その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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ほのぼのパート……になって欲しい。


三十九話

 

 「あーもう可愛いなー、僕の妹達は何故こんなにも可愛いのか」

 ニヨニヨしながら真希・真依達を撫でる。

 

 「キメぇぞ(セイ)、あと可愛いのは(俺の息子)の方だ」

 「確かに恵くんも可愛いですがこの子達にはかないませんね、おいで~真希~真依~、お兄ちゃんですよ~」

 はー可愛い、マジ可愛い。こんな子たちの人生がルナティックモードかエクストリームだった気がするんだけど、本来(原作)の世界線どうなっての?バカなの?カスなの?どう考えてもこの子たち天使じゃん、マジ可愛い、お兄ちゃんデレデレだよもう。

 

 「兄バカ親バカここに極まれり、だな見るに耐えん」

 酒を煽りながら愚痴をこぼしたが、もっともこんな光景を小一時間も見せられたらやむ無しだ。

━━

 

 「よしよし、良い子だね~。それで、直毘人さん。何の用ですか?今僕はこの子達を愛でるのに忙しいのですが」

 「………コイツだよ、てか今さらだが双子の顔見えんのかよ」

 「やり様によっては」

 

 直毘人は「ほれ」と紙の束を投げて寄越し「やり様ってなんだよやり様って」と聞いた。

━━

 

 「ここと隣接する世界を視れば二人の顔も視えますから、可愛いですよねこの子たち。それで……コレは?」

 タメ息を吐き「コイツは依頼だよ、依頼。お前に対するな、隣接する世界ってナンだよ理解できん」と紙の束の正体を告げ晴蓮の物言いに愚痴を溢す。

━━

 

 「……お断りします、先ほど言いましたがこの子達を愛でるのに忙しいのです。そんなモノやってる時間なんて有りませんよ、悟君にでも渡したらどうですか?」

 「アイツは今別件で動いてんだとよ、んで、もう一人の特級は所在知れず、となりゃ当然お前さんのところに来るわな」

 双子も幸せそうで何よりだが……甘やかし過ぎやしねぇかコレ。

 

 「もう一人の特級……あぁ、九十九さんですか。最近ココに来ましたね、もっとも今どこにいるかは知りませんが」

 「うぉっと、ぶねぇ溢すとこだったぜ。あの風来坊が来たのか?ココに?」

 

 コップに入ったあわや酒を溢しそうになったが溢す事無く器用に飲み始めた。

━━

 

 「ええ、何でも新しい特級に会いに来たとか、ホントは認定されてすぐ来る気だったみたいですが、何かあったんですかね?まぁ、僕には関係無い事なのでどうでもいいですが」

 

 そう会話を切ると双子達と遊び始めた。

━━

 

 「なぁ、晴蓮。この依頼は特級案件だ、となれば当然お前さんが行くしかねぇんだよ、だから行けよ」

 この兄バカが、コイツこんなんだったか?

 

 「変更前は?」

 「……一級だ」

 まぁでしょうね……じゃなきゃ直毘人さん(禪院家)が持ってこない。

 ……直毘人さんが持ってきたって事は、少なくとも一度以上は一級術師の誰かしらが行った……その結果、特級呪霊を発見。んで、とんぼ返りしたと、その術師が生きて帰ってきたのか知らないけど。

 

 「でしたら直毘人さんと直哉君、そこに甚爾さん。

 この三人で行けば大抵の特級呪霊なら祓えるんじゃないですかね、何なら最近一級になった庵さんも連れて行くとか、色々やり様はあるじゃないですか」

 「晴蓮、俺は行かねぇぞ。恵もそうだが妻の事もある、傍を離れる気はねぇよ」

 あー(ゆかり)さん、体弱いもんなー。加茂の医療スタッフと僕が対応してるとはいえ、それでも不安は残るし、禪院の人間とは行きたく無いか。

 

