その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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おいたわしや、倭助おじいちゃん……こんなクソみたいな世界に巻き込まれる事になるなんて。


五十一話

 

 「繧「繧「繧「繧「繧「、はぁ……はぁ、は…あ、俺はいったい……俺にナニがおきた?」

 成……功した?どうなった!成れたのか!?

 

 「どう……ですか?体にナニか異変はありますか!?」

 「…………体の中にナニかがあるのが分かる、コレが呪力と言うヤツか?」

 成功した?俺は成功させた!コレを安定して使えれば万年人材不足のこの界隈に多くの人員(手勢)を増やせる可能性ができた!……人道的かどうかはアレだが。

 

 「虎杖さん、ご自身の術式は分かりますか?」

 「少し待て……『還魂装術(かんごんそうじゅつ)』……と言うのらしい」

 還魂装術……聞いた事の無い術式だが……

 

 「術式の内容を教えていただいてもかまいませんか?」

 「……俺の知らん知識の中には術式はおいそれと話すモノではないとあるが?」

 そんなところまで!共有されるのか!

 

 「はい。通常はしません、ですが虎杖さんのば場合は違います、何せ例外も例外ですから」

 「まあいい、それに……お前さんとは長い付き合いになりそうだからな」

 

 「俺の術式は無機物の魂を知覚し自身に還元させる、そうする事で俺自身の肉体性能を上げる、といった感じたな」

 「無機物の魂?」

 無機物……八百万信仰からくる術式か?八百万信仰は万物には(霊・魂)が宿ると云われており自然そのものを崇め奉る……もしそうなると古い呪術(神道・鬼道)に近い。

 

 「無機物の魂そのものを操る事はできますか?」

 「……できなくは無い、が、俺自身に還元するより出力が落ちるみたいだ」

 

 魂を操り己に還元させる、親がこんな術式を有しているなら、推定息子であるあの男の術式を感じた事が無いのも頷ける、となるとあの男の術式は魂に関する術式か?……無機物の魂を使い新たな呪霊にする?或いは既存の呪霊を改造する、どちらもありうるな。

 

 「小僧……いや、加茂晴蓮だったな、今の俺は知らない知識と経験がある、だが、俺にはその実感は無い。

 だが当然だ、この知識と経験は別の俺のモノだからな、そこでだ加茂晴蓮……俺を鍛えてくれ、俺はこの術式をモノにしたい」

 これは……色々と用意する必要があるな。

 

 「それはお任せください、虎杖さんを術師にしたのは僕です、であれば虎杖さんを戦えるように鍛えるのは僕の義務です」

 「恩に着る、加茂晴蓮」

 

 とは言え俺も聞いた事も無い術式、どこまでできるのか……やれるとこまでトコトンやるしか無いな。後はどうやって鍛える時間を作るのか……だな、高専に入るそうなればさらに時間が無くなる……う~んどうするか、ゴミどもを操るしか無さそうだな。

 

 「僕も可能な限り時間を作りますがそれでも多忙な身です、鍛え方の手順書とそれを助けるアイテム(呪具)を用意します」

 「それだけで充分だ、迷惑をかける」

 「お気になさらず、これは僕にとっても打算ありきの行動ですから」

 「ハッ、ならそうしておこうか」

 

 俺の都合で動かせるモグリの術師を持つのも大きい……あらゆる局面でアドバンテージもイニシアチブも握れるかもしれない……後は顔を隠せる、或いは誤魔化せる呪具か……よし!風向きがこちらに向いてきた、上のクソ連中に気付かれない様にするのと教育係……あの人しかいないかあの人なら積めば口を割らんだろうし、何より俺に貸しを作れるいい機会だしな。

 

 「後は人を寄越します、その人であれば信用しても問題は無い……ハズです」

 「なんだ、その不安げな顔は」

 「その人はお金に正直かな方でして雇用関係が続く限りは裏切らないですが、僕以上に積まれた場合はその……」

 「簡単に寝返ると?」

 「ええまあ、はい、そうなりますね」

 いくら積めば良いのかそれが問題だ。

 

 「それで晴蓮、どれだけココにいれる」

 

