「何だコレは、コレが呪霊だと?」
何だアレは祓う前は呪霊の周囲に漂う黒い泡、祓った後は弾ける様に消える黒い泡の様なモノは、呪力とは別のナニか……だが限りなく呪力に似てもいるナニか、気味が悪い。
「ふぅ、残った一級呪霊はあと一体か、祓う前に少し調べるか」
日が陰り一層暗さが増した森、顔に当たる風はどこか湿っており纏わり付く、そして風に紛れて不気味な呪力が晴蓮の体を舐め回すかの様に流れていく。
━━
「クソッタレが、最悪の未来が視えやがった、是非とも外れて欲しいが残念ながら僕の未来視は九分九厘当たる、間違いなく呪胎戴天しやがった、有り得んだろう普通、この短時間でナニがあった、ナニがアレば呪胎戴天をする」
ソコにいたのは人間とさして変わらない呪霊、ただ違うところが一点あった、それは腕の数の多さ……しかし、ソレを『腕』とよぶにはあまりにも禍々しく異様な気配を漂わせていた。
━━
「何だアレはホントに呪霊なのか?
どうする調べるか? 相手は呪胎戴天した特級呪霊……成り立てではある調べられる可能性もある、だが油断できる相手でも無い……やれるだけ、やってみるか。
〔
術式を唱えると六つの血色をした帯状の呪力が呪霊の動きを封じる、この術式は晴蓮が持つ拘束術式の中でも上位にある術式。
並大抵の呪霊……たとえ一部ではあるが特級呪霊であっても身動きをとることは先ず不可能、そう並大抵の呪霊であれば……の話だが。
━━
「クソが、巫山戯るなよクソ呪霊が……コレを力ずくで壊すか」
無しだ無し、調べるとか言ってられるかこんなもん、コレは今ココで祓う今すぐに。
〔
「………塵一つ残らんか、まぁ残ったら困るが……ん? 何だ
見たこともない黒い泡ようで卵にも見えるソレを凝血棍の先で触れる、すると体に電気が走るが如く痺れ、凝血棍を落とす。
━━
「無痛症の俺が……痺れを感じた? 有り得ない、何だ今のは俺の体にナニかが」
クソッタレが何だココは! 知らんヤツばかりだ、今ナニが起きた、体に異変は……呪力は問題なく安定している、が、念のため調べておくか。
ん? 待て、何だ? コレは? 体内にナニか在る……分離させて調べるか、時間が掛かりそうだが気長にやるしかないな。
クソッタレこれでまだ仕事は終わっちゃいないときた、本命本元の特級呪霊が残ってやがる、どうせ変な呪霊ナンだろうけど、イヤになるねホントにさ。
こんな事をしでかした犯人を絶対にぶん殴る、覚悟しとけよ変態野郎。
━━━━━
「アレ……か、確かに呪霊の
ソコに在るは呪霊と呼ぶにはあまりにも異形、ファンタジーに出てきそうなモンスターが沼の中心にいた、ソレは正しく
━━
「クッソ、何だよ! ナニがおきた、ナニがいやがる! こういう時目が見えねぇとマジで不便だな」
呆けていた晴蓮は空気の振動で気付き、寸前のタイミングで触腕を避け、カウンターで呪霊めがけ術式を使う。
━━
「剡血:爆火惨血」
大気を焼く血の炎は触腕をとらえ数本を焼き払う、すると液体が蒸発する音と共に鼻がもげそうな悪臭が立ち込めた。
そして焼き払ったハズの触腕は減るどころかさらに本数を増やし晴蓮を襲う。
━━
「ウッ……オエ、くっせぇ。何だ、ソコにナニがいる、ドブ水? 液体の呪霊か? どちらにせよクセェ事にゃかわりわねぇ、燃やすのは無しだ……なら」
凍らせるまで!
「悪臭ごと凍らせ捕らえる、氷血:
無数の巨大な氷柱を呪霊の周囲に発生させ、閉じ込め、さらに続けて術式を行使する。
〔
「
血色の槍が
━━
「……
残心のさなか晴蓮を呪力の塊が襲う、が、既に視て知っていた晴蓮は揚々と躱し襲撃者に体を向ける。
━━
「や、初めまし……うぉ痛ぁ! 酷いじゃないかいきなり」
襲撃者を正眼に構え声をかけられたと同時に
晴蓮くん色々やられてブチギレ状態。