「すみません、忙しい中お呼び立てして」
申し訳なさそうに歌姫に謝るが「いいのよ、気にしないで私もこの前の事お礼を言いたいし」と晴蓮に返す。
「あ、これ。おもたせだけど一緒に食べましょう」
「いただきますね、コレ美味しいですよね。 呵呵御五六四祇園店のチョコレート」
「私も好きなの、それで今日は何をしに?」
晴蓮はもっきゅもっきゅと食べていたマドレーヌ・ショコラを飲み込み
「はい。今日は庵さんに強くなっていただこうかと思いまして来ました」
「つよ……く? それは術式の拡張? でも私の術式はアレ以上拡げ様は」
「そちらはまた今度にでも、してもらうのは純粋な戦闘能力……近接戦を覚えていただこうかなと」
晴蓮は言い終わると出されたお茶を飲んで「ふぅ」と一息つく。
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「近接……戦を私に? それは、確かにできるにこした事はないけど、難しいわ」
「『難しい』だけであって『不可能』ではありません、今日から高専に入るまで……おおよそ三ヶ月間、僕が責任とって稽古をつけます」
「せ、晴蓮くんが直接!? それも三ヶ月も!?」
思わぬ発言に歌姫は混乱したがすぐさま頭をふるい、晴蓮に意識をむける。
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「この話は断っていただいてもかまいません、これは僕の我が儘ですから」
「我が儘? どうしてそうなるの? 私が戦えないのは私の責任よ」
俯きながら絞りだした声は微かに震えており、机の下で手を強く握りしめる。
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「確かに、戦闘訓練を怠ったてきた庵さんにも責任はあります」
晴蓮は「ですが」と一拍区切り
「だからと言って僕が協力してはいけないと言う事にはなりません。庵さん……僕にも手伝わせてください。貴女はまだ強く成れる、僕が保証します」
私が……強く、成れる? 今よりもっと強く成れる……私も今まで戦闘訓練はしてきた、でもそれは一般的な武術を我流でしたきただけ……誰かに師事したワケじゃない。 本当に……
「ねぇ、晴蓮くん。 私は……私は戦えるように成れるの? 本当に?」
「はい。僕が強くしてみせます、絶対に」
「お願い……します。 私は、私はもっと自分だけで戦えるようになりたい……準一級を、いいえ。 一級呪霊を一人で、単独で倒せるように……」
その覚悟。確かに受け取りました。
「せっかくなら、一級どころか特級下位の呪霊くらい、けちょんけちょんしてやりましょう庵さん」
「あはは、流石にそれは難しいかなぁ」
「大丈夫です、
ん? 今なんか含みがあったような……
「それで、ですね……庵さんには『ある技術』を習得していただきます」
「ある技術? それはいったい……」
「僕は昔、シン・陰流の使い手の人に稽古をつけていただいていました」
「もしかして私にもシン・陰流を? でもアレは」
「アレって入門しないと覚えれないですからね、面倒くさいですよね」
性能の上げるための縛りは面倒くさいが、意味は確かにある、それは俺が実感した。
「シン・陰流じゃないので安心してください、それに僕も入門してませんし」
「入門してないの? それにシン・陰流じゃないってどう言う……」
「シン・陰流を基本骨子に僕が開発した技術。 シン・巌流です」
これ作るのマジ大変だった、何だよTUBAMEを斬るって変態だろ、あのNOUMIN。
「それはどんな技術なの?」
「庵さんは一度見ていますね、ほらこの前の
「あの時に?」
な、何かあったかしら、私が見てたのは晴蓮くんが領域を張る前まで……その間にあった……こ、と
「も、もしかして最初の……荒神殿を壊した時に使ったヤツ?」
「はい。アレですね」
まるでペカーと光って見える程にニコニコしながら頷く
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歌姫は顔を青ざめながら
「む、む、無理よ! あんなワケわからない業を私が覚えられるワケ無いわよ!」
「それは分かってます、それにあの時使った業は僕にしかできないモノなので覚えたくても覚えられませんよ」
「そ、そう? それなら良かった……いえいえ良くないわあんな業を使う技術を習得なんて……ッ……私にも、私にもそのシン・巌流は習得できるの?」
「勿論、習得できるまでヤりますから」
「え"、今なんて言ったの」
「習得するまでヤれば習得できるじゃないですか」
どこぞの誰かが使いそうな言い方を事も無げに歌姫に言う。
「そ、そんな当たり前の事を自慢げに言われても」
「まぁそうですね、当たり前な言い方ですね。 でも、やれるとこまで、ではなくやり遂げるまでやるんです、ですので庵さんやり遂げましょう」
流石にあのままでは無理かもしれないから調整したし、いけるでしょ
わ、私、大丈夫かな、これ。
自分で戦えるようになるのが目標なパイセン。
晴蓮くんの前世の記憶は広く浅くでそれなりに有りました、なのでTUBAMEもNOUMINも知ってます。