その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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晴蓮くんにTUBAME斬れるのかな、斬れそうだな。
甚爾さんも斬りそうだな。


三十七話

 

 「それで、ですね。 庵さんにはシン・巌流にある一つの業を確実に習得してもらいます」

 「一つの技を?その技だけを習得すればいいって事?」

 「いえ、そう言うワケではなくて、最低限その業を習得して欲しいな、と。 この業は庵さんに適しているかもしれませんから」

 最低限の技……どんな技なんだろう。 それに私に適してるってどう言う……

 

 「庵さんに習得してもらうモノは、シン・巌流〈秘剣・燕舞〉。 シン・巌流における二つの秘剣の内の一つです」

 「ひ、秘剣……二つしかない秘剣を私に!? 待って、待って。 晴蓮くん……秘剣なんでしょ? 秘剣って事はさ、奥義とかそんな感じのヤツなんでしょ!? そんなものを私に教えてもいいの?」

 慌ててるなー、当然と言えば当然だけどさ。何せ秘剣だからねぇ、奥義……で良いのか?

 

 「はい、何一つ問題ありませんよ。 それに、さっきも言いましたがこの業は庵さんに適しているんです。」

 「そ、それでもさぁ……」

 

 晴蓮は「あはは」と笑う、しかし歌姫を正眼に構え「庵さんなら必ずモノにできます、僕が保証します」と言いきった。

━━

 

 「…………分かった。 私だって強くなりたい、皆の……晴蓮くんの足手まといになりたくないもの。 晴蓮くん、これから三ヶ月の間よろしくお願いします」

 「はい、任せてください。必ず僕と甚爾さんが三ヶ月かけて鍛えます」

 「あれ? 晴蓮くんだけじゃないの?」

 「はい、甚爾さんと言う方にも手伝ってもらいます」

 手加減に手加減するのを言っとかなきゃ、下手したら、うん。 視ないようにしよう。

 

 「あぁ、そうだ庵さん、稽古は加茂家で行いますので準備しておいてください」

 「え"、晴蓮くんの家でやるの?」

 

 チョコレートを食べながら「その方が都合が良いですから」と伝えたあとお茶をズズと啜り「やっぱり美味しいですよねココのチョコレート」と他人事のように歌姫と話す。

 

 「では、庵さん。二日もあれば準備できますよね? 二日後に使いを寄越しますね」

 

 歌姫は呆然としながらも「あ、うん。 分かった、やっとくね」と言うしかなかった。

 

 

━━━━━━━━━━━━

 

 「この女が稽古相手か? 弱ぇな」

 「甚爾さん、そう言う事は本人に言わないでください。 庵さん、こちらの方が甚爾さんです」

 甚爾は頭を掻きながら「あー、加茂(・・)甚爾だ、コイツ(晴蓮)の師匠だ。 んで、今日からお前さんの臨時師匠なる。 ま、死なねぇようにするし死なねぇように頑張れ」

 んー……大丈夫かなー……きっと大丈夫でしょ、俺がいれば大抵の怪我は治せるし、いっちょ気張りますか。

 

 「加茂? 晴蓮くんって長男よね?」

 「はい、甚爾さんは義理の兄になりますね。さらに言えば義理の妹達もいます」

 「義理の妹達?」

 「双子なんです、妹達は。まぁ、色々あって加茂の養子になりました」

 い、色々……あまり聞いちゃダメな感じかしら。

 

 「ああ、ちなみに甥っ子もいます。甚爾さんのお子さんですね」

 「へぁ!?甥っ子?」

 「はい。可愛いですよ、妹達の方がもっと可愛いですが」

 「バカ言うんじゃねぇよ、俺の息子()の方が可愛いにきまってんだろぉが」

 二人とも仲良いのね、本当の兄弟みたい。で、でもこれからこの二人に稽古つけてもらうのよね、優しそう(・・・・)な人だし大丈夫そうかな

 

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 「はぁ、ひぃひぃ……うぁ!」

 裏庭をヨロヨロと走っていた歌姫は自分の足に引っかかり派手に転んだ。

━━

 

 「なぁ、晴蓮……マジで鍛えんの?」

 「基礎体力は最低限でかまいませんよ、勿論あるにこした事はありませんが、庵さんの術式を前提に考えればそこまではいりませんね」

 

 晴蓮は何か書類を見ながら「まぁ、ここを三十周ですかね。 それくらいを走っても疲れなければ文句無しですかね」と計算しながら話している。

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 三十周ねぇ……ま、あの女ならギリだな。

 

 

 「ひぃひぃ……何この地獄……これ、を……三ヶ月もやるの……」

 いいえ、庵歌姫。 やってのけるのよ、一人でも戦えるように!

 

 「どうぞ、庵さん。僕特製の栄養ドリンクです」

 歌姫は息も絶え絶えに「ありがとう」と言ったあと飲んだが勢いよく吹き出した。

 

 「な、ナニこれ……スゴく不味いのだけど」

 口の端から透明な液体を滴しながら晴蓮に聞く。

 

 「味はあまり美味しくないですが、効能は確かですよ。 何せ僕の特製ですから」

 

 ニコニコとしかし全部飲んでくださいね?と圧が見てとれたと、歌姫は後に語る。

━━

 

 歌姫が裏庭を十周ほど走り終えた後に

 「では、休憩にしましょうか。 そうですね……一時間くらいかな」

「やっと……マトモな休憩……」

 キツイ、キツイけどやり抜けば私だって強くなれる、コレなら絶対。

 

━━━━━━

 

 

 「今からはシン・巌流なので僕が稽古をつけますね、何も難しい事はありませんのでご安心を。 さぁ、やりましょうか」

 

 歌姫短く、そして力強く「お願い」とだけ晴蓮に言う。

━━

 

 「まず始めにシン・巌流がどの様なモノかを説明します。 以前話した通り、シン・巌流はシン・陰流を骨子編み出しました。 であれば当然、簡易領域の性質も有してます。 そしてソコに御三家の秘伝『落花の情』を加えたモノになります」

 「落花の情…………えっ、待って。今御三家秘伝って言ったの!?」

 そりゃまぁ驚くよね、御三家秘伝だもんね。

 

 「はい、御三家秘伝です」

 「そんな凄そうな技教えてもいいの?」

 「当主の僕が教えるので問題無いんじゃないですかね、それにオリジナルのモノをかなり改造してありますし、大丈夫ですよなのでお気になさらず」

 い、良いのかしら……晴蓮くんが良いって言ったし良いわよね。

 

 「百聞は一見に如かず。と言いますし、庵さん今から何度か見せますので何でもいいですから気付きを得てください」

 「分かった、お願いします」

 さぁ、庵さん。頑張っていきましょう。

 

 




この作品にて登場するシン・巌流の技はFateの格ゲーのアサシンが使う技になります。

 甚爾は禪院家と原作ほど仲が悪くはありませんが、甚爾本人に嫌悪感が少しあるので双子が養子になった時のついでに養子になってます、なので奥さんも恵くんも加茂姓になっちゃいました。
蝶々さん頑張りまくってますね。



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