 「との事なので二人、或いは庵さん……あぁ日下部さんでもいいですね、どちらかを入れた三人で行ってくださいよ、あのお二人強いですよ。それに、です。

 直毘人さん、僕達に頼ってばかりだといつまでたってもレベルアップできませんよ?いいんですか?置いていかれても? 直毘人さん、未完成とはいえ領域が使えるじゃないですか、領域がダメなら極ノ番でも使えば祓えると思いますよ。

 レベルアップするには自分より強い敵を倒さなきゃダメなんですよ?なので頑張ってください」

 あー可愛い、寝顔マジ可愛い。ぐっすりお眠り。

 

 

 「んなこたぁ分かってんだよ、こっちとしても安全マージンが欲しいんだよ、だから来い」

 「…………んー、そうですねぇ。僕に付いて来いと言うなら、何かください。お金以外で」

 

 双子の頭を撫でながら「お金は沢山有りますから必要無いですし、それなら別のモノが欲しいですね」と直毘人に言う。

━━

 

 「何か……ねぇ。何が欲しい、それ次第だな」

 「では禪院の武器庫から何か一つ呪具をください」

 「お前に呪具なんざいらねぇだろ」

 「僕はいりませんね、将来この子達のために欲しいんです、呪具はどれだけ有っても困りませんから」

 ……成る程な確かに呪具はいるだろうな、片方は呪霊さえ見えねぇ、もう片方は少ない呪力、それを補うのに呪具を使うのは分かる、分かるが……

 

 「呪具なら加茂の武器庫にも腐るほどあんだろ」

 「有りますね、御三家の一つですしそれなりには」

 

 「なのにくれってか」

 がめついヤツめ。

 

 「呪具云々は理由付けですよ、直毘人さん。直毘人さんは僕に来て欲しい、でも僕は行く気はない、なら、なにがしかの理由を付けましょうって話です、要は等価交換ですね」

 

 眠る双子の頭を撫でながら「そもそも、ソレって直毘人さん(禪院)に来た依頼なんじゃないんですか?」と聴きいた後に双子の耳たぶをふにふにと弄る、そして「可愛い」と呟く兄バカ。

━━

 

 「…………なら、だ。一つどころか甚爾が持っていった呪具を全部。それをくれてやる、それでとうだ」

 口元に手をやり考え、射抜くように晴蓮を見る。

 

 晴蓮はニヤリと笑い「では、それで」と短く言い、晴蓮・直毘人共に声を殺して笑いあった。

━━

 

 加茂家当主と禪院家当主の政治的やり取りを見た甚爾は息子・恵にたいして「はぁ、これが政治ってヤツか……恵、お前はこんなヤツらみたいになるなよ」と言い、恵の頭を撫でると恵は嬉しそうに笑っていた。

 

 

 そんなん会話のをしていると直毘人は思い出したかのように「そういやぁ……どっかの誰かからこんなの貰ってなぁ」と某有名遊園地のチケットを見せてきた。

 

 「へい、プリーズ。この子達と行くのでください。あ、勿論それも一部ですよ」

 呆れながらも依頼が終わったら楽しんでこい、と晴蓮に渡した。

 

 




晴蓮くん、二人の顔を視るために隣接する世界をわざわざ視ながら可愛がるといかいう離れ業をこのためだけにしてのける、立派な兄バカと化した。

甚爾くん、奥さんも恵くんも居てとても幸せ、原作に比べ人柄も人間性も180度違う。
ちなみに甚爾は仕事絡みで孔時雨とそれなりに面識があります、何なら晴蓮も甚爾経由で知っています。


晴蓮の持つ前世(原作)の記憶はかなり擦り切れています、但し、重要か重要ではないか(主に自分に関係するかどうか)の違いで擦り切れ具合が異なっています。
ちなみに晴蓮曰く、原作の世界は自分がいる世界からもっとも遠い場所にあるため視れなくも無いが、視るとスッゲェ疲れる(しばらく寝込む)からイヤとの事、そもそもとして原作にはもう興味が無いのでまず視ない、自分のいる世界が一番だからね。


ところで、いったい誰が遊園地のチケットを手に入れたんですかね。


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