ。(ハル)が居ねぇなら今頃俺はどっかで死んでただろうからな」

 

 三者三様の言葉が夜蛾に突き刺さり、夜蛾自身も「加茂が居なければ去年の呪術テロを被害無しでは終わらんだろうしな」と目頭を押さえながら話す。

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「特級仮想怨霊(妖怪)がもっと居ればいいんだけどね、僕が従えてる特級仮想怨霊(妖怪)はそこまで多くなし、その子達は生徒達に付けてるからそもそも僕の傍にいない」

「特級仮想怨霊(妖怪)は何人居るんだ?」

「んー……何人かな? 六人は居た筈だよ、分かりやすいのは松山(しょうざん(隠神刑部))佐々(ささ(伊佐々王))だね、火産霊(ほむすび(火の呪霊))は呪霊だし。まだ他にも居るけど生徒達に付けてるからねぇ」

「お前が連れてくるフリーの術師は本当に問題はないんだな」

「さっきも言いましたが特級に近い一級呪術師です、彼らなら一級呪霊程度なら容易く祓えます、なので祓い次第通常の特級呪霊を相手してもらいます」

「なら呪詛師はどうなる、加茂の式神が強いのは知っているが相手によりけりじゃないのか」

「結界術師以外は高く見積もっても二級、一級仮想怨霊(妖怪)を使えば問題なく無力化できます」

 

 手で口を覆い頬を叩き「その結界は壊せんのか」と口を開く。

 ━

「勿論可能です。可能ですが結界だけを壊すのに三時間弱掛かります。

 流石にそこまで待っていられないので結界術師に式神を(けしか)け捕らえます、なので結果的には捕まえられるんですが、逃走経路をジャミングされて捕らえるまでに凡そ二時間弱といったところですかね」

「壊すの三時間、捕らえるのに二時間……フリーの術師や式神を回すことはできるか」

「そうしたいところですが呪霊が割って入いってくるので無理ですね」

「そりゃ対処されてるわな」

「要だからね、まあそれでも捕まえるんだけど」

 

 天井を見てタメ息を吐き「二時間弱、お前は領域を封じられた状態で二体の自然呪霊と戦う事になるのか」と。

 ━

「ああ同時進行で式神に結界の解析をさせますので、上手く事が運べば想定時間より早く壊せるかもしれませんね」

忌庫(きこ)に居る結界術師が妨害に長けたってのは分かるんだけどさ、よくて準一級で呪具を使ってやっとそんな結界が張れるんでしょ? なんで領域使えないの? (セイ)ならできそうなんだけど」

「一番の問題は天元の結界内に居るからだね、結界術師は天元の結界を間借りしてるんだよ」

「そんな事ができるのか?」

「ええまあやろうと思えばやれますね」

「お前以外での話だ」

「だとしたら思いつきませんね、少なくとも現代の結界術師には無理じゃないですかね。まああくまで僕が把握している呪術師と呪詛師に限りますが」

「だからお前は受肉体の可能性を考えたのか」

「捕まえた後の証言と僕並みの結界術を扱える術師は知りませんので、必然的にそう考えるのは当然かと」

「じゃあさ、(セイ)

「うん?」

「会場に現れる結界術師も受肉体の可能性があるって事?」

「その可能性は高いね」

 もし仮にそうだと(・・・・)して忌庫(きこ)に来る呪詛師を捨て駒にする理由はなんだ、貴重な人材の筈……その辺りは捕まえて吐かせればいいか。

 

(ハル)

「まあ甚爾さんなら分かりますよね」

 

 晴蓮と甚爾のやり取りで気づいたのか「禍求夜(カグヤ)もか!」とまたもや叫び、「否定はできません。市井に紛れた末裔と考えるよりは納得できますから」と答える。起こり得ない、あり得ない可能性が多数出てきたからかいつもの口癖で叫びながら座卓を叩く。

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「交流会襲撃の構図は僕の未来視(世界視)VS羂索の()来視(界視)を先読みした上での戦力投入、お互いがその状況に応じた最善の戦略を考え合う……ぶっちゃけ戦場は僕と羂索の頭脳戦。

 高専での戦いではなく未来(世界)の読み合いと言う盤外での戦いなんですよね」

 

 長く息を吐き「五分五分を勝ち取るしかないのか」と呟きを受け「これでもまだマシなので」と答えると、到底信じられない言葉を聞き無意識に叫んでいた。

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「今まで話していたのは交流会を中止しなかった場合(・・・・・・・・・・・・・)です」

 

 拳を強く握り締め「中止したら……何がどう変わる」と聞く。

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「中止すれば連中は会場に入れる為の呪霊を忌庫(きこ)に投入してきます」

忌庫(きこ)には六体、会場に現れる呪霊は特級、一級呪霊併せて九体。つまり十五体の呪霊が忌庫(きこ)に集まるのか」

「その数は中止しなかった時の数だよ」

「どう言う意味だ」

「交流会を中止にすれば当然京都高の生徒も教師も来ません、そして僕であれば忌庫(きこ)に全戦力……つまり特級呪術師を全員連れて待ち伏せする事くらい分かりきっています。なので五分五分だった直毘人さん対策が確実になるだけだはなく、更に四国に呪霊が投入され直哉も四国に駆り出される事になります。そして扇さんと(へい)も呼べない様に京都に呪霊が投入され、対処の為に駆り出される。

