その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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晴蓮くん可愛い妹達とのハイキングでウキウキ、カッコいいとこ見せようとはりきってる。


四十一話

 

 「流石ですね、皆さん。まぁ、コレくらいの呪霊は祓えないと困りますが」

 「そりゃ、な。一級呪霊にやられるようじゃ一級術師になってねぇよ」

 まぁそうでしょうね、術師の等級は同等級の呪霊を問題なく祓えるからなれるワケだし。

 

 「日下部さんも流石ですね、それでこそ僕の師匠の一人です」

 実際、術式が無いのに一級認定されているんだ、弱いワケが無い。

 

 「それで、冥冥さん。どうですか?使い物になりそうですか?ソレ」

 「ふふ、中々使えるねコレ、後は精度を上げる事が目下の課題かしらね。

 ただ、コレを使うと一匹減るのは痛手ね、その辺りは……単純に操るカラスを増やせば良いだけね、ただ、増やせるかどうかは私次第……まぁ、ソコは何とかするとして、次は利点ね、コレを使った後でもカラスは死骸として残る、死骸が残るなら回収もできる、回収した後は……おいおい考ようかしら、フフフ」

 楽しそうで何よりです、しかし一級呪霊程度なら爆散するってかなりの威力だな、これなら特級も過不足なくやれるかもね、どの程度かはやらないと分からないだろうけど。

 

 「ま、とりあえず……先を進みましょうか、あ目当ての廃ビルはこの先にありますね、結構濃い匂い(呪力)と残穢を漂わせてる。間違いなく特級呪霊てしょう」

 「僕の出番ですかねー」と気楽に妹達の頭を撫でながらあっけらかんと言う。

 

 「さ~て、お兄ちゃんのカッコいいとこみせちゃうぞ~」

 肉雫唼の上でキャッキャと喜んでいる妹達にカッコいい姿を見せるため張り切るバカが一人そこには立っていた。

━━

 

━━━━━━━━━━━━

 

 「あー……あれですねー、スッゴい臭い。まあでも、この前の呪霊(夜叉神)に比べればザコですが」

 「土地神、それも夜叉と比べるなよ、雲泥の差だろソコまでいくと」

 呆れながら晴蓮にツッコミを入れる直毘人、そんなのとやり合ったのかと驚愕する日下部、流石は特級呪術師ねと言う冥冥、三者三様の反応をする。

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 「さて、と。パパッ片付けて二人と遊園地に行きますか」

 「お前……気楽だな」

 「こっちに寄越すんじゃねぇぞ、晴蓮。俺じゃ対処できねぇからな!!」

 「私は他にいないか探っておくよ、ふふ、そのついでに……ふふふ」

 冥冥さん楽しそう、日下部さんはいつも通りで安心した。

 

 「まぁ、直毘人さん。僕を誰だと思っているんですか?僕は特級の一人『最強』が認めた『最優』の呪術師です。そんなヘマしませんとも、ですのでご安心を」

 

 「がね"え"、がね"え"がね"え"よ"ごぜえ"え"え"あ"あ"あ"!!

 

 「あー、アレは人間が持つ金への執着や妬みの呪霊ですかねぇ。ま、ザコは所詮はザコ。敵ではありませんね。

 ふむ……そうだ丁度いい、アレを使ってみるか……三宝荒神が宝物……どんな代物かなっと」

 

 晴蓮は宝玉を呑み込み、宝玉は晴蓮の肉体と融合している。

 そのため晴蓮は自身の身体から自由自在に宝玉内の呪具を顕現させる事ができる、例えば今の様に金剛杵が一つ・五鈷杵を右手に顕現させた。

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 さて……と。ふぅ、どんなモノかなっと。

 「此なるは帝釈天の金剛杵、授かりしは北方神・金剛夜叉明王

 その手に在るは五鈷金剛杵、それ即ちあらゆる障害を貫く雷光なり」

 

釈提垣因・五鈷金剛杵(しゃくだいかんいん・ごここんごうしょ)

 

 雷光一閃……呪具が纏う莫大な呪力は雷撃となり一筋の光が刹那に瞬くと、通ったであろう場所は焼け焦げ、抉れた道が目で見えぬ程遠くまで続いていた。

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 「ほほう、コレは中々……凄いですね。流石は三宝荒神・金剛夜叉明王の元神器……凄まじい威力だ、気に入りました。いささか過剰火力な気がしますがソコはソレ気にしない気にしな……」

