「はぁはぁはぁ、やるじゃん。晴蓮」
「そう言う悟こそ、最強の称号は飾りじゃないみたいだね」
お互いの術式の衝突により中庭が荒れ地宜しく所々抉れていた、それはココで何が合ったのかを示す証左であった。
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どうするか……
アレを使うか? だがアレはまだ未完成……彼相手にどこまで通じる、しかし残るはコレしかないのも確かだ。俺……今、ここで、成してみせろ! それでこその
加茂晴蓮は見えない眼を見開き、晴蓮にしか『
「ふぅ、はぁ、ふー……凝血棍〔
刹那……理解しがたい現象がおきた。
そして、望外の奇跡が同時に発生した、それは黒い火花の祝福。
打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生じる空間の歪み、黒閃が晴蓮の放った技を祝福したのだ。
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あり得ない出来事、六眼で視てもソレはバカげた技、しかもソレに黒い火花さえ乗った、オレは思考を巡らせる。避ける? 多分無理だ、避けられない、なら防ぐか? できなくはないが致命傷……とまではいかずともケガを負う。
どうする? ん? イヤ、あった。僅かな隙間が一つある。そこしかない、決めろオレ! 乗り越えろ! オレなら、できる……
本来、ここでは使えない術式。しかし、例外が例外を呼び起こした。
反転術式の習得、そして反転術式の習得により可能とする術式反転。
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その結果、指向性を持つ衝撃波が晴蓮の……剃刀紅血姫:〈秘剣・燕返し〉と衝突し、二人の周囲に撒き散らしお互いを切り裂いた。
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「お前、なンつーコトしてんだよ、フザけすぎだろ、ソレは」
「はは、やっぱりまだ届かないね。ま、未完成の技だからかな? 仕方ないよね。それにしても悟君、君って反転術式使えたのかい?」
「いンや、今初めてできた。オレ最強だからね」
「君も人のコト言えないでしょ、ソレ。でも……それでも僕も黒閃を経験できた、お礼を言うよ。ありがとう、悟君。 おかげで……もう一つ上の領域に昇れた気がするよ」
ツっ、このやろ~何か気付きやがったな! まっ、当たり前か、『黒閃』を経験した者は呪力の核心を理解する、そして『今』黒閃を極めた晴蓮なら、何やってくるかがわからねぇ。
「ふー、はー……すぅ。フッ……剃刀紅血姫〈雀刺し〉」
はあ!? ンでその体勢から切ってこれるんだよ! コイツは!
「術式順転『蒼』!」
自身の後ろに『蒼』を放ち瞬間的に晴蓮から大きく距離をとる、ソレは正しい行動だった。何故なら……彼が今までいた場所の、尚且つ首があった箇所を晴蓮の黒い火花を纏った斬撃が通過した。
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「はは、避けて正解だったな」
にしても、何でオレはさっきから回避を選ぶ? 無限があれば並みの攻撃なんざ当たらねぇ。なのにオレは避けるコトを選んでいる。
おそらくそれは……本能! ……オレの本能が、コイツの技は防ぐなと、囁いてやがンだ。
防ぎきれねぇと……コイツに無限なんざ意味がねぇと。ハッ! ありえねぇ……ありえねぇが、実際におきてやがる! は、ハハハ。イイぜ、晴蓮……オレも乗り越えてやンよ! 今! ここでな!!
いくぜ、晴蓮……ブチかますぜ?
!? マズい、これはマズい『視え』た、悟は……アレを撃ってくる!!
視えた先にあるは吹き飛ぶ己、仮想の質量に押し潰される己、コレを回避をするためにとるべき行動は力による相殺! 故に彼も躊躇わない。
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「スー……フッ! シン・巌流……