 なのでこちらの戦力が大幅に減ります、そんな状態の僕らに対して向こうは逆に全戦力が投入できるんです」

「何体になる」

 

 見えない目を手で覆い、長く息を吐きゆっくりと口を開く。

 ━

「先ずは呪霊から。四国全域に各四体の計十六体、京都に四体の合計二十体の呪霊が投入されます。

 忌庫(きこ)には会場に行く筈だった自然呪霊(・・・・)を除いて呪霊が忌庫(きこ)に行くので呪霊が八体……でしたがソコに特級呪霊が二体、一級呪霊が四体の計六体が加わり合計十四体に増えます」

「あの男は……羂索はソコまでもの戦力を有しているのか」

「それだけじゃありません、元から忌庫(きこ)に来る呪霊六体。自然呪霊を除くので四体になりますが、呪霊が更に六体投入され合計十体。つまり合計二十四体の呪霊が襲いにきます」

 

 歯を食い縛り「何体増える」と問い掛ける。

 ━

「少なくとも四体は増えます」

忌庫(きこ)の呪霊は八体になるのか」

「会場のと合わせて二十二体って事か」

「四国や京都の呪霊と合わせれば四十二体…………どこで、どうやればこれ程の呪霊を集めれるんだ」

「呪霊操術か近しい式神術の体でも使っているんじゃないですかね、じゃないとこんな事できませんよ」

「呪詛師は?」

「あぁ、まだ言ってなかったね。

 呪詛師は禍求夜(カグヤ)を含めた呪詛師四人と、元から忌庫(きこ)に来る呪詛師三人の合わせて七人………だけではなく呪詛師も更に三人加わり合計十人の呪詛師が来ます」

 

 口癖を知らず知らずのうちに叫んでいた。

 ━

「全戦力が、二十二体の呪霊と十人の呪詛師が忌庫(きこ)に来る、か。当然と言えば当然だな」

「会場襲う意味ねーもんな」

「俺としちゃあソッチの方が愉しめそうだな」

 

 何かを考えていた家入が「全員の呪詛師が忌庫(きこ)に集まるんならさ」と話し始め、「会場に帳降ろす結界術師も忌庫(きこ)に行くって事になんの?」と切り出す。それを聞き甚爾は口笛を吹き夏油は「そうか、その呪詛師も忌庫(きこ)に行くのか」と呟き、五条が「忌庫(きこ)にハル以上の結界術師の結界が張られるって訳か」と話し、夜蛾はまたしても叫ぶ。

 ━

「それだけじゃないよ、一番の問題は自然呪霊が四体全て(・・・・・・・・・・・・・・・)忌庫(きこ)に現れる」

「いいねぇ、自然呪霊とやらも興味があったんだよ。中止にすりゃあ禍求夜(カグヤ)と自然呪霊の両方と()り合いたかったんだよ」

「まぁ………一網打尽にするならこっちでも良いんですけど、生徒達も巻き込まれるので甚爾さんには悪いですけど無しでお願いします」

「つまんねぇ事言うんじゃねぇよ」

「まさかと思うが生徒達に被害は出るのか?」

「死者は出ません。………ですが、一景(いっけい)と棘君は片腕を失い、真依は昏睡状態になります」

「ガッデム!! そんな事など有ってはならん!」

「そんな事になるって事はさ、飛頭蛮(ひとうばん)が狙ってる呪物は確実に盗まれんの?」

「そうなるね、その変わりに自然呪霊を一体祓える。呪物と生徒達の被害を許容して自然呪霊を祓うかの選択だよ。後々の事を考えるのなら中止を選べばいい」

「加茂、本気で言っているのか」

 

 怒りを隠さず晴蓮を鋭く睨む。

 ━

「そんな訳ないでしょう僕も反対ですよ、可愛い妹がこんな事になる未来(世界)になんてさせません。なので必ず交流会は開いてください」

「だな、交流会を中止には出来ねぇ。それに中止にして|奴らの思い通りにさせるかっての」

「私も賛成だ、生徒達に被害が出るのを許容なんてできない」

「ま、しゃあねぇか。姪っ子が昏睡とか流石に寝覚めが悪いからな」

「私でも四肢欠損レベルの怪我は治せないし、昏睡状態とか何もできないし、(セイ)はどうにかできないの?」

「どうだろうね、試した事が無いから分からないけど試すつもりはないよ」

「そりゃそうか」

「ならば結論は交流会は中止せず行う。相違はないな」

 

