その血が歩む道すじ   作:亞忌羅

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 晴蓮くん色々やった結果仕事が増えた。


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 それとこのキャラ口調ちゃうぞゴラァって箇所があれば教えていただけると嬉しいです、めっちゃ助かります。



五十八話

 

 「仕事が、仕事が多いなー。まぁでも仕方ないよね、それを条件(・・)にしたし、腐ったミカンも賢いカラスが啄めばそれなりに喰えたモノだよね……そう思わないかい?呪霊」

 

 晴蓮の目の前にいたのは蠢くかろうじて人の形をした泥の塊、しかし顔がある部分には何も無く泥ののっぺらぼうと言ったところか。

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 「何も言わず、イヤ喋るだけの知能すら無いなコレ、一級中位くらいだからちょこっと期待したてたけど、やっぱ特級じゃないと喋れないよね」

 

 晴蓮が「じゃあ逝け」と言い術式すら使わず一級呪霊は抵抗もできず塵となって消えた。

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 「ザコは所詮ザコ……運動にすらならないか、さ~て、次はどこだっけかなー」

 

 書類の束を見て「多いな」とタメ息を吐きつつ「次、行きますか」と呟き肉雫唼を呼び出し帳の外にと飛んで行き、外にいた補助監督と一言二言、会話してそのままどこかへ飛んで行く。

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 「ココはっと……ああ準一級か、ならさっさと終わらせようか、君がここを担当してる補助監督かな?」

 「は、はい。補助監督の相良と言います。今日は宜しくお願いします!!」

 う~ん、ガッチガチだねぇ、現場は初めてなのかな。

 

 「ソコまで気負はなくてもダイジョブダイジョブ、気楽に気楽に、ね」

 「は、はい。分かりました!」

 んー……まあいっか、ちゃんとやってくれれば問題無いし。

 

 「じゃあ帳、宜しく」

 「分かりました!闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」

 おや?これは……へぇいい子見つけた。

 

 「うん。いい完成度だ、これなら何一つ問題ないよ、相良さん、だっけ?君、結界術の才能あるよ」

 「ほ、本当ですか!?加茂さんに言ってくださると自信がつきます、ありがとうございます!」

 

 晴蓮は新人の補助監督に「じゃあ行ってくるね、安全地帯まで下がっておいてね」と伝え帳の中へ入っていく。

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 「匂い(呪力)は書類通り準一級、ソコまで警戒する必要は無さそうだけど……イヤになるくらい数が多い、よし一掃するか『鉄血:裂鉄球血繰弾(れつてつきゅうけっそうだん)』」

 

 血漿を空に打ち上げ無数の血の弾丸を地上に雨の如く降らせ、散らばっている呪霊へと的確に当てていき僅か数分で全ての呪霊を祓う。

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 「……撃ち漏らし無し、匂い(呪力)は一つも残っていなさそうだけど、まだいる可能性を考慮して休憩がてら少し待つか」

 

 約十分、待ったが呪霊の匂い(呪力)は一切無く晴蓮は憂い無くその場を離れる。

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 「相良さん、終わりましたよ」

 「も、もうですか!?中に入って十分程しかたっていませんよ!?」

 「所詮準一級のザコだからねー、この程度の呪霊でてこずる様じゃ特級は名乗れないよ」

 凄い、これが『最優』の特級呪術師……なんて、なんて強さなんだ。カッコいいなぁ。

 

 「じゃあ僕はまだ行くところあるから後頼んでいいかな」

 「はい!お任せください!」

 「あはは、頼もしいね。じゃ、宜しく」

 

 そう言うと肉雫唼を出しまたどこかへ飛んで行く。

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 「ふー、忙しい忙しい。後幾つかなー、んー、今日中に終わらせた方が良さそうなのは次でラストだね、特級程では無さそうだけど一級上位ってとこかな?うん、楽しみだ。それじゃ気張って行こー」

 

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 「ここか」

 「お待ちしておりました。加茂特級呪術師殿」

 「君がここ担当の補助監督かな?」

 う~ん、ザ・堅物て感じ。

 

 「はい。花田場と申します」

 お、お、お、ふおおお。あああの『最優』のご尊顔が目の前に、何と言う幸福。サインを、サインをお願いしたいとこれではありますが、今は仕事、公私混同をしてはいけない。

 

 「……じゃあ、帳。お願いします」

 「はい。闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え、加茂特級呪術師。後武運を」

 「うん、行ってくるよ」

 ……多分あの人ミーハーだな。

 

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 「……匂い(呪力)が濃いな、久しぶりだねこの濃さ、期待できるかな」

 