 

 「やり過ぎだこのバカが!!誰が焼け野原にしろと言った」

 「……凄いわね、砂がガラス化してる」

 

 「仕方ないじゃないですかこの呪具、僕も使うのは初めてなのでどれくらいのモノか知らなかったんです」

 ……バケモンだと思ってはいたがココまでかよ、知り合いでマジで良かった、稽古の依頼受けた過去の俺を誉めてやりたい。

 

 「ねぇ、晴蓮くん。その呪具はどこから出したんだい?どこにも持っていなかったように見えたのだけど」

 「あぁ、それですか。それはですね」

 「ちょっと待ってくださいね」と言い、いきなり口から拳大の宝玉を吐き出した。

 

 「うお!な、なんだそりゃあ」

 「とうとう人間辞めやがったな、お前は」

 「へぇ、コレは興味深い」

 三人ともヒドい言いぐさだな、コレが一番良い方法なんですよ、甚爾さんもしてるし……モノは違うけど。

 

 「以前の呪霊……三宝荒神・金剛夜叉明王から貰っ(授かっ)た呪具の宝玉です。

 この呪具、結構便利で良いですよ。この宝玉に内包されている術式は奉納殿、要するに神器(呪具)の収蔵庫ですね。ですので……このように、と。先ほどの金剛杵です」

 

 そう言うと、先ほど使った呪具『金剛杵』を宝玉から出して見せた。

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 「流石は金剛夜叉明王。この宝玉を含め元は神器の類いですね、じゃなきゃあの威力(性能)は説明がつかない」

 「晴蓮、金剛夜叉明王が持ってたつー事はだ、そいつは仏尊の持物(じもつ)。要は神器の類いだ、何故お前が使える」

 

 それは俺も疑問だった、でもおそらくは……

 「貰っ(授かっ)た、と言うのもあると思いますが、今のコレらは呪具です。

 そして呪具になってしまった理由はおそらくですが、地主神・金剛夜叉明王が堕ちて呪霊となったその時に併せて仏尊の持物(じもつ)である神器も穢れ同様に堕ち呪具と成った……と言ったところですかね、とはいえ呪具に堕ちた時点で性能は大幅に落ちているでしょうねコレらは」

 

 「おおよそ六~七割減といったところでしょうかねー」と事も無げに言い放つ。

 

 「な、なあ晴蓮。そんな事起こりえるのか?」

 「んー、無くはない……ですかね。ほら、特級呪具で有名な天逆鉾、アレも元は由緒正しい神器ですね」

 「あぁ、甚爾のバカが盗っていったヤツか」

 根に持ってますね、直毘人さん。

 

 「アハハハ、特級呪具『天逆鉾』に関しては正確に言えば、高千穂峰山頂に在る本物が長い間に渡り呪霊を抑え続けた結果『天の逆鉾』の一部が破損した、一説には坂本龍馬が引き抜いた。何てのもありますしその時に破損してもおかしくはありませんね。

 そして、その破損した一部を材料に当時の呪具師が制作したのが特級呪具『天逆鉾』

 なので厳密には今回のコレとは違いますが……呪具となった要因はどちらも『穢れ(負の感情)』です、イヤー穢れってコワイですねー」

 穢れは神仏さえ堕としてしまう、神器であっても堕ちてしまう、それ程までに穢れとはおそろしいモノだ、それは人も例外ではイヤ……人など容易く堕ちるでしょうね。

 

 





晴蓮もナチュラル畜生です、呪術世界に生きる特級術師ですからね、悟よりマシかな?程度の畜生っぷりです。

便利アイテム金剛夜叉明王の宝玉。なんと宝物を入れる蔵そのモノにして蔵へとアクセスする鍵でも在った、何て便利なのでしょう。
ちなみに奉納殿には金剛夜叉明王が持つとされる武器が収蔵されてます。


神器のネタは感想に書いてくださった方のものを引用させていただきました、ありがとうございます。

天逆鉾の設定を捏造、原作ではその辺り触れられてないし……ヨシ!ってことで

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