「はぁ~、まさかこの歳で当主に成るとは……父様もお人が悪い。教えてくだされば良いモノを」
「だがこれで憂いは無くなった。晴蓮、イヤ加茂家当主殿、この子達を頼む」
「分かりました。僕としてもただ双子と言うだけで謗りを受けるのは見過ごせません、勿論続柄は僕の妹とします。父様よろしいですか?」
「ああ、流石にその年で娘と言うのは無理が有る。して、扇殿、その子らの名前はなんと言うので?」
「姉が真希、妹は真依と名付けた。名を知っているのは俺と妻だけだ。養子の件は妻も同意している、その辺りも問題は無いから安心して良い」
「では、加茂で引き取って際もその名を引き継ぎましょう。その方がその子達も幸せのハズですから」
妹か、俺には兄弟がいないからな。不思議な気分だ。しかし俺が高専に行ったらどうする二年後には東京高に行くし……連れていくか?イヤ流石に無理があるか……待てよ甚爾さんにも来てもらって世話を頼むのも有りか、甚爾さんは嫌がりそうだけど……まぁ、今頃甚爾さんは競艇か競馬にでも行ってるだろうし、帰ってきたら説得しよう。……絶対に手こずるだろうナー。
「せや!せやったら俺も蓮クンの弟なればエエんや!」
「……なぁ、直哉。お前は莫迦か?禪院の次期当主が他家の養子に成れるか莫迦が」
う~ん、直毘人パパ辛辣ぅ。まあフツーに考えても無理だ、次期当主殿がご乱心であられるぞ。
「なーハル。高専ってさ面白いヤツとかいるかな」
「さぁ?まだ調べて無いからねまだ分からないね、ただ聞いた話しでは京都高に僕達より一年早く入る人がいるみたいだね」
えーと、確か……んーどこ置いたっけかなー、ああこれか。
「んー、ああこの人だね。『庵歌姫』って言う女の人だね、術式は……要約するとバッファー。支援系統の術式だね、この書類を見た限り戦闘には向いて無いね」
「ザコじゃん」
「見てもないのに決めつけるのは良くないよ」
悟が書類を見ながら「ならさ、見に行こうよ」と晴蓮に言う。
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「僕は別に良いけど、興味がでたのかい?」
「まさか、ザコかどうか見に行くだけ」
興味が有るのか無いのか、どっちなんだ
「俺も行くで、蓮クン。どないなヤツか俺が見極めたる」
「この人は京都高だよ?僕に直接的な関係は無いんじゃないかな」
「アー……晴蓮。呪術高専にはな姉妹高交流会ってのがあってな。年一回は必ず会う」
「……書いてありますね、交流会」
「ほれみぃや!そないな戦えもせぇへん様なヤツ仲良ぉなってえぇか俺が見極めたる、絶対付いてくで!」
直哉君……君は僕の小姑かナニかかい?
「……はぁ。日付けを決めるからその日に行こうね」
ダメって言ったところでこの二人だと勝手に行くだろうしねぇ、いきなり御三家が、しかもその内の二家が来たら流石にかわいそうだ。
「二人とも。僕に黙って、勝手に、行ったりしたら絶交だからね」
この他人事を聞いた二人はおとなしくなった。
まあ、俺が加われば御三家勢揃いだけど、ストッパーにはなれるでしょう。
あぁ、でもその前に甚爾さんの説得が有るのか……頑張れ俺。
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「アン別に構いやしねぇ」
「へ?」
「なンだよ、気の抜けた声は。俺にさせてぇンだろ、だからやるってい言ってんだよ」
えっ、それだけ」
「声に出てんぞ、当主様よ」
「それは失礼、それでホントにしてくれるんですか?」
「そう言ってンだろ、しつけぇな」
もっと手こずるかと思ったけど、嬉しい誤算
「でもなんで、そんなにあっさりと引き受けてくれるんですか」
甚爾はため息を吐きながら晴蓮の顔を見たあと
「俺でもな、恩ぐらい感じてンだよ」
恩?なんだ、なんかしたか、俺。
「晴蓮。お前はなんとも思っちゃいないンだろうが……俺にはな、あの家から出してくれた事は……俺にとっちゃデケェ恩なんだよ。俺だって恩知らずなンかにゃなりたかねぇ」
恩……そうか、あれは打算ありきの行動だったんたが、そう感じていたのか。
甚爾は呵呵と笑いながら「お前は下心があったンだだろがな」と見透かしたようにとても優しく頭を撫でた。
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「甚爾さん、ありがとうございます。東京では生活に困らないよう、僕の方から手を回しておきます、ですが勿論甚爾さんにも働いてはもらいます」
「わぁってんよ、俺かてプライドぐらいあるわ。しっかしあの扇のじじいがねぇ、人間ってのは変わる時は変わるンだな」
甚爾はしみじみと呟き、それに続けて 「禪院では双子は凶兆しかも女ときた、こうなると良くて飼い殺し、最悪ただの孕み腹扱いだ。これが正解だろうよ」と、消え入るような声で言ったその言葉は、晴蓮の自室に解けて消えた。
扇さん自分より遥かに強い晴蓮に貴方は強いと認められて、憑き物がゴッソリ落ちて人が変わりました多分150度くらい。
関係ない話ですけど、出産時の助産師さん達とかどうなったんでしょうね。