 とある田舎にある廃校した中学校、時刻は夜、呪いが活性化する時間帯。校内には濃密な残穢、ココにいるはおそらく一級呪霊、それも特級に近いモノが一体、既にココは呪霊の腹のなか僅かな油断も許されない。

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 ……あの匂い(呪力)だ、あの呪詛師が持つ奇妙な匂い(呪力)、成る程、ココにはあの呪詛師が関わっているのか、厄介だな。

 呪霊の匂い(呪力)は一つ、等級はおそらく一級上位、速攻で終わらせる。

 

 

 一際濃い独特な呪力、場所は体育館だったであろう建物、間違いなく呪霊はココにいる。

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 「なんだ……この匂い(呪力)は……『ポンタ』目を貸してくれ」

 晴蓮の声に呼応して晴蓮の長い髪の毛に隠れた首筋から小さなタヌキが現れ呪霊をその目で見る。

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 「……うっわ何アレ、キッモ。蜘蛛の脚?何で生えてんの、マジキモいんだけど。でも匂い(呪力)は一つだ」

 

 ソコに佇むのは蛙の背中から墨を垂らしたかの様な黒々とした蜘蛛の脚が生えていた。

 まるで二体の呪霊を無理やり結合させたかの様な有り様の呪霊がいた。

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 「キメェ、こんなん目に毒だ。正体不明のヤツには最大火力をもって一撃で決める、出し惜しみは愚の骨頂」

 「〔汗孔噴漿(かんこうふんしょう)〕〔散漿収斂(さんしょうしゅうれん)〕〔脂蛋燃焼(したんねんしょう)〕『剡血:血火霊剡王(けっかれいえんおう)』」

 匂い(呪力)が無くなるまで残心は解かない、何が起きても対処できる様に意識は呪霊に向ける、その上で周囲への注意を怠らない、相手は推定改造呪霊、油断をするな。

 

 

 この時、晴蓮は確かに油断をしていなかった、だが、失念していたモノがあった。それは……今は目が見えているという現象。(・・・・・・・・・・・・・)本来、加茂晴蓮は目が見えない存在、しかし今は『式神・赤殿中』の目を借りモノを見る事を可能にしている、だが、その現象は在ってはなら無い現象だった。

 加茂晴蓮は生まれながらに架せられた縛り、全盲の天与呪縛を持つ……目が見えないが故にこの精度の未来視(世界視)を可能にしている、ならば目が見えていれば未来視(世界視)が鈍るは必至、それ故に一手遅れる(・・・・・)

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 「は?」

 胸部に突き刺さり貫通するのは刃が如き蜘蛛の脚、そして感じる筈の無い痺れ、無痛症が故に気付くのが遅れた胸部へのキズ。

 晴蓮は胸部と口から血が出ている事に気が付くと反転術式を行いながら即座に後ろへと飛び退く。

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 「これは……この痺れはあの時のと同じか、成る程……痛みは無いがこれは不快だな、それにまた体の裡側に何か仕込まれたな、もっとも僕には通用しないけど」

 

 直ぐ様術式順転を使いナニかを分離させる、呪力の塊の様で呪力とはどこか違うナニかの塊、だがこの塊は晴蓮には意味が無い。

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 「『術式順転:分離〖異種呪力(いしゅじゅりょく)〗』相変わらず気色の悪い匂い(呪力)だ、あの男が出す匂い(呪力)と同じモノ。

 ………あの男の匂い(呪力)は感じない、もう去った後か?あのストーカーがいつか会ったら素っ首を撥ね飛ばす。

 それで、どんなモノが残ったかな……うへぇキッモ、何だよゲル状の蜘蛛って『ポンタ』目はもう良いぞ、休んでてくれ」

 

 晴蓮が『式神:赤殿中・ポンタ』に声を掛けると『キュン』と鳴き晴蓮の呪力を少し取り込むと髪の毛の裏に入り姿を消す。

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 アレから匂い(呪力)のは間違いなく呪霊のソレしかしアレは呪霊とは別物、間違いなくあの『名状しがたい』呪力が混ざっている、何者だあのストーカー。

 

 「確実に消す(祓う)〈呪縛転用術式〉『壊元:多次元結壊(たじげんけっかい)』崩れ落ちろ」

 

 始めに穿血の構えをとり次に手を離すと手の中に

空間が歪みだしソレを両手で包み圧縮、そして穿血の構えにし放つ。

 すると呪霊と思しきゲル状の蜘蛛の中心に孔が開き、孔と結合しながら呪霊(蜘蛛)は崩れ壊れ跡形もなく消えた。

 




 どこにでも現れる謎の呪詛師の魔の手。

 晴蓮くん辟易。
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