 ……そう、だな、

 「長く見積もって二週間、短ければ一週間もありません、ですのでその間付きっきりで呪力の認識、そしてある程度まで操れる様にします」

 今の打ちに冥冥さんにも連絡しておくか。

 

━━━━━━━━

 

 「この人が電話で言ってた人かしら?」

 「はい、なのでお願いしますね」

 「報酬分は働くさ。勿論、口外しないとも君を敵に回したく無いからね」

 彼に貸しを作れるんだ、報酬以上の儲けだ。

 

 「この姉ちゃんがお前さんが言ってた教育係か?」

 

 晴蓮は倭助に

 「宜しくお爺さん」

 「おう、俺は……」

 「いえ、名前を聞くのは止めておこうか、その方が晴蓮くんにとってお互いにとっても都合が良いだろうからね」

 ご配慮ありがとうございます、冥冥さん。

 

 「そうなのか?晴蓮」

 「ええまあ、その方が都合が良いと言えば良いですね」

 「そうか、ならそうしよう、宜しくな姉ちゃん」

 モグリの術師と聞いて言たけど……おかしいね、見た目は術師に成り立て、漂う気配はベテランのソレ、あべこべね

 

 「この人は術師の中でも上位に入る術師です」

 

 意外と安かったけど……ま、そう言う事だろうね、じゃなき冥冥さんがあんな金額で動くワケが無い……念のためにアレをしておくか?………止めておこう、ココは冥冥さんを信じようじゃないか。

 

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 「お爺さんセンス良いね、このまま育てば良い取引相手になりそうだ」

 「取引相手か、晴蓮から聞いているお前さん、守銭奴らしいな」

 「守銭奴とは心外ね、私はただお金が好きなだけさ、この世は金に換えられないモノに価値はないからね、なにせ……金に換えられないんだから」

 成る程……晴蓮言う意味が良く分かる、この女は金しか信用せん、だからこそ信用もできる。

 

 「晴蓮から金を貰ったんだろう?ならそれに見合う働きはしてくれ」

 「ああ、勿論さ。それに……今回は金以上のモノも手に入れたしね」

 「あまり晴蓮を悩ませてやるなよ」

 「ふふ、そんな事しないわ、安心なさいな」

 

 お、やってるやってる。っと、どこまで成長してるかな、楽しみだ。

 

 「お二人ともお疲れ様です、順調ですか?」

 「あら、いらっしゃい。特級術師がこんなに来ても良いのかしら?」

 「まあ、その辺りは色々と()りまして、今の所は問題ありませんね」

 上層部(腐ったミカン)の後ろで手ぐすね引いてるであろうあの男にも話がいかない様にしてるし、とは言え慢心すると身を滅ぼすからな常に警戒を解かずにいるしかない、それにもし本当にあの男だったら警戒レベルを最大限まで上げる必要がある。

 頭の痛い話だよ全く。

 

 

 「倭助さん、調子どうですか?」

 「晴蓮か、ああだいぶ術式とやらを掴めてきた、どんな事ができかもな」

 お、となると呪力の方は問題ないレベルまで成長した……と、良いね良い調子だ、彼にはせめて二級以上の実力を着けて欲しいしね。

 

 「あ、そうそう、今日来た理由はコレなんですよ」

 「なんだ?これは」

 「呪具ね、どんなモノか聞いても?」

 「倭助さんの術式は簡単に言えば青天井の呪力による肉体強化、ですのでそれを最大限活かせる呪具を造ってもらいました」

 

 冥冥は手袋の形をした呪具を見て「手袋?珍しい呪具だね、内包されている術式は?」と晴蓮に問いかける。

 

 「内包術式は単純明快『攻撃を当てた相手から割合で呪力を吸収し且つ動きを遅くする』です」 

 




倭助おじいちゃんの術式は早い話が完現術者(フルブリンガー)のアウラの弱体化版です、三席から副体長の間くらいの強さを想定、あくまで想定です。

 因みに並行世界の呪術師、虎杖倭助は今回の融合による弊害はそこまでありません、元から呪術師だからね、存在が融合すると言うより脳の構造を同じにさせるだけと考えてます。
 勿論後付けです、はい。

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