その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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歌姫強化入ります、ただし一話で終わる。
強化させるの難しいからね。


三十八話

 

 

 「それでは、手本を見せますね」

 

 深く呼吸をし一拍おいて「シン・巌流〈雀刺し〉」と呟きと共に、一歩踏み出し斬りつけながら突進する。

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 「これが……シン・巌流。 すごい……」

 技に見惚れ、技術の完成度にも見惚れる。

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 「これがシン・巌流の基本の技です、そして庵さんに習得して欲しい技を今から見せます」

 「シン・巌流〈秘剣・燕舞〉」

 踏み込まれた足から流れる水の様に動き下から斜め上に斬り上げそのまま舞う様に計六つの斬撃を振るうその様は、まさしく剣舞であった。

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 「凄く綺麗……太刀の一振一振に無駄が無い、全てが繋がって相手を斬る技じゃない様に見える」

 確かにコレなら私の術式に適してると言っててもおかしくは無い。

 私の術式、単独禁区(ソロソロキンク)は呪詞、掌印を舞という儀式を以て行う、一切を省略しない術式……この技を組み合わせれば術式と攻撃を両立させながら行える。 いいえそれだけじゃない術式を終えた後も剣術として使える、本当に凄い。

 

 「最低でもこの技を習得してください。欲を言えば三つ、減らしても二つは習得して欲しいですね」

 か、軽く言うわね晴蓮くん。

 

 「あー……後は体術もかな?こっちゆっくり覚えましょうか」

 「体術も?今もある程度は戦えるわよ?」

 「その『戦える』はどの程度ですか?」

 どの程度って……それは……

 

 「呪霊を祓(と戦)えますか?」

 「!? それ……は、できない。 逃げる時間を稼げる程度、ね」

 私、決めたハズなのに……自分で戦えるようになるって……なのに、考え方が変わってない。

 

 「いきなり考え方を変えるのはとても難しい、ゆっくり変えていきましょう。 庵さん」

 まぁ、性格を変えるようなモノだしねぇ、昨日今日で変わるワケが無い。 でも、それを乗り越えないと上へはいけない。

 

 「ええ!任せて。 今までの古い考え方を取り払ってやるわ!」

 「はい、頑張りましょう。呪霊を体術(ゴリラ力)で祓えるくらいに」

 私だって、やれる。いいえやってのけるのよ、ところで体術で祓えるのかしら。

 

 

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 はぁはぁはぁ……疲れた、でもココで立ち止まらない。私は一つ上のステージ立つそのためにも、必ず習得してみせる。

 「スゥー、フゥー……シン・巌流!〈雀刺し〉」

 次!

 「はぁぁ……シン・巌流〈秘剣・燕舞〉!」

 完璧、とは言い難いが稽古を始めた時よりかは淀みなく木刀を振るえていた。

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 「んー……まあまあ、かなぁ」

 「あれでか?」

 「コレは一朝一夕でできる様な技術じゃありませんし、これからですよ、これから」

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 「ふうふう、ふー……よし!もう一度。何度だって、やってやる」

 

 何度も何度も刀を振るい、技を磨き練度を精度を上げる日々を過ごしていく。

 

 

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 「アー、今日からは俺も稽古に加わる。んで、だ、お前には俺から逃げてもらう」

 「逃げる?」

 「そうだ、逃げるんだよ……死ぬ気でな」

 「それだけ、ですか?」

 そりゃまぁ驚くよねー、ただ逃げろってさ、でも本気で逃げなきゃ、ねぇ。

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 「いーやー、待って待って待って!ダメダメダメ。死ぬ死ぬ死ぬ!!」

 「そらそらそらぁ!逃げろ逃げろ、逃げねぇと死ぬぞ!おらぁ!」

 「ひーー、ちょっと待って……体が、追い付かな……い」

 

 「辛い、本当に辛い、でもやるって決めたのよ、死にそうになっても……やりきってみせるんだから」

 四つん這いになりながら嗚咽を漏らしてしまう。

 

 「…………今日はコレで終いだな。一ヶ月、最低でも半月はやるんだとよ。まぁ、頑張れ呪術師」

 「どうぞ、庵さん。コレ飲みながら一時間休憩してください、休憩後は裏庭の内周を十周走ってくださいね」

 お、鬼ね……晴蓮くんって。でも……これくらい追い込まなきゃ強くなれないものね、頑張れ私、泣くな私。

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 「どこまでやるんだ?」

 「甚爾さんから三十分逃げきれるまで、ですかね」

 「鬼だな、お前」

 失礼な、呪術師の生存率を上げるためには必要な事なのに。

 

 

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 「ーーー単独禁区(ソロソロキンク):シン・巌流……〈秘剣・燕舞〉」

 庵歌姫はついに術式を使いながら〈秘剣・燕舞〉を舞って魅せた〈秘剣・燕舞〉は晴蓮には及ばないまでも術式と併せるまで習得せしめた、歌姫が自信を持つのに充分な出来事であり、また歌姫の戦力の底上げにも成功した瞬間だった。

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 「やった……できた!私。やれた……私にも一人で戦える、様になった」

 

 大粒の涙を流し静かに泣いていた、やり遂げた事に、そしてこれからは自分だけで戦える事が嬉しいくて堪らなかった、泣くのを我慢できなくても仕方の無い事なのだ。

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 「おめでとうございます、庵さん。見事成し遂げましたね。僕の方から呪術総監に一級への昇級を推挙しておきます」

 「え……ほ、本当に!?」

 「はい、僕からの推挙なら総監部も無視はできないでしょうし、何かしらするんじゃないですかね」

 「私が……一級、なれる……かしら」

 

 「今の庵さんなら問題なく一級呪霊程度なら一人で祓えますよ、絶対に」

 特級の条件に当てはまらないからソレは無理だし、庵さんには悪いけどそこまでの強さは現時点では無い。それでも一級は確実に祓える実力は身に付いてる。

 

 「あ、それとコレをどうぞ」

 「コレは?派生技指南書?」

 今の庵さんならコレを渡しても問題なく習得できるハズだ、習得すればさらに戦力も生存率も上がる、一石二鳥だ。

 

 「コレはシン・巌流の派生技的なモノを記した指南書になります。勿論、庵さんに適した技を選別してあります、どうぞ稽古完遂のプレゼントです」

 「あ、ありがとう晴蓮くん?私、これからも鍛練頑張るね」

 「はい、応援してます」

 

 




 庵さん、一級相当まで強化成功?多分ゴリラ力も上がってる、何せ天与の暴君から三十分逃げきったからね。

 晴蓮がシン・巌流を作った方法は一番近い隣にある複数の世界を視ながら開発したので、ものすごく時間かかってます、結論めっちゃ大変だった。
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