その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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哀れな直哉くん


二十二話

 なんでや! なんで俺の動きが止まるんや! あり得へんやろ。これは……コレは投射の……術式のデメリットと同じやないか!! なんで、こないなコトがおきンねん……なんで。

 

 

 うーむ、面白い動きするなーマジで。 なるほど、この現象が投射呪法のデメリットか。

 えぇと、何だっけ。想定した動きをトレースする事で高速移動を可能にする……しかし、できなければ術者であってもデメリットを受けてしまう。

 意外とピーキー何だねこの術式って、特に俺みたいな搦め手の術者には良いオモチャだ。

 天地がひっくり返らない限り俺には届かない、俺には勝てない。 それにしてもホントに面白いコマ送りで見てるみたいだな、コレ。

 

 

 「禪院直哉くん、いい加減諦めたらどうだい?今の君はナニをしても術式のデメリットからは逃れられない。君は既に僕の術中……掌の上だ、足掻いたところで、何もできない何も変わらない。もう……諦めたまえよ」

 ホント、見るに耐えない。

 

 「あ"あ"あ"やかましぃねんクソカスがぁ!! はぁはぁはぁ……せやな、確かに今の俺には術式は使えへんのやろな。でもな? そないなモン使わんでもお前に勝てんねや!」

 

 

 しかし、禪院直哉の拳は見当外れの場所の空をきる、何度やっても結果は同じたった。

━━

 

 「なんでや、なんで当たらんのや! クソカスが!! どこに行きよった! そっちか!」

 

  怒号。

 絶えず叫び続けながら、目の前にいるハズの晴蓮に拳を振るうが当たらない、そして気が付けば誰もいない場所に拳が空をきる。

━━

 

 「だから言ったでしょうに、君は既に僕の掌の上だと。今の君がナニをしたところで僕には届かないんだ、何度も同じことを言わせないでおくれよ。 はぁ、もういい……流石かわいそうだ。仕舞いといこうか禪院直哉くん」

 

 

 禪院直哉は晴蓮の術式の名前を微かに聞きながら、意識を失った。

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 「哀れ、実に哀れ。禪院直哉くん、今の君程度では僕には遠く及ばないんだよ。今の君には僕の影すら見えていない……実力を、彼我の差を知りたまえよ。もっとも、もう聞こえて無いだろうけどね」

 

 

 僅か数十分の出来事、この数十分でさえ禪院直哉は何もできずに地に倒れた。

━━

 

 

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 「直毘人殿、この様な場所……あまり良い趣味とは言えませんな」

 「仕方ねぇだろ、ウチはデケぇんだ。デカけりゃ当然人間も多い、人間が多けりゃ必然……こういった代物もできちまう。まぁ、禪院の煮こごり、いいや……」

 「蠱毒……ですか……質の悪い事をなさっておられるようで、私は理解できませんな」

 

 

 禪院直毘人はからからと笑いしかし低い声で「お前たち程ではない」と確かに言った。 それの意味する事が何であるかを明言せずに。 が、加茂■■も気付かぬ程バカではなかった。

━━

 

 

 「上の方々ですか……私は外様、上の方々が何を考えているかなぞ分かりませぬとも、それに今の私が当主でいられるのも、あの子の……晴蓮のおかげですからな。あの子が相伝を発現させていなければ私は今頃更迭されていたでしょう」

 「あの子には助けられてばかりです」と小さな声で消え入るように呟いた。

 

 

 「……お互い大変だな、今度加茂の家で呑もうじゃねぇか」

 「……直毘人殿の奢りでなら」

 

 

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 「でも、君の諦めの悪さは嫌いではありませんよ。 ……さて、そちらの方……ええはい、物影に隠れこちらを覗き見ていらっしゃる貴方にございます、僕の近くで隠れ続けられる……と思われるのでしたらそのままでも構いませんが……先手はいただきます」

 

 

 言い終わる前に何者かが潜む柱に向けて手刀(刀印)を振るう。

 轟音と共に柱は砕け崩れるのと同時に人影が飛び出す。

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 「術式解放・焦眉之赳(しょうびのきゅう)

 

 「はは、温い剡血:撫血斬(えんけつ:なでちぎり)

 

 

 炎を纏った刀の斬撃と燃え盛る血の刃が斬り合う……事はおきず、人影の持つ刀が焼き切れ落ちた。

 

 !?

 

 「だから、温いと申し上げたでしょうに……」

 

 

 

 




晴蓮パパ設定捏造、そもそも名前すら無い。
考えるのめんどくさいからね。
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