 夜蛾の言葉に全員が頷く。そして付け加える様に晴蓮が口を開く。

 ━

「ああ当たり前ですが楽巌寺(がくがんじ)学長には黙っててくださいね、面倒な事になるので」

「何故だ」

「……悠仁か」

「うん、この事を話せば楽巌寺(がくがんじ)学長は便乗して悠仁君を殺そうとしてくる。

 イヤまあ何もしなくても殺しに掛かるんだけど、まだそっちの方がマシだし呪霊の襲撃で結果的に失敗する」

「マジで悠仁の事嫌いだよな、楽巌寺がくがんじのじーさん」

「保守派筆頭だし、それに何より『宿儺の器』が怖いんだよ、楽巌寺(がくがんじ)学長曰く『いつ爆発するか分からない爆弾を傍に置く事に正気を疑う』だってさ。

 とは言え現状は加茂家・五条家・禪院家の御三家が『虎杖悠仁は必要である』と表明してるから公的には手を出せない、だから何かしらの方法で殺したい。そしたらうってつけの場が現れた、それがーー」

「姉妹高交流会か」

「うんその通り、でも僕に隠し事はできない。僕には未来世界が視えるからだ、だから隠さず悠仁君を殺しに掛かる。手段を選ばずにね」

「んー、まあ正直その気持ちは分かる」

 

 肩を竦め「僕だって怖いのは分からないでもないよ、事実として『宿儺の()』である悠仁君を警戒し恐れるのは当然の反応だ、でもそれ以上に『虎杖悠仁』という戦力は得難い」と答えると五条が「この前さ悠仁が真希にボコられてたんだよね、なのに何もなかったってくらいにピンピンしてた」と話し「彼は硬い(・・)からね」と返す。

 ━

「イヤ硬すぎないか? 真希くんは擬似的ではあるがフィジカルギフテッドだ、そんな彼女に殴られてもなんともないなんてあり得ない」

「私ん所に来てないって事はマジで怪我してないんだろうね、バケモンかよ」

「ハルはさ、なんで硬いのか知ってんの?」

「推測、憶測レベルだけど、一応はね」

「話せ」

 

 夜蛾から言われ少し躊躇い一つ息を吐く、そして口を開き「あくまで憶測レベルなので話半分、鵜呑みにしないで聞いてください」と前置きをして話し始める。

 ━

「分かった」

「悠仁君の出生には羂索が絡んでいると考えてます」

「なんだと!!」

「はぁ!? マジで言ってんのソレ!?」

「出生に?」

「…………まさか親とか?」

「証拠も無ければ根拠も無い僕の憶測でしかないから決めつけるのはまだ早いかな」

「何故そう思うに至った」

「僕が初めて悠仁君と会ったのは彼が一、二歳の頃。会った経緯はとある呪詛師の残穢を追った先に有った家です」

「その家がおじーさんの家?」

「うん、倭助さん……つまり虎杖家って事になるね」

「その話がどう繋がる」

「………写真が有りました」

「誰の」

 

 数瞬の沈黙の後、口を開く。

 ━

「倭助さんの息子さんの写真、名前は虎杖仁だって。ほら、倭助さんの葬儀の時に写真見せたでしょ? その人だよ」

「あぁ、そう言えば見せてもらったね」

「そーいやぁそんな事してたな、で、それがどう関係すんの」

「僕が初めて会った時に使ってた羂索の体だよ」

 

 今明かされる羂索の過去の姿。晴蓮は虎杖倭助の葬式の時に虎杖悠仁の父親の写真を見せたが、その体を羂索が使っていた事は話していなかった。それを聞いた五人の内四人が驚き、生唾を呑む。

 そして、まるで代表するかの様に夜蛾が「だから出生に関係していると言うのか」と聞いてきた。

 ━

「まあ二割程度ですかね」

「ハルの二割って九分九厘って言ってんのと同じじゃねぇか」

「流石にそれは言い過ぎだよ」

「どうなった」

「あー……戦闘の事なら逃げられました」

(れん)から逃げられたのか!?」

「油断はしてないつもりだったんだけどね、見た事も無い呪術を使ってきてさ、そっちの対処に時間が掛かって逃げられた」

「ピン止めは?」

「残念ながらその時はまだ造ってなくてね、してないんだよ。まあできててもアイツを視れるのか分からないけど」

「にしてもナンでもありだなソイツ」

「まさか虎杖くんのお父さんの体を使っていたなんて……」

「見た事も無い呪術とはいったいどんな呪術だ」

「透け透けのミジンコみたいな式神を造り出す呪術……そして人間、呪霊問わず異形へと造り替える呪術です」

「人間? …………! まさか!!」

「そう、あの時……理子ちゃんの護衛、星漿体(せいしょうたい)任務の時に襲撃してきた呪人は羂索の仕業だよ」

「マジかよ……あり得ねぇだろ」

「あー……じゃあアレか、あン時に殺したキメェ奴もか」

「甚爾さんも会った事があるんですか?」

 

 顎で晴蓮を指し「コイツから頼まれた仕事先にキメェ奴が居てな」と話し始め、「どっからどう見ても人間のナリしてたが、体の一部が透けてんだよ。

 しかも背中からカマキリみてぇなカマが何本も生えてて、マジでキメェ奴だったな」と過去に殺した呪人の事をサラリと話す。

 ━




 説明が長くなったので次からは多分カットします、話がダレますので。
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