その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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頑張れ歌姫、負けるな歌姫。

歌姫パイセンの設定捏造


二十九話

 

 

 

 その日……私は天使と悪魔どもを見た。

━━

 私の家は古くから続く巫女の家系だった、特定の(神様)に仕える様な巫女では無く、様々な催事で祈祷や神楽を舞い、そして他の呪術師の補佐をする一族だった。

 補佐一族だったからか現れる生得術式もサポート系統の多い一族でもある。

 私の一族。庵一族は他の呪術師がいないと輝けない(意味が無い)術師と言われ続けていた。

━━

 

 

 「歌姫!歌姫、アンタ何したの!?」

 「な、ナニよお母さんいきなり、何かあったの?」

 「大有りも大有りよ!!御三家が、御三家来たのよ、しかも全御三家の方々が!!」

 「え、は?……ご、御三家が……家に!?何で!?」

 「し、知らないわよ!そんなの私が聞きたいくらいよ!」

 母は両手で顔を覆いながら膝から崩れ落ちた。

━━

 

 お母さん……わ、私が何とかしなきゃ!気後れするな!庵歌姫!!

 

 「は、初めまして。庵歌姫です」

 お、うぉぉ、御三家揃い踏み。えっと、短髪で白髪(銀髪)の人が五条家で、黒髪の人が禪院家……それで長髪で白髪の人が加茂家の人、で良いのよね……ナニこれ、全員超絶イケメンじゃん。

 

 

 「やっぱりザコじゃん、コイツ」

 「当然や、蓮クンに釣り合わへんのは分かりきっとったわ」

 推定五条家と推定禪院家の二人がいきなり私をディスってきた、は?なにコイツら。顔は良くても性格ゴミカスじゃん、……だとしたら加茂の人もこんな性か……と、思ってたら、いきなりディスってきた二人の後頭部をおもいっきり叩いた。……へ?

 

 

 「悟君、直哉君。今すぐ帰るか謝りなさい。それか僕にノされるかを選びなさい」

 推定加茂家の人にそう言われた二人は不貞腐れながらも、私に謝ってきた。

 

 「「すんませしたーハル、蓮クンこれで良い?」

 はぁ、この二人は全く。

 

 「彼女が許したらね」

 推定五条家と推定禪院家の二人が私を見て「許してくれるよね」と同時に言ってきた。

 

 「え、ああはい。許します?」

 ナニこの状況、ただ一つ確かな事は推定加茂家の人はマトモだと言う事だ、良かった。

 

 「庵歌姫さんですね?僕は加茂家当主。加茂晴蓮と言います。それでこの二人は五条家当主の五条悟と禪院家次期当主の禪院直哉。すみません、いきなり訪ねたりして」

 

 

 加茂家当主の人が「先輩になる人がどんな人か見たくて来させていただきました」と懇切丁寧に説明してくれた。へ、はぁ、!?五条家の当主と加茂家の当主!?しかも禪院家の次期当主もここに来てるの!?しかも先輩ってどう言う事なのよ!?

 

 加茂家当主の加茂晴蓮さんが困った表情で「混乱するのも分かります。先ほど言った通り庵歌姫さんは僕と悟君の先輩になるんです」と付け加えてきた。

 

 

 「私が……先輩?……えっともしかして高専に入るのですか?」

 「はい。と言っても僕達は東京高に入る事になりますが」

 

 「えっあ、そのよろしくお願いします?」

 「はい。これからもお世話になると思いますのでよろしくお願いしますね。それと僕の事は晴蓮とお呼びください、僕の方が年下ですから」

 こ、この人天使だ、マジもんの天使だ!ヤバい……ファンになりそう。

 

 「はぁ!ナニ言ってンだよハル!こんなザコに下の名前で呼ばせるとかマジであり得ないンだけど」

 「せやせや、こないなザコに下の名前で呼ばせるんは論外や!様付けや!様付けで呼ばせんのが妥当やで蓮クン」

 代わりこっちの二人は悪魔どもだ、悪魔退散。どっか行け。

 

 「悟、直哉。悪態吐くなら今すぐ帰りなさい、初対面の人に失礼が過ぎる」

 

 

 後に庵歌姫は晴蓮の後ろに阿修羅がいるように見えたと述べていた。

━━

 

 「庵さん。二人に代わり謝ります。二人が申し訳あれません、後できつく言っておきますので許してくださいますか?」

「「ごめんなさい」」

 あ~、なるほど。悪魔どもの手綱を握ってるのは晴蓮(天使)くんなのね。

 

 「晴蓮くんの顔に免じてお二人を許します」

 「ありがとうございます、庵さん」

 

 ん?そう言えば、五条家と禪院家って仲良くなかった様な気がするんだけど、なんで一緒に……それも晴蓮くんのおかげなのかしら、それこそ何千年単位の不仲を解消?させたの本当にスゴい。

 流石天使、いえ大天使ね。

 

 「今さらになりますが、心ばかりの品です。是非茶菓子として召し上がっていただければ幸いです」

 あーもう、マジ天使。晴蓮くんマジ天使、こんな善い子が私の後輩になるのね。

 

 「それと庵さん。おそらくですがこの先、一緒に依頼をこなす事にもなると思いますのでその時もよろしくお願いしますね、足をっぱらない様にします」

 「そ、そんな事がある訳無いわよ、それどころか私が足を引っ張らないよう気を付けなきゃいけないくらいよ、知ってると思うけど私の術式はサポート系の術式、一人じゃナニもできないから」

 

 「それは心強いです、ご一緒したら助かりそうだ」

 「あ、はは。そう言ってくれると嬉しいわね」

 心強い……か、そんな事初めて言われた、心強い……本当に嬉しい。

 

 




あれ?歌姫パイセンがヒロイン?してる。
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