加茂家晴蓮の部屋にて御三家の面々が集まり話し合いが行われていた。
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「と、言う事になりました。では皆さん、質問があればどうぞ」
「相も変わらず、しゃらくせぇ事しやがる」
「イヤや! なンで蓮クンが高専にしかも東京校に行かなあかんのや!」
「ハル……オレも行くから絶対」
「もとより来てもらうつもりだからね、問題無いよ」
「せやったら、俺も行く。せや! せやったら蓮クンの後輩になれるやん、せやったら俺も許したる」
イヤ別に君に許しはいらないんだけど。
「直哉。もしお前が高専行くんなら京都高だ、東京校に御三家の当主に次期当主が全員いたら面倒事しか起こらんわ。行くなら京都高だ」
「じゃかぁしいわ! なンで叔父のアンタに言われなかんねん」
この発言に対し直毘人が「考えんでも分かるだろうが、バカ息子」と直哉の頭を叩きながら言う。
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「ところで、禪院の皆さんに聞きたいんですけど……その赤ん坊達はどちら様で?」
「俺の子だ」
「……え"。扇さんのお子様方?」
あれ? こんなだっけ? ……性格変わった? あーうん、変わったのこの人だけじゃないし今さらか?
それより……
「双子……なんですね」
「ああ、そうだ。禅院家では双子は凶兆だ、その上この子らは女……あの家でされることなぞ想像は容易いを……イヤ、おそらく、ここにいる三人以外は害するであろうな」
不出来な親ですまない、と扇は双子を抱きしめながら一筋の涙を流していた。
あっれぇ……いくらなんでもこの人性格変わりすぎじゃない。……蝶の羽ばたき? ちょっと羽ばたきすぎじゃないかなー、蝶々クン頑張りすぎじゃないかナー……。
あ"あ"んー。ま、まぁ、悪いことじゃないし……ヨシ! としよう、そうしよう。
「そこでだ、加茂晴蓮よ。お主に頼みがある」
あ。『視えた』あーアー、キキタクナイナー。
「この子らを……加茂の養子にできはせんか?」
デスヨネー、うん『視えてた』から分かってたけど、実際に聞くとナー、重みが違うなぁ。
クソぅ。ナニが困るって、そうしなきゃこの子達の人生エクストラハードっぽいんだよなー。確か
…………甚爾さんを加茂に呼んだんだ、それに対する蝶の羽ばたきってことしよう。
「……父様には僕の方から伝えておきます、ですが最後に決めるのはあくまで当主にあります。これ以上のことは僕には手を出せません。それでもよろしいのであればお受けいたしましょう」
扇は頭が畳に付きそうな程頭を下げ「それで構わない、恩に着る。そしてすまない」と言ってきた。
随分と変わったなホント。
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「あとは当主である父様の判……断……で? ……!! 父様!!」
「『視えた』ようだな。ああそうだ、晴蓮お前が当主に成れば良い」
その時部屋の外から父の声が部屋に響いてきた。
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「父様……今僕が『視た』モノは本当ですか?」
「一通りの仕事は片付いたのでね、ようやく私も参加できる。除け者扱いは寂しいからな」
「あ、はいどうぞ、父様。……ああいえ。そうではなく、先ほど言った事は本気でおっしゃっておられるのですか?」
父はイタズラ小僧のように顔をして「ああ、じゃなきゃお前が当主に成れるように半年も前から処理はしない、加茂の
「やったじゃんハル、これでお互い当主どうしお揃いだな」
スッゴい嬉しそう。なんだよ当主でお揃いって……
「父様、あとは僕が頷けば……僕が当主に成るのですか?」
「あぁ、そうだ。それだけでお前はその瞬間から加茂家当主だ。晴蓮……私はもう充分、当主の勤めを果たした。世代交代なんだよ晴蓮」
世代交代……早すぎません? パパ上、まだ十四ですよ、中学二年生なんですがパパ上殿。
え? 呪術界に年齢なんか関係無い? ……デスヨネ
う~短時間の未来視なのが恨めしい……もっと以前に『視て』いれば俺は……どうしていただろう……想像ができない。
おそらく『視て』いたらもう少し早く話しが進んでいただけ……遅いか早いかだけの違い、か……。
あとは多分……俺自身が『視た』く無かったんだ、もっと……もっと長く父様に当主でいて欲しかったんだ。だから知らずの内に『視な』かった。
はぁ、『知っている時と、知らない時の対処は雲泥の差』自分が良く知っているだろうに……己の覚悟の甘さが招いた結果だな、これは。
「分かりました、父様。『加茂家当主』謹んでお受けいたします」
「今、この時を以て『加茂晴蓮』を私『
『禪院家当主、禪院直毘人殿』このお二方が立会人である」
まさかまさかの二十七話で晴パパに名前ができた。名前付けるつもりなかったのに、ホント不思議。
ちなみに晴パパの名前は史実の加茂氏家の名前を引用しております、めっちゃ悩んだ。