その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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十七話

 そこは木々が鬱蒼と生い茂る森、道らしき道は無く心細い獣道が幾つかある程度、その中を散歩にでも行くかのような軽い足取りで歩く人影が二つある。

 

「ふーん……なるほど。確かに云われが在りそうだね」

「ハル、おいハル」

「うん? 何だい?」

「さっきのヤツ……説明して」

 さっきの? あぁ、アレか。

 

「アレは式神化した術式だよ」

「術式だぁ? アレが? 意味分かんないんだけど、なにソレ」

「ホントにねー、何でああ成ったんだろうね」

 ホント不思議、まぁどこぞの風来坊なお姉さんも似たような事してるし、そういうモノって事で。

 

「ん? アレだな……確かに気味の悪い呪力漂ってんな」

「それだけじゃなさそうだよ悟君、今微かにだけど揺らいだ。うん、何か居るねアレの近くに」

 ハルもなにがしかのやり方で呪力を感じとってんな。ま、ハルが言わない限り聞くきねーけど。

 

「悟君、あの中に特級案件の呪霊は居なさそうだよ」

「だな。多分……奥だな廃墟も見える。この祠はソコにいるヤツを鎮めるのに作ったンだろーけど……逆効果になってんな」

「呪霊の発生理由が畏れだからねぇ、かえって畏れを集めたんだろうね」

 さて、と初めての特級案件……どうなるかな、楽しみだホントに。

 どんな術式使おうかなー、アレかな? それともアッチを……イヤこっちもいいな……

 使う術式でも考えてんのかね……ま、楽しそうだからいいか。

 

「こっち見たな、呪霊」

「だね、にしても今の呪霊……おかしかったね、呪力が一つじゃなかったでも別々でもなかった」

「そンなんも分かんのかよ、六眼並みに見えてね、ハルってさ」

「流石にソコまでは見えて(匂って)ないよ、多分」

 実際、僕自身もどこまで視えてるのか分からない、悟曰く六眼はサーモグラフィーみたいに人体が視えるそうだし、俺の場合はこう……なんと言うか個体によって呪力の匂いと色が違うように感じる? でいいのかなぁ、なんとも表現が難しい。

 ま、便利は便利だからそれでヨシ! てことでいいか。

 

 森の祠を通りすぎた先の廃墟……おそらくは廃病院の類い、病院は負の感情が溜まりやすいため当然、呪霊を発生しやすくなる。病気に対する畏れや死に対する畏れ等々多岐にわたる。

 呪霊を特定しにくいため厄介ではあるが……。

 ━━

 

「ここで死んでいった奴らの呪霊だな、複数いた呪霊が融合してんな、コイツは」

「あぁ、道理で複数の匂いと色が匂った(視えた)ワケだ」

「マジ便利だなソレ」

 

 ━━━━━━━━━━━━

 

「へぇ、中ってこんな風になってるんだ、キモい」

「アー。呪霊の腹ンなかだわ、ココ、どうすっかねぇ、めんどくせぇ」

 腹の中……あー原作でもあったような。えーと少年院? だっけ、覚えてないや、ただ一つ言えるのは……

 

「「呪霊の生得領域の中」」

 ビンゴ! 流石特級案件。やったね

 

「嬉しそうじゃん、ハル」

「まあねー、だってこんなコトできるってことは、それなり強いワケでしょ? 腕がなるよね」

「(ハルがニっコニコで笑えんだけど、楽しそうだし連れてきて正解だったな……ソレに、ハルの手札が幾つか見れるかもしんないし)ンでハル、どうやんの? あのバカデケぇ剣でぶった斬んの?」

「んー、ソレもいいけど……別にヤツにしようかな」

「(よし! 術式を知ってのと知らねぇじゃ対処はダンチだからな)」

「良く見ててね、悟君」

「(ま、そりゃ気づいてんわな、ハルだし)」

 さぁ、悟。存分に見たらいい。俺は困らないからね。だって君は死ぬまで仲間なんだから。

 

「〔汗孔噴漿(かんこうふんしょう)剡血・爆火惨血(えんけつ・ばっかさんけつ)

 

 晴蓮が左手の汗孔(かんこう)から少量の血漿を排出させ前方にばら蒔くと……その瞬間、周辺を埋め尽くす程の火炎を伴う爆発がまき起こる。

 ━━

 

「……ハル、お前ナンでもありかよ、逆にナニができねーんだよ」

「あはは、僕にだってできないコトくらいあるさ。そ、れ、で。どうなったかなー」

 

 ソコには焼き尽くされたら光景が広がっており、さらに所々熔けた箇所さえ散見される。

 

「流石体内。熔けてるねー、オモシロ。ウケるー」

「(熔けるってナンだよ、ンなのありかよマジで。えげつねぇ……でも、またヤり(呪い)合いてぇ)」

「悟君。そんな顔してもヤり(呪い)合わないからね? 全くバトルジャンキー(バラガキ)め。 お? 反応アリだね、匂い(呪力)が向こうから来てくれた」




二人にとって仕事と言うより、ただの散歩レベル。
哀れ特級呪霊くん。
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