その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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簡単には許さない晴蓮くん。


四十九話

 

 警戒は怠らない、残心は解かない。

 この()は危険だ、ナニをしてくるか予想もつかない、呪霊をアンナ事できるヤツがただの術師にワケが無い、それにアノ状態で生きている(・・・・・)のだから、念のために次の術式の準備をしておこう。

 

「起きろ、生きてる事は匂い(呪力)で分かる、僕に死んだフリは通用しない」

 とっさに呪力で防いだか? だとしたらとんだ食わせ者だな、化け物が。

 

「残念、でもないか……君の天与呪縛をある程度は知っているからね……やっぱり逃げさせてもらうよ、加茂晴蓮くん」

 

 呪詛師の()は反転術式を使い、焼け焦げた肉体を完全に治した。

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 反転術式か、コレ程の術師だ使えてもおかしくは無い、厄介だな匂い(呪力)からして呪力に余裕はあるだろうし、反転術式が使える術師とのヤりあいは千日手になりうる、それにさっきの燃やしたせいで俺の(潜血)も蒸発した、となると手は一つ……塵一つ残さず消し飛ばせばいいだけだ。

 

「呪詛師、どうせ呪霊にナニかをして僕にけしかける気だろ? そしたら逃げられるからね。

 だからせめて……名前くらいは教えて欲しいかな」

 言う可能性はほぼゼロに等しい、だが、それだけで良い、考えている僅かな時間があれば充分だ。

 

「んー……どうしようかな、別に教えても良いんだけど、止めておこうかな? 私の対策をされたら困るからね」

 

 もう……遅い。

 

呪縛転用術式(じゅばくてんようじゅつしき)

壊元:多次元結壊(かいげん:たじげんけっかい)

 

 その時、不可思議な事がおきた、突如として空間が歪み孔が開いた。

 そして開いた孔は周囲と結合しながら物質を局所的に崩壊させつつ呪詛師に迫る……存在もろとも崩壊させるために。

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「!? そんなのアリかい君! 無茶苦茶にも程があるでしょ、全く見せる気はなかったのにさぁ、特に君にはね! 『AIDA=Anna(アイダ=アナ)』アレを塞げ!」

 

 男が術式らしきモノを叫ぶと男の横にミジンコの様な姿をした半透明な呪霊の様で呪霊に見えないナニかが現れた、そしてソレは呪詛師の命を遂行するために孔へと触腕を伸ばす。

 孔に近づくにつれ少しずつ触腕は崩壊していくが孔に届かせ徐々に孔を塞ぎ始める。

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 チィ! 見せたく無かった、彼にコレを見せれば必ず対策法を作り出す、だが仕方ないココから逃げるにはコレしか無い。

 

「何だ……今、ナニをした……何だその匂い(呪力)は……僕は知らない、そんな匂い(呪力)は知らない!! ナニをした! 呪詛師!!」

「言うと思うかい? 呪術師、悪いが私はこれで逃げさせてもらうよ、じゃあね『最優』またどこかで逢おうじゃないか」

「!? 逃がすかクズ野郎、五鈷金剛杵!」

 

 

 宣言通り呪詛師はかなりの速さで空に飛び上がるが晴蓮も雷電を纏う五鈷金剛杵を投擲すると、呪詛師は体を引き裂かれながらも逃げきった、そして晴蓮が開けた孔も正体不明のナニかも消えていた。

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「ア"ア"ー…………ふぅー、あちらもおそらく虎の子を見せた、それだけでも収穫とするか、かなり不本意だけどね、あの呪詛師……次は必ず殺す」

 未来(世界線)が視えるアドバンテージがあるのに活かせない、想定外……小さな可能性の未来がおきるとどうしても一拍遅れる、まだまだ精進が足りんな。

 

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「困ったな、本当に困った。まさかコレを使う事になるなんて、彼はどこまでデタラメなのかな全くさ……この体は見られたし変えるしか無いね。ま、既に見繕ってあるしいいかな……ちょっと悔しいけど」

 

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 宮城県:仙台市の街中で悟への土産を物色しながら今回の依頼の事を考えていた、嗅いだ事の無い匂い(呪力)の呪霊たち、知っている呪力とは異なる呪力、晴蓮の中に沸き上がる一つの可能性……在り得ない現象だがそれが一番的確な答え、それは『改造呪霊』在り得ないが実際に感じた、切り札の一つを切ってまで殺そうとしたのに防がれ逃げられた、脅威的な呪詛師に対して「これからどうするかを考えるしか無いな」と、溢す事しかできなかった。

