その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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ついに相対する二人。


四十八話

 

 「……アンタの匂い(呪力)……嗅いだ事がある。

 あの時だ、夜叉神を祓った(ヤりあった)時に嗅いだ匂い(呪力)だ。

 だが、あの時と少し匂い(呪力)が違う……アンタ何者だ、アンタは誰だ言え、言わなきゃ撃つ」

 

 襲撃者から目線を切らず合わせた両手を前に突きだし、構えをとかない。

━━

 

 「私かい?私は君と友達になりたい術師だよ」

 「へぇ……友達になりたい術師ねぇ、そんなヤツがこんな所でナニをしている、術師なら何故呪霊を祓わない」

 「アレらの呪霊かい?アレらは君のために特別に拵えたモノ達でね、気に入ってもらえると嬉しいね」

 拵えた……ね、呪霊操術の使い手……では無さそうだが、それにヤツは拵えたと言った、どう言う意味だ……呪霊なナニをした?術式が分からない。

 それに今アレがいる場所は呪力反響からして沼の中心、ここの沼はそれなりの深さがあったハズだ、それに、俺の呪力反響が間違って無い限りヤツは浮かんでいる。

 

 「それがアンタの術式か?その割には今のアンタ……沼の中心にいるみたいだが、どんな術式か是非とも教えて欲しいね」

 私の位置を正確に把握している、スゴいねコレが全盲の天与呪縛か、どうやって私の位置を割り出したのか気になるね。

 

 「そうだね……ソレは、私と友達になってくれたら教えるよ」

 「そうか、なら死ね」

 

 言い終わる前に既に手の内に圧縮していた血漿を撃つ、その速度およそ亜音速!当たるは必至。

 だが……そうはなら無かった、呪詛師の周囲がいきなり沈んだが故に亜音速の穿血は沼に墜ちる。

━━

 

 「!?今……ナニをした、あの速度なら普通は防げない、だがアンタには当たって無い、ナニをしたのか気にはなるが……まあいい、躱せない技を使えば……ああイヤ、その前にアンタに確認したい事がある」

 「私にかい、いいとも答えられる範囲のコトであれば答えようとも」

 

 「今回の依頼……この森の呪霊ども、そしてアンタは拵えたと言った、コレはアンタの仕業でいいんだな?アンタが犯人で間違いないんだな?」

 

 「何だその事か、ああそうだともこの騒ぎをおこしたのも、この森に大量の呪霊を放ったのも私がした事だ。だからそうだね、私が犯人であってるよ」

 「そうか、アンタが犯人か……なら一つすることあるんだ」

 「それはな……」

(血漿操術:術式順転・固有時制御〔三倍速〕)(Time alter ・ triple accel)

 

 「へぇ、それはなん「ぶん殴る事だよ!!」……ウッぐぅ

 

 今、ナニがおきた……彼が消え……た?!術式さえ行使できずに私は顔を殴られた!いったいナニがおきた!!

 

 「ココに来るまでに自分に縛りを設けててね、こんな事をしでかした犯人を一発殴るって言う縛りを、だから殴らせてもらったよ、今……サイッコーに気持ちの良い気分だ、そしてアンタを捕らえさせてもらった」

縛血:鎖血鎖縛栓(さけつさばくせん)

 

 血色の太い鎖が襲撃者に巻きつき体の自由を奪う。

━━

 

 「どうせさっきの術式は見てたんだろ?だから違う拘束術式を使わせてもらった、それもさっきのより上位のをね」

 「コレも気になるけど、今どうやって私を殴ったかを教えて欲しいかな」

 

 「ハッ、バカじゃねぇのクズ野郎、手札を教えるなんてするワケ無いでしょ、少し考えれば分かるじゃん」

 

 ま、だよね。しかしナニがおきたのかが全く分からない、姿が消えたのは間違いなく彼の術式……だが

、彼の戦闘スタイルは多岐にわたる血液変換による術式のハズ、今のもその内の一つか?『加茂の麒麟児』面白いね、いったい彼は……ナニをしたんだ。

 知りたい、とても知りたいけど……無理だよねぇ、それにしてもこの鎖……頑丈だね、でもねこの程度で私を捕らえられると思われてるのは心外だな。

 

 血色の鎖に捕らえられていた襲撃者がなんらかの術式を使うと彼の周囲が歪み始める、すると鈍い音をたてながら鎖がへし折れ、破壊され沼に沈む。

━━

 

 またソレか、匂い(呪力)が一際強くなった(起こった)、おそらく術式を使ったんだろう、あの呪詛師は俺みたいに拡張の種類が多いのか?だがモノが違いすぎる、厄介な相手だ。

 

 コレ以上は無意味かな、できればこちら側に引き入れたかったけどコレは無理だね、確実に私を殺しにきてるし私は彼を殺せない、ココは逃げさせてもらおうかな。

 

 「加茂晴蓮くん。とても残念だよ、私たちは仲良く出きると思ってたけど無理みたいだ、だからここいらで逃げさせてもらうよ」

 「逃がすとでも?ナニをしても防ぐのなら、防げない様に技を使えば良いだけだ」

 

解血:解々雷血剣』(けけつ:かいかいでんけっけん)

 

 握り締めていた手を開き圧縮されていた血漿の電解質を拡張術式により電離させ、プラズマ化した血剣と成り呪詛師の前から飛来し、真後ろ(・・・)から襲う。

 あり得ない現象に呪詛師は防ぐ事も、躱す事もできずに腹部に血の剣が完全に突き刺さる。

 

 「がっ!……コフッ」と()の口から血と共に息が漏れ、腹部から血を流す。

 

 「ナニが……ナニをした、今何故、私の前からきた術式が後ろから突き刺さるとは……ナニをしたか教えて欲しいな」

 口から血を垂らしながら晴蓮にナニをしたのかを世間話かの様に訪ねる、たとえ答えが返ってこない事を承知で、動揺を隠すために。

 

 「初めから……アンタは僕の手のひらの上なんだよ、あの時からね。

 アンタはもう僕から逃れられない、アンタは野放しにできない脅威だ、だからココで始末する、だから……死ね呪詛師」

 

汗孔噴漿(かんこうふんしょう)〕〔散漿収斂(さんしょうしゅうれん)〕〔脂蛋燃焼(したんねんしょう)

 

「髄まで燃えろ『剡血:血刀火惨葬(けっとうかさんそう)』」

 

 体中の汗の孔から血漿を噴き出し、周囲の空間を埋めつくし、一点に集め血漿内の蛋白質を起爆剤にし脂質を爆発的に燃焼させる。

 瞬間、呪詛師を中心に莫大な熱量を伴う巨大な刀身状の火焔が発生し、沼の水を蒸発させ干上がらせ、草木は四方数十mが焼き払われた……この惨状が術式の威力を如実に物語る。

 故に、この術式が直撃した呪詛師は全身隈無く黒く焼け焦げ、生きている事は絶望的なモノだった。

━━

 




 この呪詛師は生かしておけば呪術界にとって確実に脅威となり、甚大な被害をおよぼすと判断し、本気で殺しにいく晴蓮くん。
ついでにまだスッキリしてい無かったりする。

 固有時制御は要は血流操作だとかなので、血漿内の物質を色々と体内で操作できるんじゃね?と思ったのでこうなりました。
 晴蓮くんの術式順転の説明は多分その内やる。


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