その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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晴蓮クンどうしよう


十二話

「はぁはぁはぁ、やるじゃん。晴蓮」

「そう言う悟こそ、最強の称号は飾りじゃないみたいだね」

 お互いの術式の衝突により中庭が荒れ地宜しく所々抉れていた、それはココで何が合ったのかを示す証左であった。

 ━━

 

 どうするか……血譴(けっげん)はこれ以上使えない、かといってソレ以外でアレを対処するのは難しい。

 アレを使うか? だがアレはまだ未完成……彼相手にどこまで通じる、しかし残るはコレしかないのも確かだ。俺……今、ここで、成してみせろ! それでこその呪術師()だろう! 

 

 

 加茂晴蓮は見えない眼を見開き、晴蓮にしか『視得ない(五次元)の世界』を視る……それを意味するは……

 

「ふぅ、はぁ、ふー……凝血棍〔凝血変異(ぎょうけつへんい)血位流動(けついりゅうどう)形態収斂(けいたいしゅうれん)〕〈血太刀〉…………シン・巌流……剃刀紅血姫〈秘剣・燕返し〉

 刹那……理解しがたい現象がおきた。

 そして、望外の奇跡が同時に発生した、それは黒い火花の祝福。

 打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生じる空間の歪み、黒閃が晴蓮の放った技を祝福したのだ。

 ━━

 

 あり得ない出来事、六眼で視てもソレはバカげた技、しかもソレに黒い火花さえ乗った、オレは思考を巡らせる。避ける? 多分無理だ、避けられない、なら防ぐか? できなくはないが致命傷……とまではいかずともケガを負う。

 どうする? ん? イヤ、あった。僅かな隙間が一つある。そこしかない、決めろオレ! 乗り越えろ! オレなら、できる……

 

「術式……反転!」

 

 本来、ここでは使えない術式。しかし、例外が例外を呼び起こした。

 反転術式の習得、そして反転術式の習得により可能とする術式反転。

 ━━

 

「『赫』!!」

 

 

 その結果、指向性を持つ衝撃波が晴蓮の……剃刀紅血姫:〈秘剣・燕返し〉と衝突し、二人の周囲に撒き散らしお互いを切り裂いた。

 ━━

 

「お前、なンつーコトしてんだよ、フザけすぎだろ、ソレは」

「はは、やっぱりまだ届かないね。ま、未完成の技だからかな? 仕方ないよね。それにしても悟君、君って反転術式使えたのかい?」

「いンや、今初めてできた。オレ最強だからね」

「君も人のコト言えないでしょ、ソレ。でも……それでも僕も黒閃を経験できた、お礼を言うよ。ありがとう、悟君。 おかげで……もう一つ上の領域に昇れた気がするよ」

 

 ツっ、このやろ~何か気付きやがったな! まっ、当たり前か、『黒閃』を経験した者は呪力の核心を理解する、そして『今』黒閃を極めた晴蓮なら、何やってくるかがわからねぇ。

 

「ふー、はー……すぅ。フッ……剃刀紅血姫〈雀刺し〉」

 はあ!? ンでその体勢から切ってこれるんだよ! コイツは! 

 

「術式順転『蒼』!」

 

 自身の後ろに『蒼』を放ち瞬間的に晴蓮から大きく距離をとる、ソレは正しい行動だった。何故なら……彼が今までいた場所の、尚且つ首があった箇所を晴蓮の黒い火花を纏った斬撃が通過した。

 ━━

 

「はは、避けて正解だったな」

 にしても、何でオレはさっきから回避を選ぶ? 無限があれば並みの攻撃なんざ当たらねぇ。なのにオレは避けるコトを選んでいる。

 おそらくそれは……本能! ……オレの本能が、コイツの技は防ぐなと、囁いてやがンだ。

 防ぎきれねぇと……コイツに無限なんざ意味がねぇと。ハッ! ありえねぇ……ありえねぇが、実際におきてやがる! は、ハハハ。イイぜ、晴蓮……オレも乗り越えてやンよ! 今! ここでな!! 

 

 いくぜ、晴蓮……ブチかますぜ? 

「虚式」

 

 !? マズい、これはマズい『視え』た、悟は……アレを撃ってくる!! 

 

 視えた先にあるは吹き飛ぶ己、仮想の質量に押し潰される己、コレを回避をするためにとるべき行動は力による相殺! 故に彼も躊躇わない。

 ━━

 

「スー……フッ! シン・巌流……血譴(けっげん):ーー」

 

 

 

 

 

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