その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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東京観光の理由の一つ。


四十五話

 

 

 「ハルー、今日はナニしにいくンだよ」

 「ちょっと遅くなったけど、入学祝いの品物をね」

 

 悟は少し考えた上で「誰の?」と聞き「庵さんのだよ」と苦笑しながら悟に言った。

 

 「かなり遅くね?」

 「どうしても時間がかかってね」

━━

 

 「やぁ、初めましてかな?万丈組志手(ばんじょうくみしで)さん」

 「誰?コイツ」

 悟に聞こえる程度の小さな声で「呪具師だよ」と返し「この界隈では有名だよ?」と付け加えた。

 

 

 ソコに居るのは片目の潰れた偉丈夫が一人座ってナニがしかの作業をしていた。

━━

 

 「……おめぇさんか、依頼してきた加茂の当主は。随分と若いな、若すぎやしねぇか」

 ソレは俺も同意見です。

 

 「その辺りは父と加茂のお歴々に言ってください。それで……依頼の品はできましたか?」

 「待ってろ、取ってくる」

 んー………なんと言うか、職人気質ってヤツかな?今時珍し……くもないか。

 

 「ほらよ、依頼のヤツだ。また珍しい代物を依頼してきたもんだ、ま、おかげで楽しく造れたがな」

 それはなによりで。

 

 「万丈さんが楽しめたのなら良い呪具ができてますね」

 

 目の前にあるのは一対の刀と鉄でできた扇子、一目で一線級の呪具であることが分かる。

━━

 

 「ふむ……良いですね。刀の方は……成る程コレは面白い。鉄扇はっと、ふむふむ‥‥‥こちらも中々面白い術式を内包してますね、満足です」

 「そいつは何よりで……それよりその呪具、お前さんが使うワケじゃねぇだろ、何せ加茂の現当主は盲目と聞く、だとしたらそんな代物を依頼しねぇ」

 

 「ええまあ、そうですね。僕にはコレ(凝血棍)が有りますからね、これは僕の知り合いにあげるんです、その人の術式に併せたモノを依頼しました」

 知り合い……ね、また随分評価してんだな、その知り合いを。

 

 「ほぉ、そいつはまた……難儀な術式を持ってんな」

 「んー、そうでも無いかと思いますよ。僕は面白い術式だと思ってますから」

 拡張性はアレだけど、肉弾戦(ゴリラ)するには充分じゃないかな、とは思う。

 

 「ふーん、変な呪具だなコレ。こんなン使えんのアイツに」

 「ソコは使えるように練習してもらうさ、呪具も十全に使えるのも呪術師の才能の一つだよ、それに庵さんなら問題なく扱えるんじゃないかな、それにしても……ここまでの呪具を造れるなら僕も頼もうかな?それか加茂にお抱えにするとか」

 

 「冗談じゃねぇ、俺はフリーだ。誰かに雇われるのは性にあわねぇ」

 ま、でしょうね。この人の在り方はどこまでいこうが炉で燃え盛る炎、誰にも捕らわれない。

 

 「それは残念、これ程の呪具を造れるなら是非とも加茂に来て欲しかったですけど、無理強いはしません、素直に諦めます」

 「そいつぁ嬉しいね、俺は俺が楽しく気持ちよく独りで打つのが好きでね。誰かに言われるがままに造るなんざ有り得ねぇ。と、おいおい嬢ちゃんらその先はダメだ、危ねぇからな」

 !?いつの間に。

 

 「真希、真依こっちおいで、ここではおとなしくする約束でしょ?」

 ……まぁ、二歳児がおとなしくしてるのは無理があるか、好奇心が高い時だし。ん?アレは……

 

 「真依、それが気になるのかい?」と言いながら真希を肩車に真依を抱き上げ、真依が手に取っていたとあるモノを見る、すると「あい」と真依が返事をし何度もソレを叩く。

 

 「へぇ……嬢ちゃん、中々いい審美眼じゃねぇか、ソイツは『妖しき鉄』と呼ばれるヤツだ、数が少ないんでね、めったにつかわねぇがな」

 今回の呪具にも少し使ったがな、と付け加えた。

 

 「ナニそれ、聞いた事無いんだけど」

 「呪霊(負の呪力)が発生した廃鉱やその近辺で採掘される鉄の総称だよ悟君。

 『妖しき鉄』の性質は呪力を貯めるを有している、だから呪具とかに使われるね」

 希少性が高くてあまり出回らないハズだけど、流石は万丈一族、当然の様に持ってるね、しかし……真依がここまで気にしてるのは珍しい……これでナニか造ってもらうか……。

 

 「万丈さん、一つ頼まれてくれませんか?」

 「その嬢ちゃんの呪具を造れってか」

 ご明察、よくお分かりで。

 

 「頼めますか?」

 「モノによるな、どうせ材料はソレ使って言うんだろ?」

 「そうですね……拳銃、万丈さんは銃火器類も造れますか?」

 材料の性質に真依の術式、これを併せられば……化けるかもしれない。

 

 「あー、できなくもねぇが」

 「それでは『トンプソン・コンテンダー』をお願いします、金に糸目はつけません。じゃんじゃんその『鉄』を使って造ってください。あ、あと『思想蝶の心臓』と『紺青の月鉱』に『気迫の菅玉』も追加でお願いしますね」

 「お前さん本気か?天文学的な金額になるぞ」

 

 「そんなモノ構いませんよ、妹達のためなら。あ、どうせなので太刀もお願いしますね、太刀の方は『天玉鋼(あまたまはがね)』でお願いします、あとは『ネン獏の顎骨』と『真紅の太陽石』に『時の梵鐘』あとは……焼入れに『フンボルト油』を使ってください。んー、これくらいですかね」

 刀剣類の呪具は蔵に有るけど、あって困るものでも無いし。

 

 「お前さんよ……どれもこれも特級の材料だ、金がいくらあっても足りねぇぞんなの使ったら」

 「それでしたら、ソレ等を集める時に言ってください必要経費で適宜出しますので、お金は沢山有りますからね」

 これでも特級呪術師、金はいくらでもあるし足りなければ依頼をこなせばいい。

 

 ……呪力が一般人並みしか無いなら、他で増やせばいい、呪力が少なく燃費が悪いなら他で補えばいい。この子達が呪術師として戦える様に成れるのならこの程度、痛くも痒くも無い。

 

 




歌姫へのかなり遅い入学祝いの呪具を受け取るためにも東京に来た。

オリジナル呪具師、爆誕。
多分これからもちょくちょく出てくるかもしれない。

ここで出てきた材料は.hackで登場するアイテムになります、どんな効果なのかは調べてみてください、反則級のアイテム達です。
原作時には真希、真依コンビの実質強化。

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