「虚式『茈』」
「血譴:〈秘剣・燕返し〉」
全てを削り抉る仮想の質量の一撃! ソレに対すは純粋なさらに黒い火花を伴う巨剣による圧壊の攻撃!
その結果なぞ想像に容易いだろう、五条家の雅な中庭は今や外壁もろとも更地と化していた。
更地の中庭に静寂が訪れる、そこに立つ二人は満身創痍……お互い肩で息をしている。されど……両者ともに視線は切らない! 一挙手一投足を見極め後の先を……否、先の先を狙うために――
━━
「お互いに限界かな? 悟君」
「ハッ、バカ言え。オレはまだヤれる」
つっても正直、晴蓮の言う通りもう限界だ。 呪力は問題ねぇ、キてんのは体……できて腕一本動かせる程度。でもな晴蓮、オレはそれで充分なんだぜ?
彼であれば腕一本指一本動けば術式は使える。
負けは濃厚……今まで見せてきた技だけであれば……の話だけどね。悟……俺にだって意地はある、負けたくなんか無い、そのためなら切り札の一枚、二枚程度……喜んで切るとも!
ッ! なんだ! なんだ今の寒気は!! いけねぇ、コイツを動かせちゃいけねぇ! オレが先に決める。
「虚式!」
! 家の連中か! それにもう一人の方は晴蓮の親父さんか? ――
今……オレは、何を思った? 助かった? このオレが? 助かったと思ったのか? ははは、そうか。
そうか、晴蓮。オレは、お前に、畏れを感じたんだ!! このオレが!! あぁ、サイッコーだよ、晴蓮。
お前はとことんオレを楽しませてくれる、サイッコーの友達だ。
━━━━━━━━━━━━━━
「晴蓮! 何があった! 無事なのか?」
「……え? ……あぁ、父様、ですか。えぁあぁ、はい。特段何もありません。ただ、彼とちょっと……じゃれ合っていただけです、父様」
「晴蓮……なにを……」
これが……じゃれ合い? この惨状がじゃれ合いだと!? いや、いや、いや!! そこじゃない……気にするはそこではない! これを、晴蓮が、私の息子が! してのけたのか! あの『最強』を相手に!! やってのけたのだ! フフ、フフフ……ハハハハハハ!! 良くぞやってくれた、晴蓮! 五条家め! それみたことか! 何が『最強』か! 何が無下限か!
貴様らなぞ恐るるに足らず! 呪術界『最強』何するものぞ! 間違いない、これは間違いなく特級認定だ。
我が一族から特級術師が誕生したのだ! それも、ただの特級じゃない、あの『最強』を
━━━━━━━━━━━━━━━━
「悟! これはどう言う事だ、何をした!!」
「チッ、ウルセーなぁ、クソが。せっかくの楽しい気分が台無しじゃねぇか。べっつに~じゃれ合ってただけじゃん」
じゃれ合い? じゃれ合いだと! これがか! この有り様だぞ!
「何をしたら……一体ナニをしたらこうなるんだ! 」
あ"ーウゼー、マジウゼー。いい気分だったのに、たかだか親ッてだけで喚いて叫んで。
有象無象の一つのクセに……
「……セーよ」
「何だ、聞こえんぞ」
あーあ。俺シーラネ、あの人……吹っ飛ぶぞ。
「ウルッセーつってンだよ! 雑魚親風情が!! 」
言葉と共に術式反転『赫』が炸裂し、五条■■は錐揉み回転しながら屋敷の残骸を巻き込み、屋敷の中へと吹き飛んだ。
━━
フツーやるかね自分の親に……まぁ、彼はフツーじゃないからね、やるよねそりゃ。
楽しんでた中? 邪魔されて? ブチ切れるよね。何せ彼は……五条悟なのだから。
南無三、悟の父親らしき人。
これにて五条悟遭遇編。終いに御座います。