その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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さて、禪院はどんな風にするか


十五話

「今日も稽古ありがとうございます、日下部さん」

「アーん"ん"気にすんな晴蓮、こっちは仕事でやってからなぁ。それに……だ。こっちはこっちで……なぁ。んふふ

 コイツが特級なれば俺は楽をできるし、特級の師匠って事でよぉ、色んな事に便宜を図って貰えるかもしんねぇし………んふふ待ってろよぉ、俺の薔薇色の悠々自適生活ちゃん♪ 

 

「えーとぉ、なぁ晴蓮」

「はい、どうしました?」

 日下部は戦々恐々と、とあるコトを聞いてきた。

 

「因みにさ、あそこに居るヤツって……その、さぁ」

「あぁ、悟君ですか。それがどうかしましたか」

 さ、悟君んん悟つったらまさか……

 

「あー、御三家の? 五条家の? 坊っちゃんの?」

「あっはは、坊っちゃんですか。なるほど確かに坊っちゃんですね。はい、彼は五条悟ですよ、正真正銘」

 うおぉぉ、マジかぁ。五条の坊っちゃんと言やぁ傍若無人で噂の……

 

「ンだよ、アンタ。オレに文句でもあんの? あるんだったら喜んで買うよ、オレ。それとさぁアンタさぁ、ハルに馴れ馴れしくない? ハルはオレが認めた術師なンだぜ、アンタみたいなヤツがさ……」

「悟君。日下部さんに失礼だよ。それに僕はね、日下部さんにはとてもお世話になっているんだから。特に……アレの……ね」

 なンの話ししてんだ二人で、それにアレってなんだ? き、聞きたくねぇぇ。ぜってぇにろくでもねえシロモンだろ、それ。

 

「アレつーと、あの時使ったえげつねぇ技のコト? ナニあれシン・陰流と関係あんの?」

「うん、まぁそれなりに……ね。あ、でも多分アレは僕くらいにしかできないから使い手が増えるとかは気にしなくていいと思うよ」

「ゾッとしねぇな増えたら」

 何か、何か話題を変えなければ、俺に飛び火がくる! 

 

「そ、それにしてもあれだよなぁ晴蓮。お前さんさ目が見えてないだろ? なのに俺の攻撃が当たりゃしねぇし、当たる気さえしないんだけど」

 露骨に話題変えたね、日下部さん。

 ヘタ過ぎンだろ、コイツ。

 

「な、何だよ。その顔は」

「いえ、お気になさらず。それと僕の眼でしたね。確かに僕は目が見えていません、これは知っておられると思いますが、天与呪縛の『一つ』です。ですので先天的の……全盲です。なので何一つ見えていません、光の一筋さえも」

「それなのに何であんな事が?」

「簡単な話ですよ、天与呪縛にはそれに相応する恩恵が必ずあります、当然。目が見えない代わりになるモノがあります。ですので目の事で不便はありませんね。まぁ、それだけで『視て』いるワケではありませんし」

 天与呪縛が多すぎて色んな意味で面倒くさいけど、ホントに色々と。

 

「あー、それでさ。あの五条と何があったらこうなんのか是非とも教えて欲しいね。逃げ回る時に参考になるかも知れんし

「いや~、思い出しても……もンのすンごく濃い一日でしたよ。いきなりどっかの誰かさんに喧嘩売られましたから」

 

「はぁ? 何言っちゃってんのハル。先に煽ってきたのはハルのほうじゃん、まさかアレ無意識でやってんの?」

「あっハッハ、それこそまさかだね。わざとに決まってるでしょう? あんなの」

「性格ワッル、オレよりカスじゃんそれ」

「あ、自分の性格がカスの自覚あったんだね悟君って、意外だよ」

 あ"あ"あ"何だよこの空間、スッゲェ胃がキリキリする、とっとと逃げよう。

 

「アー、晴蓮。これで俺はお暇するわ」

「すみません日下部さん身内話に巻き込んでしまって、今日の稽古もありがとうございました。おかげで、新たな気付きを得られました。もう一つ上のステージに立てそうです」

 まだ強く何のかよ、コイツ。これだから才能ある天才ってヤツは……イヤになってくンぜ、クソ

 

「ま、今日これで……終わりって事で、次は来月の十五日だったか? 次もヨロシクな晴蓮」

「はい、次も宜しくお願いします。日下部さん、今日は本当に有り難うございました」

「おう、じゃーな」

 ホントにあなたのおかげでステージが上がった、格段に……

 

 

 ふーん、一つ上……ねぇ、そんなんさぁ聞いたら、ヤって(呪い合って)みたくなるじゃんよ!! 

 

「悟君? ヤんないよ?」

 

 

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