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「はー、取り敢えず特産品でも買って帰るか、それだけで彼ら(悟と直哉)の機嫌が治まれば良いんだけどねぇ、後は気になる匂い(呪力)がした場所にも行かなきゃね、全くやる事がいっぱいだ」

 

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 んー……この辺りのハズだけど、どこだ? もう少し探すしかないか。

 お? ココだな、ココからあの呪詛師の匂い(呪力)が僅かだが匂う、民家、それも一般的な戸建てだね、モグリの呪術師の家系か? それにしては匂い(呪力)が感じ取れない……フム、突然変異、或いは隔世遺伝の可能性、どちらにせよ調べるか……どうやって調べよう。

 ノックしてモシモシでもするか? 十四~五の子供がいきなり? ンな事しても警戒されて終わりだ、最悪お巡りさんご登場だろこんなん、どーすっかなー面倒くさいなー帰ろっかなー、でも気になるしなー……はぁ、ホント面倒くさい、忘れて帰るか、うん、そうしよう。サラバダーってね。

 

「俺の家に何のようだ小僧」

 あ、遅かった。

 

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「ありがとうございます。お茶、いただきます」

「つまりお前さんは迷子だと、しかも目が見えねぇときた、良くそんなんで一人で彷徨いてやがったのか、親はなにしてんだよ」

「ええまぁ、はい。何してるんでしょうかね」

 流石に無理があるのは俺も分かってます。

 

「ふーん、まぁいい。菓子も食ってけ、食ったら帰れ警察は呼ばんぞ、俺も暇じゃねぇんからな」

「……はい。そうします、ところでその子はお孫さんですか?」

 

 だいたい一歳くらいかな? 可愛い」

「声に出てんぞ、小僧。てかホントは見えてるんじゃねぇだろうな……ああ声が聞こえたか?」

「あ、あはは、はしゃぐ声が聞こえまして。歳の近い妹たちがいまして、子供って可愛いですよね、ぷにぷにしてて」

「ああそうだな、可愛い孫だ……本当にな」

 孫はいるのにお子さんが見当たらない、今日は休日……出かけてるのか? 

 

「……バカ息子はこの子を放ってどっかに消えたよ、死んだかどうかも分かりゃしねぇ。気になってたんだろお前さん、その顔を見れば分かる」

「すみません、言いにくいことを話させてしまって」

 消えた、か。匂い(呪力)からしてあの呪詛師に殺された? だが理由は何だ? この家にナニかがあるのか? 

 

「アレは……息子さんの写真ですか?」

 もしやと思ってやってみたが、蠅頭(式神)メガネ……意外と便利だな

 

「そうだ、気になるのか? 人様のプライベートに土足で入るとはいい趣味じゃねぇか、てかマジで見えてんだろ」

 嫌みの一つや二つは言いたいよね、そりゃ。

 

「気になら無い……とは言えませんね、それと僕は本当に全盲です、ですがそのモノを見るのにも色々とやり方がありまして、それでですね。

 もしかしたらどこかで息子さんを見たかもしれないと思い、もしかしたらお力になれるのではと考えていました、申し訳ありません、虎杖さん」

「フン。好きに見ればいい、まぁ目の見えねぇお前さんがどう見るのかはさっぱりわからねぇがな」

 今視線が……やっぱりこの人は……

 

「……では、失礼ながら見させていただきます」




謎の呪詛師には逃げられるし、呪詛師の事を調べてたら幼き原作主人公とおじいちゃんに遭遇、仙台にいたらそうなるよね、どうなる晴蓮。

 そして出てきた在ってはならない式神AIDA、謎の呪詛師かなりどころじゃないパワーアップしちゃいましたね、果たして誰から得たのか今の姿は誰なのか、気になりますね。
 ちなみに呪詛師が使った式神AIDAは.hackに登場する反則(バグ)モンスターです、本来は普通の方法では倒せませんが晴蓮くんは普通じゃないですからね、結論どっちも化け物。


 この男、天与呪縛の恩恵さえ術式に利用すると言う暴挙。
 当然ながら完全捏造です、こんな事できてたまるか。
 ちなみに呪縛転用術式か天与転用術式かで悩んでるけど、どちらかと言えば恩恵転用術式になるのか?実に悩ましい。


 今さら過ぎるあとがき修正、書くの間違えちゃった。
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