相手は三宝荒神……三面六臂夜の夜叉、或いは明王もどき、初っぱなさらフルスロットルだ!!
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「凝血棍:変異〈血太刀〉」
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「ふぅ、ハァァ、ふー……天:降〈轟く剣〉シン・巌流:血譴……〈秘剣・燕返し〉」
晴蓮にのみ許された剣術、無数の世界を『視れる』晴蓮だからこそできる秘剣。そして……新たなステージに至ったが故にできる芸当。
それ
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響く轟音、完全同時に振るわれ、黒い火花を伴う巨剣による三つの異なる斬撃は
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夜叉か、まだ運が良い。明王もどきだったら死を覚悟したが、イヤまあ、正直なところ五十歩百歩だけどそれでもまだマシだ。
その時、夜叉が吼えた。
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「ア、ア、■■■■■■!!!」
大気を振るわせ、耳を
そして荒神殿の上に渦巻いていた呪力の塊は雄叫びと共に夜叉へと吸い込まれあろう事か八面六臂へと
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「おまっ……ふざけんなよクソが、呪胎戴天するとかマジでふざけんなよ、クソッたれが。 まぁいい、もとよりフルスロットルなんだ、ヤってやんよクソ野郎」
晴蓮はゆるりと手印を組んだ、その形は、左手の人差し指を立て、その指を右手を握る、それは『
晴蓮の領域は必殺は無い領域。
付与された術式は単純明快、肉雫唼の体内にある血が溢れた伽藍堂で、どちらかの心が尽きるまで殺し合うだけの領域……皆が生き皆が尽きるまで
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「領域……展開、呪術師の極致……まさか十四歳の晴蓮くんが使えたなんて、スゴい。これが特級術師の戦い……なんて……高い、壁」
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「さぁ、堕ちた地主神・夜叉神よ……とことん気が済むまで殺し合おうじゃないか」
「オアァ………」
「汚泥のせいか? ……特級の土地神クラスであれば会話ができるかも、と期待してたが……所詮呪霊は呪霊」
「祓わせてもらう!」
「フッ! シィ!」
晴蓮の領域内においての戦闘は何も難しいことはしない、ただ手を振るう、それだけで伽藍堂から絶えず溢れる血が刃となり迸る。
血の刃が呪霊を切り裂き呪霊が呻く……が、しかしソコに傷はない。
この領域では誰であろうとナンであろうと傷は負わない、斬られても即座に
故にどちらも
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「ハ! 夜叉神様よぉ! その穢れが尽きるまで! 汚泥が尽きるまで……付き合ってやんよ……それが神様への最期の手向けだ……殺し殺され……死に死なせ! お互い尽き果てるまで!! 思う存分呪い合おうや!! シャアァ、ラァ!!」
手刀を振るい上げ、叩き付ける。その動きに連動し血の池は無数の刃と成り夜叉神へと次々に襲いかかる、が、夜叉神も八面六臂の手に持つ様々な武器でもって応戦する。
「フン!!」
晴蓮は血の池を踏みつけ血の槍にし夜叉神の幾つもの武器を狙い打つも神懸かった武器さばきでいなし、瞬時に晴蓮へと近付き片側三つの武器を振るう。
「づぅ、流石は夜叉神斬り合いはお手の物ってか? ハッハァ! 〔百斂〕血太刀:〈秘剣・燕返し〉!」
池の血を手中に収め、高圧力をかけ放つのでは無く太刀へと形成し無数の世界から四つの異なる剣筋を呼び込み、わずかな時間差もなく、完全に同一の時間で頚めがけ振るうそれは『必中不可避』の攻撃、いかに夜叉神であろうと避けられない防ぎきれない。
「やっかましいねぇ。でも、少しは汚泥が落ちたかな? まったく先が思いやられる」
術式のモデルがモデルだから戦闘狂になるのは必然だった。
それにしても晴蓮くん黒閃に愛されてない?